家の売却を検討するとき「家がどのくらいの価格で売れるのか相場価格が知りたい」と思う方も多いでしょう。家の売却価格がどのくらいになるか予想することで、資金面での計画が立てられたり、不動産会社から提示された査定額を見極められたりすることが可能です。
しかし「そもそも家の売却相場の調べ方が分からない」「どのような家の条件だと相場価格から外れてしまうのか知りたい」という方も多いでしょう。
そこで今回は、家の売却相場を調べたい方向けに、売却相場を調べる方法と築年数・地域別の最新の売却相場に加えて、相場に影響を与える要素や今後の動向などについても詳しくご説明します。家のおおよその売却価格を算出するために、本記事をぜひとも参考にしてみてください。
1.家の売却相場の調べ方
家の売却相場の調べ方には、さまざまな方法があります。ここでは売却相場の調べ方5つを以下にご紹介します。
- 家の購入価格と築年数別の価格下落率から算出する
- 不動産ポータルサイトで類似物件と比較する
- 築22年以上なら路線価から調べる
- レインズで過去の類似の売却事例から調べる
- 一括査定やAI査定で調べる
なお、こちらでご紹介する売却相場の調べ方のほかにも、建物と土地の状態や立地条件などのさまざまな要素から鑑みて家の売却価格は決まります。そのほかの要素については後ほどご説明します。
1-1.家の購入価格と築年数別の価格下落率から算出する
家の売却相場の調べ方には、築年数から算出する方法があります。一般的に、築年数が経つほど売却価格は下がる傾向です。
まずは、首都圏の中古戸建住宅成約状況をもとに、築年数別の価格下落率を以下の表にてご紹介します。
築年数 | 下落率 |
新築~築5年 | 100% |
~築10年 | 94% |
~築15年 | 92% |
~築20年 | 85% |
~築25年 | 83% |
~築30年 | 68% |
築30年~ | 49% |
売却したい家の購入時の価格から、築年数別の下落率をかけ合わせておおよその売却価格を算出してみてください。
次に、購入価格別に各築年数でのおおよその売却価格を、以下の表でご紹介します。
築年数 | 購入価格 | ||
新築~築5年 | 3,000万円 | 5,000万円 | 7,000万円 |
~築10年 | 2,820万円 | 4,700万円 | 6,580万円 |
~築15年 | 2,760万円 | 4,600万円 | 6,440万円 |
~築20年 | 2,550万円 | 4,250万円 | 5,950万円 |
~築25年 | 2,490万円 | 4,150万円 | 5,810万円 |
~築30年 | 2,040万円 | 3,400万円 | 4,760万円 |
築30年~ | 1,470万円 | 2,450万円 | 3,430万円 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況
1-2.不動産ポータルサイトで類似物件と比較する
不動産ポータルサイトを利用して、売り出し中の物件価格から売却相場を調べる方法があります。不動産ポータルサイトとは、物件を紹介する窓口となっているサイトのことです。複数の不動産会社から売り出されている物件の検索が可能です。
不動産ポータルサイトから、売却したい家と、エリアや築年数などが似ている物件を検索し、売却価格を調べるのがおすすめです。売り出し価格が実際に成約される価格になるとは限りませんが、最新の売り出し価格を知ることが可能です。
1-3.築22年以上なら路線価から調べる
築22年以上の木造建築の場合、路線価から土地のおおよその売却価格を調べると良いでしょう。
建物には、減価償却を求めるための資産価値を示した耐用年数が定められています。この耐用年数が売却相場に影響しているのが現状です。一般的に木造建築が多い一戸建ての場合、築22年を超えると建物の資産価値はゼロになります。一方で土地は資産価値が下がらないため、路線価から土地のおおよその売却価格を調べると良いでしょう。
路線価とは、相続税を算出するために国税庁から公表されている土地の評価額のことです。
路線価は国税庁のホームページにある「路線価図・評価倍率表」から閲覧が可能です。住所を検索すると、道路に面する宅地の1㎡あたりの価格が地図上に記されています。
1-4.レインズで過去の類似の売却事例から調べる
レインズを利用して、実際に成約された家の購入価格から売却相場を調べましょう。レインズとは不動産会社が共有している専用のネットワークシステムのことで、一般の方が閲覧できる「REINS Market Information」があります。
こちらのサイトでは、戸建てとマンションそれぞれから地域を選択すると、実際に成約された取引の一覧が表示されます。間取りや築年数などが表示されるので、売却したい家と似ている物件を調べるのがおすすめです。
1-5.一括査定やAI査定で調べる
「自分で調べるのが難しい」「おおよその売却価格をすぐに知りたい」という方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、一括査定やAI査定を利用して、売却したい家の査定価格を調べる方法がおすすめです。
一括査定とは、インターネットを利用して同時に複数の不動産会社に査定依頼をおこなえるシステムのことです。複数の不動産会社に来店する手間なく、各不動産会社からの査定額を比べられます。
AI査定では、これまでに蓄積された不動産業界のデータからAI独自の価格推定アルゴリズムによって査定されます。一括査定よりもスピーディに、その場で査定額の確認が可能です。
「おうちクラベル」では、一括査定後にAI査定での査定額をその場で確認できます。自分で調べたり不動産会社へ訪問したりする手間が省けます。
2.【エリア別】家の売却相場
家の売却相場は、地域によって異なります。ここでは、首都圏・近畿圏・47都道府県別におけるエリア別の売却相場をご紹介します。ご自身の売却したい家がある地域の売却相場を確認してみてください。
2-1.首都圏(一都三県)
都道府県 | 価格 | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | 築年数(年) |
東京 | 5,164万円 | 110.94 | 100.32 | 20.26 |
埼玉 | 2,611万円 | 150.26 | 103.40 | 23.69 |
千葉 | 2,541万円 | 183.32 | 107.03 | 22.79 |
神奈川 | 3,928万円 | 140.25 | 105.95 | 19.09 |
参照:東日本不動産流通機構「2022年10月度 月間速報 Market Watch 」(2022年10月)
2-2.近畿圏(大阪・京都・兵庫)
都道府県 | 価格 | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | 築年数(年) |
大阪 | 2,100万円 | 111.25 | 100.76 | 30.26 |
京都 | 2,354万円 | 117.88 | 94.43 | 30.53 |
兵庫 | 2,203万円 | 178.39 | 110.04 | 29.24 |
参照:東日本不動産流通機構「2022年10月度 月間速報 Market Watch 全国版」(2022年10月)
2-3.47都道府県別
都道府県 | 価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | 築年数(年) |
北海道 | 1,815 | 264.29 | 123.35 | 29.06 |
青森県 | 1,358 | 335.06 | 136.12 | 31.73 |
岩手県 | 1,656 | 195.50 | 117.00 | 24.50 |
宮城県 | 2,209 | 283.70 | 124.52 | 27.35 |
秋田県 | 1,428 | 305.33 | 124.24 | 26.42 |
山形県 | 1,589 | 279.17 | 142.95 | 28.44 |
福島県 | 1,725 | 350.79 | 122.38 | 28.13 |
茨城県 | 1,305 | 285.98 | 113.00 | 28.81 |
栃木県 | 1,681 | 299.42 | 118.74 | 26.93 |
群馬県 | 1,591 | 281.22 | 117.65 | 30.04 |
埼玉県 | 2,610 | 149.93 | 103.25 | 23.68 |
千葉県 | 2,535 | 183.65 | 107.10 | 22.89 |
東京都 | 5,152 | 111.00 | 100.28 | 20.35 |
神奈川県 | 3,933 | 140.39 | 105.94 | 18.99 |
新潟県 | 1,638 | 297.39 | 142.68 | 28.63 |
山梨県 | 1,500 | 279.57 | 126.44 | 33.45 |
長野県 | 2,471 | 574.44 | 119.01 | 28.42 |
富山県 | 1,297 | 325.37 | 144.84 | 30.43 |
石川県 | 1,894 | 188.88 | 123.07 | 27.93 |
福井県 | 1,639 | 236.19 | 128.69 | 23.09 |
岐阜県 | 1,536 | 320.30 | 122.92 | 30.65 |
静岡県 | 1,739 | 237.32 | 116.52 | 27.23 |
愛知県 | 2,647 | 185.59 | 118.15 | 22.80 |
三重県 | 1,517 | 270.32 | 127.79 | 29.43 |
滋賀県 | 1,652 | 233.66 | 117.29 | 29.18 |
京都府 | 2,354 | 117.88 | 94.43 | 30.53 |
大阪府 | 2,100 | 111.25 | 100.76 | 30.26 |
兵庫県 | 2,203 | 178.39 | 110.04 | 29.24 |
奈良県 | 1,717 | 201.68 | 114.85 | 30.86 |
和歌山県 | 1,218 | 178.73 | 110.56 | 33.12 |
鳥取県 | 1,306 | 253.69 | 131.64 | 29.11 |
島根県 | 765 | 306.74 | 102.91 | 36.56 |
岡山県 | 1,512 | 312.86 | 119.22 | 31.28 |
広島県 | 1,795 | 315.44 | 114.39 | 29.11 |
山口県 | 1,288 | 271.95 | 109.89 | 35.73 |
徳島県 | 1,030 | 346.60 | 104.02 | 29.10 |
香川県 | 1,026 | 317.92 | 130.25 | 32.62 |
愛媛県 | 1,648 | 276.13 | 110.40 | 30.16 |
高知県 | 1,717 | 162.69 | 105.71 | 30.89 |
福岡県 | 2,343 | 312.38 | 118.72 | 29.61 |
佐賀県 | 1,774 | 250.56 | 116.63 | 24.27 |
長崎県 | 1,470 | 193.06 | 111.84 | 31.81 |
熊本県 | 1,909 | 319.83 | 117.86 | 23.91 |
大分県 | 2,403 | 291.48 | 132.12 | 30.56 |
宮崎県 | 1,474 | 465.60 | 110.30 | 28.07 |
鹿児島県 | 1,352 | 275.36 | 115.14 | 32.37 |
沖縄県 | 3,493 | 207.83 | 107.54 | 25.82 |
参照:東日本不動産流通機構「2022年10月度 月間速報 Market Watch 全国版」(2022年10月)
3.【築年数別】家の売却相場
家の売却相場は、築年数が経つにつれて下落する傾向です。ここでは築年数別の売却相場をご紹介します。なお、ここでご紹介するのは首都圏エリアでの築年数別での売却相場価格になります。売却したい家の築年数と照らし合わせてみてください。
- 新築〜築5年の家の売却相場
- 築5年〜築10年の家の売却相場
- 築10年~築15年の家の売却相場
- 築15年~築20年の家の売却相場
- 築20年~築25年の家の売却相場
- 築25年~築30年の家の売却相場
- 築30年以上(築40・50年以上含む)の家の売却相場
3-1.新築〜築5年の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 5,892万円 | 3,798万円 | 3,856万円 | 4,718万円 | 4,753万円 |
土地面積(㎡) | 92.0 | 129.1 | 230.5 | 114.3 | 131.4 |
建物面積(㎡) | 90.0 | 102.5 | 103.6 | 95.5 | 96.6 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
3-2.築5年〜築10年の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 6,337万円 | 3,743万円 | 3,362万円 | 4,373万円 | 4,851万円 |
土地面積(㎡) | 98.8 | 139.4 | 158.6 | 111.2 | 119.8 |
建物面積(㎡) | 98.5 | 102.7 | 106.8 | 97.1 | 100.4 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
3-3.築10年~築15年の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 5,555万円 | 2,954万円 | 3,131万円 | 4,470万円 | 4,280万円 |
土地面積(㎡) | 97.6 | 144.6 | 184.6 | 139.2 | 135.8 |
建物面積(㎡) | 96.1 | 103.3 | 115.5 | 102.3 | 103.1 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
3-4.築15年~築20年の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 5,129万円 | 2,843万円 | 3,110万円 | 4,161万円 | 4,078万円 |
土地面積(㎡) | 100.9 | 140.4 | 162.7 | 142.3 | 130.8 |
建物面積(㎡) | 96.1 | 103.4 | 111.6 | 102.5 | 102.1 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
3-5.築20年~築25年の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 6,690万円 | 2,330万円 | 2,712万円 | 4,310万円 | 4,299万円 |
土地面積(㎡) | 126.2 | 131.8 | 165.1 | 142.2 | 139.7 |
建物面積(㎡) | 115.3 | 104.0 | 120.1 | 118.0 | 114.6 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
3-6.築25年~築30年の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 5,544万円 | 1,907万円 | 1,851万円 | 3,622万円 | 3,301万円 |
土地面積(㎡) | 122.8 | 140.4 | 183.9 | 146.6 | 147.4 |
建物面積(㎡) | 115.9 | 110.1 | 113.5 | 111.6 | 112.7 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
3-7.築30年以上(築40・50年以上含む)の家の売却相場
東京 | 埼玉 | 千葉 | 神奈川 | 首都圏 | |
平均売却相場 | 4,011万円 | 1,555万円 | 1,425万円 | 2,990万円 | 2,467万円 |
土地面積(㎡) | 126.4 | 140.8 | 252.6 | 183.7 | 179.5 |
建物面積(㎡) | 101.1 | 99.7 | 108.0 | 107.7 | 104.4 |
参照:首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況【2022年7〜9月】
4.家の売却相場に影響を与える要素
家の売却価格は、築年数やエリアを軸にして、さらに土地と建物の状態などのさまざまな要素から鑑みて決まります。ここでは売却相場に影響を与える要素となる、土地と建物の主な条件についてそれぞれご紹介します。
4-1.土地
家の売却相場に影響を与える要素には、土地の形や立地条件、周辺環境などが挙げられます。一般的な家が建てやすく、住みやすい環境にある土地は需要が高いといえます。ここでは売却相場に影響を与える土地の要素4つを以下にご紹介します。売却したい家の土地がどのような状態であるかの確認をしましょう。
- 立地条件
- 接する道路との関係
- 土地の形状
- 周辺環境
4-1-1.立地条件
立地条件は売却価格に大きな影響を与える要素の1つです。
駅から徒歩15分以上ある家や、周辺に商業施設や公共施設が少ない場所にある家だと、売却価格の相場は下がってしまいます。
一方で、駅から徒歩5分圏内にある家や、通学や通勤などのアクセスに便利な駅の近くにある家だと、高い価格での売却が期待できます。
また、スーパーやコンビニなどの商業施設や公共施設などが近くにあり、生活利便性が高い場所にある家も、売却価格は高くなる傾向です。
4-1-2.接する道路との関係
家に接する道路が坂道であったり、道路に2m以上接していない場合だと、売却価格が下がる可能性が高いです。
坂道に接した家の場合、自転車や徒歩での移動が負担になります。また見通しが悪いため、自動車での移動の際にも注意が必要です。
また、道路に2m以上接していない家の場合、接道義務を満たしていないため売却価格が下がります。接道義務が満たされていないと、再建築不可物件となり、家の建替えができないからです。
4-1-3.土地の形状
土地の形状が、建物の建築に利用しやすい形や広さであるかどうかも、売却相場を左右します。。
細長い土地や旗竿状の土地であったり、極端に狭い土地や広い土地だったりした場合、建物の建築に適してるとは言い難く、売却価格は下がる可能性が高いです。
一方で、土地の形状が四角か長方形の形をしている場合、建物の建築に適しています。相場での価格か、相場よりも高い価格での売却が期待できるでしょう。
4-1-4周辺環境
治安や災害など土地の周辺環境に関しても、売却相場に影響を与える可能性が高いです。
例えば、空き巣や放火などの事件や犯罪が多い地域は、周辺環境が悪いといえるでしょう。購入希望者が不安になってしまうため、需要が少なく売却価格が下がってしまう恐れがあります。
また、過去に水害や地震などの災害が発生し、災害が起きるリスクの高い地域の場合も同様に、需要が少なく売却価格は下がる恐れがあります。
4-2.建物
家の売却相場に影響を与える要素には、建物の間取りや住居の形式などが挙げられます。誰でも住みやすく、メンテナンスや修繕がおこなわれている住宅は需要が高いといえます。ここでは、売却価格を前後する建物の要素4つを以下にご紹介します。売却したい家がどのような状態であるかの確認をしましょう。
- 外装や設備
- 間取りやデザイン
- 住居の形式
- 施工・リフォームの完成度
4-2-1.外装や設備
家に採用されている外装や設備などのグレードと劣化状況によっては、売却価格を前後する要素のひとつとなるでしょう。
外装には雨で汚れが落ちる外壁塗装が採用されていたり、人気の設備が導入されたりしている家だと需要も高いでしょう。しかし、外装が汚れていたり設備が故障していたりして劣化が目立つ場合、売却価格が下がる恐れがあります。
また、リフォームをおこなうと、より高値での売却が期待できます。しかし、近年は自分好みにリフォームしたい購入希望者が多い傾向です。そのため、基本的にリフォームは不要といえるでしょう。
4-2-2.間取りやデザイン
家の間取りやデザインも、家の売却価格に影響を与えます。
建売住宅で販売されているような多くの方に使いやすい間取りやシンプルなデザインだと、購入希望者のニーズに合う確率が高いため、売却価格に与える影響は少ないでしょう。
しかし、使いづらい間取りや個性的なデザインだと、購入希望者のニーズに合わない確率が高くなるでしょう。そのため、売却相場よりも価格が下がる可能性が高いです。
4-2-3.住居の形式
特殊な住居の形式の場合、家の売却相場に影響を与える要素となります。
例えば、二世帯住宅の形式です。二世帯住宅には、個室以外はすべて共用で使用する完全同居型や、1つの建物の中で2つにそれぞれの世帯が分離されている完全分離型などの形式があります。用途が制限されてしまうため、一般的に多い単世帯向けの二階建て住居に比べて需要が低く、売却価格は下がってしまう傾向です。
4-2-4.施工・リフォームの完成度
基本的には家の現況で売却価格は決まりますが、施工やリフォームの質、完成度によっても売却相場に影響があります。
大手ハウスメーカーで施工された家だと、安心感や信頼感を与えるうえに、住宅性能の高さや手厚いメンテナンスなどの理由から、売却価格は高くなる傾向です。
また、家の定期的なメンテナンスや修繕、リフォームは相場よりも高い価格が期待できます。リフォームや修繕履歴が記された資料があるとなお良いです。
5.家を売却する際にかかる費用
家を売却する際には、仲介手数料や税金などの費用が必要です。売却価格から売却に必要な費用を差し引いた分が収益になります。家を売却する前に、とくに費用がかかる仲介手数料と譲渡所得税について理解しておきましょう。
5-1.仲介手数料
一般的に家を売却する際には、不動産会社に仲介を依頼します。仲介手数料とは、家の売却を仲介してくれた不動産会社に支払う手数料のことです。売買契約が成立した場合にのみ支払う成功報酬です。
仲介手数料は、売買金額に応じて支払う手数料の上限額が定められています。たとえば、家の売買金額が5千万円の仲介手数料は、約170万円です。このように、高額な仲介手数料が必要な点を念頭に入れて売却活動を始めましょう。
5-2.譲渡所得税
家を売却して収益を得た場合、譲渡所得税を支払う必要があります。譲渡所得税とは、所得税と住民税、復興特別所得税を合算したものです。家を売却した翌年に確定申告をおこない、譲渡所得税を納めます。
譲渡所得税は、売却価格から取得費用や仲介手数料などの諸経費などを差し引いた売却益に税率をかけ合わせて算出します。税率は家の所有期間によって異なります。家の所有期間が5年以下の場合の税率は約4割です。所有期間が5年を超える場合の税率は約2割です。
高額な譲渡所得税ですが、一定の条件を満たせば特例や控除が適用されて、譲渡所得税の負担は軽減されます。
6.【2022年】家の売却相場の動向
家の売却を検討する際には、どのタイミングで売却すれば良いのか悩んでいる方も多いでしょう。売却するタイミングを見極めるには、家の売却相場の動向を調べることが大切です。ここでは家の売却相場の動向をご紹介します。
6-1.一戸建ての売却相場は上昇傾向にある
国土交通省が公表している不動産価格の動向を指数化した「不動産価格指数」を以下の表にご紹介します。一戸建ての売却相場は上昇中であることが分かります。
不動産価格指数(令和4年8月・第2四半期分)
住宅総合 | 住宅地 | 一戸建て | マンション | |
2021/08 | 122.9 | 108.1 | 108.0 | 168.6 |
2021/09 | 122.6 | 104.4 | 108.5 | 169.6 |
2021/10 | 123.3 | 104.5 | 109.3 | 167.8 |
2021/11 | 123.9 | 105.8 | 109.0 | 171.5 |
2021/12 | 124.9 | 105.1 | 109.9 | 172.3 |
2022/01 | 126.7 | 107.2 | 111.8 | 175.1 |
2022/02 | 127.9 | 106.9 | 113.0 | 178.2 |
2022/03 | 128.6 | 108.6 | 112.0 | 177.9 |
2022/04 | 130.0 | 107.3 | 115.1 | 179.7 |
2022/05 | 130.5 | 108.2 | 115.3 | 182.0 |
2022/06 | 130.3 | 107.9 | 115.5 | 179.7 |
2022/07 | 131.8 | 109.9 | 116.8 | 183.7 |
2022/08 | 132.4 | 111.1 | 117.2 | 183.1 |
参照:国土交通省「不動産価格指数」
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/content/001473668.xlsx
6-2.2023年以降の売却相場の見通し
2023年以降の家の売却相場は引き続き上昇すると予想できます。
近年の売却相場は上昇傾向にあること、住宅ローン控除は一部要件を変更しながらも2025年までの延長が決定したことから、2023年以降も売却相場の上昇が見込まれます。
さらにウッドショックやウクライナ情勢の影響から建材が高騰しているため、各ハウスメーカーから新築住宅の値上げが発表されています。そのため、中古住宅の人気が高まると予想されています。
しかし、今後の経済情勢や法規制等などによって変動の可能性もあるため、売却相場を調べながら売却するタイミングを計ることが大切です。
7.家の売却相場を知るための一括査定
一括査定とは、複数の不動産会社に売却したい家を査定してもらうことです。より正確な家の売却価格が知りたい方や、おおよその売却価格がすぐに知りたい方には一括査定がおすすめです。ここでは一括査定の流れやメリットに加えてAI査定について詳しくご紹介します。
7-1.査定額から売却金額の目安を知ることができる
一括査定では、複数の不動産会社から売却したい家の査定を受けられます。不動産売却のプロによる査定によって、自分で調べるよりも正確な売却価格を知ることが可能です。しかし、不動産会社によって得意とする物件や経験などから査定額は異なります。そのため、各不動産会社から提示された査定額を比較することで、売却金額の目安を調べましょう。ただし、将来的に売却する意思のある家を査定に出すことが大切です。
7-2.一括査定の流れ
一括査定は、自宅にいながらインターネットを利用するだけで、短時間での査定依頼が可能です。一括査定のサイト上にて、売却したい家の住所や築年数などの物件情報とご自身の連絡先などを入力します。この一度の入力のみで、複数社への査定の依頼が可能です。売却したい家の情報や地域によって、サイトに登録されている不動産会社が選ばれます。査定後は、各不動産会社より査定結果が届くため、査定額を比較しましょう。
7-3.一括査定のメリット
一括査定のメリットは、実際の売却価格が分かる正確性と手間が省ける利便性が挙げられます。
家の売却のプロである不動産会社からの査定額によって、実際の売却価格を知れるのがメリットです。さらに複数の不動産会社からの査定額を同時に比較できるため、ご自身の希望に合った不動産会社を選べます。
また、インターネットを利用するため、不動産会社を調ベて訪問する手間が省けるのがメリットです。売却したい家の情報や連絡先などを一度入力するだけで、複数の不動産会社へのスピーディーな査定依頼が可能です。
7-4.「おうちクラベル」ならAI無料査定で相場を知れる
「一括査定による比較が難しい」と思う方もいらっしゃるでしょう。「おうちクラベル」であれば、通常の一括査定に加えて、問い合わせ後すぐにAI査定による結果を知ることができます。
AI査定では、査定のノウハウや不動産取引の知識が活用された機械学習ソリューションによる精度の高い査定が受けられます。一括査定の入力後に、マンション名か売却したい家の情報を入力するだけで、AIによる査定が始まります。各不動産会社からの査定額が届くのを待っている間に、その場で相場価格を知ることが可能です。
一括査定による比較が難しい方も、AI査定による売却価格を参考にしたうえで、各不動産会社からの査定額を比較すると良いでしょう。「おうちクラベル」では一括査定とAI査定が同時に無料で利用できます。
家の売却相場を正しく把握しよう
家のおおよその売却価格を知りたい場合、築年数別や地域別による相場価格を調べたり、類似した物件の売り出し価格・成約価格から相場価格を調べたりする方法があります。しかし、家の土地や建物の状態などから、売却価格が前後する点には注意しましょう。
近年の売却相場は上昇中であることや住宅ローン控除の延長などから、2023年以降の売却相場においても上昇が見込まれます。さまざまな要素から売却相場を正しく把握し、売却するタイミングを計ることが大切です。
より正確な売却価格を把握したい場合は、一括査定がおすすめです。「おうちクラベル」では、インターネット上での一括査定に加えてAI査定の結果がその場で分かります。複数の不動産会社からの査定額とAI査定と比較検討することで、より正確な価格を導きだせます。手間なくスピーディに正確な売却価格を知りたい方は、「おうちクラベル」での一括査定をぜひともご利用ください。