初めて土地を売る場合、何から始めれば良いかわからず悩んでしまう人は少なくありません。
土地をスムーズに売るためには、売却を依頼する不動産会社としっかりとコミュニケーションを取りつつ、全体の流れやかかる費用などを把握したうえで行うことが必要です。
そこで本記事では、土地を売るときの流れや費用、上手く売るポイントなどについて詳しく解説します。ぜひ参考にしていただき、後悔のない土地売却を目指しましょう。
- 1 1.スムーズに土地を売るには
- 2 2.土地を売るときの流れ
- 3 3.土地を売る際にかかる費用
- 4 4.土地相場を調べる方法とは?
- 5 5.土地を上手く売るためのポイント
- 6 6.土地を売るときの注意点
- 7 7.土地によっては許可が必要な場合も
- 8 8.不動産一括査定サイト・シミュレーションなども活用して土地を上手く売ろう
- 9 この記事の監修者
1.スムーズに土地を売るには
土地をスムーズに売るには、土地売却の流れを理解して事前準備をしっかりとしておくことが大切です。
土地の売却には様々な書類の準備・手続き・販売活動など、やらなければならないことが多くあります。また、売却にかかる費用や注意点なども把握することも必要です。
この準備を怠ってしまうと、なかなか買主が見つからず苦労したり、買主が見つかっても満足のいく取引ができなかったりする可能性があります。
しかし、土地売却の流れを理解した上でしっかりと準備を行えば、予想外のことが起きても臨機応変な対応ができるでしょう。
売却の目標時期・希望価格などを整理し、ご自身に合った売却プランを立ててみてはいかがでしょうか。
2.土地を売るときの流れ
土地を売る際には、書類の準備や手続きなど、売主が行わなければならない作業が多くあります。
書類の準備などで予想以上に時間がかかり、販売開始までに長い時間がかかってしまうことも考えられるでしょう。
そのため、どのようなステップを踏むのかを理解し、事前にスケジュールを立てておくことが非常に重要です。
土地を売るときの一般的な流れは、以下の通りです。
- 土地の状況を把握
- 必要な書類を準備
- 査定を依頼・不動産会社を決定
- 価格設定・販売活動
- 売買契約
- 決済・引き渡し
ひとつずつ詳しく解説していきますので、是非参考にしてみてください。スムーズな土地売却を実現させましょう。
2-1.土地の状況を把握
土地を売却するには、まずその土地の状況を把握することから始める必要があります。具体的には、その土地の相場・管理状態・境界確定がされているかなどです。
普段の生活圏内に所有する土地であれば、周辺環境などを知り尽くしているかと思いますが、相続などで遠く離れた場所にある土地を所有している場合もあるでしょう。
そのような場合には、その土地に足を運び、現在の周辺環境について自分の目で確認しておくことが大切です。
- 相場
- 管理状態
- 境界確定がされているか
2-1-1.相場
その土地周辺の相場を知ることで、今の不動産価格が高いか、需要が高いかどうかが分かります。そのため、適切な価格とタイミングでその土地の売却を進めることができます。
また、相場よりも低い価格で土地を売却してしまう可能性が高まるため売却後に後悔するでしょう。
2-1-2.管理状態
管理状態とは、その土地がすぐに売りに出せるように管理されているかということです。
例えば、雑草がひどく生い茂っていたり古い家屋が建っていたりする場合には、雑草を除去したり古い家屋を解体したりする必要があるでしょう。
もちろんそのままの状態で売却できないわけではありませんが、正確な土地の様子を一目で判断しにくい場合には、購入希望者の目に留まりにくくなってしまう可能性もあります。
2-1-3.境界確定がされているか
特に重要なのが、土地の境界線が確定されているかの確認です。土地を売却する際は、原則として所有地の明確な境界線が定まっていなければなりません。
この隣地との境界線を確定することを「境界確定測量」といいます。
境界確定を行わずに売却することを買主が承諾している場合には、境界確定を行わなくても問題ありません。しかし、実際には境界確定図の提出を求められることが多いです。
確定測量は、隣地の所有者と土地家屋調査士の立会いのもと行う必要があり、確定測量図が発行されるまでに数ヶ月かかります。
また、仮に隣地の所有者とスケジュールが合わなかったり立会いを拒否されたりする場合には、さらに販売開始が遅れることになるでしょう。
後で困らないよう余裕を持って境界確定測量を済ませておくことがおすすめです。
2-2.必要な書類を準備
土地の状況を整理したら、次は売却に必要な書類を準備しましょう。土地の売却に必要な書類には、以下のようなものがあります。
- 身分証明書
- 印鑑証明書
- 住民票
- 固定資産税納付通知書または固定資産税評価証明書
- 確定測量図
- 登記済権利証または登記識別情報通知書
2-2-1.身分証明書
身分証明書は土地の所有者本人であるかどうかを確認するものですので、必須となります。マイナンバーカード・運転免許証・パスポートなど、顔が分かるものを用意しておきましょう。
2-2-2.印鑑証明書
印鑑証明書は実印であること証明する書類のことで、所有権移転登記手続きの際に必要となります。3ヶ月以内に発行されたものが有効です。
2-2-3.住民票
また売却する土地の登記住所と売主の現住所が異なる場合には、住民票も必要です。印鑑証明書と同様に、3ヶ月以内に発行されたものが有効になります。タイミングを見て取得するようにしましょう。
2-2-4.固定資産税納付通知書または固定資産税評価証明書
固定資産税納付通知書または固定資産税評価証明書とは、固定資産税を算出する基準となる不動産の評価額や納付額などが記載されている書類のことです。
こちらの書類は年に1回発行されているため、最新の書類を手元に用意しておく必要があります。もしもこれらの書類が手元にない場合には、税務署に申請して再発行してもらいましょう。
2-2-5.確定測量図
先述の通り、確定測量図は境界確定測量をした際に発行される測量図で、隣地との境界を明確に示した書類になります。
過去に境界確定測量を行い、境界確定書類が紛失してしまった場合には、法務局で取得できます。
2-2-6.登記済権利証または登記識別情報通知書
登記済権利証または登記識別情報通知書は、不動産番号・登録名義人・登記識別情報などが記載されており、登録名義人のみに通知される書類です。
平成17年以前は登記済権利証として発行されていましたが、その後は不動産登記法により登記識別情報通知書として発行されています。
土地の所有者であることを証明する書類のため、こちらも確実に準備しておくようにしましょう。
2-3.査定を依頼・不動産会社を決定
書類の準備ができたら、次は土地の査定を行います。土地の査定は、土地の相場やおおよその売却価格を知るために重要です。
特に、より高い価格で土地を売却したいのであれば、できるだけ複数の不動産会社へ査定を依頼することを心がけましょう。
なぜなら、複数の不動産会社の査定額を比較しないと相場が分からず、結果的に相場よりも低い価格で土地を売却してしまう可能性が高まるからです。
ここで、土地の売却方法には、主に「仲介」と「買取」という方法があることをおさえておきましょう。
- 仲介とは
- 仲介の契約の種類
- 買取とは
2-3-1.仲介とは
仲介とは、不動産会社と媒介契約を結び、土地の販売活動を不動産会社へ依頼する方法のことです。
2-3-2.仲介の契約の種類
仲介の場合、不動産会社と媒介契約を結ぶことになりますが、その契約方法は「専属専任媒介契約」・「専任媒介契約」・「一般媒介契約」の3種類です。
契約内容は、以下の3つの通りです。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
専属専任媒介契約
- 契約期間:最長で3ヶ月以内
- 自己発見取引:不可能
- 複数社との契約:不可能
- レインズへの登録義務:契約後5日以内に登録
- 販売活動の報告義務:1週間に1回以上
専属専任媒介契約は、1つの不動産会社としか契約ができず、他の不動産会社とは契約ができません。
また、自分で買主を見つける「自己発見取引」が認められていないため、不動産会社が見つけてきた買主としか契約できません。そのため、最もルールが厳しい媒介契約といえるでしょう。
しかし、専属専任媒介契約の強みは「レインズ」への登録義務です。
レインズ(REINS:Real Estate Information Network System)は国土交通省が定める国内の不動産流通ネットワークシステムです。
レインズは、不動産会社のみが登録できる国内の不動産情報が掲載されたサイトで、売主と買主をよりスピーディーに結びつける役割を果たしてくれます。
専属専任媒介契約では5日以内に登録する義務があるため、より早く買主を見つけられる可能性が高いです。
また、不動産会社は最低でも週1回以上は販売活動の進捗状況を売主へ報告しなければなりません。
さらに、契約期間が最長で3ヶ月以内と決まっているため、その間に買主を見つけなければ不動産会社に仲介手数料が入りません。
専任媒介契約
- 契約期間:最長で3ヶ月以内
- 自己発見取引:可能
- 複数社との契約:不可能
- レインズへの登録義務:契約後7日以内に登録
- 販売活動の報告義務:2週間に1回以上
専任媒介契約は専属専任媒介契約と一致する部分が多いですが、売主自身が見つけた買主と取引をすることが可能です。そのため、幅広く販売活動を行いたい人には場合に向いているかもしれません。例えば、知人や親戚の中で買主候補がいる場合などは有効でしょう。
レインズへの登録義務は契約後7日以内、販売活動の報告義務も2週間に1回以上なので、安心して販売活動を任せられるのではないでしょうか。
一般媒介契約
- 契約期間:最長で3ヶ月以内
- 自己発見取引:可能
- 複数社との契約:可能
- レインズへの登録義務:なし
- 販売活動の報告義務:なし
一般媒介契約は、専属専任媒介契約や専任媒介契約とは異なり、複数の不動産会社と契約できます。
売主自身が見つけてきた買主との契約も可能なので、最も自由度が高い契約方法といえるでしょう。
一方で、どんなに販売活動を積極的に行っても、契約が決まらなければ不動産会社にメリットはありません。
さらに報告の義務もないため、どのような販売活動が行われたのかが分かりにくいことが難点です。
一般媒介契約を選択するのであれば、売主が積極的に不動産会社とコミュニケーションを取ることが大切です。
不動産売却では専属専任媒介契約や専任媒介契約を選択する人が多いですが、目的によっては一般媒介契約も選択肢になり得るでしょう。
媒介契約の際には不動産会社とよく相談し、契約内容を決めることが重要です。
不動産一括査定サイトでは、一度に複数の不動産会社へ査定依頼ができます。おうちクラベルの不動産一括サイトでは、数多くの不動産会社の中からあなたに合った不動産会社を選択可能です。土地の売却に是非お役立てください。
2-3-3.買取とは
買取は不動産会社や買取会社に直接土地を買い取ってもらう方法を指します。
買取はより早く土地を手放したい人には向いていますが、仲介に比べて売却価格が2〜4割程度低くなってしまうという難点があります。
そのため、より相場に近い価格で売却したいのであれば、「仲介」を選択するのが最適でしょう。
2-4.価格設定・販売活動
査定や不動産会社との媒介契約が済んだら、いよいよ売却価格を設定して販売活動が始まります。
2-4-1.価格設定
売却価格を決める際は「いつまでに売りたいか」と「最低金額はいくらか」という2点を決めてから設定するようにしましょう。
多少時間がかかってもより高く売りたいのか、少し価格を下げてでもより早く売りたいのかで売却価格の設定は変わります。
そのため、「いつまでに売りたいか」という期限は決めておくことがおすすめです。ただ、媒介契約の期間が専属専任媒介契約・専任媒介契約では最長で3ヶ月以内、一般媒介契約では一般的に3ヶ月です。期限内に売れなかった場合には契約の更新もできますが、販売活動は3ヶ月を目安に考えておくと良いでしょう。
土地の最低売却価格の設定
土地の最低売却価格を設定することも重要です。
土地の売却には、仲介手数料・書類の作成費用・税金など多くの費用がかかります。
これらの費用を考慮した価格設定を行わなかった場合、土地売却により損失が発生してしまう可能性も考えられるため注意が必要です。
さらに、土地の売却では値引き交渉を持ちかけられることが一般的です。最低金額を決めておかないと、値引きをしすぎて損をしてしまう可能性もあります。
せっかく土地を売却するのに、損するのは避けたいですね。そのためにも、最低売却金額はしっかりと設定しておきましょう。
2-4-2.販売活動
売却価格を設定したら、販売活動に入ります。基本的に販売活動は不動産会社が行いますが、担当者からの報告内容などを見て問題がないか確認するのがおすすめです。
例えば、レインズは基本的に不動産会社のみ利用できるサイトですが、売主は閲覧のみ可能です。
自分の所有する土地がどのように掲載されているか確認し、改善してほしい点などがあれば伝えるようにしてみてください。
報告内容には、実際に行われた販売活動・問い合わせ件数・所感などが記載されていることが一般的です。
買主がなかなか見つからない場合には、報告内容を元に担当者と今後のプランを検討しましょう。
2-5.売買契約
無事に買主が決まったら、売買契約を締結します。売買契約は不動産会社のオフィスに買主と担当者が集まり、顔を合わせた状態で契約をするケースが多いです。
売買契約は、宅地建物取引士とともに重要事項説明書の内容を確認しながら行われます。
重要事項説明書には、売買金額の支払い方法・契約解除の規定・違約金発生条件なども記載されているため、しっかりと確認することが必要です。
また、売買契約書には決済・引き渡しの期日が記載されています。契約書に記載された期日に引き渡しができない場合、契約違反となるため注意しましょう。
重要事項説明書や売買契約書の内容に問題がなければ、署名や押印をし、手付金の授受を行います。
手付金とは、契約を締結する際に買主から売主に売却金額の一部を支払うお金のことです。売買契約の際、売主は不動産会社へ仲介手数料の半額を支払うことが一般的です。
2-6.決済・引き渡し
売買契約が無事に締結できたら、約束の期日に決済と引き渡しを行います。
決済当日は、売却金額から手付金を除いた額を買主から受け取ります。振込の場合には、通帳記入をし、支払い金額の確認をしましょう。
決済と同時に、土地の所有権移転登記の申請を行います。所有権移転登記を行うことにより、正式に土地の所有権が買主へと移ります。
登記手続きは司法書士へ依頼することが一般的です。登記上の所有権を売主から買主に移転できたら、引き渡しは無事に完了です。
最後に、売主は不動産会社に仲介手数料の残り半額を支払います。
土地の売却によって売却利益が発生した場合、確定申告を行うことが必要です。こちらも忘れずに行うようにしましょう。
3.土地を売る際にかかる費用
土地を売る際には様々な費用がかかります。事前にどのような費用がかかるかを把握し、おおよその費用総額を確認しておく必要があるでしょう。
土地の売却にかかる主な費用は、以下の通りです。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 登記手続き費用
- 抵当権抹消手続き費用
- 測量費用
- 解体費用
- 譲渡所得税
3-1.仲介手数料
仲介手数料は売買契約を締結させた不動産会社に支払う成功報酬です。
土地の売却価格によって仲介手数料の金額は変わりますが、法律によって以下のように上限額が定められています。
- 売却価格200万円以下→仲介手数料の上限額:売却価格×5%(+消費税)
- 200万円超え 400万円以下→仲介手数料の上限額:売却価格×4%+2万円(+消費税)
- 400万円超え→仲介手数料の上限額:売却価格×3%+6万円(+消費税)
例えば、土地の売却費用が1,000万円の場合、仲介手数料の上限額は36万円(+消費税)となります。
定められている金額はあくまでも上限額ではありますが、上限額のまま請求する不動産会社が多いです。
仲介手数料は大きな出費となるため、事前に不動産会社へ確認するようにしましょう。
3-2.印紙税
印紙税は、売買契約書に収入印紙を貼り付けることで納めたことになります。印紙税の金額は、契約書に記載されている売却金額によって変化します。
具体的な金額の一部が、以下の通りです。
- 売却価格10万円超え 50万円以下→印紙税額(本則税率)400円、印紙税額(軽減税率)200円
- 売却価格50万円超え 100万円以下→印紙税額(本則税率)1,000円、印紙税額(軽減税率)500円
- 売却価格100万円超え 500万円以下→印紙税額(本則税率)2,000円、印紙税額(軽減税率)1,000円
- 売却価格500万円超え 1,000万円以下→印紙税額(本則税率)1万円、印紙税額(軽減税率)
- 売却価格1,000万円超え 5,000万円以下→印紙税額(本則税率)2万円、印紙税額(軽減税率)1万円
- 売却価格5,000万円超え 1億円以下→印紙税額(本則税率)6万円、印紙税額(軽減税率)3万円
また、平成26年4月1日から令和6年3月31日までの間に契約が交わされる場合、軽減税率が適用されます。印紙税額自体はそこまで大きな金額ではありませんが、売却価格によって変りますので、査定額から算出することがおすすめです。
3-3.登記手続き費用
登記手続き費用は、不動産を購入・取得した際にその不動産の物理的状況(住所や面積、建物の構造など)や権利関係(所有権や抵当権など)を明らかにするために行うものです。
土地の場合は「土地の価格」×1.5%で登記費用(登録免許税)を求めることができます。
3-4.抵当権抹消手続き費用
抵当権抹消費用は、土地を住宅ローン購入し、ローンを完済する前に売却した場合に支払う費用です。
原則として、住宅ローンの返済が残っている状態では土地の売却ができません。その場合、土地を売却して得たお金で住宅ローンを一括返済する必要があります。
このように住宅ローンを一括返済し、抵当権を抹消した上で買主に引き渡す必要があるのです。
土地を引き渡す際の所有権移転登記にかかる費用は買主が負担することが一般的ですので、売却にかかる費用には含まれません。
抵当権を抹消するために必要な費用は不動産1つにつき1,000円です。抵当権抹消手続きは司法書士に依頼でき、その場合には手数料として1万円〜2万円がかかります。
3-5.測量費用
土地の境界を明確にするために境界確定測量を行う場合には、測量費用も必要です。確定測量は土地家屋調査士に依頼し、隣地の所有者立会いのもと行います。
境界確定測量にかかる費用の相場は、以下の通りです。
- 民有地(一般の人が所有する土地)の確定測量費用の相場:35万円~45万円
- 官有地(国や自治体が所有する土地)の確定測量費用の相場:60万円~80万円
確定測量にかかる費用は、隣地が民有地か官有地かによって大きく異なります。隣地の所有者を確認しておくようにしましょう。
3-6.解体費用
土地の上に古い家屋などが残っている場合、建物を解体して更地にするための費用も必要です。
坪数・建物の種類・会社によって金額は大きく変わりますが、平均的な戸建て住宅を解体する際には200万円程度かかることが一般的です。
しかし、土地の上に家屋が残ったままの状態で売却するほうが良いケースもありますので、解体をする前に不動産会社と相談して決めるようにしましょう。
3-7.譲渡所得税
譲渡所得税は、土地を売却して利益を得た場合に課せられる所得税と住民税のことです。まず譲渡所得とは、土地の売却価格そのものを指すわけではありません。
譲渡所得の求め方は以下の通りです。
- 譲渡所得=土地の売却価格-(土地の取得価格+土地の取得にかかった費用+譲渡にかかった費用)
例えば、土地の売却価格が3,000万円・取得費用2,000万円・取得費用と譲渡費用を合わせて100万円かかったと仮定しましょう。
その場合、譲渡所得は900万円となり、その900万円に譲渡所得税が課せられることになります。
さらに、税率は土地の所有年数によって以下のように異なります。
- 短期譲渡所得(所有期間が5年以内)=所得税30.63%+住民税9%=39.63%
- 長期譲渡所得(所有期間が5年超え)=所得税15.135%+住民税5%=20.135%
では先ほど譲渡所得を算出した土地の所有年数が3年と仮定してみましょう。すると譲渡所得税は、356万6,700円です。
実際にはこれだけの利益が出るとは限りませんが、都市開発などで地価が上がっている場合などは譲渡所得が発生する可能性があります。
売却利益が大きくなればなるほど、支払う税金の費用も大きくなります。事前に譲渡所得の目安を算出しておくと安心です。
おうちクラベルで査定依頼する
おうちクラベルの不動産一括査定サイトでは、複数の不動産会社に査定が依頼できます。
税金はもちろんその他の費用についても不動産会社に相談可能です。頼れる不動産会社を見つけて、安心かつスムーズな土地売却を目指しましょう。
4.土地相場を調べる方法とは?
土地の相場を調べるには、主に以下のような方法が挙げられます。
- 不動産情報サイトの取引データを確認する
- 公的機関の地価データを確認する
- 固定資産税評価額を確認する
- 不動産一括査定サイトを利用する
4-1.不動産情報サイトの取引データを確認する
土地の相場を知る方法として、不動産情報サイトの取引データを参考にすることができるでしょう。
土地の大きさや状況が全て一致するわけではありませんが、おおよその売却価格を知るための第一歩になるはずです。
例えば、以下の式で類似物件データからおおよその売却価格を算出できます。
- おおよその売却価格=類似物件の1㎡あたりの単価×土地面積
4-2.公的機関の地価データを確認する
より正確な相場を知る方法としては、公的機関の地価データを確認する方法もあります。
- おおよその売却価格=公示地価×土地面積×1.1
例えば、公示地価が3万円・土地面積が350㎡の土地では、おおよその売却価格は1,155万円です。
4-3.固定資産税評価額を確認する
さらに、固定資産税評価額から相場を知る方法もあります。固定資産税評価額は年に1回発行される課税明細書で確認できます。
おおよその売却価格=固定資産税評価額÷0.7×1.1
例えば、固定資産税評価額が700万円の場合、おおよその売却価格は1,100万円です。
これらの方法を使えば、自宅で土地の売却相場を知ることが可能です。
しかし、自分で相場を計算する手間や時間を省きたい人もいるでしょう。そのような場合、
4-4.不動産一括査定サイトを利用する
不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。
もし仮に1つの不動産会社だけに査定依頼をした場合、相場が分からずに土地を安く売ってしまう可能性があります。
また、高い査定額を提示されて契約したものの、買主が見つからずに大幅な値引きが必要となるケースも考えられるでしょう。
おうちクラベルの不動産一括サイトでは、一度に複数の不動産会社へ査定の依頼が可能です。
複数の不動産会社の査定額を確認することで、高すぎず・低すぎず、より適正な価格を把握できます。
複数社にメールを送ったり何度も土地の情報を入力したりせずに済むため、査定にかかる手間や時間を省けるのが最大のメリットです。
納得のいく土地売却を実現するためにも、是非お役立てください。
5.土地を上手く売るためのポイント
では、どのような点に気を付ければ土地をより高くスムーズに売却できるのでしょうか。ここでは上手く売るためのポイントを解説します。
- 事前に相場を調べておく
- 不動産一括査定サイトやシミュレーションを活用する
- 土地の売買に強い不動産会社を選ぶ
- タイミングを見計らって売る
- 土地を整備しておく
これらのポイントをおさえるだけでも、土地の売却価格は大きく変わります。それでは、1つずつ確認していきましょう。
5-1.事前に相場を調べておく
前述の通り、土地の相場を調べる方法はいくつかあります。
- 相場
- 高すぎる査定に注意
- 安すぎる査定にも注意
5-1-1.相場
土地の相場を知らないと売却価格が相場よりも低くなり、損をしてしまう可能性が高まるので注意しましょう。
5-1-2.高すぎる査定に注意
また、高い査定額を提示した不動産会社に即決してしまうのは危険です。高い査定額が提示されたからといって、必ずしもその価格で売却できるとは限りません。
相場からかけ離れた高い査定額が提示された場合には、その金額の根拠を確認するようにしましょう。
あらかじめ相場を調べておくことで、適正価格を判断しやすくなります。
例えば、高すぎる価格を設定した場合、候補から外れてしまう可能性があります。
高い価格設定をして売れ残り続けると、「人気のない土地」というイメージを持たれてしまい、売れにくくなることも考えられるでしょう。
5-1-3.安すぎる査定にも注意
一方価格が安すぎる場合、より早く売れる可能性はありますが、手元に入るお金が少なくなってしまいます。
さらに相場よりも低すぎる価格で販売した場合、訳アリ物件と判断され、買主がなかなか見つからないこともあるでしょう。
そのため、土地の売却希望価格は、相場より高すぎても安すぎてもいけません。
なお、土地の売買においては値下げ交渉をされることが一般的です。
相場を知っておくことで、相場からかけ離れた値下げ交渉をされたときにもしっかりと対応できるでしょう。
5-2.不動産一括査定サイトやシミュレーションを活用する
土地を上手く売るには不動産一括査定サイトやシミュレーションを活用することをおすすめします。
不動産一括査定サイトでは複数の不動産会社に一度に査定の依頼を出せるため、相場の把握や優良な不動産会社を見つけるために役立ちます。
売却シミュレーションは、インターネット上で売却希望価格やローンの情報などを入力することで、売却後に手元に残る金額を算出できるサービスです。
あくまでもおおよその価格を把握するためのものですが、相場や手元に残る金額を知り、売却計画を立てる際に有効です。
5-2-1.不動産会社一括査定サイトを活用しよう
特に不動産一括査定サイトは、一度の入力で複数の不動産会社に査定の依頼ができるため、不動産会社とやり取りする手間や時間が省けます。
それに加え、よりスムーズに自分に合った不動産会社を見つけられるため、売却資金や手続きに関する相談にも役立つでしょう。
おうちクラベルの不動産会社では、実績が豊富な優良不動産会社に査定依頼が可能です。
査定申し込み後すぐに、AIによる高精度の査定額も確認できますので、すぐに査定額を知りたい人は是非ご利用ください。
5-3.土地の売買に強い不動産会社を選ぶ
土地を高く売却したい場合は、土地の売買に強い不動産会社である土地の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことも重要です。
不動産会社の中にはマンション売却に強い不動産会社もあれば、一戸建てや土地の売却に強い不動産会社もあります。
確実な成果を出すためにもそれぞれの不動産会社の強みを知り、より自分に合った不動産会社を選ぶように心がけましょう。
また、不動産会社を選ぶ際には実績だけでなく、以下のような点にも注目してみてください。
- 対応がスピーディーかつ丁寧であること
- 困ったとき相談に乗ってくれる担当者がいること
- 土地があるエリアの情報に精通していること
5-3-1.対応がスピーディーかつ丁寧であること
もちろん実績も大事ですが、担当者の対応がスピーディーかつ丁寧であることも重要です。どんなに実績があっても、担当者との相性が悪いと感じるような不動産会社はあまりおすすめできません。
例えば、質問のメールを送ってもいつまでも返信がない状況では、売主ご自身のストレスが大きくなるでしょう。
担当者に対して不信感を抱いた状態では、満足のいく土地売却ができなくなる可能性もあります。
5-3-2.困ったとき相談に乗ってくれる担当者がいること
土地の売却では、価格設定・売却活動・契約手続きなど、担当者とのコミュニケーションが必要な場面が多いですす。
そういったときに、担当者の対応が悪ければ契約が滞ったり納得できないような条件で契約が決まってしまったりする可能性も考えられるでしょう。
また、土地の売却では疑問点や不安なことが多く出てきます。そういった場合は、不動産の専門家に相談するのが最も確実かつスピーディーな解決方法です。
信頼できる不動産会社を選ぶことで、より納得のできる土地売却が実現できるでしょう。
5-3-3.土地があるエリアの情報に精通していること
さらに、エリアの情報に精通している不動産会社を選ぶことで、販売活動が有利に進められることもあります。
エリアに根付いた独自のネットワークや販売戦略が期待できるかもしれません。
おうちクラベルの不動産一括査定サイトでは、物件種別・エリアを入力することで、最適な不動産会社を見つけられます。
おうちクラベルの不動産一括査定サイトで、あなたに合った不動産会社を見つけてみてはいかがでしょうか。
5-4.タイミングを見計らって売る
土地を上手く売るためにはタイミングも重要です。土地は景気の状況によって価格が変動します。
土地が値上がりしているときであれば売れば高く売れますし、値下がりしているときに売ると安く手放すことになってしまいます。
しかし、土地を売却する最適なタイミングをつかむことは非常に難しいことです。
例えば、そのエリアに地価が変動するような何らかの事象が起こった場合には、地価が大きく変化することもあるでしょう。
例えば、そのエリアで大きな事件や事故が起こった場合には地価が下がります。
また、大きな事件や事故でなくとも、大きな商業施設が閉店したり学校がなくなったりする予定があると、価格が下がる傾向があります。
その一方、大型の商業施設が建ったり街の再開発などが行われたりする予定の場合、土地の価格が上昇することが考えられるでしょう。
そのエリアの市場動向に目を向け、少しでも地価が上がるタイミングで土地を売ることが重要です。
5-5.土地を整備しておく
土地を売るには、その土地をきれいに整備しておくことも大切なポイントとなります。
例えば、雑草や廃棄物が残っていると悪いイメージを与えてしまい、なかなか買主が見つからなくなってしまうでしょう。
また、多くの人は不動産情報サイトに掲載された土地の写真で第一印象を判断します。
そのため、一目見て土地の状況が分かりにくい場合には、候補から外されてしまうこともあるため注意が必要です。
例えば、住宅用地を探している人であれば、雑草がなく、きれいに整備された土地をメインで探すことが多いでしょう。
買主の視点に立ち、土地の活用方法がイメージしやすいように整備しておくことが大切です。
5-5-1.地盤の状態
さらに、土地の外観だけでなく地盤の状態も高く売れるかどうかの重要なポイントです。
もし売却後に地盤に問題があることが発覚すれば、トラブルに発展することも考えられるため、事前に調査を行うことをおすすめします。
地盤調査は専門の会社に依頼すれば、数日〜1ヶ月程度で結果が分かります。予算は調査方法によって異なりますが、5万〜20万円程度が相場です。
調査の必要性や調査方法は不動産会社の担当者とともに検討しましょう。おうちクラベルの不動産一括サイトでは、土地の売却に強い不動産会社を見つけられます。
土地売却の様々な疑問を相談できる不動産会社を見つけ、スムーズな不動産売却を目指しましょう。
6.土地を売るときの注意点
ここまでは土地を上手く売るためのポイントを解説しましたが、ここからは土地を売るときの注意点を確認していきましょう。
土地を売るときの主な注意点は、以下の通りです。
- 共有地ではないか確認する
- 境界線を把握しておく
- 残債があるか確認する
- 土壌汚染調査をしておく
これらの注意点を把握しておかないと、高く売れないどころか買主が見つからなかったりトラブルに発展したりする可能性もあります。
事前に内容を把握し、対策を行うことでスムーズな土地の売却が実現できるでしょう。
6-1.共有地ではないか確認する
土地を売る前に、共有地でないかどうかを確認しておきましょう。
共有地とは、土地の所有権を持っている人物が複数人存在していることです。共有地である場合、共有者の同意なしに売却することはできません。
もしも売却を考えている土地が共有地だった場合、まずは共有者全員の同意を得る必要があるでしょう。
また、共有地を売却する場合、媒介契約や売買契約に必要な書類も全て全員分用意する必要があります。
6-1-1.発行日に注意
例えば、住民票や印鑑証明書などは3ヶ月以内に発行されたものでなければいけません。
共有者が遠方に住んでいる場合などは、手続きが増えたりトラブルが発生しやすくなったりするため注意してください。
もしも共有者が売却に同意しなかった場合、自分の持ち分のみ売却できます。事前に自分の持ち分を把握しておくと良いでしょう。
しかし、買主からすると売主の持ち分である一部の土地だけを購入してもあまりメリットがありません。
土地を売却するのであれば、土地の共有者全員と話し合い、売却するかどうかを決めておくことをおすすめします。
6-2.境界線を把握しておく
住宅用地として売り出す場合、境界確定測量は必須です。土地の販売活動に入る前に、土地家屋調査士に依頼をして境界確定測量を行いましょう。
住宅用地以外の場合、境界確定測量がされていなくても問題はありませんが、買主に確定測量図を求められることが一般的です。
境界確定測量には1ヶ月〜3ヶ月程度かかります。また、境界確定には隣地所有者の立会いが必要です。
買主候補が現れたときに境界確定測量を依頼したのでは、時間がかかりすぎて候補から外されてしまう可能性も考えられます。
土地をスムーズに売却するためにも、余裕をもって境界確定測量を行っておきましょう。
6-3.残債があるか確認する
土地を売る場合には、残債があるかどうかも確認する必要があります。残債とは、住宅ローンの残高のことです。
残債があっても土地の売却は可能ですが、基本的には土地を売却したお金で一括返済をしなければなりません。
詳しい残債額を確認せずに土地を売却してしまった場合、自分の手持ちで不足分を返済することになってしまいます。
住宅ローンの残債額は、以下の方法で確認できます。
- 金融機関が発行した残高証明書
- 金融機関が発行した返済予定表
- インターネットバンキングの残高照会
6-3-1.金融機関が発行した残高証明書
住宅ローン控除を申請するために残高証明書の発行を受けている人は、そちらで残高を確認できます。残高証明書は年に1回、10月頃に発行されることが一般的です。
最新のものが手元にあるか確認しましょう。
6-3-2.金融機関が発行した返済予定表
住宅ローンを組んでいる場合には、金融機関から返済予定表が発行されることが一般的です。
返済予定表には、返済予定や残高などが記載されています。固定金利の場合には、住宅ローンを借り入れた際に発行されることが一般的です。
変動金利の場合には、金利が変わるタイミングごとに発行されます。変動金利の場合には、最新の返済予定表を確認することが必要です。
紛失してしまった場合には、金融機関へ相談し、再発行してもらいましょう。
6-3-3.インターネットバンキングの残高照会
その他、金融機関がインターネットバンキングに対応している場合には、ネット上で残高照会できることもあります。
いずれにしても、住宅ローンの残債がある場合には正確な残債額を確認し、無理のない返済プランを計画することが大切です。
6-4.土壌汚染調査をしておく
土地の売却する際の注意点として、「土壌汚染」も挙げられます。
例えば、過去その土地にクリーニング店・ガソリンスタンド・工場などがあった場合、土壌汚染の可能性があるため事前に調査をしておいた方が良いでしょう。
土壌汚染調査については必須ではありませんが、近年では土壌汚染調査を求める買主も多いです。
6-4-1.契約不適合責任に問われる可能性も
売却後に土壌汚染が見つかった場合、契約不適合責任に問われる可能性があります。契約不適合責任とは、「契約内容と異なる土地を売却した」とみなされることです。
契約不適合責任に問われれば、損害賠償を請求される可能性もあります。また、買主が売却代金の減額を求めた場合、その求めに応じる必要もあるため注意が必要です。
自分を守るためにも、事前に土壌汚染の調査は実施しておきましょう。
6-4-2.土壌汚染調査の費用
土壌汚染調査には様々な種類があり、地歴から土壌汚染のリスクを判断する調査では10万〜30万円程度の費用がかかります。
さらに詳細な調査をする場合には、100㎡あたり30万〜50万円程度かかることもあります。
そのため、土壌汚染の調査をする必要があるかどうかの判断は不動産会社に相談することがおすすめです。
おうちクラベルの不動産一括査定サイトでは、実績豊富な不動産会社に査定依頼ができます。土地売却での疑問の解決に是非ご活用ください。
7.土地によっては許可が必要な場合も
売却をする土地によっては、許可や届出が必要な場合もあります。
例えば、農地は細かく区分がされており、売却するためには都道府県知事や農業委員会の許可が必要なケースもあります。
その他、都市計画区域内に所有する土地を売却する場合、都道府県知事や市長などに届出が必要です。
この届出がされなかった場合、金銭の支払いを求められることもあります。
土地の売却には、細かい取り決めがあり、全てを自分で判断することは難しいでしょう。そのため、土地売却の疑問は不動産の専門家に相談するのがおすすめです。
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8.不動産一括査定サイト・シミュレーションなども活用して土地を上手く売ろう
今回は、土地を売る流れやポイントを解説しました。
特に初めて土地を売る場合には、何から始めて良いか分からず不安になってしまうことも多いでしょう。
しっかりと流れやポイントを把握し、1つずつ解決していけば決して難しいことではありません。売却シミュレーションなども活用し、自分に合った売却プランの検討をしてみてはいかがでしょうか。
また、土地の売却で最も大切なのが不動産会社選びです。不動産会社の担当者は、売却についての悩みや疑問に対して有効なアドバイスを提供してくれるでしょう。
しかし、多くの不動産会社に足を運ぶのは手間や時間がかかります。そこでご活用いただきたいのが不動産一括査定サイトです。
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