土地の売買などのため土地の時価を知りたいものの、具体的に何を見ればいいのか分からないといったこともあるでしょう。実は土地の価格には複数の種類があり、時価と一口にいっても目的によって異なるものを指す場合があります。
記事では、それぞれの価格について内容や調べ方を紹介していきます。それぞれの価格の違いを知り時価を正しく認識することで、土地の売買を成功につなげやすくなるため、ぜひ参考にしてください。
- 1 1.土地の時価とは
- 2 2.土地の価格は複数ある
- 3 3.土地の時価の調べ方5つ
- 4 4.明確な時価を知りたい場合は不動産会社に査定を依頼する
- 5 5.不動産一括査定なら複数社へ査定依頼できる
- 6 6.不動産一括査定サイトの選び方
- 7 7.土地の一括査定をするときの注意点
- 8 8.土地の不動産一括査定は「おうちクラベル」がおすすめ
- 9 この記事の監修者
1.土地の時価とは
時価というと、実際に物品を売買する場合の相場のことをイメージします。
ただし土地の時価を考える場合はもう少し厳密になり、時価とは「正常価格」のことを指します。「正常価格」とは不特定多数の当事者間の売買で成立する価格を意味します。
不動産鑑定士が土地の価格を鑑定するときには、この「正常価格」を時価と意識して算定します。
なお、土地の価格には「実勢価格」や「公示地価」「基準地価」のように複数の種類があり、時価の目安としてこれらを使う際には目的によって使い分けることが大切です。
複数ある土地の価格を上手に使い分けるためにも、それぞれの土地の価格の内容や調べ方を把握するようにしましょう。
2.土地の価格は複数ある
すでに触れたとおり、土地の価格には複数種類あります。具体的に挙げると「実勢価格」「公示地価・基準地価」「固定資産税路線価」「相続税路線価」「鑑定評価額」の5つです。内容を紹介しますので利用目的によって使い分けるようにしましょう。
2-1 .実勢価格
実勢価格とは、実際に土地の売買が成立したときの価格です。実際の売買価格のため、実勢価格を決めるのは土地の売主と買主です。
例えば、公示価格で計算すると2500万円の価値のある土地であっても、売主と買主が1800万円の売買で合意すれば、実勢価格は1800万円になります。
実勢価格の用途としては、土地の売買をしたい人が売買価格の目安を知りたい場合に利用されることが多くあります。
実勢価格は、国土交通省が実際の不動産取引データを収集しており「土地総合情報システム」のホームページで確認することができます。
2-2 .公示地価・基準地価
公示地価とは国土交通省が、毎年1月1日時点における基準地の正常な価格を毎年3月に公表するものです。一方、基準地価とは、都道府県が毎年7月1日時点における基準地の価格を毎年9月に公表する価格のことです。
公示地価も基準地価も、下記のような用途で利用されることで、適正な地価を形成することを目的としています。
【公示地価と基準地価の用途】
- 一般の土地取引価格の指標
- 相続税・固定資産税の評価の目安
- 公共用地の取得価格の判断基準
- 金融機関の担保評価の基準
- 企業が保有する土地の評価の基準
公示地価も基準地価は国土交通省の「土地総合情報システム」のホームページで誰でも確認することができます。
2-3 .固定資産税路線価
固定資産税路線価は、土地の固定資産税の納税額を計算するために使う土地の価格のことです。東京23区の場合は都、ほかは市区町村が算定しています。数値は、公示価格の70%を目安に定められています。
土地を所有している場合は、固定資産税を払わなければなりません。また土地の場所によっては都市計画税を納めなければならない場合もあります。この固定資産税や都市計画税の税額を算出する際に、固定資産税評価額が必要となりますが、固定資産税路線価はその評価額を出すための土地の単価です。
なお、固定資産税路線価がない地域もあり、その場合は倍率方式で評価額を算出します。倍率方式とは、国税庁が地域ごとに定めた倍率と固定資産税評価額とを乗じて土地の評価額を算定する方法です。
固定資産税は3年に一度評価額の見直しがなされるため、固定資産税路線価の更新も3年に一度となっています。
2-4 .相続税路線価
相続税路線価は、相続税や贈与税の納税額を算定する際の基準となる土地の価格です。国税庁が毎年1月1日時点を基準日とした価格を7月に公表しています。数値は公示価格の80%を目安に定められているといわれています。
相続税路線価は、相続税などの納税額を計算するもととなる土地の評価額を算定するために使う土地の単価です。相続税路線価が算定されている土地の場合は相続税路線価を元に土地の面積を乗じて土地の評価額を算定します。
相続税路線価がない地域もあり、その場合は、倍率方式を用いて評価額を算定します。倍率方式とは、国税庁が地域ごとに指定する倍率を固定資産税評価額に乗じて相続税の土地評価額を計算する方法です。
相続税路線価は、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」のホームページで確認できます。
2-5 .鑑定評価額
鑑定評価額とは、不動産鑑定士あるいは不動産鑑定士補の国家資格を持つ人が、不動産鑑定評価基準に基づいて算定する土地の価格のことです。税務や裁判資料として利用できる法的効力を持つ土地の評価額です。なお、鑑定をしてもらうには費用がかかります。
鑑定評価額が必要となるのは下記のようなケースです。
- 土地を相続・贈与する場合
- 土地を分割する場合
- 土地に関して相続トラブルになっている場合
- 法人間での不動産取引
主に納税に関係する場合や法的根拠が必要な場合に必要となります。
不動産鑑定は、鑑定評価基準に基づき「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3方式を併用して算定されます。例えば、投資用物件のために鑑定が必要な場合は「収益還元法」を重視して鑑定するなど、価格の利用目的に応じて方法を使い分けます。
3.土地の時価の調べ方5つ
土地の売却を考えている場合は、土地の時価が売り出し価格の参考となります。そこで、次に土地の時価の調べ方を紹介します。すでに紹介した「実勢価格」「公示地価・基準地価」「固定資産税路線価」「相続税路線価」「鑑定評価額」の5つから時価を調べる方法を解説します。
3-1 .実勢価格を参考にする方法
まず、実勢価格を参考にする方法を紹介します。実勢価格は実際に売買が成立した価格のため、売買価格を決める目安にしやすいものです。ただし、土地ごとに形状や利用状況など条件が異なるため、近隣の売買事例であっても価格に差がある点に注意しましょう。
3-1-1 .レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する
実勢価格は、レインズ・マーケット・インフォメーションというサイトを利用して確認することができます。
レインズとは、国土交通大臣指定の不動産流通機構が管理している不動産情報ネットワークです。基本的に不動産会社だけが物件情報の共有のために閲覧できるシステムですが、一部情報がレインズ・マーケット・インフォメーションで一般公開されています。
閲覧できるのは直近1年間の成約案件の価格です。最寄り駅や土地の用途などの条件で検索ができ、成約価格や土地面積、大まかな住所(市区町村まで)が分かります。
開示情報は限定的ですが、情報は毎月更新されるため、最新の大まかな目安を知りたい場合に活用できます。
3-1-2 .国土交通省の土地総合情報システムを利用する
実勢価格は国土交通省の土地総合情報システムで確認できます。土地総合情報システムのホームページの「不動産取引価格情報検索」から情報検索ができ結果を表示できます。
閲覧したい土地価格について、「時期」「土地の種類」「地域(住所・路線・駅名)」などで検索することができます。情報は、3ヶ月単位でまとめたものを、四半期ごとに公表しています。例えば2023年1月に、取引時期2022年7~9月のデータが公表されました。
3-2 .公示地価・基準地価から時価を計算する方法
公示地価と基準地価は管轄や基準時点が異なるものの、適正な地価の形成を目的としているなど基本的な性質は同じです。実勢価格は公示価格の1.1〜1.2倍になることが多いといわれているため、公示価格からある程度時価を知ることができます。
3-2-1 .国土交通省の「標準地・基準地検索システム」を利用する
公示地価・基準地価を調べるには、国土交通省の「標準値・基準値検索システム」を使用します。
「標準値・基準値検索システム」のホームページを開き、地図上で該当する都道府県名を1つ選択すると市区町村名の選択ができます。そこからさらに調査年や土地の用途での指定検索ができ、結果が表示されます。
検索結果では公示地価と基準地価の両方の価格が表示されます。それぞれについて住所や土地の面積、交通施設からの距離などの付帯情報を確認することができます。
なお、一般財団法人 資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」でも公示地価や基準地価を検索・閲覧することが可能です。地図上に、地価公示地点または地価調査地点が表示され、それをクリックすると公示価格を確認することができます。
3-2-2 .公示価格から時価の目安を計算する
公示価格を確認したら、それをもとに時価の目安を計算します。計算方法は下記のとおりです。
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公示地価あるいは基準地価から実勢価格を出す場合は、公示価格での土地の評価額に1.1倍をかけます。これは、実際に土地の売買が公示価格の1.1~1.2倍で行われることが多いといわれているためです。
例えば、公示価格「759,000(円/m²)」と判明した土地100m²についての実勢価格は下記のとおりです。
- 実勢価格 = 75.9万円 × 100m² × 1.1倍 = 8,349万円
公示価格をもとに算出された実勢価格は8,349万円です。時価の1つの目安として参考にしましょう。
3-3 .固定資産税路線価から時価を求める方法
次に固定資産税路線価から時価を求める方法を見ていきましょう。固定資産税路線価は、時価の7割といわれることが多いため、固定資産税路線価をもとに時価を推計することができます。厳密な時価ではありませんが、1つの目安として利用できます。
3-3-1 .全国地価マップで固定資産税路線価を調べる
固定資産税路線価は、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」で確認することができます。
全国地価マップのトップページの「固定資産税路線価等」というメニューを選びます。全国の地図が表示されるため、調べたい都道府県をクリックしましょう。次の画面の地図でさらに市区町村を選ぶと、該当地域の地図が表示され、地図上に路線価のある道路が青い線で表示されます。道路の青い線をクリックすると固定資産税路線価が表示されます。
なお「固定資産税路線価等」のページから地図を選択せずに住所を直接入力して結果を表示することもできます。どちらも最終的には、該当地域の地図が表示され、道路の青い線をクリックすることで路線価を表示できます。
3-3-2 .固定資産税路線価から時価を求める計算方法
次に固定資産税路線価から時価を求める計算方法を解説します。具体的には下記の計算式で算出します。
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固定資産税路線価から実勢価格を出す場合は、固定資産税路線価での土地の評価額を0.7で割ります。これは、一般的に固定資産税路線価が公示価格の7割程度となっているためです。公示価格と実勢価格は厳密には異なるものの、固定資産税路線価から実勢価格を求める際には7割で割り戻すのが通例となっています。
例えば、固定資産税路線価「450,000(円/m²)」と判明した土地100m²についての実勢価格は下記のとおりです。
- 実勢価格 = 45万円 × 100m² ÷ 0.7 = 6,428万円
求められた実勢価格は6,428万円です。1つの目安として利用しましょう。
3-3-3 .補足:建物の固定資産評価額は時価の目安にならない
固定資産税路線価から7割で割り戻すことで時価を求める方法を紹介しましたが、これはあくまで土地の話であって、建物の固定資産税評価額には適用できない点に注意しましょう。
建物の固定資産評価額から、時価を出すための算定方法は7割評価とは算定方法が異なります。建物の時価の算定には、築年数や家の材質などさまざまな要件が関わってくるからです。特に古い建物の場合、固定資産評価額と実勢価格は大きく異なります。
建物の場合は、固定資産税評価額から時価の算定は難しく、目安としては使えないことに注意しましょう。
3-4 .相続税路線価から時価を求める計算方法
相続税路線価から時価を求める計算方法について紹介します。相続税路線価は、時価の8割といわれるため、相続税路線価をもとに時価を推計することができます。厳密な時価ではありませんが、1つの目安として使えます。
3-4-1 .全国地価マップで相続税路線価を調べる
まず、一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」で相続税路線価を調べましょう。
「全国地価マップ」のトップページから「相続税路線価等」を選択します。次の画面に示される地図からさらに細かい地域を指定するか、「郵便番号・住所から探す」の欄に郵便番号か住所を入力するかのどちらかで、該当地域の地図を表示させます。
該当地域の地図が表示されれば、地図の道路の上に、相続税路線価のマークが表示されます。路線価を表すマークは土地の区分ごとに異なるマークとなっており、住宅地区に関するマークは例えば下記のようなものです。
引用:国税庁「【参考6】路線価図の説明」
路線価の単位は全て「千円/m²」です。
上の普通商業・併用住宅地区の「900C」の読み方は、900千円/m²になります。数値右のCは借地権の割合が70%であることを表しています。そのため、この場合の路線価の読み方は、1/m²当たり90万円で借地権割合が70%となります。
なお、借地権割合はA~Gの記号で表示され、それぞれの割合は下記のとおりです。
引用:国税庁「【参考6】路線価図の説明」
土地を借りている場合は、この割合を路線価に乗じる必要があります。例えば上の「900C」の読み方は、自用地の場合は路線価900千円/m²で、借地の場合は630千円/m²(=900千円/m²×0.7)が路線価となります。
住宅以外の土地区分や路線価のマークの詳しい読み方については、国税庁の「路線価図の説明」も参考にしてください。
最終的に相続税評価額を出す場合の計算式は下記のとおりです。
- 相続税評価額 = 相続税路線価 × 土地の面積
例えば、路線価900千円/m²で、土地の面積が100m²の場合は、
- 相続税評価額 = 900千円/m² × 100m² = 9,000万円
となります。(なお実際の評価額はさらに奥行価格補正などの微修正を行います。)
3-4-2 .路線価のない地域は倍率方式
地域によっては、相続税路線価のない場合もあります。路線価のない地域は、倍率方式で路線価を算出します。
全国地価マップの地図上でも、路線のない地域は「倍率地域」として表示されます。具体的には「倍率地域」は該当地域が赤枠で囲まれ、赤枠の中に町名などが記載されています。赤枠内でクリックすると倍率表を表示するメニュー「倍率表を開く(PDF)」があるので、それを開くと該当地域の倍率が確認できます。
なお、倍率のデータは国税庁の「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」でも確認できます。同ホームページで該当する住所を選択・指定すると倍率表が表示されます
倍率地域の相続税路線価は固定資産税評価額にその地域の倍率を乗じて算出します。
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例えば、倍率1.1、固定資産税評価額が6,000万円の場合、
- 相続税評価額 = 6,000万円 × 1.1 =6,600万円
となります。
なお、土地の固定資産税評価額は、課税明細書がある場合は課税明細書で確認できますが、ない場合は固定資産税路線価(標準宅地)を参照しましょう。
固定資産税路線価(標準宅地)は、「3-3-1 全国地価マップで固定資産税路線価を調べる」で解説したとおり、「全国地価マップ」で確認できます。
3-4-3 .倍率地域から時価を求める計算方法
倍率地域から時価を求める場合の方法について紹介します。
倍率地域の倍率から時価を求める場合は、下記のような式から算定します。
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実勢価格を求める際は、相続税評価額を0.8倍で割ります。
これは、相続税評価額は公示地価の0.8倍であることが一般的で、相続税評価額と時価との関係を考える際にもこの0.8倍を目安とされることが多いためです。このため、実勢価格を求めるときは相続税評価額を0.8倍で割り戻します。
具体例で計算してみましょう。例えば、倍率1.1、固定資産税評価額(固定資産税路線価(標準宅地))が6,000万円の場合、時価は下記のとおりとなります。
- 実勢価格 = 6,000万円 × 1.1 ÷ 0.8 =8,250万円
以上のように、相続税評価額も時価の目安として利用することができます。
3-5 .自分で調べた時価はあくまで目安に過ぎない
自分で調べた時価はあくまで目安にすぎない点に注意しましょう。
自分で公示地価や路線価から時価を暫定的に調べることで、売却価格の目安を簡単に知ることができます。大体の価格を知っておきたいときなどには、とても役に立ちます。
しかし、土地の時価を厳密に知る必要がある場合には自分で調べるだけでは限界があります。適正な時価の算定には、土地の形や周囲の環境などさまざまな要因が絡むからです。
自分で調べた時価はあくまで参考価格として利用しましょう。
4.明確な時価を知りたい場合は不動産会社に査定を依頼する
明確な時価を知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。すでに紹介したとおり、鑑定評価でも時価を知ることができますが、鑑定評価は公的な証明を目的としており費用もかかります。売却目的で時価を知りたい場合には、不動産会社が不動産情報をもとに行う無料の机上査定(簡易査定)が向いています。
4-1 .不動産会社の査定は基本的に無料でできる
不動産会社の査定は基本的に無料で利用することができます。不動産会社の査定が一般的に無料で利用できる理由は、不動産会社にとって査定の依頼者は近い将来自社のお客様になり得るため、サービスの一環と考えているからです。
営業的な意味合いをこめて無料となっています。その後、もし査定した不動産会社で土地の売買が成立した場合に、仲介手数料が不動産会社に入ります。土地売買の仲介手数料を手に入れるために、査定段階では料金を請求しません。
そのため不動産会社の査定は無料で依頼できるようになっています。
4-2 .不動産会社によって査定方法が異なる
不動産会社の査定は、会社ごとに査定方法が異なります。とはいえ一般的な査定方法は、「事例比較法」です。事例比較方法とは、査定対象の物件と似た条件の物件の最新の売却事例と比較する方法です。
これに加えて、多くの会社では、公益財団法人「不動産流通推進センター」が作成した査定マニュアルを査定に用いることがあります。同じマニュアルを使っていても使う人の裁量で基準の変わる部分があったり、大手企業は独自のマニュアルを使っていたりするため、査定額に差が出ます。
会社によって重視するポイントが異なるため、査定マニュアルにも差が出て、査定結果も異なることがあります。
4-3 .不動産査定は必ず複数社へ依頼すべき
不動産査定は複数社に依頼することがおすすめです。
すでに解説したとおり、不動産会社によって査定方法が異なるため、1社だけの見積もりだとその価格が妥当かどうか判断することができません。
複数の不動産会社から相見積もりを取ることで、自分の土地の適正な価格帯を把握することができます。ほかの見積もりと大きく価格が異なる場合は、明確な理由があるかどうか不動産会社に確認するようにしましょう。
実際には実現できない高い査定額で気を引いて契約を取ろうとする会社も少なくないため注意が必要です。
5.不動産一括査定なら複数社へ査定依頼できる
複数の不動産会社へ査定を依頼するなら、不動産一括査定サービスの利用がおすすめです。不動産一括査定では、Webサイト上のフォームから必要な情報を送信するだけで、複数の不動産会社から査定額を出してもらうことができます。以下で詳しく解説します。
5-1 .不動産一括査定を利用するメリット
ここでは不動産一括査定を利用するメリット5点について紹介します。不動産一括査定を上手に活用するためにもメリットを把握しておくことがおすすめです。具体的に見ていきましょう。
5-1-1 .無料で利用できる
不動産一括査定サイトは、原則として無料で利用できます。不動産一括査定サイトを利用して複数社に査定を依頼しても利用料金を支払う必要はありません。
不動産一括査定サイトが無料で利用できるのは、不動産一括査定サイトの収益が不動産会社から支払われる紹介料でまかなわれているからです。
査定を依頼する側は無料で利用でき、また、査定依頼をしたからといって必ず紹介された不動産会社のいずれかと契約しなければならないルールもありません。
無料でも安心して利用できます。
5-1-2 .複数の不動産会社を比較できる
不動産一括査定サイトを利用することで複数の不動産会社を比較することができます。
不動産会社は会社により「都市圏の土地の売買が得意」「土地も手がけるがマンションの売買実績が特に多い」など特色があります。取引実績や得意分野が異なるため、査定額にバラツキが出ます。
複数社の査定を比較することで、バラツキを把握しつつ大まかな相場を知ることができます。
また、複数社の査定額以外の部分を比較することで、いい条件の不動産会社を見つけることもできます。例えば、査定のやり取りをする中で、担当者の営業力や誠実さ、その不動産会社の広告力、強みといったものを知ることができます。
多くの不動産会社を知ることで目的に合ったいい条件の不動産会社を見つけることができます。
5-1-3 .時間と手間をかけずに査定依頼できる
不動産一括査定サイトでは、時間と手間をかけずに査定依頼をすることができます。
不動産会社1社1社を調べて査定依頼をしていては、多くの時間と手間がかかります。その点、不動産一括査定サイトは、所定のフォームに土地の基本情報や連絡用の情報を登録するだけで、優良な不動産会社の選定や査定依頼の手続きができます。時間効率がとてもよい査定依頼の方法といえます。
インターネットが使えるパソコンかスマートフォンがあれば、いつでもどこからでも依頼が可能です。遠方の不動産会社にも査定を依頼できるうえ、自分が知らなかった優良な不動産会社と出会えるきっかけともなり得ます。
手間暇をかけずに効率的に査定依頼ができる点が大きなメリットです。
5-1-4 .競争原理で不動産会社が積極的になる
不動産一括査定サイトを利用すると、競争原理で不動産会社が土地の売却に積極的になるというメリットもあります。
不動産会社は不動産一括査定で比較されることを前提に査定額を算出します。査定時に競争原理が働き、依頼者から媒介契約を得るために、いい条件を提案するなど依頼者に有利になるよう積極的に働きかけてくれます。
不動産会社同士が競い合う結果、依頼者はいいサービスを受けることができます。
5-1-5 .AI査定との併用ならすぐに査定額が分かる
不動産一括査定サイトでは、不動産会社に不動産一括査定を依頼すると同時にAI査定を利用することもできます。
AI査定とは、不動産査定のノウハウや不動産取引に特有の知識を活用した機械学習ソリューションによって、査定額を算定するものです。不動産一括査定を依頼する際に入力した情報をもとにその場ですぐに査定額を確認することができます。。
現在のところ、不動産一括査定とともにAI査定を確認できるのは「おうちクラベル」のサービスだけです。AI査定サービスを利用したい場合は、ぜひ「おうちクラベル」をご活用ください。
6.不動産一括査定サイトの選び方
不動産一括サイトのメリットを解説しましたが、実際に不動産一括サイトを利用する場合には選び方にコツがあります。不動産一括サイトの選び方を紹介するので、不動産一括査定サイトを選ぶ際はぜひ参考にしてください。
6-1 .選び方1:サイト運営会社の信頼性
不動産一括査定サイトを選ぶ際には、サイトの運営貴社の信頼性を確認するようにしましょう。
不動産一括サイトはそれぞれ運営会社が異なります。例えば、運営会社が上場企業かどうか、売却実績が豊富であるかどうかなどといった点が判断基準となり得ます。
運営会社が信頼できる会社であれば、提携している不動産会社の質が担保され、悪質な営業などのリスクを避けることができます。
安心して不動産一括査定を利用するためにも、信頼できる運営会社かどうか確認するようにしましょう。
6-2 .選び方2:提携している不動産会社の数
不動産一括サイトを選ぶ際は、提携している不動産会社が多いサイトを利用するようにしましょう。
提携している不動産会社が少ないと、自分が売却したい不動産を得意とする不動産会社と出会えるチャンスが少なくなります。
多くの不動産会社から査定を受ける会社を選べるほうが、自分に合った不動産会社が見つかる可能性が高くなるため、できるだけ提携数の多いサイトを選択することがおすすめです。
6-3 .選び方3:同時に査定依頼できる数
不動産一括サイトを選ぶ際は、同時に査定依頼できる数の多いサイトを選ぶことがおすすめです。
通常、不動産一括査定サイトでは、一度に依頼できる不動産会社の件数に上限が設けられています。多くのサイトでは、同時に査定依頼できる最大査定数は数件~10件程度です。
できるかぎり多くの企業で比較したほうが、相場を把握しやすいため、最大査定数の多いサイトを選ぶようにしましょう。
6-4 .選び方4:対象地域
不動産一括査定サイトを選ぶ際には、査定を依頼したい土地のある地域にそのサイトが対応しているかどうかを確認して選ぶようにしましょう。
全国の地域に対応とうたっているサイトでも、地方など一部地域は対象外となる場合もあります。不動産一括査定サイトには、関東圏に強いサイトがあったり、関西圏に強いサイトがあったりと対象地域はさまざまです。
査定を依頼したい土地の地域を網羅している不動産一括査定サイトを選ぶようにしましょう。
6-5 .選び方5:サービス・サポート
不動産一括査定サイトを選ぶ際には、サービスやサポートのいいサイトを選ぶことも大切です。
不動産一括査定サイトでは、不動産一括査定以外にも、サイトの使い方についての相談窓口を開設していたり、不動産売買のお役立ち情報を発信したりするサイトもあります。
また、土地活用や賃貸経営など不動産に関する相談を請け負っていたり、賃貸物件、投資物件などを紹介したりするサイトもあります。
利用したいサービスのある不動産一括査定サイトを選ぶことがおすすめです。
6-6 .選び方6:利用者の口コミ
不動産一括査定サイトを選ぶ際には、利用者の口コミを参考にすることもおすすめです。
不動産一括査定サイトは広く活用されているため、インターネット上で利用者のさまざまな口コミを見ることもできます。
ただし、口コミは中には恣意的に書かれたものもあるため鵜呑みにはせずに多くの意見を見比べて、参考にする程度にしましょう。
6-7 .選び方7:個人情報保護
不動産一括査定サイトを選ぶ際には、個人情報保護の体制がしっかりと整っているサイトを選ぶようにしましょう。
不動産一括査定サイトでは、査定依頼をする際に連絡先の個人情報なども入力します。その際の個人情報について適正に扱われるかどうか確認することが大切です。
各不動産一括査定サイトでは、そのサイト上で個人情報保護の基本方針について開示しているため、サイトを選ぶ際には方針を確認するようにしましょう。
7.土地の一括査定をするときの注意点
不動産一括査定サイトの選び方をお伝えしましたが、土地の一括査定をするときには注意点があります。土地の一括査定をする際には次の注意点に気を付けましょう。
7-1 .複数の不動産会社とのやり取りが発生する
土地の一括査定を不動産一括査定サイトで依頼するときには、複数の不動産会社とのやり取りが発生する点に注意しましょう。
不動産一括査定の場合、複数の不動産会社から営業の電話やメールが届くため、やり取りを億劫に感じることがあるかもしれません。しかし、査定の際は、査定額や査定の根拠だけでなく
各社の営業スタイルなどを比較・検討できるチャンスでもあります。
査定についての質問をして的確な回答が得られるかどうか、レスポンスは早いかどうかなどを確認することもおすすめです。また、どのような売却プランを考えているかなど営業方針を聞いてみるのもよいでしょう。
複数社とやり取りする機会を存分に利用して、自分に合った不動産会社を選ぶようにしましょう。
7-2 .相場から離れた査定額を提示されることもある
土地の一括査定では、相場から離れた査定額を提示されることもあります。
査定額は不動産会社がこの値段なら売却できるとして算出した「予想額」です。査定時期と売却時期のズレなどによって実際には価格が変動することもあるため、あくまで目安として考えましょう。
不動産会社の中には、査定依頼者との契約を得るために、あえて相場より少し高めの査定を提示して、気を引こうとする場合があります。仮にそうした会社と契約したとしても、値段が高くて結局売れ残り、最終的に値段を下げて売るといったことになりかねません。
相場より高い査定額を提示されたときにはしっかりと根拠を確認し、根拠が不明瞭な場合は、契約をしないなどの対処が必要です。
7-3 .全ての不動産会社を比較できるわけではない
土地の一括査定では、全ての不動産会社を比較できるわけではないことに注意が必要です。
不動産一括査定サイトではそのサイトが提携している不動産会社へ査定を依頼することになります。そのため、自分の気になる不動産会社があっても、提携していない場合などには査定を受けることはできません。
もし、査定を受けたい不動産会社があるのであれば、直接依頼するのがよいでしょう。その一方で不動産一括査定サイトを併用することがおすすめです。複数社で査定を比較することで相場も把握しやすく、よりいい不動産と出会えることもあります。
8.土地の不動産一括査定は「おうちクラベル」がおすすめ
土地の時価の目安となる価格には「実勢価格」「公示地価・基準地価」「固定資産税路線価」「相続税路線価」「鑑定評価額」の5つがあることと、その調べ方を紹介しました。
より明確な時価を知りたい場合には不動産会社に査定を依頼することがおすすめです。
なお、不動産会社に査定を依頼するときは複数社に依頼するようにしましょう。複数社に依頼することで土地の適正価格を把握しやすくなります。
複数社に査定を依頼する際には、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。無料で時間や手間をかけずに査定を依頼することができます。
不動産一括査定サイト選びに迷ったときには、「おうちクラベル」をぜひご活用ください。
上場企業でもあるソニーグループのSREホールディングスが運営しているため安心してご利用いただけます。実績豊富な複数の優良企業の査定価格が比較でき、売却活動の進め方も相談できるためおすすめです。