「擁壁のある土地は売れない」といわれることがあります。
擁壁のある土地が売れないといわれる原因は、どこにあるのでしょうか?
また、擁壁のある土地を売るためには、どのような対策を講じればよいでしょうか?
今回は、擁壁のある土地の売却について詳しく解説します。
擁壁とは
「擁壁」とは、どのようなものを指すのでしょうか?
擁壁とは、土地に高低差がある場合において、側面の土が土圧や水圧などで崩れるのを防ぐために設置される壁状の構造物です。
土地に高低差があるからといって、建物を斜めに建築するわけにはいきません。
そのため、建物の建築面を平らにするため、土地の一部を削ったり盛ったりして、建物が建築できる平らな面を造成します。
そのうえで、土地が崩れて建物が傾くことのないよう、側面を擁壁で固めます。
道路よりも高い場所に家が建っている場合において、高くなっている土地の側面がコンクリートや石などで固められているのを見たことがある人も少なくないことでしょう。
このコンクリートや石などによる壁状の構造物を擁壁といいます。
擁壁がある土地は売れない?
擁壁がある土地は、本当に売れないのでしょうか?
ここでは、擁壁がある土地が売れないかどうかについて解説します。
安全な擁壁である場合は売却に支障はない
擁壁があるからといって、その土地が売れなくなるわけではありません。
擁壁があっても、その擁壁が安全である場合は売却に支障はないことが一般的です。
むしろ、擁壁のある土地は高台に建っていることから、眺望や風通し、水害時の安全性などの面から買主にとってプラスの印象となることもあります。
擁壁のある土地は他の土地よりリーズナブルであることも多く、この点からも買主に選ばれる可能性があります。
安全性が確認できない擁壁がある土地は売れない可能性が高い
擁壁の安全性が確認できない場合は買主から敬遠されてしまい、売れない可能性があります。
安全性が確認できない擁壁については次で詳しく解説しますが、たとえばひび割れのある擁壁や二段となっている擁壁、建築確認など所定の許可を受けていない擁壁などです。
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安全性が確認できない擁壁
安全性が確認できず売れない擁壁とは、どのような擁壁を指すのでしょうか?
ここでは、安全性が確認できない擁壁として3つを紹介します。
- 老朽化した擁壁
- 既存不適格の擁壁
- 違法建築の擁壁
老朽化した擁壁
1つ目は、老朽化した擁壁です。
擁壁が造られてから長期間が経過しており、コンクリートがひび割れや石の崩れ、擁壁自体の膨らみなど目に見えて劣化が生じている場合は、安全性を確認することができません。
既存不適格の擁壁
2つ目は、既存不適格である擁壁です。
既存不適格とは、現在の法令に照らすと基準を満たしていないものの、建築当時の法令に違反していたわけではない建造物です。
現在、高さ2メートルを超える高さの擁壁を築造する場合は建築確認などそのエリアに応じて所定の許可を受ける必要があり、許可を受けるためには一定の構造や強度を備えていなければなりません。
一方、古い擁壁では必要な手続きを踏まずに建築されているものが多く、現在の法令による基準を満たしていない可能性があるため注意が必要です。
違法建築の擁壁
3つ目は、違法建築の擁壁です。
たとえば、古い擁壁の上に新しい擁壁を重ねた「二段擁壁」や、玉状の石を積んだ一定の「玉石擁壁」は、違法建築です。
そのため、このような擁壁は危険であり、そのままでは売れない可能性が高いといえます。
既存の擁壁が安全なものであるのか安全性が確認できないものであるのか、自分で判断できない場合も多いと思います。
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安全性が確認できない擁壁のある土地が売れない理由
安全性が確認できない擁壁のある土地が売れないのはなぜなのでしょうか?
ここでは、危険な擁壁がある土地が売れないとされる主な理由を5つ解説します。
- 安全性に不安を感じるから
- 家が建て替えられない可能性があるから
- 工事費用がかかるから
- 倒壊などすると管理責任を問われることとなるから
- 擁壁があっても「がけ」扱いとなり建築の制限を受けるから
安全性に不安を感じるから
買主が自身や家族の生活の拠点として土地を買う場合、安全性を確認できない擁壁がある土地に住むことに不安を感じることが一般的です。
そのため、危険な擁壁のある土地の購入が敬遠される可能性があります。
家が建て替えられない可能性があるから
危険な擁壁のある土地は、そのままでは家を建て替えられない可能性があります。
家を建てるための土地を探している買主には、購入を避けられやすくなります。
工事費用がかかるから
危険な擁壁であっても、工事をすることで建物が建てられる土地となることが一般的です。
しかし、擁壁の工事は簡単なものではなく、数百万円単位(一般的な規模で300万円程度、大規模なものだと500万円以上)の費用が発生します。
そのため、危険な擁壁のある土地を売る際は、原則としてこの工事にかかる費用を差し引いた額で売買することとなります。
倒壊などすると管理責任を問われることとなるから
擁壁の管理責任は所有者にあります。
そのため、万が一擁壁が倒壊して通行人にケガをさせたり車など財物を壊したりした場合は、所有者に対して責任が問われることになります。
買主が擁壁のある土地の所有者となった場合、「前の所有者が建てたものなので、自分は知らない」などという主張は通りません。
この点からも、安全性の確認できない擁壁のある土地は購入を避けられる可能性があります。
擁壁があっても「がけ」扱いとなり建築の制限を受けるから
都道府県や市区町村によっては、がけの上下への建築について、条例で一定の制限を付しています。
擁壁があっても「がけ」であることには変わりなく、買主が希望する建物を建築できないかもしれません。
この点からも、土地が売れなくなる可能性があります。
このように、安全性の確認できない擁壁のある土地は売れない可能性があり、売却のハードルは低くありません。
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擁壁のある土地を売却する方法
擁壁のある土地を売りたい場合、どのような対策を講じればよいでしょうか?
最後に、擁壁のある土地を売却するために検討したい主な方法を解説します。
- インスペクションを実施する
- 擁壁の構造に関する資料を集める
- 擁壁のある土地に詳しい不動産会社のサポートを受ける
- 不動産買取を活用する
インスペクションを実施する
インスペクションは「建物状況調査」や「住宅診断」とも呼ばれ、所定の資格をもつ専門の検査員が、第三者的な立場から目視や動作確認、聞き取りなどによって住宅の現状の検査を行うことを指します。
擁壁は原則としてインスペクションの対象とはならないものの、オプションを付けることで擁壁についてもインスペクションを受けることが可能となります。
インスペクションを受けてその診断結果を土地の購入希望者に開示することで、買主が安心し、土地が売れる可能性が高くなります。
擁壁の構造に関する資料を集める
きちんと許可を受けて築造された擁壁であれば、開発指導担当課において開発登録簿を閲覧したり建築指導担当課に相談したりすることで図面を入手できる可能性があります。
また、その擁壁のある土地を管轄する自治体に対し、情報公開請求をして資料を取り寄せることも1つの手です。
当時の図面や構造に関する資料を集めることで、購入希望者に対して擁壁の安全性を示しやすくなり、買主が安心して購入しやすくなります。
擁壁のある土地に詳しい不動産会社のサポートを受ける
擁壁のある土地を売却するには、擁壁のある土地の売却に詳しい不動産会社のサポートを受けるのがおすすめです。
擁壁のある土地を多く見ている不動産会社の担当者は、擁壁を一見するだけで危険な擁壁であるかどうか想定できることも多く、その後の調査方法や修理した場合にかかる具体的な費用などについても熟知しています。
そのような担当者へ売却について依頼することで、擁壁のある土地を売却するまでの道筋を立てやすくなります。
擁壁のある土地の売却について相談できる優良な不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
複数社による査定額や売却へ向けてのアドバイスの的確さなどを比較することで、擁壁のある土地の売却を任せる不動産会社を選定しやすくなります。
不動産買取を活用する
擁壁のある土地を市場で売却することが難しい場合は、不動産買取が選択肢に入ります。
不動産買取とは、不動産会社に直接土地を買い取ってもらう取引形態です。
不動産買取では市場で売りにくい土地であっても買い取ってもらえる可能性があるほか、買主を市場で募る必要がないため、現金化までがスピーディーであるメリットがあります。
一方で、不動産買取による売却価格は市場での取引価格の6割から8割程度となることが一般的であり、土地を高値で売りたい場合に適した方法ではありません。
また、不動産会社に土地を買い取る義務があるわけではないため、必ずしも買い取ってもらえるわけではない点にも注意が必要です。
まとめ
土地に擁壁があるからといって、必ずしも売れないわけではありません。
擁壁のある土地は高台となっており見晴らしや風通しなどがよい傾向にあるうえリーズナブルであることも多いため、擁壁の安全性が確認されている場合は、むしろ買主に選ばれやすいともいえます。
一方で、擁壁の安全性が確認できない場合は、土地が売れない傾向にあります。
そのままでは建物が建てられない可能性が高く、多額の費用をかけて工事をする必要性があるためです。
また、万が一古い擁壁が倒壊して通行人を巻き込むなどしてしまうと、所有者が責任を問われかねません。
このように、特に古い擁壁がある土地は売却に支障が出る可能性があります。
そのため、擁壁のある土地を売りたい場合は、擁壁のある土地の売却に詳しい不動産会社の担当者とよく相談をしながら進めることが必要です。
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