「家の売却を考えているけれど、何から始めたら良いのか分からない…」「家の売却査定をしたいけど、どこに依頼すれば良いか悩んでいる…」という人も多いでしょう。
初めての家の売却では、分からないことや不安もたくさんあると思います。そこで今回は、売却査定前・査定中にしてはいけないことを分かりやすく解説します。
詳しい査定方法や注意点もまとめましたので、是非参考にしてみてください。
1.家の査定前にしてはいけないこと
まずは、家の査定前にしてはいけないことを確認しておきましょう。
- 1社のみに査定を依頼する
- 相場より高い価格設定をする
- リフォームを依頼する
1-1.1社のみに査定を依頼する
家の査定額は査定を行う不動産会社によって異なります。そのため、家の査定をするときには複数の不動産会社に依頼し、比較することが重要です。
それぞれの不動産会社によって得意なエリアや取扱物件は異なります。
そのため、実際にその不動産会社が対応しているエリアや取り扱う物件の種類によって査定金額が変わってくるのです。
例えば、A社にとって得意なエリアでの物件だった場合、査定金額は上がるでしょう。
しかし、B社にとっては取り扱いがあまり無いエリアでの物件だった場合、控えめな査定額を提示せざるを得なくなってしまうのです。
その査定額の差は数百万円に及ぶこともあります。そのため、査定は1社のみではなく、複数の不動産会社に依頼しておくことをおすすめします。
1-2.相場より高い価格設定をする
家を高く売りたいからといって相場より高い価格設定をするのは危険です。というのも、家の「査定額=確実に売れる値段」ではありません。
相場よりもはるかに高い値段で売れる可能性はかなり低いでしょう。そうなると、長期間にわたって買主がみつからず売主の負担だけが増える一方になってしまいます。
家の買い替えやローンの支払いなどで一刻も早く売却しなくてはならない人こそ注意が必要です。
また、査定価格は価格交渉が行われたときのために80~90万円ほど高めに設定されることが一般的です。そのため、実際の売却価格の目安は査定額から80~90万円ほど差し引いた額であることを頭に入れておくとよいでしょう。
1-3.リフォームを依頼する
外壁の汚れや劣化、床やクロスの汚れなど、査定する上で気になる箇所が出てくることもあるかと思います。
しかし、査定前にリフォームを行ったからといって早く、高く売れるとは限りません。当たり前ですが、修繕するにはそれなりの費用がかかります。
リフォームした分を上乗せして販売価格が上がってしまうと、いつまで経っても買主が見つからない…という事態にも陥りやすいので注意が必要です。
そのため、査定額を上げることを目的としたリフォームの依頼は避けるようにしましょう。
おうちクラベルの一括査定なら複数社の査定額を確認することができます。まずは、現在の査定額を確認してみてはいかがでしょうか。
2.家の査定前に必要な準備
家の査定を行うにあたっては、事前に準備しておくことがいくつかあります。
書類の準備や測量にはある程度時間がかかることもあるので、余裕をもって早めに準備を開始するようにしましょう。
- 1書類の準備をする
- リフォーム履歴をまとめる
- 戸建や土地なら境界確定が必要な場合も
2-1.書類の準備する
まずは、不動産の査定や売却するために必要な書類をすることから始めます。必須書類は以下のとおりです。手元にあるか確認しておきましょう。
- 身分証明書
- 登記済権利証もしくは登記識別情報
- 家の間取り図
- 測量図※戸建ての場合
- 土地の境界が確認できる書類
- 建築確認済証・検査済証
- マンションの管理規約
- マンションの長期修繕計画
- 査定時にあると役立つ書類
手元に見当たらない場合には、不動産会社・法務局・司法書士などに相談する必要があります。
それでは、それぞれの書類について解説していきます。
2-1-1.身分証明書
運転免許証・パスポート・健康保険証などの身分証明書が必要です。不動産に共有者がいる場合には、全員分の身分を確認できる書類が必要となります。
2-1-2.登記済権利証もしくは登記識別情報
登記済権利証もしくは登記識別情報とは、売主が不動産の所有者であることを証明するための重要な書類です。再発行はできないため手元にあるか確認しておきましょう。
もし見当たらない場合には、法務局や司法書士に相談しましょう。
2-1-3.家の間取り図
家の間取りや各部屋の広さの詳細が分かる図面も必要です。通常は、戸建てやマンションを取得した際に入手しているものです。もしも手元にない場合には、不動産会社や施工会社に確認してみましょう。
2-1-4.測量図※戸建ての場合
土地の測量結果を確認するための図面です。こちらは戸建ての場合のみ必要となります。測量図がない場合には不動産会社へ相談し、必要に応じて測量を行いましょう。
2-1-5.土地の境界が確認できる書類
隣接する土地との境界を明確にした書類も必要になります。土地の大きさや境界がハッキリしない場合には、現況の測量をあらためて行う必要があります。しかし、この書類がない物件はたくさんあります。手元に見当たらない場合は、まず不動産会社へ相談してください。
2-1-6.建築確認済証・検査済証
こちらは建築基準法に基づいて建築された安全な物件であることを証明するための書類です。一戸建てを購入した際に発行され、再発行はできない書類となります。
検査済証が手元にない場合には、検査済証の発行時期や発行番号が分かる台帳記載事項証明書を発行してもらいましょう。自治体の窓口に相談しましょう。
2-1-7.マンションの管理規約
マンションの場合には、マンションの管理規約が必要になります。管理規約とはマンションの住民が守らなくてはならないルールが記載された書類です。
ペットを飼育できるかどうか・駐車場や共用部分の使用ルール・修繕積立に関する取り決めなどが記されています。
買主がマンションを購入するか決めるための重要な資料となりますので、確実に準備しておきましょう。
紛失してしまった場合には、管理組合やマンション管理会社に確認して再発行または、コピーをもらうことができますが、費用がかかることもあります。
2-1-8.マンションの長期修繕計画
マンションの長期修繕計画とは、マンションを維持管理するための修繕計画のことです。具体的には、25~30年間にわたる修繕工事の時期・内容・費用が記載されます。
これにより、マンションの機能が適切に維持されるかどうかを確認することができます。また、修繕積立金の充実度や不足時期等も分かります。
2-1-9.査定時にあると役立つ書類
必須書類の他にも、査定時にあると役立つ書類もあります。必ずしもなくてはならないわけではありませんが、より正確な査定額を知るためにも用意しておくことがおすすめです。
設計図書・修繕履歴が分かる資料
家やマンションを建築するための細かい図面や過去の修繕履歴が記載された書類です。
物件を購入した際に発行されているものですが、無くしてしまった場合には不動産会社はハウスメーカー等に相談しましょう。
住宅性能評価書
住宅の品質の確保の促進等に関する法律に基づき住宅性能を数値で示した書類で、住宅性能の証明に役立ちます。
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
家の耐震性能やアスベストについての診断や検査の結果報告書です。耐震強度やアスベスト被害がないことが確認できない場合には、家の購入に踏み切れない人もいます。
そのため、専門機関に依頼して報告書を入手しておくのがおすすめです。
使用細則
マンションの細かいルールや専有部分となるお部屋の利用法やペット飼育等、マンションでの暮らし方全般が記載されている書類になります。
これらの情報は、マンションの購入を決める際の重要なポイントのひとつになります。
見当たらない場合には管理組合や管理会社に問い合わせて入手しておきましょう。
おうちクラベルの不動産一括査定サイトは60秒の簡単入力で申し込みが完了します。書類が手元に揃ったら、さっそく査定をしてみましょう。
2-2.リフォーム履歴をまとめる
購入して間もない築浅の物件の場合には必要ありませんが、ある程度年数が経過している場合には、これまでのリフォーム履歴が査定価格アップに繋がる可能性があります。
一般的に、過去にリフォームされた物件はそうでない物件に比べて査定額が上がります。
外壁の塗装や修繕・設備の取替え・白アリ予防・耐震性能の強化などは、査定を行う上で高評価となるのです。
そのため、過去にこれらの工事を行ったことがあるのであれば、手書きでも良いので何年に・どこを・どのようにリフォームしたのかまとめておくようにしましょう。
2-3.戸建や土地なら境界確定が必要な場合も
家や土地を売却する際には、隣接する敷地との境界を明確にする必要があります。
登記簿の面積と実際の面積に差異がある場合や隣の敷地との境界が不明瞭な場合にはトラブルの原因にもなりかねません。
そのため境界がハッキリしていない場合や登記簿上の面積と実際の面積に違いがあるような場合は、境界を決めながら、図面に境界や境界線を表す「測量」を行うことが必要です。
2-3-1.測量方法
測量方法は主に現況測量と確定測量の2つあります。現況測量は、所有者による境界の指示のみで行われる測量のことです。
フェンスや石垣など、境界線が明確になっている場合には、所有者のみの指示で土地家屋調査士が測定を行います。その後、「現況測量図面」が作成されることになります。
一方、確定測量では資格を所有した土地家屋調査士に加え、隣接する土地所有者の立会いが必要です。
隣接する土地の所有者同意の上で境界が指示されるので、より正確な境界確定を行うことができます。この測量をもとに「確定測量図面」と「境界確認書」が出来上がります。
この測量は売主の自己負担で行うことになり、相場は土地の大きさや形状にもよりますが、35〜80万円ほどです。また、現況測量だけでは登記を行うことはできません。
確定測量を行うことで、ひとつの土地を分ける「分筆」や登記簿の面積を実測面積に変更する「土地地積更正登記」などを行うことができるようになります。
現況測量図面よりも正確である確定測量図面を用意しておくことでトラブルの回避とスムーズな交渉にも繋がるでしょう。ただし、取引によっては行われない場合もあります。
まずは無料の一括査定でおおよその査定額を確認してみましょう。
3.家の売却中にやってはいけないこと
続いて、この項目では家の売却中にやってはいけないことや注意点を解説します。後に、大きなトラブルの原因となる事項もありますので確実にチェックしましょう。
- 瑕疵情報を隠して売り出す
- 売却期間を設定せずに売り出す
- 不動産会社に丸投げしてしまう
- 内覧時に押し売りするような行為
- 値引き・条件交渉に応じる
3-1.瑕疵情報を隠して売り出す
家や土地の価値が下がるような欠陥や不具合のことを「瑕疵(かし)」といいます。この瑕疵の種類は主に以下の4種類です。
- 物理的瑕疵
- 環境的瑕疵
- 心理的瑕疵
- 法律的瑕疵
3-1-1.物理的瑕疵
物理的瑕疵とは、家の物理的な欠陥や不具合のことです。例えば、シロアリ被害・配管の水漏れ・壁のひび割れなどです。
土地については、土壌が汚染されていることや地中に埋設物があることなども物理的瑕疵となります。
3-1-2.環境的瑕疵
その名のとおり、家や土地の周辺環境に何らかの問題があることを環境的瑕疵といいます。例えば、車が通る際の騒音・振動・近隣からの異臭・日当たりが悪いなどです。
住人にしかわからない重要な情報ですので確実に報告しましょう。
3-1-3.心理的瑕疵
過去にその物件で火災・自殺・事件などが起きたことがある場合には、心理的瑕疵に当たります。いわゆる事故物件です。
また、近隣住人とのトラブルなども該当します。家の設備などに問題はなくても、過去の出来事が気になって住み心地が悪くなることがあります。
3-1-4.法律的瑕疵
法律的瑕疵とは、建築基準法に違反している住宅や消防法の義務を満たしていない集合住宅のことです。
多くの場合、建物が建てられない土地なのに建物が建てられている違法建築物などが法律的瑕疵に該当するケースがほとんどです。
売り出す予定の物件が法律に違反していそうな場合には、自治体の窓口で確認すると良いでしょう。
査定額が減額することを恐れて瑕疵情報を隠して売却しても、後に瑕疵が判明した場合には売主の責任が問われることがあります。
売却後のトラブルを防ぐためにも瑕疵情報は事前に告知するようにしましょう。
おうちクラベルは提携する不動産会社が独自ネットワークをフル活用し、売主のプライバシーを守ります。安心してご利用ください。
3-2.売却期間を設定せずに売り出す
家の買い替えや住宅ローンの返済に行き詰まり、家を売却する際には売却期間を明確に設定することが大切です。
特に売却期間を決めていない場合、いつまで経っても売れない…ということもあります。
そうなった場合、売り出しから時間が経つにつれ売主の負担が増え、販売価格が下がっていくことになります。
当たり前のことですが、売却までの時間が長ければ長いほど、購入検討者は少なくなり、売主にとって不利な状況に陥っていくのです。
査定額は、あくまでも目安であり、正確な売却価格になるとは限りません。どんなに時間がかかっても査定額が保証されているというわけではありませんので注意しましょう。
支払時期や自己負担との兼ね合いで、売却期間を明確に定めてから不動産会社と話し合いを進めることが大切です。
3-3.不動産会社に丸投げしてしまう
売却活動により家の売却時期が大きく変わります。信頼できる不動産を選んだからといって、すべてを丸投げするのは避けましょう。
家の売却で大切なのは、売主自身も売却活動に積極的に参加していくことです。不動産会社が作成する売却用のチラシやホームページの情報などをチェックしてみてください。
家の写真や情報が少ない物件の場合、購入検討者にスルーされてしまうこともあります。
積極的に問い合わせや内覧の申し込みをもらい売却に繋がるように、不動産会社の担当者と二人三脚で戦略を練っていきましょう。
3-4.内覧時に押し売りするような行為
内覧時に与える印象は、その後を大きく左右します。
いくら家が気に入ったとしても、売主から押し売りするような行為をされてしまっては、気分が悪くなってしまう可能性もあります。
そうなると、せっかくの売却成立のチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
逆にいえば、内覧時に売主から良い印象を受けることができれば、多少難点があったとしても売却に繋がる可能性もゼロではないのです。
そのため、内覧時には押し売りするのではなく、内覧者の不安や疑問を取り除くように心がけることが重要です。
また、住んでみないと分からない周辺環境・ご近所付き合いなどの情報を伝えることも内覧者への効果的なアピールになります。
3-5.値引き・条件交渉に応じる
買主は少しでも安い価格で購入したいと考えることが多いです。しかし、値引き・条件交渉に自分だけの判断で即座に応じることは避けましょう。
販売開始間もない時期であれば、値下げをしなくても売却できる可能性は大いに期待できます。
また、物件が掲載されているページのアクセス数や問い合わせの件数も判断するためのポイントになります。
自分の判断で応じるのではなく、不動産会社の担当者に相談してから戦略を練るのもひとつの方法です。
値下げ交渉以外にも問合せがある場合には、現状の値段でも売却のチャンスはあると考えて良いでしょう。
初めての家の売却では値下げをするべきか否か悩むところだと思いますが、判断に迷ったときには不動産会社の担当者に相談するのがベストです。
過去に似た物件を売却した際の値引き相場やタイミングなど、参考になりそうな情報を積極的に集めておきましょう。
おうちクラベルでは、不動産会社の査定額に加え、AIが算出した査定額を知ることができます。
4.家を売却する際の査定方法とは?
家を売却する際の査定方法は主に2つあります。それぞれの方法や特徴を知って、ぴったりな方法を選びましょう。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 不動産一括査定サービスを利用する
4-1.不動産会社に査定を依頼する
家の査定に向けた必要書類が準備出来たら、いよいよ査定を申し込むことになります。査定の方法は主に以下の2つです。
- 机上査定
- 訪問査定
4-1-1.机上査定
机上査定とは、実際に家の状態を確認せず、必要書類により査定価格を決定する方法になります。過去に売れた似た物件を参考に、おおよその金額が決まります。
ただし、家の状態を確認していないため、あまり正確な査定額とはいえません。とりあえず家がどのくらいで売れるのか手早く確認したい人にはおすすめです。
4-1-2.訪問査定
実際に家の状態を見て査定額を出すのが訪問調査です。家の土地・経年劣化の状況・日当たり・周辺の環境など、書類だけでは分からない情報を踏まえて査定する方法です。
実際の家や部屋の状況により査定額を算出できるため、より正確な金額を知ることができます。
4-2.不動産一括査定サービスを利用する
複数の不動産会社に査定を依頼する場合、1社ごとに査定の申し込みをするのは大変な作業です。
それだけで時間がかかってしまうこともあるでしょう。そんなときには、一括査定サービスを利用するのがおすすめです。
一括査定サービスは複数の不動産会社の査定額を比較検討できるのもメリットのひとつです。
例えば、比較する対象が1社のみだった場合、査定額が高い方を選びたくなることもあるかと思います。
しかし、比較対象が5社から10社とあれば、その高額な設定が適正範囲内であるか否かを判断しやすくなります。
高額査定は大変魅力的ではありますが、確実に売れる値段とは限りません。できるだけ多くの不動産会社に依頼し、検討しましょう。
また、値段だけを見て不動産会社を判断するのではなく、その不動産会社が得意とするエリア・物件の種類・査定額の根拠まで細かく確認することが重要です。
おうちクラベルでは該当する物件を得意とする不動産が選出されます。その中から自分にぴったりの不動産会社を選ぶことが可能です。
5.家を売却するときのポイント
この項目では、家を売却するときに必ず知っておきたいポイントについて解説していきます。
相場・契約の種類・売却費用・所要期間などは、家を売却する上での必須知識です。スムーズな取引のために事前準備をしておきましょう。
- 自分でも相場を調べておく
- 家の売却に強い不動産会社を選ぶ
5-1.自分でも相場を調べておく
不動産会社によって査定額には大きな差がでることがあります。中には、数百万円単位で査定額に差が出るようなケースもあります。
そのため、売却相場については自分でも調べておくことが大切です。
相場を知らないで売り出してしまった際には、損をしてしまうことや相場より高い価格設定により、いつまで経っても買主が見つからないという事態にもなりかねません。
近隣で似たような物件がどのくらいの価格で売り出されているのか、どのくらいの期間で売却されているのかを調べておくと判断材料になります。
5-2.家の売却に強い不動産会社を選ぶ
不動産会社によって得意な分野は異なります。スムーズに家を売却するためにも家の売却に強い不動産会社を選ぶようにしましょう。
売却実績が多い不動産会社の場合、売却するための独自ノウハウや知識を持ち合わせているので安心して相談することができます。
また、売却予定の家が建つエリアによっても得意な不動産会社は異なります。人気のエリアの場合であれば、どのような不動産会社でも比較的売却しやすいでしょう。
しかし、田舎にある物件の場合には、その土地の物件に精通した不動産会社のほうが有利な可能性があります。
まずは近隣にある不動産会社や査定の相場を調べてみましょう。
6.家を売却するときに注意すること
6-1.売却価格の相場を確認する
まずは、売却価格の相場を確認することが重要です。
自分の所有する家や土地があるエリアで似たような物件がどのくらいの価格で販売され、売却に至っているのかを情報収集しましょう。
相場をしっかり把握することで後悔やトラブルを防ぐことができます。
6-2.売却までに要する期間を確認する
家を売却するまでにかかる期間は、一般的に3~4か月ほどと言われています。その間住宅ローンを利用している人は、住宅ローンの支払いが続くことになります。
以下に記載した所要期間は、あくまでも目安の期間となりますが、参考にしてみてください。
また、売り出し中には、その都度内覧の対応などを行う必要もありますのでシミュレーションを行っておくと良いでしょう。
必要な手続き等 | 期間 | |
売り出し前 | 必要書類の準備・情報収集 査定の依頼 不動産会社の選定・媒介契約 | 1週間~4週間 |
売り出し中 | 販売活動 内覧の対応 購入者の決定 契約条件や日程の取り決め 売買契約 | 3か月~4か月程度 |
売り出し後 | 売買契約完了 決済 引き渡し | 1か月 |
6-3.売却する際にかかる費用を確認する
家を売却する際には費用がかかります。不動産会社へ支払う仲介手数料や税金など、トータルで最低でも売却価格の約5%くらいかかると考えておいた方が良いでしょう。
例えば、家を1500万円で売却した際には、おおよそ75万円を支払うこととなります。それ以外にも売却時の引っ越し費用などの出費も考えておきましょう。
それらを踏まえた上で希望販売価格を調整するのがおすすめです。
売却時に自己負担する費用 | 内容 | 金額 |
仲介手数料 | 売却が成立した際に不動産会社へ支払う手数料 | ( 売却額 × 3% + 6万円 ) + 消費税※成約価格が400万円超の場合 |
収入印紙代 | 売買契約書にかかる税金 | 売買価格に応じて数千円~数万円 |
土地の測量費 | 境界確定にかかる測量費 | 35~80万円 |
解体費用 | 古い建物の解体にかかる費用 | 100万円〜300万円 ※大きさや構造により異なる |
抵当権抹費 | 抵当権の抹消登記を行う際の税金 | 不動産1件につき1,000円 |
住宅ローン返済手数料 | 住宅ローンを繰り上げ返済する際にかかる手数料 | 5,000円~4万円 ※金融機関により異なる |
譲渡所得税 | 売却による利益にかかる税金 | 所得税額(短期) = 売却益 × 39.63% 所得税額(長期) = 売却益 × 20.315% |
引っ越し費用 | 引っ越しにかかる費用 | 10~30万円 ※引越し時期や家族構成により異なる |
ハウスクリーニング費用 | 内覧時や退去時のハウスクリーニング費用 | 3~15万円 |
6-4.契約の種類を知る
不動産売却に関する契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約という方法があります。
一般媒介契約とは、有効期間を自由に設定でき、複数の不動産会社に仲介を依頼することができる自由度の高い契約方法です。
一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約は1社のみとの契約となり、有効期限も限られています。
また、一般媒介契約と専任媒介の場合には自分で買主を探す自己発見取引が可能ですが、専属専任媒介では自己発見取引を行うことはできません。
しかし、一般媒介では依頼主への販売活動の報告義務がありません。そのため、各不動産会社がどのように物件の販売活動を行ったのか不明瞭になりがちです。
また、他社で売却が成立した場合に報酬を得ることができないため、積極的な販売活動を行ってもらえない可能性も否定できません。
有効期間については、どの媒介契約においても契約を更新して3か月以上販売活動を行うことは可能です。
一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 | |
複数の不動産会社と契約 | ○ | × | × |
自己発見による取引 | ○ | ○ | × |
有効期間 | なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
依頼主への販売活動報告義務 | なし | 2週間に 1回以上 | 1週間に 1回以上 |
指定流通機構(レインズ)への登録義務 | なし | あり | あり |
また、専任媒介・専属専任媒介については、指定流通機構(レインズ)への登録義務があります。
レインズとは、国土交通省が定めた不動産情報交換システムのことです。レインズに登録されている国内の不動産情報が一元化されているので、より早く買主が見つかるというメリットがあります。
6-5.瑕疵は事前に告知する
家の欠陥や不具合については、なかなか告知しにくいと感じることもあるでしょう。しかし、売主には正確な情報を告知する義務があります。
後に、欠陥が明らかになった場合には損害賠償を請求されるケースもありますので、欠陥や不具合に関しては正直に伝えておきましょう。
また、この瑕疵については家そのものだけではなく、土地にも適用されます。
地中に埋設物があった場合や土壌が汚染されていることが後に明らかになった場合には、瑕疵であると判断されることがあるので注意しましょう。
6-6.交渉は不動産会社を介して行う
家の購入を検討している人から直接、値下げ・条件交渉を受ける機会も考えられます。
値下げをしてほしい、カーテンや照明、エアコンを付けてほしいなど、要望を受けた場合には、その場で判断するのは避けましょう。
安易に応じてしまうと、後からトラブルになってしまうこともあります。交渉については、必ず不動産会社を介して行うようにしましょう。
6-7.契約内容を確認する
不動産の売買契約書には、売却価格や引き渡し日などの内容が書かれています。話し合いの内容が確実に反映されているかチェックするようにしてください。
一度契約書に印鑑を押してしまうと、原則内容を変更できません。また、契約後に契約内容を守りませんと違約金の支払いを命じられる可能性もあります。必ず確認するようにしましょう。
7.家を売却した後にやるべきこと
買主との契約が無事に終了したら終わりというわけではありません。契約後にも必要な手続きなどがあるので確認しておきましょう。
- 決済の確認
- 所有権移転登記
- 引き渡し
- 確定申告
7-1.決済の確認
契約書の内容に従い、買主が期限までに支払いを行うことになります。
住宅ローンの審査が通らなかった場合契約は白紙に戻ってしまいます。万が一に備えて念頭に置いておきましょう。
7-2.所有権移転登記
無事に決済が済んだら、不動産所有者の名義変更を行うことになります。これが所有権移転登記です。名義変更が行われることで正式に買主の不動産となります。
売却時に売主の住宅ローンが残っている場合には売却した代金でローンを完済し、抵当権を抹消する手続きもここで完了です。
また、買主が住宅ローンを組んで購入した場合には買主の抵当権の登記も行うことになります。
7-3.引き渡し
売主が売却した家に居住中の場合には、契約書に記された引き渡し期限までに引っ越しを済ませておきましょう。
引っ越しには何かと手間暇がかかるので、できる限り早めに済ませておくと安心です。
7-4.確定申告
まず、家の売却で得た利益は「譲渡所得」という扱いになり、利益が出た場合には確定申告が必要です。
譲渡所得とは、不動産の売却価格から不動産所得にかかった費用・売却手続きにかかった費用・特別控除額を差し引いた金額のことを指します。
この申告を怠った場合、追徴課税を支払うことになります。また、特別控除を受けることもできなくなってしまうので注意しましょう。
一方、購入時よりも安い価格での売却となった場合には基本的に確定申告は不要です。しかし、売却損が出た場合、他の所得と損益通算できる特例を使うことが可能です。この制度を利用する場合には確定申告を行う必要があります。
税金に関して分からないことがあれば税理士に相談するのがおすすめです。
おうちクラベルでは簡単入力で現在の査定額を調べることができます。
8.家の売却の査定で悩んでいるなら一括査定がおすすめ
「家を売ろうと思っているけど、どこに依頼すれば良いか悩んでいる」という人は、ネットで手軽に申し込める一括査定サービスがおすすめです。
60秒で入力でき、無料の査定を受けることができます。また、AIによる精度の高い査定額を確認することも可能です。
大手から地元に特化した中小不動産会社まで一括で査定依頼ができるため、最適な不動産会社が見つかります。是非活用してみてください。