戸建て売却は難しい?その理由と売りにくい物件の特徴や内見立ち合い時のコツを解説!

「戸建て売却を検討しているが、売れるか心配だ」「戸建てを購入しようとしているが、いざ売るときになったら、売れるのかわからない」と悩んでいる人はいませんか。

中古の戸建ては、中古マンションに比べ確かに売りにくいと言われています。自分たちがいつか戸建てを売却する時、売れなかったらどうしようと考えてしまうのは無理もありません。

この記事ではなぜ中古戸建ては売りにくいのかということを解説した後、どのようなタイミングで売ればよいのか、購入者にどのように売り込めばよいのかについて徹底的に解説していきます。

最後まで読んで、中古戸建てがスムーズに高い価格で売れるように参考にしてください。

目次

1.何ヶ月売れなかったら「売れない家」?

中古戸建ての売却が難しいとはいえ、どのくらいの期間売れなかったら「売れない家」といえるのでしょうか。公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の首都圏不動産流通市場の動向に以下のようなデータがあります。

出典:都圏不動産流通市場の動向(2021年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構

この表は不動産会社がレインズ(不動産会社のみ閲覧できるネットワークシステム)に物件登録してから成約登録するまでの平均日数を表しています。

不動産会社と媒介契約を結ぶとその物件はレインズに登録されます。レインズへの登録はそれぞれ7日(専任媒介契約)、5日(専属専任媒介契約)以内にしなければなりません(一般媒介契約の場合は任意登録)。

上の表の数字にレインズ登録までにかかる最大日数を足すと実際の物件販売開始から成約までの期間が大まかにですがわかります。

2021年度は中古マンションが80日程度、中古戸建てが100日程度とどちらも3ヶ月程度で物件が売却されていることが分かります。

時期にもよりますが、中古戸建てであれば3ヶ月以上売れないと「売れない家」のイメージが強まってしまうでしょう。

1-1.売れない期間も発生する固定資産

仲介で不動産を売る場合、不動産会社が購入希望者を探し、見つかれば売買契約を結んで売却完了となります。

つまり、購入希望者がいなければ売買契約を結べず、売却できずに残ります。その場合、所有権は売り手にあるため、固定資産税を払い続けなければいけません。

さらに売れない期間は物件の維持費もかかります。土地が借地である場合は、地主に地代を払う必要があるため、売れない期間が長いほど負担が大きくなります。

1-2.内見対応も長期化すると負担に

販売期間中、物件を早く売るためにも購入希望者には内見対応をする必要があります。まだ売り手がその家に住んでいる場合は、内見対応をする度に隅々まで綺麗に掃除をしなければいけません。

また多くの場合、内見は土日です。したがって、物件が売れない期間が長引けば長引くほど、土日の自由な時間が減ります。

内見が多ければ、土日のスケジュールを組むのも大変です。売れない期間が多いほど、金銭的にも時間的にも売り手の負担が大きくなることを理解しておきましょう。

2.中古戸建ての売却は難しい?そう思われている理由とは?

中古戸建ての売却は難しいと考えている人も多いでしょう。ここでは中古戸建ての売却が難しいと言われている理由について以下の6つをご紹介します。

「難しそう」という理由で売却を諦めてしまうのではなく、難しいと思われている理由について分析し、そのうえでどのように売却していくのかを考えるようにしましょう。

中古戸建ての売却が難しいと思われる理由6選

根強い「新築信仰」

間取りや設備が古い

新耐震基準以前の物件を避ける人がいる

中古は瑕疵担保責任の期間が短い

売却時期も重要である

新築のほうが住宅ローンに有利

2-1.なおも根強い「新築信仰」

「新築信仰」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは日本人が持ち家を持とうとするとき、中古の物件ではなく、新築物件を好んでいるということを表しています。

現に日本の不動産市場で流通している約6割が新築の物件です。では、日本人はなぜ新築を好むのでしょうか。それは主に以下のような理由があると考えられています。

日本人が新築を好む理由

備考

中古住宅の状態が不透明

住み始めてから不具合が起きる可能性がある

間取り、性能の問題

築年数によっては時代の流行りに合わない間取りがある

中古価格なのにお得と感じない

劣化の少ない築5~10年の物件では新築と値段が変わらないものも存在する

税制優遇がない

新築住宅には税制の優遇があるが、中古物件にはない

いざ、中古戸建てに住んでみて、すぐ雨漏りや白アリ被害にあったらと思うと二の足を踏んでしまう人も多くいるのでしょう。中古戸建ては建築されてから年数が経過しているため、そのような被害が出る可能性は0ではありません。

これらの理由のために、日本人は新築の物件を好んでいると考えられます。上記の理由を加味して、自分の物件をどのように売ればいいか考えていきましょう。

※参照:一般社団法人不動産流通経営協会|「既存住宅流通量の地域別推計について」

2-2.間取りや設備が古い

中古戸建てがなかなか売れない原因として「間取りや設備が古い」ことが考えられます。

間取りや設備は以下の表のように時代の流れとともに流行りが変わっており、時代の流行りとは異なる間取りや設備を持つ戸建ては、リフォームやリノベーションを前提としないかぎりなかなか売れないのが現状です。

間取りや設備の流行り

年代

流行りの間取りや設備

1970年代

大量生産が可能である住宅。プレハブ住宅。

1980年代

フローリングを取り入れた洋風住宅。

2000年代~2023年現在

地中海のような柔らかい雰囲気の南欧スタイルや

北欧スタイル、シンプルなモダンスタイル

建物が古いと、何か特別なセールスポイントがないかぎり購入客の気を引くのは難しいです。逆に築浅の戸建てで、最新の設備がそろっている戸建てであれば、すぐに購入希望者が現れる可能性があるでしょう。

2-3.新耐震基準以前の物件を避ける人も

「新耐震基準以前の物件」の中古物件は避けられる傾向があります。新耐震基準は1981年に制定され、それ以前に建てられた建築物は旧耐震基準をもとに建設されています。

新耐震基準は旧耐震基準に比べ、耐震基準がより厳しいものとなっています。

日本は地震大国であるため、耐震住宅でなければ不安だという人も多くいます。また、旧耐震基準の住宅は地震保険料が高くなってしまうことも、売却難易度が上がる理由となっています。

したがって、戸建てを購入しようと考えている人の多くは、現在の新耐震基準をしっかりと満たした家を購入したいと考えています。

ぜひ、売却したい戸建てが新耐震基準が制定された1981年以降のものか調べておくとよいでしょう。

1981年以降の物件であれば「新耐震基準を満たしている」とアピールすることで、購入希望者の心を掴める可能性があります。

2-4.中古は瑕疵担保責任の期間が短い

中古戸建ては一般的に瑕疵担保責任の期間が短いです。

瑕疵担保責任とは購入時に明らかになっていない隠れた瑕疵に対する売り主の責任のことを言います。

具体的には購入者が住み始めてから契約書に明記されていない家の不具合(白アリ被害、雨漏りなど)を発見したとき、売り手に申し出ることで売り手に賠償義務が生じるということです。

新築住宅には購入者を守るために「10年間の瑕疵担保責任」が法律で義務付けられていますが、中古住宅を購入した場合、売り手が個人か不動産会社にもよりますが、2年程度の瑕疵担保責任しかありません。

瑕疵担保責任期間を考慮すると、中古より新築戸建てを購入したほうが安心できるため、中古より新築が好まれるのです。

2-5.売却時期も重要!

中古戸建てを売却する場合、その売却時期も重要です。

いくら優良物件でも、売却時期が悪いと価格が下がることがあります。では、どのタイミングで売却するのが1番よいのでしょうか。適切な売却時期を4つの項目に分けて表に示したので、売却時の参考にしてください。

売却時期を決める

4つの項目

いつ売却すればいいか

季節

転勤や子供の進学先が変わるタイミングは住み替え需要が高まるため、2〜3月に売却するといい。

築年数

中古の戸建てに関しては築10年を過ぎたあたりから需要が落ち込み、築20年で資産価値がほぼ0になるため、なるべく築年数の浅いうちに売却するほうがよい

税金

物件購入から5年、10年を境に譲渡所得の税率が軽減されるため、5年、10年を過ぎたあたりで売却するとよい。(ただしマイホームの場合は最高3,000万円の特別控除があり)

個人の事情

ライフステージに合わせて売却する。子供が生まれて部屋が少なくなったり、子供が独立して部屋が余ったりするタイミングで売却するとよい。

※参考:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状市場の現状」

2-6.新築のほうが住宅ローンに有利

中古戸建ての人気が少ない理由として「新築のほうが住宅ローンに有利」であることが挙げられます。住宅ローンでは「購入金額まで融資を受けられる」と思っている人がいるのではないでしょうか。

融資する側は基本的に融資を受けた側が払えなくなっても、融資した金額を取り返せるからお金を貸すのです。住宅ローンの場合、その物件の資産価値=融資額計算の対象となります。

新築の場合、資産価値=購入価値であることが多いため、満額融資を受けることができます。

しかし、中古の場合年数の経過とともに資産価値が落ちていくので、資産価値=購入価値とはなりません。中古の融資額は「担保価値=融資満額」であり、担保価値は立地、築年数から銀行側が算出します。

例えば、中古戸建てを1,000万円で購入したものの、担保価値が500万円であれば融資満額も500万円となってしまうのです。住宅ローンを組むのであれば、資産価値が高い新築のほうが有利になってしまいます。

3.売却の難しい戸建てとは?

中古戸建ての中でも売却の難しい物件とそうでない物件が存在します。

ここでは売却が難しいと考えられる物件を7つ紹介します。自分の物件が以下の条件に当てはまっているかどうか売却する前に確認してみましょう。

売却が難しい物件の条件7選

立地条件が悪い物件

築年数の経った物件

土地の形状や接面道路などの条件が悪い物件

メンテナンスの不備がある物件

再建築不可の物件

販売価格が高すぎる物件

こだわりの物件・個性的な物件

3-1.立地条件が悪い物件

1つ目は「立地条件が悪い物件」です。

戸建てを購入するということは10年単位でその土地に住み続けようとする人が多いでしょう。となると、立地がよい物件のほうが売れやすいと思いませんか。

また、戸建てを購入するのは主にファミリー世帯と考えられるため、子供のためにも治安がよい場所を選ぶ傾向があります。さらに近くにスーパーがない場所や、駅から遠い場所は避けられがちです。

売却する物件の周辺環境をよく見て、立地について客観的に考えてみましょう。以下に立地が悪い条件を6つ表にまとめましたので、参考にしてください。

立地の悪い6条件

最寄り駅が遠い

自然災害のリスクがある

スーパーが遠い

日当たりが悪い

騒音が気になる

治安が悪い

3-2.築年数の経った物件

2つ目は「築年数の経った物件」であることです。

先述しましたが、築20年以上経った戸建ての建物部分の資産価値はほぼ0になります。また、築20年以上経つと建物に使用している資材が劣化し、耐久性が低くなっている可能性もあります。

したがって、築20年以上経った物件は売却が難しいのが事実です。購入者もフルリノベーションを前提とした購入であることが多いため、その分売却価格を下げる必要もあるでしょう。

3-3.土地の形状や接面道路などの条件が悪い物件

3つ目は「土地の形状や接面道路などの条件の悪い物件」です。

戸建てが建てられている土地が狭すぎたり、特殊な形状をしたりしている場合は、購入した後使いにくい可能性が高いため避けられがちです。

また、接面道路が狭すぎる場合も購入されにくいです。接面道路とはその名のとおり、戸建ての立つ土地が接する道路のことです。

接面道路が狭いということは、車の出し入れがしにくかったり、見た目が窮屈に感じたりしてしまいます。

さらに、後述しますが接面義務を果たしていないと再建築不可となってしまい、今立っている家を取り壊しても原則的に新たな家を建てられません。(例外あり)

3-4.メンテナンスの不備がある物件

4つ目は「メンテナンスの不備がある物件」です。

戸建てを販売し始めてからしばらく経つのに、なかなか売れないという家はメンテナンスに不備があるかもしれません。

もし、内見時に庭が整備されておらず雑草が無造作に生えていたり、設備が故障していたり、部屋の傷が目立っていたりしたら購入希望者はどう思うでしょうか。

おそらく「この家はちゃんとメンテナンスされていないな」と家にも所有者にもマイナスの印象を持つことでしょう。

戸建ての購入は一生に数度もないため、せっかく購入するならきちんとメンテナンスされた家を買いたいと思うのが購入希望者の心情です。

販売開始からずいぶん経ち、内見にくる購入希望者もそこそこいるのに売れない物件は、もしかしたらメンテナンス不備が原因かもしれません。

故障設備を修理したり、ハウスクリーニングを依頼したりして、家をより綺麗に保つようにしてみてはいかがでしょうか。

3-5.再建築不可の物件

5つ目は「再建築不可の物件」であることです。

物件は建築基準法で定められたとおりに建てなければいけません。もし、家が建築基準法に適していないならば、一度家を取り壊したのちに再建築はできません。

例えば、先ほどもご紹介した接面道路に関して、建築基準法では「土地が4m以上の幅員の道路に2m以上接していること」と定められています。

もし、接面道路が建築基準法に適していない場合は今の戸建てを取り壊すと再建築できなくなってしまうのです。

そのような家を買おうとする人は非常に少ないでしょう。したがって、建築基準法に適していない戸建てを売却するのは困難となります。

3-6.販売価格が高すぎる物件

6つ目は「販売価格が高すぎる物件」です。

物件の条件によって、最適な販売価格があります。高く売りたいからといって販売価格をつりあげても、買い手がおらず売れ残ってしまうでしょう。現在の販売価格を見直し、最適な販売価格にすると売れる可能性が高まるはずです。

しかし、少しでも高く売りたいと思う人も多いはずです。そのための値下げテクニックを以下の2つご紹介します。ぜひ、値引きの際に参考にしてみてはいかがでしょうか。

値下げの

テクニック

メリット

デメリット

少しずつ

値下げする

物件の登録情報が更新されることで、新着物件のように扱われるため、多くの人の目に留まる。

値下げの回数が多いほど、インパクトが薄まってしまう。

一気に

値下げする

一気に値下げすることで、買い手にお得感を持たせることができる。

値下げしすぎるとかえって購入希望者が不審に思うこともある。

3-7.こだわりの家・個性的な家

7つ目の条件は「こだわりの家・個性的な家」であることです。

売り手の好みやこだわりがつまった注文住宅は売りにくいことがあります。なぜなら、売り手の好みと購入者の好みがマッチするとは限らないからです。

リノベーションやリフォームをするならよいのですが、築浅物件の場合はリフォームせず、そのまま住むことを想定する人が多いため、個性的な外観や間取りの家は敬遠されがちです。

対して建売住宅は誰にでも合うように設計されているので、かえって個性的な注文住宅より売りやすいこともあるかもしれません。

売却したい戸建てを見直し、周りの家と比べこだわりが強い家なのかどうか確認しておくと売り方も変わってくるでしょう。

4.中古戸建てを少しでも高く売るコツとは?

「なかなか自分の家を売却できない」という状況に陥ってしまったとき、まず考えるのは売却価格を下げることです。だからといって、安易に価格を下げるだけでは自分たちの利益が少なくなってしまいます。

少しでも高く家を売るためにはどうすればいいのでしょうか。ここではそのコツを5つご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

中古戸建てを少しでも高く売るコツ5選

家をきれいに掃除する

リフォーム・リノベーションを検討する

不動産会社を変更する

更地にして売却したほうがよいケースも

ホームステージングをしてみる

4-1.家をきれいに掃除する

1つ目のコツは「家をきれいに掃除する」ことです。

内見にくるのは主に一般の個人客です。冷静に物件の資産価値を判定するプロではないので、家が汚かったり散らかっていたらそれだけで心が離れていってしまうこともあり得ます。

また所有者がルーズな人だと思い、物件にほかの不備がないか不安になってしまうかもしれません。

内見で住みたいと思われない限り、その家は売れ残る可能性が高いでしょう。購入希望者に内見時に住みたいと思ってもらえるように、内見前に家の中を隅々まで綺麗にしておくことをおすすめします。

4-2.リフォーム・リノベーションを検討する

2つ目は「リフォーム・リノベーションを検討する」ことです。

築年数が経ってくると自分も把握していないような設備が壊れたり、汚れたりしている可能性が高いです。その場合買い手から瑕疵担保責任を問われ、賠償することになりかねません。

そうならないためにも、コストはかかってしまいますが、リフォームやリノベーションをすることによって高値で売却できる可能性があります。

ただし、購入希望者は物件購入後自分の好みにリフォームやリノベーションしようとしているかもしれません。その場合、売り手の趣味でリフォームやリノベーションをしすぎてしまうとそれらが無駄になる可能性もあります。

どこまでをリフォームやリノベーションするかは仲介に入っている不動産会社に相談し、故障箇所など最小限のリフォームに留めることをおすすめします。

4-3.不動産会社を変更する

3つ目は「不動産会社を変更する」ことです。

不動産会社に仲介してもらって物件を売却する場合は必ず「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3つの中から契約しなければいけません。

もし、不動産会社の対応が悪く、まったく物件が売れない場合は不動産会社を変更することをおすすめします。

「専属専任媒介」や「専任媒介」を契約している場合は契約期間が3か月なので、3か月目終了時点が不動産会社を変えるいいタイミングです。

不動産会社を変更すればいいと分かっても、「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3つの契約形態の違いがよくわからないという人もいるかもしれません。

そんな人のために以下では「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の契約の詳細について解説します。契約についてよく理解した上で、どの契約にしたほうがよいのか考えてみてください。

4-3-1.専属専任媒介

最初に解説するのは「専属専任媒介」についてです。

専属専任媒介契約を締結した依頼者は、その不動産会社以外の不動産会社と契約できません。また、依頼者が自分で物件購入者を見つけた場合も、その不動産会社を通して契約する必要があります。

そのため、専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は成約に向けて積極的に努力することが求められ、7日に一度以上販売活動状況を依頼者に報告することが義務付けられています。

専属専任媒介契約の期間は3か月であるため、なかなか物件が売れない場合は3か月目終了時点で契約を更新せず、ほかの不動産会社に依頼することをおすすめします。

4-3-2.専任媒介

次に解説するのは「専任媒介契約」についてです。

専任媒介契約を締結した依頼者は、専属専任媒介契約と同様にその不動産会社以外の不動産会社と契約できません。しかし、依頼者が自分で物件購入者を見つけた場合、その不動産会社を通さず契約を結ぶことが可能です。

また、専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は成約に向けて積極的に努力することが求められ、14日に1度以上販売活動状況を依頼者に報告することが義務付けられています。

契約期間は専属専任媒介契約と同じで3か月であるため、不動産会社を変更するならこのタイミングにしましょう。

4-3-3.一般媒介

最後に解説するのは「一般媒介契約」です。上記の2つの契約と違い、依頼者は複数の不動産会社に依頼することが可能です。

したがって、大手不動産会社・地域に強い不動産会社・若手が多くやる気のある会社、のようにタイプの違う数社と契約を結ぶこともできます。

一般媒介の場合、不動産会社は一定の期間ごとに依頼者に販売状況を報告する義務がありません。もし、販売状況が気になる人は自分から状況を確認するといいでしょう。

一般媒介契約は契約期間も特に定められていないため、依頼者が不動産会社を変更したいタイミングで変更することが可能です。

4-3-4.媒介契約時に期限を伝えるのも有効

ここでは契約時に役立つワンポイントアドバイスをお伝えします。それは「媒介契約時に期限を伝える」ということです。

もし、物件が売れないにもかかわらず売り手が不動産会社を変えない場合、その会社に「この客はダラダラやっていても契約が切られないんだな。」と思われてしまう可能性があります。

そう思われるとなかなか本気で販売しようとせず、気が付いたら1年経っていたなんてことにもなりかねません。

そこで、「3か月経っても売れない場合は別の不動産会社に変更します。」ということを契約時に伝えておきましょう。

不動産会社は3か月以内に売れないと広告費や人件費が無駄になってしまうため、「3か月以内に売らなければ」と本気で販売活動をしてくれるようになるでしょう。

4-4.更地にして売却したほうがいいケースも

4つ目のコツは「更地にして売却する」ことです。

物件は築20年以上経つと建物の資産価値がほぼ0になります。築20年以上経つと家のあちこちで不具合が生じている可能性も高いでしょう。

そのような場合は家を取り壊し、更地にして売ったほうがよい場合もあります。更地であるほうが解体費用も発生せずすぐに活用でき、物件の魅力もアップするでしょう。

もし、古い物件で家の老朽化が激しいなら、更地にして売却することも検討してみてはいかがでしょうか。

4-5.ホームステージングをしてみる

最後のコツは「ホームステージングをしてみる」ことです。ホームステージングとは購入希望者に「住みたい、暮らしたい」と思ってもらえるような部屋にすることです。

日本ホームステージング協会によると一般的な戸建の売却日数とホームステージングを行った物件では後者のほうが売却日数が全社の3分の1になったという結果が得られたと報告されています。

ホームステージングのやり方の一例としてモデルルームのように、空部屋に家具や小物を配置して、理想の暮らしを演出するというやり方があります。

もし、なかなか物件が売れない状況に陥ったときはホームステージングを行ってみてはいかがでしょうか。

参考:ホームステージングとは|日本ホームステージング協会

5.これが正解!売れる可能性を高める内見対応

物件を購入希望者に売るためには内見は避けては通れません。内見者は多いけどなかなか売れない場合は、内見対応がよくない場合があります。

ここでは売れる可能性を高める内見の正しいやり方について5つ紹介します。何を話したらよいかわからないという人はぜひ参考にしていただき、実際の内見対応に生かしてみてはいかがでしょうか。

売る可能性を高める内見対応のポイント5選

一番「有利な時間帯」を知っておこう

過度なアピールはNG!

周辺状況はとにかく把握しておこう

住んでいるからこそ分かるアピールポイントを伝えよう

デメリットも正直に答える

5-1.一番「有利な時間帯」を知っておこう

まず、自分の物件の一番「有利な時間帯」を知っておきましょう。その戸建てが一番よく見える時間帯はいつでしょうか。周囲の環境によるものの、大抵は正午頃の一番日当たりがいい時間が一番よく見えるとされています。

また、採光が東側の物件であれば午前中、西側の物件であれば西日の時間を外した時間など、なるべく有利な時間に内見を設定しましょう。

自分がこの家に住んでいて一番いいなと思える時間帯に内見をしてもらうと買い手にも共感されやすくなりますし、物件の魅力を説明もしやすくなります。

5-2.過度なアピールはNG!

「過度なアピール」はしすぎないようにしましょう。

購入希望者からすると、内見時は家の中を自由に見て回りたいものです。早く売りたいからと売り手側が頻繁に家のアピールをしたり、常に買い手の視界に入ったりしていては購入希望者もゆっくり家の中を見て回ることができません。

見たいところが見れなかったとなれば、その家を購入してくれないかもしれません。買い手が気持ちよく内見できるように、売り手側は気を使うことが大切です。

もし、内見の中で質問を受けたら、誠意をもって詳しく答えてあげましょう。

5-3.周辺状況はとにかく把握しておこう

「周辺状況はとにかく把握」しておきましょう。

内見者は家の中だけが気になっているわけではありません。今後長く住むのですから、ご近所の状況についても知りたがっているはずです。

周囲の保育園・幼稚園・学校情報や、スーパーや病院の位置、各種商店や駅までの最短経路など意外と知らないことがあるかもしれません。

内見時には家の中のアピールだけでなく、周辺の状況を付加情報として教えてあげると買い手側は非常に喜びます。

周辺に何があるのかをリストアップし、いざ聞かれたときにすぐに答えられるようにしておくとスムーズに話が進みやすいのでおすすめです。

5-4.住んでいるからこそ分かるアピールポイントを伝えよう

「住んでいるからこそ分かるアピールポイント」を教えてあげましょう。

日当たりや風通し、間取りやコンセントの位置、室内設備の種類など、買い手が住み始めてから部屋のデザインを考えたり、必要なものを揃えたりするときに役立ちます。

自分自身が実際に住んでみて気に入っていることまで教えてあげると、買い手側が住み始めた後のことをイメージしやすくなります。

それこそ、先ほどもお伝えしたように買い手に「住みたい、暮らしたい」と思わせることができるので非常におすすめです。ただし、出しゃばってアピールしすぎないように注意しましょう。

5-5.デメリットも正直に答える

「家のデメリットは正直に答える」ことも大切です。

家は非常に高い買い物です。買い手は購入後10年単位で住み続けることでしょう。したがって、購入には慎重になるのは当たり前で、実際に住んでいたときのデメリットをとても知りたがっています。

ここでごまかしたり、嘘をついたりしてはいけません。デメリットも正直に答えることで買い手からの信頼を得ることができますし、なにより住む前にデメリットを知ることができて安心するはずです。

ただし、言葉を選ばないと購入してくれない可能性が高まるので、事前に不動産会社と話し合い、デメリットの伝え方を決めておきましょう。

6.中古戸建て売却に向けて、さまざまなことを試してみよう

中古戸建てがなかなか売れない場合に、自分でできる方策をご紹介してきました。もし、家が売れない場合は実践してみてはいかがでしょうか。

自分ができることをやってみても家が売れない場合は、あらためて所有している戸建ての価値を確認してみてはいかがでしょうか。

不動産会社から査定をしてもらう場合は1社だけに依頼するのではなく、不動産一括査定をするようにしてください。不動産の価格は「時価」であり、高く売却したい際には相見積もりによる比較がおすすめです。

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