【原因別】売れない中古戸建ての特徴と対処法を徹底解説!

中古戸建ての販売活動をしている人の中には、「家がなかなか売れない」「家を維持するだけで大変だから、早く売りたい」と思っている人もいるかもしれません。

すでに引っ越し先を確保している場合や、自分で住まない中古戸建てを相続した場合など、なかなか売れないと、家の維持費や税金の負担が大きくなってしまいます。

しかし、その一方で売れている中古戸建てがあることも事実です。中古戸建てを売るときに重要なのは売れない中古戸建ての特徴を理解し、その対処法を実践することです。

この記事では売れない中古戸建ての特徴と、どうやったら売れるのかについて徹底解説します。最後まで読んで、できる対処法を実践してみてはいかがでしょうか。

目次

1.中古戸建ての売却は難しい?平均販売期間は?

中古戸建ての売却は一般的に難しいといわれています。なぜなら、日本人は「新築信仰」と呼ばれるほど、戸建てを購入する際は新築を好むからです。

日本の不動産市場で流通している物件の6割程度が新築の物件であることからも、いかに日本人が新築物件を好んでいるかが分かります。

しかし、中古戸建ても売れないわけではありません。中古戸建てには中古戸建ての魅力があり、一定の需要はあります。では、中古戸建てはどのくらいの販売期間が平均的なのでしょうか。

出典:都圏不動産流通市場の動向(2021年度)|公益財団法人東日本不動産流通機構

上の表は、不動産会社がレインズ(不動産会社のみ閲覧可能なネットワークシステム)に物件を登録してから成約登録されるまでの平均日数を表しています。

媒介契約を結んでからレインズに物件が登録されるまで5〜7日程度かかるため、その日数を足すと2021年度は中古マンションが80日程度、中古戸建てが100日程度とどちらも3ヶ月前後で物件が売却されていることが分かります。

2.売れない中古戸建てで起こるリスク

中古戸建ては売却できるまで平均3ヶ月かかることが分かりました。しかし、これは平均日数であり、すべての物件が3ヶ月で売却できるわけではありません。

レインズ登録後すぐに売れてしまう物件もあれば、1年以上売れない物件もあるでしょう。

では、売れない中古戸建てをずっと所有しているとどんなリスクがあるのでしょうか。主に挙げられるリスクとしては以下の4つが考えられます。

  • 保有しているうちは固定資産税が発生する
  • 空き家は劣化が早くなる
  • 古くなった家屋は近隣住人にとってマイナスである
  • 「特定空き家」に指定される可能性がある

2-1.保有しているうちは固定資産税が発生する

土地や物件には「固定資産税」が課され、所有者は毎年物件のある市区町村に税金を納めなければなりません。

固定資産税は「その年の1月1日現在の所有者(土地登記簿などに物件の所有者として登録されている人)」が支払うことが義務付けられています。

中古戸建てが売れないと、その所有者は売り手のままであるため、固定資産税を払う義務が発生してしまいます。それに加えて維持費もかかるため、売り手の負担が大きくなってしまいます。

中古戸建てを売ると決めたら、時間をかけずにすぐ売れるような対策を取りましょう。

2-2.空き家は劣化が早くなる

空き家の場合、人が住んでいた時に比べて家の劣化が早まります。購入希望者に空き家を売るために、老朽化した部分を修繕しようとすると、大規模な工事をしなければいけなくなり、売り手の負担が大きくなります。

空き家の劣化が早い原因は以下の4つが考えられます。できるだけ買い手が見つかるまでは家に住んでいたほうがいいですが、それができない場合はこれらの原因の対策を行い、家が老朽化しないように対処するようにしましょう。

空き家の老朽化が早い原因

換気不足

給排水管、ガス管の劣化

雨漏り

害虫・害獣発生

2-3.古くなった家屋は近隣住人にとってもマイナス

売れ残った物件はどんどん古くなってきます。古くなった家屋は近隣住民にとってもマイナスであることを理解しておきましょう。

具体的に近隣住民に悪影響を及ぼす可能性として、以下の5つの要因が考えられます。

売れ残り物件が

近隣住民に与える悪影響

内容

空き家の倒壊

古くもろくなった家屋の倒壊により、

近隣住民の家屋が損傷する可能性がある。

火災による延焼や屋根の飛散

火災で延焼したり、強風のときに屋根が飛散したりして、近隣住民の家屋などに

被害を与える可能性がある。

なお、空き家の火災は基本的に空き家の所有者には責任がないことから近隣住民にとって大きな迷惑となる。

害虫の発生や雑草の繁殖

空き家の管理ができていないと、

湿気などがこもりシロアリが発生する。

 このような害虫が近隣へ侵入し、近隣の家屋などにも大きな被害を及ぼしてしまう可能性がある。

無断立ち入りや犯罪の発生

不審者が侵入し勝手に電気や水道などが使われることや、

ひどいケースだと犯罪取引の場所となる可能性がある。

近隣の資産価値を下げる

状態の悪い空き家が近隣に存在するというだけで、

近隣不動産の価値を下げてしまう。

2-4.「特定空き家」に指定される可能性

人が住んでおらず、売れ残っている物件は行政から「特定空き家」に指定される可能性があります。「特定空き家」に指定されると行政の指導に従わなければなりません。

しかし、助言や指導を受けても改善しなかった空き家は勧告を受けることになります。勧告を受けた空き家は住宅用特例の対象から外れることになり、固定資産税の軽減措置を受けることができません。

宅地の場合、固定資産税の軽減措置により、通常の固定資産税よりも1/3もしくは1/6まで軽減されています。

この軽減措置が外れることで固定資産税が宅地の場合より、3倍もしくは6倍になるため、売り手にとって大きな負担になってしまいます。

3.中古戸建てが売れない理由~立地条件編~

さて、ここからは中古戸建てがなぜ売れないのか、売れる可能性を高めるためにはどのようにすればいいのかについて解説していきます。

まずは立地条件がよくないために売れない理由から解説します。条件が悪い立地は以下の2つが考えられます。

この2つに当てはまる場合は、それをカバーできるようなセールスポイントを見つけるなど販売戦略を練るようにしましょう。

  • 駅から離れている物件
  • 再建築不可の物件

3-1.駅から離れている物件

特に都市部では、「駅から離れている物件」は売れ残りやすいです。以下に都道府県別の通勤・通学時間を示します。

それを見ると全国平均通勤・通学時間は1時間19分であり、一番長い神奈川で1時間40分です。

駅から物件が遠いということは通勤・通学に時間がかかることを意味します。通勤・通学時間が長いと行くだけで疲れてしまいますし、自分の時間を取られてしまうため、敬遠されがちです。

出典:総務省統計局|令和3年社会生活基本調査生活時間及び生活行動に関する結果

3-1-1.【対策】駅から離れている分の魅力をアピール

駅から遠い物件を売却するためには、どのような対策を取ればいいのでしょうか。この場合は、駅から離れていてもその物件に住みたいと思わせるような魅力をアピールする必要があります。

主に以下の8つをアピールすると、購入希望者が住みたいと思ってくれる可能性が高まります。何か1つでも当てはまる場合は是非それをアピールしてみてください。

アピールすべきポイント

バスや地域バスがたくさん走っている

近くに大きなモールやスーパーがある

道幅が広い(車を運転しやすい)

近隣に有名な学校がある

駅まで遠いが、複数路線を利用できる

緑豊かな大きな公園や自然がたくさんある

物件に駐車場がある

電車通勤ではなく車通勤の人であれば、駅までの距離はあまり気になりません。駐車場のある物件であれば、駐車場をアピールすることで気に入ってくれるかもしれません。

3-2.再建築不可の物件

手持ちの戸建てが建築基準法の接道義務を満たしていない場合は、いったんその物件を取り壊してしまうと再建築できなくなってしまいます。

具体的には「戸建ての建つ土地が4m以上の幅員の道路に2m以上接してい」ない場合が挙げられます。

物件を購入して将来的に再建築しようと考える人もいるでしょうから、再建不可の物件が売れる可能性は低くなってしまいます。

3-2-1.【対策】隣人が買い取ってくれないかまず相談しよう

もし、自分の家が建築基準法を満たしていない場合はどうしたらいいのでしょうか。そのような場合は、隣人に買い取ってもらえないか打診してみるのがいいでしょう。

隣人が買い取ることで道路と土地の接地面積が大きくなれば、建築基準法を満たせる可能性があります。

ただし、この場合高値で買い取ってもらえることはあまり期待できません。中古戸建てが売れ残ったまま維持費や固定資産税を払い続けるよりはましだと考える人は検討してもいいでしょう。

また、建築不可の物件は資産価値が低いために課税評価額が低く、固定資産税も安価であることが多いです。

そのメリットを活かして賃貸として活用することも1つの手です。賃貸であれば、通常借り手が再建不可か否かを気にすることはありません。

4.中古戸建てが売れない理由~建物編~

さて、続いて解説するのは「建物」が原因で売れない場合です。その原因は以下の3つがあると考えられます。

  • そもそも需要の少ない場所
  • 築年数が古い物件
  • 相場よりも高い金額を提示している

もし、いずれかに当てはまる場合は売れない理由と合わせて解説する対処法を実施してみてくださいね。

4-1.そもそも需要の少ない場所

戸建てを購入するということは、今後長くその土地に住み続けるということです。となると、立地がいい物件のほうが売れやすいとは思いませんか。

「その街に住みたい」「その物件に住みたい」という需要が少なければ、物件はなかなか売れません。

例えば、過疎地で人口流入のない土地の中古戸建てで築年数が古いものはかなり売りにくい傾向にあります。以下に示す6つに当てはまる場所は需要が少ないと考えていいでしょう。

需要の少ない場所

最寄り駅が遠い

車が必要な環境

駐車場がない

スーパーが遠い

日当たりが悪い

川沿いや線路沿い

4-1-1.【対策】セカンドハウスとしてアピール

もし、需要が少ない場所に建つ物件を売却したい場合は「セカンドハウス」としてアピールすることをおすすめします。

「日常生活の用に供しない家屋又はその部分のうち、専ら保養の用に供するもの」である別荘と違い、セカンドハウスは最低毎月1日以上の居住に使うもうひとつの家のことをいいます。

別荘ではなく、セカンドハウスとして売り出すことで「固定資産税」「都市計画税」「不動産取得税」に軽減税率が適用されるため、購入希望者の購買意欲も上がるかもしれません。

4-2.築年数が古い物件

木造住宅の法定耐用年数は22年、コンクリートの住宅は47年です。したがって、築20年以上経った物件の建物部分の資産価値はほぼ0となってしまうことがほとんどです。

以上のことから築年数の古い物件への需要は高くないと考えておきましょう。たとえ、フルリノベーション目的で築20年以上の物件の購入を希望する人がいたとしても、売却価格を安くしないと売れません。

4-2-1.【対策1】リフォームなどで購入希望者の購買意欲を高めよう

築年数が古い物件は売り手がリフォームやクリーニングなどをすることで、購入希望者の購入意欲を高めることができます。

仲介で売却する場合、購入希望者のほとんどが一般の個人客です。不動産のプロではないので、汚い家やメンテナンスのされていない家は避けられてしまいます。

「古いのは仕方ないが、前所有者がきちんと丁寧に住んでいた家がいい」と考える人もいるので、物件の不具合(雨漏り、白アリ被害など)への対処や、汚れた壁紙の張り替え、水回りのクリーニングなどを実施しておくことで心証は変わります。

ただし、必要以上にリフォームしてしまうと、その代金を販売価格に上乗せしなければ赤字になってしまいます。価格を上げてしまうと余計に売れなくなるので注意してください。

4-2-2 【対策2】インスペクションを実施する

次にインスペクションを実施するという手があります。インスペクションとは、「建物状況調査」のことです。

主に柱や基礎、壁、屋根などの主要な構造部分や、外壁や開口部などの雨水の浸入を防止する部分について、専門家による調査を行います。

インスペクションを実施することで、建物の状況を詳細に知ることができるため、購入希望者の不安を解消する効果が得られます。

また、インスペクションを行うだけでなく、瑕疵担保保険を付与するとさらに売れる可能性が高まります。

瑕疵担保保険とは、買い手が物件を購入後に発見した雨漏りや白アリ被害などの不具合を修理する際にかかった費用の一部をカバーしてくれる保険です。

中古住宅を購入する際の購入者の不安を軽減してくれるシステムなので、ぜひ検討してみましょう。

4-3.相場よりも高い金額を提示している

物件の販売価格について一度見直してみるのも売却できる可能性をあげる1つの手です。物件を売却する多くの人はできるだけ高く売りたいと思うものです。

住宅ローンがまだ残っている人は、なおさら物件の売却益で相殺したいと考えるため、高値で売却しようとします。

しかし、中古戸建てを求める人の多くは「安さ」を重視しています。購入希望者は1つの物件だけでなく複数の物件の価格を見ているので、割高な物件は購入されにくいです。

まだ時間的に余裕があり、販売期間が長くなっても問題ないという人は売却価格を少し高く設定してもいいかもしれませんが、そこまで時間をかけたくない人もいるでしょう。

戸建ての状態や、周囲の環境によって相場が変わります。近隣の同条件の戸建て価格を調べてみて、自分の物件の販売価格が高ければ価格を見直すことも検討しましょう。

4-3-1.【対策】相場より高いなら価格を下げることも検討しよう

先ほどもお伝えしたとおり、周辺の物件より販売価格が高い場合は、価格を見直すことを検討しましょう。値下げをする場合は購入希望者にお得感を与えることが重要です。

小刻みに値下げを繰り返すのも1つの方法ではありますが、購入希望者へのインパクトはそれほど大きくありません。

逆に「もう少し待てばさらに値下がりするのではないか」と思われ、かえって売れづらくなる可能性もあります。

値引きするなら「一度だけ大幅に」値引きしたほうが、購入希望者にお得感を与えられるでしょう。

適切な値下げのテクニックは物件によって異なるので、仲介であれば媒介契約を結んでいる不動産会社に相談してみましょう。

4‐4.大きすぎる/小さすぎる物件

物件が大きすぎたり、小さすぎたりする物件も売れ残りやすいです。購入希望者は住宅展示会や内覧会にたくさん通い、ある程度自分にとって理想の大きさや広さが分かるようになっています。

したがって、狭い敷地に建つ物件や物件に対して広すぎる土地はイレギュラーであり、一般的な一戸建てのイメージとは合わないため、購入の優先度が下がる可能性が高いです。

以下にそのような物件のデメリットや対処法をまとめたので、もし当てはまる人はご紹介する対処法を実践してみてくださいね。

物件のタイプ

デメリット

対処方法

広すぎる、

大きすぎる

税金が高い、光熱費がかかる、掃除が大変、防犯上の不安など

適当な大きさに区切る、不動産会社に買取を依頼する、外国人や個人投資家も視野に入れるなど

小さすぎる、

狭すぎる

部屋が狭いため、物が置けない、子供部屋がないなど

買取会社に買取を依頼する。隣地を買い取って住みよい大きさにする、小さい故のメリットをアピール

4‐4‐1.【対策】販売戦略をよく練ろう

物件自体に問題があったり、周辺環境が悪かったりする物件は多くあります。しかし、そんな物件が1つも売れないのかというとそんなことはありません。売れるも売れないも販売戦略次第です。

土地が広すぎたり、物件が大きすぎたりする場合は買取を検討するのも一つの方法です。逆に小さすぎたり、狭すぎたりする場合は隣地を買い取ったり、小さいゆえのメリットをアピールしたりすることで、売れる可能性が高まります。

例えば都心の一等地の小さい中古戸建てであればDINKs(ディンクス)世帯にアピールできますし、中心部から少し離れている物件はセカンドハウスとしての用途に合うかもしれません。

そのような販売戦略を自分で考えるのは、限界がありますので、不動産会社と協力して考え

るようにしましょう。

5.中古戸建てが売れない理由~売主編~

次に中古戸建てが売れない理由が「売主」にある場合について解説します。売主の管理が行き届いていなかったり、内覧時の対応が間違っていたりすると、購入希望者の購入意欲がなくなってしまうこともあります。

ここでは以下の2つの原因について解説します。物件を販売する際は購入希望者の気持ちを第一に考えることが大切です。

  • 内覧時の売主の対応が悪い
  • 物件が汚れている/散らかっている

5-1.内覧時の売主の対応が悪い

まず1つ目は「内覧時の売主の対応が悪い」ということです。

自分が購入希望者になったと思って想像してみてください。これから自分の家を購入しようと楽しみな気持ちで内覧に行くことでしょう。

そこで内覧対応者がそっけなかったり、質問に対して親身になって答えてくれなかったりしたらどう思うでしょうか。

購入希望者は非常に嫌な気持ちになると考えられます。いくら物件条件がよくても嫌な対応をされたら購入意欲がなくなるうえ、なによりその人の住んでいた家に住みたくない、と思うのではないでしょうか。

また、態度がよくても内覧しているときに、売主がたくさん話しかけてきたら自由に内覧できなくなり、見たいと思っていた場所が見られなくなってしまいます。

購入希望者に自由に気持ちよく内覧してもらうためにも、あまり視界に入らないようにして必要なときだけ話すようにしましょう。

5-1-1.【対策】必要な情報を聞かれたら詳しく答えるスタンスで

売り手はできるだけ購入希望者の内覧を邪魔をしないようにしたほうがいいとお伝えしました。しかし、ただ見ているだけでは物件のよさをアピールできません。また、内覧時に購入希望者から周辺の環境や、この物件ならではのよさなどを聞かれることがあるはずです。

質問されたときは詳しく教えてあげるようにしましょう。ただ、いざ質問されたときにあまり答えられないようでは、購入希望者が物件を購入してくれる可能性が低くなってしまいます。

購入希望者が何を知りたがっているのか、この家のどこがおすすめなのかについて知っておく必要があります。

購入希望者が知りたがっていると予想されることを以下にまとめましたので、内覧対応する際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

購入希望者が知りたがっていること

近隣のスーパーや病院、図書館など公共施設の情報

交通の情報(駅・バス路線・道路など)

最寄りの小・中学校や保育園・幼稚園の情報

騒音、治安などの周辺の環境

日当たりや風通し

間取りや、物件の設備の使い勝手

自分が住んでいて気に入っている点

エアコンなど、残していくものがあるかどうか

5-2.物件が汚れている/散らかっている

もし、内覧時に部屋が汚かったり散らかっていたりしたらどうでしょうか。いくら物件の条件がよくても、購入希望者の購入意欲が下がってしまうと考えられます。

築年数が20年以上の物件を購入しようとしている人の中には、リフォームやリノベーションをして間取りや室内環境を変えてから住むという人も多くいます。

この場合内覧時の物件の状態はその後の生活に直接関係するものではありません。しかし、不動産という大きな買い物をする際に、「前所有者が乱雑な使い方をしていた」というのは不安要素にしかなりません。

清潔感のない人、家を雑に扱う人から物件を積極的に購入したいという人はいません。内覧時は購入希望者が「ここに住みたい」と思えるように綺麗に掃除をしておきましょう。

5-2-2.【対策】空室にできないなら清潔にしておく

物件を売却するときは清潔感を大切にします。古い家でも清潔に保たれ、大切にされてきた家であれば、購入したいという人も現れるかもしれません。

空室にしてクリーニングを施し生活感をなくせたらいいのですが、引っ越し代や家賃などの出費がかさむため安易に引っ越せない人も多いのではないでしょうか。

居住中であっても「こまめに掃除する」「匂いに気を付ける」「整理整頓する」など購入希望者に信用できる売り手であることを印象付けましょう。

そうすれば、売却物件もおのずと魅力的に映ってくるはずです。物件を清潔に保つことは、売り手の信用にもつながることも意識して、ぜひ実践してみましょう。

6.中古戸建てが売れない理由~不動産会社編~

「不動産会社」が原因で中古戸建てが売れないというパターンもあります。物件を売却しようとする人の多くは不動産に関して素人です。

どのように販売していいのか分からないからこそ、プロである不動産会社に販売を依頼するのです。

しかし、プロである不動産会社が力を入れて販売活動をしてくれなければ、売れ残ってしまうこともあります。対処方法をこれからご紹介していきます。

もし、不動産会社が原因で売れないのではないかと感じたら以下の対処を行い、物件が売れる可能性を高めましょう。

6-1.不動産会社が力を入れて売ってくれていない

不動産会社が力を入れて売ってくれないと感じたら、今の不動産会社と契約を解除することを考えましょう。

具体的には以下に当てはまる不動産会社はしっかり販売活動をしていない可能性が高いので、当てはまる場合は不動産会社を乗り換えることを検討してください。

不動産会社が積極的に販売してくれていないと判断できる行動

こちらの要望、意図を正しく読み取ってくれない

動きが遅い

進捗報告やその他連絡がない

誠実さが感じられない

6-1-1.【対策】不動産会社は変えられる

一度契約したら売れるまでその不動産会社を利用しないといけないと思っている人もいますが、そんなことはありません。不動産会社を変えたいと思ったら変えてもいいのです。

しかし、不動産会社との契約内容によっては好きなタイミングで契約を解除できない可能性があるため注意しましょう。

契約には「専属専任」「専任」「一般」の3つがあり、「専属専任」「専任」は契約期間が3ヶ月と決まっているため、3ヶ月が終了する日に契約を切り替える必要があります。

「一般」であれば、複数の不動産会社と契約できるため、いいと思った不動産会社であれば媒介契約を検討してもいいでしょう。

最初は数社と「一般」で契約して、最もよさそうな不動産会社と「専属専任」または「専任」の契約を結ぶという方法もあります。

6-1-2.【対策】角のたたない不動産会社の替え方

今の不動産会社に不満があれば、不満点の改善を期限付きで求め、だめなら契約更新しない、のようにワンクッション置くことで角が立ちにくいです。

また、契約時に「3ヶ月で売れなければ契約更新しない」とあらかじめ言っておくといいでしょう。

そうすれば、不動産会社は3ヶ月で売れなければ広告費や人件費が無駄になってしまうため、全力で販売活動を行ってくれるようになるでしょう。

6-1-3.【対策】広告内容を見直してみよう

なかなか物件が売れない場合は広告内容がよくない可能性があります。多くの購入希望者は、ネットの広告やチラシで物件情報を見るはずです。

広告は物件の購入を検討するファーストステップであるため、広告内容がよくなければその時点で売れる可能性が低くなってしまいます。

したがって、まずは広告を見直しましょう。以下に見直すべき広告内容を示しますので、広告に足りない内容があれば、掲載広告を修正してもらえるように不動産会社に依頼してください。

見直すべき広告内容

部屋や設備の写真の枚数が多いかどうか

写真が暗くないか

アピールポイント情報が弱くないか

掲載サイトが少なくないか

7.どうしても売れない!その場合どうしたらいい?

これまで解説してきた内容を実施してもなお、物件が売れないという場合もあるかと思います。

その場合は、利益を求めるというより物件を手放すことを重視して活動を行ったほうがいいかもしれません。以下に示す3つの方法を試してみてください。

  • 空き家バンクに登録
  • 買取会社に依頼
  • 自治体や隣家・団体に寄付

7-1.【対策】空き家バンクに登録

「空き家バンク」とは、空き家情報を地方公共団体のホームページ上などで提供する仕組みのことです。

行政側では、地域の人びとから広報誌やホームページなどで空き家情報を広く募集し、移住・交流希望者向けの物件情報を収集して提供しています。

民間の会社が紹介しているのではなく、行政が行っているサービスなので、安心感があります。

空き家バンクに登録すれば、その地方自治体に定住したいと考える人や住みたいと考えている人とマッチングできるため、売れない中古戸建てでも買い手が見つかる可能性が高まります。

7-2.【対策】買取会社に依頼

買取会社に買取を依頼するという手もあります。物件の売却価格は低くなりますが、即現金化でき、内覧対応や物件の維持管理なども不要であるため、売り手側の負担を減らすことが可能です。

買取を選ぶメリットとして主に以下でご紹介する8つが挙げられます。

売却価格は低いですが、その分不動産会社に販売してもらうよりも負担が軽減されるため、どうしても売れない場合は買取を選択することをおすすめします。

買取のメリット8選

早く簡単に売却できる

内覧に対応する必要がない

近所の人に物件を売却することを知られることがない

物件情報が公開されることがない

リフォームなどさらなるコストがかからない

仲介手数料が必要ない

仲介で売却しにくい物件でもOK

契約不適合責任が免除される

7-3.【対策】自治体や隣家・団体に寄付

どうしても物件が売れない場合は、自治体や隣家・団体に寄付するという手があります。

ただし自治体の場合は、どんな物件でも寄付を受け付けてくれるとはかぎりません。

なぜなら、自治体にとって固定資産税は重要な収入であり、その物件に使い道がないのに受け取っても収入減を減らしてしまうだけだからです。

また、隣家に寄付する場合、隣人は土地を有効活用しやすいですが、贈与税がかかる可能性があるため、結果としてお金を払って物件を買っているのと変わらなくなってしまいます。

隣家に寄付する場合は税金についても考え、互いによく話し合って決めましょう。

最後に団体に寄付する場合は、物件は事業や保養目的で使用でき、その物件にかかる費用は経費にすることができるため、ご紹介した3つの中では一番寄付しやすいかもしれません。

どうしても物件が売れない場合は、「寄付」するという手があることを覚えておきましょう。

8.中古戸建て売却に向けてできることから改善しよう

中古戸建てがなかなか売れない理由とその対処法を解説してきました。全て実践するのは無理があると思いますので、できる範囲で実践してみてください。

特に不動産会社を変えることで違った強みを持った不動産会社に販売を任せることができる可能性が高まります。

また、自分の物件の相場が分からない人は複数の不動産会社に依頼し、査定を受けるといいでしょう。

その場合、無料の不動産一括査定はいかがでしょうか。依頼する手間や時間を省くことができますし、一度に複数の査定を見ることができるため、比較しやすいです。

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