家を売り出しても、なかなか売れない場合もあります。
では、家がなかなか売れないことにはどのような理由が考えられるでしょうか?
また、家が売れない場合はどのような対策を講じればよいでしょうか?
今回は、家が売れない主な原因や原因別の対処法を詳しく解説します。
家が売れるまでの一般的な期間
家が売れない状態であるかどうかを判断するには、家が一般的にどの程度の期間で売れるのかを知っておく必要があります。
公益財団法人東日本不動産流通機構(通称「東日本レインズ」)が公表している「首都圏不動産流通市場の動向(2022年度)」によると、2022年度において首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)にある一戸建ての売出情報がレインズに登録されてから成約するまでの平均期間は79.0日でした。
レインズは不動産会社が家の売却依頼を受けた際に登録するプロ向けのツールであり、原則として売却の依頼後5営業日または7営業日以内に登録しなければなりません。
そのため、不動産会社に家の売却を依頼してから成約までの期間は、79.0日にさらに1週間ほどを加算して考える必要があります。
これを踏まえると、首都圏において不動産会社に家の売却を依頼してから成約するまでの平均期間は3か月弱であると考えられます。
そのため、3か月を過ぎてもなお家が売れる気配がない場合は、家が売れないと考えて何らかの対策を講じることをおすすめします。
家が売れない主な理由
家がなかなか売れない場合、どのような理由が考えられるでしょうか?
主な理由は次の3つです。
- 家自体に売れない原因があるから
- 内見希望者が少ないから
- 内見後、成約に結びつかないから
家自体に売れない原因があるから
1つ目は、家自体に売れない原因がある場合です。
具体的には、次のような理由が考えられます。
- 家の老朽化が目立つから
- 間取りが古くニーズに合わないから
- 駅から遠いなど利便性がよくないから
家の老朽化が目立つから
家が築古である場合や適切なメンテナンスがされていない場合などは、家の老朽化が目立ちやすくなります。
老朽化が進んだ家は購買意欲が湧きにくく、これが理由で家が売れない場合があります。
間取りが古くニーズに合わないから
家の間取りは、建てられた時期の主要なニーズに合わせて造られていることが一般的です。
築古の家は間取りが現代のニーズに合っておらず、これが原因で家が売れない場合があります。
駅から遠いなど利便性がよくないから
家が駅から遠いなど、交通の利便性がよくないことで売れないことがあります。
このように家自体に売れない原因がある場合は、その家のアピールポイントを見つけるなど売り方を工夫する必要があります。
そのため、その家の売却ノウハウを持つ不動産会社を見つけることが、売却成功のカギとなります。
しかし、どの不動産会社がその家の売却に強いのかわからないことも多いでしょう。
その際は、「おうちクラベル」の活用がおすすめです。
おうちクラベルとは、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する不動産一括査定です。
査定依頼フォームに1度入力するだけで複数の不動産会社に査定の依頼ができるため、査定額や担当者の対応などを比較することでその家の売却ノウハウを持つ不動産会社を見つけやすくなります。
内見希望者が少ないから
2つ目は、さまざまな理由によって内見の希望者が少ないことによるものです。
内見希望者が少ない場合に考えられる主な原因は次の3つです。
- 売出価格が高すぎるから
- 不動産会社がその家の売却を得意としていないから
- 不動産会社が囲い込みをしているから
売出価格が高すぎるから
家自体に問題がなかったとしても家の売出価格が高すぎると、買主が売出価格を知った時点で購入の候補から外してしまい、内見に至らない可能性があります。
不動産会社がその家の売却を得意としていないから
不動産会社にはそれぞれ、得意なエリアや物件種別があることが一般的です。
家の売却を依頼している不動産会社がその家の売却を得意としていない場合、家の売出情報を伝えるターゲットがズレていたり家のアピールポイントがズレていたりして内見にまで至らない可能性があります。
その家の売却に強い不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
複数の不動産会社による査定額や担当者の対応などを比較することで、その家の売却に強みを持つ不動産会社を見つけやすくなります。
不動産会社が囲い込みをしているから
家に問題がなく売出価格も適正であるにもかかわらず内見希望がほとんどない場合は、不動産会社が「囲い込み」をしているのかもしれません。
囲い込みとは、不動産会社が売主と買主の双方から依頼を受ける「両手仲介」に持ち込むため、他の不動産会社を経由した問い合わせに対し「その家はもう売れた」などと嘘をついて取引を断る行為などを指します。
両手仲介によって家の売買が成立すると、不動産会社は売主と買主の双方から仲介手数料を得ることができるため、囲い込みがなされる可能性があります。
なお、両手仲介自体に問題があるわけではありません。
不動産会社が独自のネットワークや営業力を駆使してスムーズに買主を見つけてくれるのであれば、売主にとってもメリットが大きいためです。
一方、両手仲介を画策するあまり過度な囲い込みがなされ、取引の機会がつぶされてしまうと、家がなかなか売れない可能性があります。
内見後、成約に結びつかないから
内見の希望はあるものの、内見後成約に結びつかない場合には、次の理由があるかもしれません。
- 部屋の印象がよくないから
- 内見の対応がよくないから
内見後成約に結び付かない場合に考えられる主な理由を2つ解説します。
部屋の印象がよくないから
内見に至っても成約に結び付かないのは、部屋の印象がよくないからかもしれません。
内見を受ける際は部屋を片付けたり清掃したりするのみならず、臭いなどにも注意を払うとよいでしょう。
内見の対応がよくないから
内見では、家だけでなく、売主の印象も見られることが少なくありません。
内見時にぶっきらぼうに対応するなどすると、これが原因で成約に結び付かない可能性があります。
家自体に売れない原因がある場合の対処法
ここからは、家が売れない場合の主な対応策を、売れない原因別に解説します。
はじめに、家自体に売れない原因がある場合の対策を2つ解説します。
- 物件の掲載情報を見直す
- ホームインスペクションを受ける
物件の掲載情報を見直す
家自体に何らかの問題があることが理由で家が売れない可能性がある場合は、物件の掲載情報を見直すようにしてください。
一見デメリットのように見える要素も、見方を変えるとアピールポイントとなる可能性があるためです。
たとえば、老朽化が進行しているや間取りが古い家はリーズナブルな価格であることが多いほか、趣のある外観を活かしつつ買主の自由に内装をリノベーションすることも可能です。駅から遠い家は、静かな住環境であるということもできます。
物件の写真が薄暗かったり散らかった状態で撮影されていたりする場合は、家を片付けたうえで明るい時間帯に写真を撮り直すことも1つの手です。
写真によって家の印象が大きく変わり、問い合わせにつながる可能性があります。
ホームインスペクションを受ける
家が築古であることが原因で売れない場合は、ホームインスペクションを受けることで家が売れる可能性があります。
ホームインスペクションとは、住宅に精通した専門家に第三者かつ専門家としての見地から家を診断士してもらい、劣化状況や不具合事象の有無、改修すべき箇所などに関する報告書を受け取ることです。
築古の家は、設備や建物の劣化が不安で購入を躊躇されることがあります。
ホームインスペクションを受けて家の購入希望者に報告書を開示することで、家を安心して購入してもらいやすくなります。
内見希望者が少ない場合の対処法
次に、内見希望者が少ない場合に検討すべき4つのポイントを解説します。
- 売出価格を見直す
- 売り出し時期を見直す
- 家の売却を依頼する不動産会社を変える
- 媒介契約の種類を変える
売出価格を見直す
内見希望者が少ないのは、売出価格が高すぎるからかもしれません。
価格が原因となって内見にまで至らない場合は、不動産会社に改めて査定の依頼をして、売出価格を適正額へと見直すようにしてください。
売り出し時期を見直す
一般的に、家は毎年2月から3月がもっとも売れる傾向にあります。
また、近隣に競合となる物件が売りに出ている場合は、競合物件と比較された結果家が売れなくなっているのかもしれません。
そのため、家が売れない場合は、売り出し時期を変えてみることも1つの手です。
家の売却を依頼する不動産会社を変える
家が一向に売れない場合は、売却を依頼している不動産会社の担当者にどのような販売活動を行っているか確認するようにしてください。
そのうえで、その不動産会社が信頼できないと感じた際は、媒介契約の期間満了するタイミングで不動産会社を変えることも1つの手です。
不動産会社に原因があり家が売れない場合は、不動産会社を変えることで家が売れやすくなる可能性があります。
媒介契約の種類を変える
媒介契約とは、不動産会社に家の買主を探してもらったり買主と契約条件のすり合わせをしてもらったりするために締結する契約です。
媒介契約には、他の不動産会社と重ねて契約することができない「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」のほか、複数の不動産会社と重ねて契約できる「一般媒介契約」があります。
不動産会社は、売買が成立したらほぼ確実に自社が仲介手数料を受け取れる「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」を締結したいと考えることが一般的であり、不動産会社からすすめられるがままに、これらいずれかの契約を締結していることが多いでしょう。
しかし、家の条件が決して悪くないにもかかわらず家が売れない場合は、現在締結している媒介契約の期間が満了するタイミングで一般媒介契約に切り替えることも選択肢の1つとなります。
なぜなら、一般媒介契約は重ねて複数社と契約することができるため不動産会社による「囲い込み」をされにくく、また不動産会社同士が競い合うことで家が売れる可能性が見込めるためです。
ただし、一般媒介契約は不動産会社がせっかく販売活動にコストや労力を投じても、他の不動産会社経由で売買契約が成立すると報酬を一切受け取ることができません。
そのため、家が売りづらい物件である場合に一般媒介契約を選択してしまうと不動産会社が販売活動に力を入れなくなり、家がより売りづらくなる可能性があります。
内見後成約に結びつかない場合の対処法
内見後に成約に結び付かない場合の対応として、次の3つの対処法を解説します。
- 内見時に清掃や整理整頓を心がける
- 照明や家具の配置を変える
- 物件のにおいに気を配る
内見時に清掃や整理整頓を心がける
1つ目は、内見時に清掃や整理整頓を心がけることです。
乱雑で汚れた状態であるのと片付いて清掃が行き届いている状態とでは、家の印象が大きく異なります。
家が綺麗で片付いた状態であると、成約に結びつきやすくなります。
併せて、内見時は丁寧な対応を心がけてください。
照明や家具の配置を変える
2つ目は、照明や家具の配置を変えることです。
大規模なリフォームやリノベーションをしなくても、照明や家具の配置を変えるだけで家の印象は大きく異なります。
そのため、数件内見を受け入れても家が売れない場合は、照明や家具の配置を変えてみるとよいでしょう。
物件のにおいに気を配る
その家に住んでいる人は家の臭いに気付きにくい一方で、外から来た人にとっては気になりやすいものです。
特に、家の中でタバコを吸っている場合やペットがいる場合は、臭いが染み付いている可能性があります。
そのため、第三者である不動産会社の担当者などに家の臭いについて率直に意見を求め、対応を検討するようにしてください。
家が売れない場合におすすめしない対応方法
家が売れないからといって、やみくもに対策を講じればよいわけではありません。
ここでは、家が売れない場合におすすめしない対応について解説します。
- 安易に家を解体する
- 安易にリノベーションや大規模なリフォームをする
- 安易に値下げをする
安易に家を解体する
家が売れないからといって、安易に家を解体することはおすすめできません。
確かに、家の老朽化が目立つ場合はこれが原因で家が売れない可能性があります。
その場合は、家を解体して更地として売ることが選択肢となります。
しかし、他の原因によって家が売れない可能性もゼロではありません。
そのため、家を解体するかどうかを安易に決めるのではなく、その地域の不動産事情に詳しい不動産会社の担当者へ相談のうえ、慎重に検討するようにしてください。
その地域の不動産事情に詳しい不動産会社をお探しの際は、「おうちクラベル」をご活用ください。
安易にリノベーションや大規模なリフォームをする
家が売れないからといって、安易に大規模なリフォームやリノベーションをすることはおすすめできません。
なぜなら、家が売れないことには他の理由がある可能性もあるためです。
また、リフォームやリノベーションをしてその費用が売出価格に加算されるとリーズナブルであるという中古物件ならではの利点が損なわれ、家がより売れなくなってしまう可能性もあります。
そのため、リフォームやリノベーションは不動産会社の担当者とよく相談したうえで行うようにしてください。
安易に値下げをする
売出価格を高く設定しすぎたことが原因であると考えられる場合、相場相当にまで価格を引き下げることは検討すべき対策の1つです。
一方、相場をよく調べないまま安易に値下げすることはおすすめできません。
価格を下げなくても、物件情報を見直したり照明を変えたりすることで家が売れる可能性があるためです。
そのため、値下げをする際は、不動産会社の担当者と相談したうえで改めてその地域における家の売却相場を調べ、相場相当への引下げに留めるようにしてください。
家が長期にわたって売れないデメリット
長期にわたって家が売れない場合は、次の2つのデメリットが生じる可能性があります。
- 固定資産税などの維持費がかかり続ける
- 家の老朽化が進行する
固定資産税などの維持費がかかり続ける
1つ目のデメリットは、固定資産税がかかり続けることです。
たとえその家に住んでいなかったとしても、所有している以上は固定資産税を支払い続けなければなりません。
また、空き家である場合は、その状態を維持するために空気の入れ替えや庭の草刈りなど適切なメンテナンスをする必要があり、これにも手間や費用がかかります。
家の老朽化が進行する
2つ目のデメリットは、家の老朽化が進行することです。
一般的に、家の成約価格は築年数が経過し老朽化が進むほど低くなる傾向にあります。
そのため、家が売れないとその間にどんどん老朽化が進行し、より売りづらくなったり価値が下がったりする可能性があります。
対策を講じても家が売れない場合の対処法
最後に、対策を講じてもなお家が売れない場合に検討したい対策を3つ紹介します。
- 不動産買取を検討する
- 水回りのリフォームをする
- 家を解体して更地で売却することを検討する
不動産買取を検討する
1つ目は、不動産買取を利用することです。
不動産買取とは、不動産会社に直接家を買い取ってもらう取引形態のことです。
不動産買取では市場で売りづらい不動産でも買い取ってもらえる可能性があるため、家が売れない場合は不動産買取が選択肢の1つとなります。
ただし、不動産買取による売買価格は市場での売買の6割から8割程度となることが一般的です。
また、不動産会社側に家を買い取る義務があるわけではなく、打診したからといって必ずしも買い取ってもらえるとは限りません。
水回りのリフォームをする
2つ目は、不動産会社の担当者と相談をしたうえで水回りのリフォームをすることです。
公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会が中古物件の購入検討者に対して行ったアンケート結果「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果」によると、住宅の購入検討者がリフォームを希望する箇所は、「キッチン、浴室、トイレ等の交換」が突出しています。
画像引用元:土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果(公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会)
そのため、家全体をリフォームしなくても、水回りのみをリフォームすることで家が売れる可能性があります。
ただし、水回りをリフォームするだけでも相当な費用が必要です。
リフォームをして売れればよいものの、リフォームをしても家が売れず結果的に家を解体して土地のみを売ることとなると、せっかく行ったリフォームが無駄になってしまいかねません。
そのため、リフォームは独断で行うのではなく、あらかじめ不動産会社の担当者とよく相談をしたうえで行うようにしてください。
家を解体して更地で売却することを検討する
3つ目は、家を解体して土地のみを売却することです。
家の老朽化が相当程度進行しており、また古民家としての需要なども見込めない場合は、最終手段として更地にして売りに出します。
ただし、解体には数百万円単位の費用が掛かることが一般的です。
そのため、解体は独断で行うのではなく、家が売れない場合にその地域の不動産事情に詳しい不動産会社の担当者とよく相談したうえで検討するようにしてください。
地域の不動産事情に詳しい信頼できる不動産会社をお探しの際は、ぜひ不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルでは、査定依頼フォームに1度入力するだけで複数の不動産会社に査定の依頼をすることができ、査定額や説明、担当者の対応などを比較することで、その地域の不動産事情に詳しい不動産会社を見つけやすくなります。
まとめ
家が売れない場合は家自体に原因がある場合もある一方で、売り出し方などに問題がある場合もあります。
家が売れない場合は、やみくもにリフォームをしたり値下げをしたりするのではなく、売れない原因を調べたうえで適切な対応を検討するようにしてください。
その家の売却ノウハウを持つ不動産会社である場合は、売れない理由を見つけ対策についても適切なアドバイスをしてくれることでしょう。
その家の売却に強い不動産会社をお探しの際は、「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルとは、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する不動産一括査定です。
査定依頼フォームに1度情報を入力することで複数の不動産会社に査定の依頼ができるため、査定額や対応などを比較することで、その家の売却に強い不動産会社を見つけやすくなります。
また、査定依頼先の不動産会社は実績豊富な優良企業ばかりであり、安心してご利用頂くことが可能です。