マンションを売却しようと考えるときは、仲介だけでなく買取も検討してみると売却方法の幅を広げられます。この記事では、買取と仲介の違いや買取を選ぶメリット、流れ、買取業者を選ぶときのポイントについて詳しく解説します。
マンションの買取と仲介は何が違うのか?
マンションなどの不動産を売却するときは、一般的には仲介を選ぶことが多いでしょう。不動産会社と媒介契約を結び、4~6ヶ月程度の時間をかけて売却活動を進めます。
しかし、不動産会社のなかには買取を専門にしている会社もあり、売却を急ぐときなどに利用を検討する場面もあります。買取で納得のいく成果を得るには、買取業者を賢く選んでいくことが大切です。
まずは、買取と仲介の違いについて、基本的な内容を解説します。
買取:不動産会社が物件を買い取る
「買取」は不動産会社に物件を直接買い取ってもらう売却方法を指します。
新たに買主をみつける必要がないため、スピーディーな対応を行ってもらえるのが大きな特徴です。住み替えなどで引越しのタイミングが決まっているときなどは、買取を選択することで売却までにかかる時間を短くできます。
また、不動産会社に直接買い取ってもらうときには仲介手数料がかかりません。
仲介手数料は宅地建物取扱業法(以降、宅建業法)で上限額が定められており、売却価格が400万円以上の場合では、「取引価格(税抜)×3%+6万円+消費税」(速算式)が上限値となります。仮に仲介で1,000万円のマンションを売却したときには、最大で「1,000万円×3%+6万円+3.6万円=39.6万円」の仲介手数料が発生します。
不動産取引にかかる費用のなかでも、仲介手数料は大きな割合を占めるため、その負担がないのは利用者にとってメリットです。不動産会社にとっても、買取の場合は買主を募るための広告や宣伝を行う時間や費用が必要ないため、仲介手数料を受け取らなくても問題がないといえます。
仲介:不動産会社が物件を仲介する
マンションの売却を不動産会社に仲介してもらうときには、売却額に応じた仲介手数料を支払う必要があります。売主が負担する仲介手数料についてまとめると、次のとおりです。
取引価格 | 仲介手数料の上限額の速算式 |
---|---|
400万円超 | 取引価格(税抜)×3%+6万円+消費税 |
200万円超~400万円以下 | 取引価格(税抜)×4%+2万円+消費税 |
200万円以下 | 取引価格(税抜)×5%+消費税 |
仲介の場合は仲介手数料の負担は必要ですが、その分だけ買主を広い範囲で探せるというメリットもあり、相場に近い金額で売却できる可能性があります。
買取と仲介にはそれぞれメリット・デメリットがあることから、状況に応じて自分に合った方法を選んでいくことが大切です。
マンション買取を利用する4つのメリット
マンションの売却において、買取を選択したときに得られるメリットとして、4つの点があげられます。4つのメリットについてまとめると以下のとおりです。
メリット | ポイント |
---|---|
早期売却が可能 | 新たに買主をみつける必要がないため、売却までの流れがスピーディー |
売却コストを抑えられる | 新仲介手数料が発生しないため、コストを抑えられる |
売却後のトラブルを減らせる | 契約不適合責任を問われない |
内覧対応がない | 不動産会社が相手であることから、内覧対応の必要がない |
それぞれのメリットをさらに詳しくみていきましょう。
メリット1:早期売却が可能
買取は不動産会社に直接物件を買い取ってもらうことになるため、新しく買主をみつける必要がありません。仲介の場合は売却が完了するまでに4~6ヶ月程度がかかりますが、買取では不動産会社との間で契約条件などが折り合えば良いため、短ければ1ヶ月程度で取引が完了します。
すぐに現金化したい方や住み替えなどで売却したい時期が決まっている方にとって、大きなメリットを感じられる仕組みだといえるでしょう。
メリット2:売却コストを抑えられる
仲介でマンションを売却しようとするときには、仲介手数料を含めて売却価格の4~6%のコストがかかるといわれています。マンションを仲介で売却する際にかかる費用をまとめると、次のとおりです。
費用の種類 | 金額の目安 | 買取 | 仲介 |
---|---|---|---|
仲介手数料 | 売買契約が成立したときに不動産会社に支払う手数料。取引価格×3%+6万円+消費税 | × | 〇 |
印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙代。契約額によって異なる。 | 〇 | 〇 |
登記費用 | 抵当権の抹消登記にかかる登録免許税で、不動産1個あたり1,000円。司法書士に手続きを依頼するときには報酬として1~2万円程度かかる。 | 〇 | 〇 |
住宅ローンの繰り上げ返済手数料 | 一括返済するときにかかる事務手数料。金融機関によって異なる。 | 〇 | 〇 |
その他の費用 | 修繕費用、ハウスクリーニング代など物件を売る目的でかける費用。 | × | 〇 |
その他の費用 | 引越し費用など | 〇 | 〇 |
上記のように、マンションを売却するときは多くの費用がかかりますが、なかでも仲介手数料は諸費用の多くを占めます。買取の場合は仲介手数料がかからないため、マンションの売却に伴うコストを大幅に減らすことができます。
また、買取では不動産会社が物件を取得した後にリフォームやリノベーションを行うケースが多いことから、修繕やハウスクリーニングを行う必要がありません。その分の費用も節約できるため、売主側の費用負担は仲介の場合と比べて抑えられます。
メリット3:売却後のトラブルを減らせる
買取を利用したときには、民法で定められている「契約不適合責任」(旧・瑕疵担保責任)が免責されます。
契約不適合責任は物件の買主を保護するために設けられたルールで、売却後一定期間の間に物件に不具合がみつかった場合、売主に対して修繕や返金などを求めることができる権利です。買主に対して事前に不具合を説明し、売買契約書にその点を盛り込んでいれば責任を問われることはありませんが、予期しない不具合が後からみつかることもあります。
仲介の場合は売却後のリスクを負うこともありますが、買取では買主が不動産会社となるため、契約不適合責任そのものが免責となるのが一般的です。売却後の思いがけないトラブルを避けたい方にとって、買取を選択することでメリットが得られるといえます。
メリット4:内覧対応がない
マンションを買取で売却するときには、内覧対応を行う必要がありません。
仲介であれば購入希望者が現れれば、売主として部屋を案内したり、建物の状況などを説明したりする必要があります。
内覧は売主が直接応対するケースも多く、応対以外にもスケジュールの調整や部屋の片付けに時間や手間をとられるものです。仲介で内覧に対応する平均的な期間は3ヶ月ほどといいます。売却が完了するまでのそのような長い間内覧対応をしなければならないのは、売主にとって大きな負担となるでしょう。
一方、買取では買主が不動産会社であることから内覧対応を行う必要性がないため、売主として気軽に売却を進められます。
マンション買取2つのデメリット
買取によってマンションを売却することは多くのメリットがありますが、一方で気をつけておきたいデメリットも少なからずあります。主なデメリットとしては2つあり、それぞれまとめると次のとおりです。
デメリット | ポイント |
---|---|
売却価格が安い | 仲介では相場に近い金額で売却することができるが、買取では相場の7~8割程度の金額になる。 |
買取に難色を示される物件もある | すべての物件が買取対象となるわけではない。 |
2つのデメリットについて、さらに詳しく解説します。
デメリット1:売却価格が安い
買取のデメリットとしてあげられる点は、買取価格が相場よりも安くなってしまうことです。物件の状態にもよりますが、市場価格の7~8割程度の買取価格となる点に注意しましょう。
ある程度の金額が差し引かれてしまうのは、不動産会社は買取を行った後に物件のリフォームやリノベーションを行うことを前提としているため、コストやリスクとなる部分が勘案されて結果的に買取価格が安くなってしまうのです。
時間に制限がなく、できるだけ高い価格で売却したい場合は、買取よりも仲介での売却を選んだほうが良いでしょう。
デメリット2:買取に難色を示される物件もある
活用の仕方次第では便利な仕組みである買取ですが、すべての物件を買い取ってもらえるわけではありません。たとえば、以下のような物件は買取に難色を示されることがあります。
- 買取業者が再販するときの収益見込みが立たないほど、物件が老朽化している。
- 交通アクセスや買い物の利便性が悪く、あまり人気のないエリア など
築年数が30年以上となれば、リフォームやリノベーションにかかる費用もかさんできます。そのため、お金をかけても収益が見込めない物件については、買取業者としても敬遠する可能性があるでしょう。
物件が老朽化していれば売却までのハードルは高くなるところがありますが、一方で一定のニーズもあります。メンテナンスを定期的に行うなどして、アピールすべきポイントを増やしていけば、買取に応じてもらえるケースもあるでしょう。
仲介ではなく買取を利用したほうが良いケース
マンションの売却を検討するときに、買取と仲介のどちらを選択すべきか悩んでしまうこともあるでしょう。買取のほうが良いケースとしては、次のものがあげられます。
- 条件の悪い物件を所有している。
- 手間をかけずに売りたい。
- 期限までに売却が必要な事情がある。
上記のようなケースに当てはまる方は、さらに読み進めてみてください。
ケース1:条件の悪い物件を所有している
立地が悪いなど、条件が悪い物件を所有しているケースでは、売却までに時間がかかる可能性があるため、買取を選択したほうが良いでしょう。
購入者の視点では、マンションには交通アクセスの良さや買い物の利便性を求めることが多いといえます。そのため、駅から遠く離れていたりバス停が遠かったりすると、購入にためらいが生じてしまうことがあるでしょう。
なかなか売れずに売却活動が長期化する恐れもあることから、買取を1つの選択肢として捉えてみてください。
ケース2:手間をかけずに売りたい
買取では売却先が不動産会社となるため、部屋の掃除や修繕などが必要ありません。売却にあたって、できるだけスムーズに売りたいと考える方は、買取を選ぶメリットは大きいといえます。
また、古いマンションを相続したものの、思うように片付けるヒマがないという方にも買取はおすすめです。契約内容さえ折り合えば、他の部分で手間がかからないことから、買取のメリットを上手に活かせるはずです。
ケース3:期限までに売却が必要な事情がある
急に転勤が決まったり、住宅ローンの返済が難しかったりするなど、一定の期限までに住まいを売却する必要が生じることもあるでしょう。そのようなときに、買取であればスピーディーに売却を進められますし、現金化しやすいといえます。
早期に売却が必要な事情があるときには、買取業者に相談をしてみることで負担の軽減につなげられるでしょう。
買取時の流れを4ステップで解説
買取を選択するときには、全体的な流れを押さえておく必要があります。手順についてまとめると、次のとおりです。
- 買取業者の選定・査定依頼
- 買取業者で査定
- 売買契約を締結
- 引き渡し
仲介で売却するときと比べて、新たに買主をみつける必要がないことから、シンプルな手順となっています。基本的に買取業者との間で契約内容について合意が得られれば、売却までの流れがスムーズに進みやすいのが特徴です。
各ステップについて、さらに詳しく解説します。
ステップ1:買取業者の選定・査定依頼
マンションの買取を検討するときは、まず買取業者の選定と査定依頼をお願いするところから始めます。買取業者を選ぶときは、特に次の2点をチェックしておきましょう。
- 住んでいる地域が買取業者の注力エリアになっているか?
- 売りたい物件の種類での買取実績が豊富であるか?
詳しいチェック方法については、リフォーム産業新聞の『不動産買取再販年間戸数ランキング』の結果を確認してみてください。買取実績の多い業者に査定依頼を出すことで、精度の高い買取価格を提示してもらえるはずです。
リフォーム産業新聞『不動産買取再販年間戸数ランキング 』
ステップ2:買取業者で査定
物件の査定方法は、大きく分けて「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定とは、売主が提供した物件情報をもとに、買取業者が蓄積しているデータと照合して買取価格を算出する方法です。一方、訪問査定は買取業者の担当者が直接現地を訪れて査定してくれる方法となっています。
順序としては、まず机上査定でおおよその査定額を把握し、訪問査定によってさらに詳しい査定額を提示してもらうと良いでしょう。机上査定の段階である程度の業者を絞り込んで、訪問査定の結果をみてから実際に買取をお願いする先を決めてみてください。
不動産の査定方法について、さらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみましょう。
不動産査定の方法は大きく分けて2つ!査定価格の算出方法や流れについて解説
ステップ3:売買契約を締結
買取に応じてくれる業者をみつけたら、どのような契約内容で物件を売却するかを決めていきます。契約を進める順序としては、以下の流れとなります。
- 条件・日程の調整
- 売買契約書等の読み合わせ
- 付帯設備・物件状況の確認
- 手付金受け取り
- 決済
買取金額や引き渡しの条件面など、売買契約書に盛り込まれる内容については細かくチェックをしておきましょう。不明点があればそのままにせず、担当者に質問することが大切です。
手付金の相場は、買取代金の10%程度が目安となります。残代金については、物件を引き渡した際に精算をする形です。
売買契約を締結するときには、多くの書類が必要になりますが詳しくは後述する「買取準備3:売買契約に必要な書類を集める」を参照してみてください。
ステップ4:引き渡し
売買契約書で定めた引き渡し日に、売却代金の決済や鍵の受け渡しなどが行われます。基本的には担当者の指示に沿って手続きを進めていけば問題ありません。
残代金の精算が終わり、物件を引き渡したら売却活動については終了します。
売却によって利益が出たときには、物件を買い取ってもらった翌年の2月中旬から3月中旬までの間に確定申告が必要になります。また、損が生じてしまったときにも確定申告を行うことで、税負担を軽減できる場合があります。
売却に伴ってかかった費用の領収書はきちんと保管しておき、忘れずに確定申告を行いましょう。
買取業者を選ぶうえでのチェックポイント
同じ物件であっても、買取業者によって買取価格に違いがあります。これは業者によって取り扱い実績や得意とするジャンルが異なるからであり、マンションの買取であればマンションの取り扱いを得意とする業者を選ぶほうが良いでしょう。
買取業者を選ぶときのチェックポイントとして、次の点があげられます。
- 買取保証に対応してくれるか
- 買取に付随するサービスや条件をチェック
- 価格の根拠を明確に答えられるか
上記の点を踏まえて買取業者を選んでみると、納得のいく結果に結びつきやすいといえます。それぞれのポイントについて、さらに詳しく解説します。
ポイント1:買取保証に対応してくれるか
買取か仲介か決めかねるときには、「買取保証」という選択もあります。
買取保証とは、一定の期間は仲介で買主を募り、購入希望者が現れなければ不動産会社があらかじめ決めた金額で物件を買い取ってくれるという仕組みです。買取と仲介の良い部分を組み合わせた仕組みであるため、少しでも高く物件を売却したいという方にとっておすすめの方法だといえます。
買取保証であれば、仲介によって売れなかった場合であっても買い取ってもらえるため、設定した期日までに売却ができるというメリットがあります。住み替えが決まっているときなどに有効な方法であり、1つの選択肢として検討してみると良いでしょう。
ただし、すべての業者で買取保証を行っているわけではないため、買取保証を実施している業者を事前に探しておくことが大切です。
ポイント2:買取に付随するサービスや条件をチェック
買取を行ってくれる際に、付随したサービスや条件を提供してくれる業者もあります。内容は買取業者によってさまざまです。
たとえば、残存物の処理といったサービスでは、使用していた家財や家電を処分してもらえることから、片付けを行う手間が省けます。
しかし、処分する量が多ければ処分費用を請求されることもあるため、注意が必要です。処分費用を業者が負担してくれるのかを確認したうえで、不用品の処分を検討してみましょう。
また、買取での売却では契約から物件の引き渡しまでの期間が比較的短いため、新居に引越す前に引き渡し日が訪れることがあります。そのため、引越しが間に合わなかった場合などに、明け渡しの猶予期間が条件として設けられているかどうかをよく確認しておきましょう。
ポイント3:価格の根拠を明確に答えられるか
買取によって損をしないためには、買取価格の根拠をきちんと説明してくれる業者を選ぶことが大切です。複数の業者を比較して一番高い買取価格を提示した業者と契約を結んだとしても、根拠のない値引き分が差し引かれていることがあります。
買取で損をしないためには、自分でも相場をある程度把握しておくことが重要です。調べる方法としては、国土交通省が提供している「土地総合情報システム」を利用したり、不動産流通機構が運営している「レインズ・マーケット・インフォメーション」を活用すると良いでしょう。
事前に準備しておくとスムーズに契約できるもの
買取を選択すると仲介と比べてスピーディーに売却を進められますが、売却の事前準備を整えておくことでさらに段取り良く手続きを進められるでしょう。あらかじめ準備しておきたい点としては、次のとおりです。
- ローン残債の確認
- 住宅ローン一括返済に必要な書類を集めておく
- 売買契約に必要な書類を集める
ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
買取準備1:ローン残債の確認
マンションを売却する際に、住宅ローンが残っているときはローン残債を事前に確認しておきましょう。買取によって受け取った代金で、住宅ローンの一括返済ができるかどうかをチェックしておくことが大事です。
ローン残債を調べる方法としては、借入先の金融機関のWebサイトからチェックをするか、金融機関から送られてくる残高証明書や返済予定表で確認をしてみましょう。買取業者としても、抵当権が残ったままの状態だと物件を買い取れないため、引き渡しと同時に住宅ローンを完済できるのかを確認しておく必要があります。
仮に、売却した代金だけで不足するときは、預貯金などから不足分を補う必要が生じます。オーバーローンの状態で、預貯金にも余裕がないときは、金融機関に相談をして住み替えローンの活用なども検討してみましょう。
買取準備2:住宅ローン一括返済に必要な書類を集めておく
抵当権は住宅ローンを完済することで抹消できます。そのため、物件の売却をスムーズに進めるには、住宅ローンを完済するときに必要な書類を事前に準備しておくと良いでしょう。
手続きとしては、住宅ローンを組んでいる金融機関に対して一括返済を申し込みます。一括返済に関する書類が届くため、書類に必要事項を記入して返送しましょう。
そして、引き渡し日に受け取った代金で、一括返済を行う形となります。返済そのものは物件の引き渡し後となる可能性が高いことから、ひとまず書類を一通りそろえておけば、準備としては問題ないでしょう。
金融機関から送られてくる書類は、以下のものがあげられます。
- 抵当権設定契約証書
- 抵当権解除証書(登記原因証明情報)
- 代表者事項証明書または登記事項証明書
- 抵当権抹消についての委任状
これらの書類をそろえたうえで、法務局で抵当権の抹消登記を行います。手続きに不安がある場合は、司法書士に依頼をするほうが無難です。
買取準備3:売買契約に必要な書類を集める
買取業者と売買契約を結ぶときには、多くの書類が必要になります。主なものをあげておくと、次のとおりです。
- 登記済権利証(登記識別情報)
- 固定資産税納付通知書
- 購入時の売買契約書
- 物件の間取り図や設備の仕様書
- マンションの利用規約
- 売主本人の身分証明書
- 住民票
- 印鑑証明
- ローン残高証明書またはローン返済予定表
住民票や印鑑証明書は住んでいる自治体の窓口で取得ができますが、発行日から3ヶ月以内のものが有効な書類となるため、取得するタイミングに注意しましょう。購入時の売買契約書や間取り図などが手元にないときには、管理会社や不動産会社に問い合わせれば入手できます。
上記の書類のなかでも住宅ローンに関する書類を取り寄せるのは時間がかかるため、買取を決めた段階で書類をそろえることも並行して取り組んでみましょう。
古いマンションを早く売るには買取がおすすめ
マンションの売却を考えるときには、仲介のほかに買取を検討してみるのも1つの方法です。買取を選ぶことで、仲介手数料などコストの負担を減らせるだけでなく、売却までにかかる時間を短縮できます。
Q:マンション買取では階数によって買取額は変わりますか?
A:新築の物件では、同じ間取りであったとしても低層階に比べ高層階のほうが販売価格は高くなります。マンション買取でも同様で、低層階に比べ高層階のほうが人気はあるため、買取額に影響するでしょう。
Q:マンション売却では、買取額を一番高い金額に設定した買取業者に任せればよいでしょうか?
A:基本的に査定額が高い買取業者に買い取ってもらうべきでしょう。なぜなら、買取業者との契約になるため、査定額が売却額に直結するからです。しかし、顧客を得るために査定金額を釣り上げている可能性があります。一社のみ突出して高い査定額を提示した場合は、査定額の根拠を確認するようにしましょう。