これから不動産を売却しようと考えている方で、所有する不動産をできるだけ高く売るための「コツ」を知りたい方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、不動作売却に失敗しないために押さえておきたい注意点や、不動産を高く売却するための5つのコツを紹介しています。読み進めると「売却時に失敗するリスクを最小限にするコツを理解できるでしょう。
不動産売却は売却方法の選択から始める
不動産売却では、まず不動産会社を選ぶのではなく、売却するための方法を選択しましょう。売却するための方法は大きく分けて「仲介」「買取」の2種類があります。
仲介と買取の売却方法ごとにメリット・デメリットを以下にまとめています。
売却方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
仲介 | ・希望額に近い価格で売却可能 ・時間をかけてじっくりと売却可能 | ・買主が現れるまで売却不可 ・現金化が遅い |
買取 | ・仲介手数料が必要ない ・現金化が早い ・内覧対応がない | ・売却額が仲介と比べると安価 ・買取不可の場合もある |
上記表に記載されている、メリット・デメリットを理解したうえで、売却方法を選択しましょう。本記事では、高く売れる可能性の高い「仲介」を選択したと仮定し、解説を進めていきます。
不動産売却のコツを知る前に注意しておきたいこと
不動産売却のコツを知る前に、売却するうえで注意しておかなければならない点を押さえておきましょう。この注意点を知っておくと、後々のトラブルを回避できるだけでなく、失敗するリスクを軽減できます。
知っておいてもらいたい注意点は以下の3つです。
- 訪問査定を利用する
- 壊れかけの設備は事前に連絡する
- 不動産の相場を把握する
3つの注意点のなかでも、気をつけておく必要があるものは「壊れかけの設備は事前に連絡する」です。それぞれの注意点をしっかりと把握し、失敗しない不動産売却を実現してください。
まずは「訪問査定を利用する」から順にみていきましょう。
訪問査定を利用する
不動産売却をする際に、まず不動産会社に査定を依頼するところからスタートします。この不動産会社による査定は「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定は、物件の見学などは行わず、過去の取引事例や市場価格(相場)などを加味して、おおよその査定額を算出する手法です。
一方の訪問査定は、不動産会社が実際に売却予定の物件を見学します。そこで、物件の状態、境界線の有無など、細かい確認を行ったのちに算出する査定額になります。
実際に仲介をしてもらう不動産会社を選定する際は、精度の高い訪問査定を利用するようにしましょう。
壊れかけの設備は事前に連絡する
不動産売却時に最も注意しなければならないものは「設備の不具合」です。なぜなら、売却時に破損もしくは不具合のある付帯設備を、買主に知らせずに売却した場合は責任を追及される可能性があるからです。
しかし、過去には瑕疵の捉え方によって判断がわかれるケースがありました。
そこで、令和2(2020)年4月に施行された改正民法で瑕疵担保責任は「契約不適合責任」に変更されたのです。これにより隠れた瑕疵ではなく、客観的に瑕疵といえるのか否かといった内容になりました。
現在では不具合のある物件の売却は売主が契約不適合責任に問われる可能性があるため、注意しなければなりません。
瑕疵担保責任は改正民法により契約不適合責任に変更されましたが、これに関しては、別記事で詳しく解説しているため、そちらをあわせて読んでみてください。
不動産の瑕疵担保責任とは?民法改正による3つの変更点も紹介
不動産の相場を把握する
不動産売却時に、所有する不動産の相場を把握しておくのは必須だといえます。不動産相場を調べる方法は以下の2つです。
- 不動産周辺の買取実績や販売実績などを収集する
- 不動産取引価格情報検索を使う
不動産周辺の買取実績や販売実績を収集し、不動産会社の売却中の物件価格からおおよその見当をつける方法があります。さらに詳しく調べるには、国土交通省が実際に取引された情報を掲載している「不動産取引価格情報検索」を利用しましょう。
不動産取引価格情報検索では四半期ごとの情報が掲載されています。しかし、リアルタイムではないため、最新の取引情報が知りたい方は、不動産会社に査定をしてもらうほかないでしょう。
不動産を高く売却するコツ
不動産を高く売却するコツはさまざまありますが、ここでは効果的なものを5つ厳選して紹介していきます。
高く売却する5つのコツは以下のとおりです。
- 複数の不動産会社で査定してもらう
- 適正価格の設定
- 内覧対応は丁寧にする
- 余裕をもったスケジュール設定をする
- 適切な契約で有利な条件にする
不動産をできるだけ高額で売却していくために、上記の内容にはしっかりと対応しておきましょう。また、5つのコツのなかでも大きく売却額を左右するのは「複数の不動産会社で査定をしてもらう」です。
なぜ複数の不動産業者に査定を依頼すべきなのか?具体的な理由も踏まえつつ、紹介していきます。
コツ1:複数の不動産会社で査定してもらう
不動産の売却では、複数の不動産会社に査定を依頼すると、査定価格の正当性や売却を任せるにふさわしい相手か見極められます。
不動産売却で複数不動産会社での査定は重要ですが、1社1社査定を依頼していくのは非常に手間がかかります。そこで、不動産一括サイトを利用しましょう。現在数多くの不動産一括サイトが存在しますが、なかでも「おうちクラベル」を利用すると、効率的に不動産会社へ査定ができます。
おうちクラベルはヤフー株式会社と、ソニーグループのSREホールディングスが共同で運営しているサイトです。AIを利用した「住まいの価値」チェックや、大手から地元密着型の不動産会社を選べます。
不動産会社から査定を取り寄せる際は「おうちクラベル」を利用してみませんか?
コツ2:適正価格の設定
過去の取引状況や査定結果を考慮し、売り出し価格を適正価格に設定できれば、早期売却につながる可能性が高くなります。なぜなら、自宅を高く売却し利益を出したいがあまり、相場よりも高く価格をつけてしまいがちだからです。
相場よりも高く設定してしまうと、よほど魅力的な物件ではない限り、買主は敬遠してしまう可能性があります。同程度の不動産で、利便性も同等であれば価格の安い物件を購入するからです。
3カ月を過ぎても売れない場合は、売却価格を再設定しなければならず、さらに買い手がつかないといった悪循環に陥ってしまいます。そうならないためにも、売り出し価格を適正価格に設定するのは非常に重要といえるでしょう。
コツ3:内覧対応は丁寧にする
不動産を売却する際は、内見対応にできるだけ対応してください。なぜなら、買主は価格を確認し、物件の状態を確認し問題なければ購入しようとしている方だからです。また、情報サイトなどをみて訪れた方も同様でしょう。
そこで内見者を迎える際に、どのように対応をすべきかを以下にまとめました。
- 掃除や整理整頓
- 部屋のにおい
- 室内のイメージを明るくする
まずは当たり前ではありますが、掃除や整理整頓は必須だといえます。しかし、いつ来るかわからない内見者のために、室内を常にきれいに保っておくのは大変です。
また、住んでいると部屋のにおいや室内の暗さに関して気づきにくくなります。こうした自身では気づきにくい部分を不動産会社の方に聞いてみると良いでしょう。
コツ4:余裕をもったスケジュール設定をする
不動産売却では、売却が完了するまでに数カ月(~6カ月程度)かかるのが一般的です。こうした実情を知らずに売却を始めると、思ったよりも売却に時間がかかってしまいます。
もし不動産を売却する理由が「住み替え」であれば、新居を探す必要もあり、かなりの労力と時間を要します。短期間で売却を完了するためには、売り出し価格を下げなければなりません。
このように不動産売却では6カ月程度かかるため、2〜3月の引っ越しシーズンに合わせて9月ごろから売却に関する行動を始めると良いでしょう。
コツ5:適切な契約で有利な条件にする
不動産売却では、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があります。ここでは、媒介契約の種類や、どの媒介契約を結ぶべきかを簡単に解説していきます。
まずは、媒介契約の種類や概要について以下の表にまとめました。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数業者との仲介契約 | ◯ | ✕ | ✕ |
売主がみつけた相手との契約 | ◯ | ◯ | ✕ |
レインズへの登録義務 | ✕ | 7営業日以内 | 5営業日以内 |
業務処理報告義務 | ✕ | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
媒介契約は上記のような形となり、売主が何を重視するのかによって、どの媒介契約を結ぶべきかわかります。一般的には、専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約を結ぶと良いでしょう。基本的に複数業者と仲介契約を結ぶのは手間になります。2つの媒介契約から、報告を密に取りたいか否かで選んでください。
不動産売却の流れ
不動産売却時の流れを最後に紹介します。どういった流れで進むかをチェックし、何が必要かを確認しておきましょう。不動産売却の流れは以下のように進みます。
- 情報収集、売却の相談
- 所有不動産の査定
- 媒介契約
- 買い手の決定
- 売買契約
- 決済~引き渡し
この記事の冒頭でも紹介したように、不動産売却では、事前の情報収集や売却に関する相談から始まります。この事前調査によって、今売るのか、もう少し待って売ったほうが良いかを判断しましょう。
準備が済んだら、売却する所有物件の査定に移ります。ここでは、一括査定サイトなどを利用し、効率的に不動産会社を選定しましょう。さらに、選定した不動産会社と媒介契約を結んでください。この際は「専任媒介契約」もしくは「専属専任媒介契約」を選ぶと良いでしょう。
実際に所有する不動産が売りに出され、買主がみつかれば、売買契約、決済~引き渡しへと進みます。売却完了までをスピーディーに進めるために、必要書類などをもれなく揃えておいてください。取り寄せるまでに時間がかかる書類などがあるため、注意が必要です。
売却に必要な書類などについて、さらに深掘りした記事を準備しています。あわせて読み、失敗のない不動産売却を行いましょう。
不動産売却のコツを押さえて高値で売買しよう
不動産売却では、失敗しないために多くの情報やコツが必要となります。すべてのポイントを押さえるのは非常に難しいですが、1つずつ対応し、できるだけ高額売却をしていきましょう。
また、内覧時の対応は買主がいつ来るかわからないため、スケジュール管理が難しいといえます。しかし、スケジュールが空いていないとの理由で、売却する可能性を手放してしまうのは勿体ないです。
さらに、売却に適した期間に売り出すのもポイントです。2~3月の引っ越しシーズンに合わせて9月ごろから売り出せば、余裕をもった売却が可能となります。初めての不動産売却は準備を入念に行うと、失敗する可能性を抑えられるようになります。
当サイトの不動産にまつわる記事で、知識を身につけてください。
Q.知り合いの不動産会社に売却の依頼をしようと思っているのですが、他社からも査定をしてもらうべきですか?
A.お知り合いの不動産会社が売買に強いのか、賃貸に強いのかによって任せるべきかが決まってくるでしょう。お知り合いを信頼している結果だと思いますが、客観的な査定額も知っておくべきではないでしょうか。
Q.査定額と実際に売却する際はどのくらいの差が生まれるのでしょうか?
A.一概にはいえませんが、100万円以内となるケースがほとんどで、多くても200万円程度の差となっています。