現在住んでいるマンションから引っ越しする場合、そのマンションを売却するか賃貸にするか、迷う方も多いのではないでしょうか。
売却と賃貸とではどちらもメリットとデメリットがあるため、自分の将来や現在の市場の状況等、様々な面から判断することが大切です。
そこで今回は、マンションの売却と賃貸を比較してどのような違いがあるかについて解説していきます。
マンションを売却するか賃貸にするか検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.マンションは売却と賃貸のどっちが良い?
マンションを完全に手放す売却か、それとも所有権は持ちつつ人に貸して毎月家賃収入を得る賃貸か、どちらが良いのかは人それぞれです。
すぐに現金化したいのであれば売却が有効な選択であり、将来的なことを考えて所有権を持っていたいなら賃貸が有効な選択といえます。
しかし早まった選択をしてしまうと、思いもよらぬ費用や税金がかかり、後悔するケースも少なくありません。
マンションを売却・賃貸する際のメリットとデメリットを理解し、総合的に判断することがとても重要なのです。
判断に迷う場合は、判断材料のひとつとしてぜひおうちクラベルの不動産一括査定をご利用ください。
おうちクラベルは、1回約60秒入力の査定依頼で複数の不動産会社のおおよその査定額とAI査定価格が見られるサービスです。
不動産会社を選ぶ前に、ご自宅で査定額を確認できますので、ぜひご利用ください。
2.マンションを売却するメリット
マンションを売却するメリットは、主に下記のとおりです。
- まとまった資金が手に入る
- お金が戻ってくる可能性がある
- 譲渡所得税の軽減措置制度が利用できる
- 物件維持費がかからなくなる
- 資産価値が高いうちに手放せる
その他にも税制優遇が受けられたり、住宅ローンを完済できる可能性があったりと多くのメリットがあります。
主なメリットについて、ここから詳しく解説していきます。
2-1.まとまった資金が手に入る
マンションを売却するメリットとしてまずあげられるのが、まとまった資金が一括で手に入ることです。
手に入ったお金を次の住宅の購入資金に充てられるほか、生活費・子どもの学費・老後の貯蓄など柔軟に活用できます。
また相続で得たマンションであれば、現金化して相続人同士で公平に分配することが可能です。
明確な理由があってまとまった資金が必要という方には、売却が効率よく現金化できる手段としておすすめできます。
2-1-1.住宅ローンの返済資金に充てられる
そのほか、売却で得た資金で、今まで払っていた住宅ローンを繰り上げて完済できる可能性もあります。
そもそもマンションを売却する際は住宅ローンを完済していなければなりません。
売却したお金でローンの残債を賄えれば、ローンの返済について考える必要がなくなります。
さらに元金にかかる利息の支払いがなくなり、トータルで払う金額が少なくなるのも大きなメリットです。
特に「変動金利型」や「期間選択型」など将来金利が上がる可能性のあるローンを組んでいた場合、万一のリスクを未然に防ぐことにも繋がります。
2-2.お金が戻ってくる可能性がある
また、マンションを売却することで戻ってくるお金があることも見逃せないポイントです。
例えば銀行でローンを組んだ際に加入した火災保険の保険料や、ローンの保証会社に支払った未経過分の保険料などが考えられます。
戻ってくるお金がある場合は、ローンを組んだ会社への申請が必要です。
2-3.譲渡所得税の軽減措置制度が利用できる
なお、現金が手に入るまでには必要な費用や税金が売却価格から先に差し引きされます。
税金としてかかるのが譲渡所得税といわれるもので、売却するマンションを所有していた期間によって税率が変わるのが特徴です。
この税金を軽減する措置として、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」という制度があります。
制度名のとおりそのマンションの居住権を譲渡することが条件にはなるため、賃貸にしてしまうと利用できない売却ならではのメリットです。
2-3-1.利用可能な制度
そのほかにも、条件を満たしていれば「10年超所有軽減税率の特例」や「買替え特例」などの制度が利用できます。
10年超所有軽減税率の特例は、居住期間が10年を超えていれば適用可能です。
買換え特例は、売却価格よりも次の住宅の購入価格が高くなった場合に適用できる可能性があります。
売却によって適用できる可能性がある制度の一覧は下記のとおりです。
- 3,000万円特別控除の特例
- 10年超所有軽減税率の特例
- 特定の居住用財産の買換えの特例
- 買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
- 譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
どの税制優遇措置の制度も、賃貸にすると適用できなくなります。
現在のマンションの資産価値を知りたいと思った方は、ぜひおうちクラベルの不動産一括査定をご利用ください。
疑問点は依頼先の担当者と相談しながら売却を検討できるので安心です。
複数の不動産会社から査定を受けられるだけではなく、同時にAI査定でスムーズに査定価格を算出できます。
2-4.物件維持費がかからなくなる
マンションは保有しているだけでいくつかの物件維持費がかかります。主なものは下記のとおりです。
- 固定資産税・都市計画税
- 管理費
- 生活インフラ(電気・ガス・水道など)
- 修繕積立金(メンテナンス費用)
売却すれば所有権も手放すことになるため、毎年課税される固定資産税をはじめ、上記の物件維持費からは解放されます。
一方で、賃貸に出す場合は所有権を手放さないため、生活インフラ以外の物件維持費は自分で負担し続けなければなりません。
この点が売却と賃貸の大きな違いともいえます。
2-5.資産価値が高いうちに手放せる
資産価値が高い状態で手放せることもポイントです。
当然のことではありますが、やはり築年数の浅いマンションの方が需要は高いものです。
2-5-1.築年数が古くなるほど資産価値が下がる
立地条件の良さなど一部の例外を除き、マンションに限らず建物の資産価値は年月を経るほど下がっていきます。
例えば鉄筋コンクリート造りのマンションは耐用年数が47年と定められており、電気・ガス・水道など設備の耐用年数は15年で計算されます。
どんなに良い状態で維持管理していても、年数が経てば徐々に資産価値は下がってしまうものなのです。
悩んだ末に売却を決めても、なかなか買い手がつかず、結果的に数年前と比べて売却金額が数百万円落ちてしまったというケースは決して珍しくありません。
特に少子高齢化が加速している現在は、資産価値が上がる地域と下がる地域の二極化が進みつつあります。
2-5-2.経済情勢も資産価値に関わる
さらに経済情勢も資産価値に大きな影響を与える可能性があります。
過去にはリーマンショックや東日本大震災の影響で、不動産価格は大きな打撃を受けました。
都市部にあるマンションであっても、この先絶対に安心とはいいきれません。
売却するマンションの立地がどういった状況にあるか、先を見据えておくことがポイントです。
不動産は売りたいと思ってすぐに売れるようなものではないため、売却を決断するタイミングはかなり重要です。
早い段階で売却を決断した方がより良い条件で売りやすく、現金化するメリットが大きいことがあります。
3.マンションを売却するデメリット・注意点
マンションを売却するデメリットとしては、下記の点があげられます。
- 時間がかかる
- 賃貸よりも一時費用が高い
どちらも売却活動を始める前に余裕をもって準備しておくことが大切です。
各デメリットについて、ここから詳しく解説していきます。
3-1.時間がかかる
マンションを売却するには、4~6ヶ月程度かかるのが一般的です。
立地や売却価格などの条件が良ければ早くて1ヶ月程度で買い手がつくこともありますが、
そういったケースは少数であるため、時間がかかるものと考えておいた方が良いでしょう。
また、売り出す時期も時間の長短に影響します。
一般的に春や秋は不動産業界の繁忙期といえる時期にあたり、需要が比較的多くなるため売りやすい傾向にあります。
3-1-1売却の流れ
あくまでも一例ですが、売却までの流れは下記のとおりです。
- 査定依頼・契約:0~1ヶ月
- 内覧対応:約3ヶ月
- 売買契約:約1ヶ月
- 引き渡し:約2週間
マンションの売却で得た資金の使途が決まっている場合は、期間に余裕をもって計画することをおすすめします。
できるだけスムーズに、かつ納得のできる価格でマンションを売却したいなら、売却活動を丁寧に支援してくれる不動産会社選びが重要です。
おうちクラベルでは、複数の不動産会社から自分に合った会社を選び、不動産売却のプロである担当者の支援を受けられます。
不動産一括査定はたったの60秒入力でできるので、ぜひご利用ください。
3-2.賃貸よりも一時費用が高い
賃貸と比べて売却する際は一時的にかかる費用が高くなるため、理解しておくことが大切です。
売却時には、費用や税金が差し引かれたうえで現金化されます。
つまり売却価格がそのまま手元に入るわけではありません。
一時的にかかる費用として想定されるのは、主に下記のとおりです。
- 譲渡所得税(所得税・住民税)
- 印紙税
- 仲介手数料
- 引っ越し費用
3-2-1.譲渡所得税
譲渡所得税とは、土地や建物を売却して利益が出た場合に課税される税金です。
なお、3,000万円の特別控除が適用になれば、売却価格が3,000万円を超えた分についてのみ課税されます。
譲渡所得税は売却時に差し引かれますが、給与所得などの他の所得とは区分して計算し、確定申告が必要となります。
マンションの所有期間によって税率が大きく異なるため、売却する前に確認することが大切です。
税率は売却する年の1月1日現在で、所有期間が5年を超えるか超えないかで判断されます。
具体的には下記のとおりです。
- 所有期間が5年以下「短期譲渡所得」:所得税30%・住民税9%
- 所有期間が5年超え「長期譲渡所得」:所得税15%・住民税5%
上記の税率に、2037年12月31日までは復興特別所得税が加算されます。
マンションの所有期間が短い場合は譲渡所得税が高くなるため、慎重に判断することをおすすめします。
なお、譲渡所得税の対象となる課税金額を求める計算式は下記のとおりです。
- 売却価格-(取得費+売却に要した費用)-特別控除額=課税譲渡所得金額
マンションの取得費が不明なときは、売却代金の5%(概算取得費)とすることも可能です。
3-2-2.印紙税
印紙税は売却金額によって異なりますが、数万円かかるケースもあります。
3-2-3.仲介手数料
仲介手数料は、「売却金額×3%+6万円(税別)」で算出される金額が一般的です。
3-2-4.引っ越し費用
新住居への引っ越し費用についても考えておかなければなりません。
もし売却が決まる前に新居を購入した場合は、一時的にダブルローンになる可能性も考えられます。
また、条件に恵まれていた場合を除き、多くのケースでは売却価格が購入時の価格を上回る
ことはありません。
所有していた期間が長くなるほど、価格差は大きくなる傾向があります。
この価格差に納得がいかない場合は賃貸を検討することがおすすめですが、一方で売却すれば様々な税制優遇措置が受けられるメリットもあります。
どちらが損にならないかはケースバイケースなので、慌てずに比較検討することが大切です。
4.マンションを賃貸に出すメリット
借り手さえつけば毎月安定した家賃収入(不労所得)が得られるマンションの賃貸は、そのほかにも様々なメリットがあります。主なものは下記のとおりです。
- 節税効果を得ながら資産運用できる
- 分譲賃貸は高家賃で貸せることが多い
- 将来のために資産として残せる
まだマンションが綺麗で使える可能性が高いと思われる場合には、賃貸も検討してみましょう。
また、マンションのローンが残っていた場合は、家賃収入を返済に充てることも可能です。
ただし住宅ローンは転勤などのやむを得ない事情がなければ賃貸に出す許可がもらえません。
まずは自分がこの条件を満たしているかの確認が必要です。
ここからはマンションを賃貸するメリットについて解説していきます。
4-1.節税効果を得ながら資産運用ができる
マンションの賃貸経営をする場合、そのためにかかる費用の大半は経費として計上できます。
経費として計上できる例としては下記のとおりです。
- 建物の維持・管理費用
- 管理会社に支払う賃貸業務の委託手数料
- 固定資産税・都市計画税
- 初期費用(リフォーム代・印紙税など)
- ローンの利息・保証料
- 建物の減価償却費
- 火災保険・地震保険の保険料
確定申告で経費として計上することで所得税から控除できるため、節税効果に繋がります。
なお、建物の減価償却とは、年数が経つにつれて資産価値が下がることを想定し、購入価格を毎年分割して費用計上する方法です。
減価償却を活用することで不動産所得をマイナスにできれば、他の所得と損益通算して差額分の税金還付が受けられます。
このほか、節税効果だけではなく、資産運用もできることがメリットです。
運用結果が黒字になるかどうか、「マンションPER」を参考にして、家賃収入の簡単なシミュレーションが行なえます。
4-1-1.マンションPERとは
マンションPERとは、マンションの物件価格が何年分の賃料になるかを確認できる数値です。
計算式は下記のとおりです。
- マンションPER=マンション価格÷(月額賃料×12)
この計算式で、何年間貸し出せば家賃収入が売却価格を上回るのか、比較検討できます。
つまり黒字化になるおおよその時期が把握できるのです。
例えばマンション価格が3,000万円だったとして、月額賃料が125,000円だったとします。
計算式は「3,000万円÷(125,000×12)=20」です。
つまりこのマンションPERは20となり、20年で黒字化するという計算になります。
ただし空室ができた場合やマンションの維持管理費などの支出があった場合は、計算通りにいかなくなります。
またマンションPERの数値が小さいほど効率よく貸せることにはなりますが、あまりに月額家賃が高くなると借り手がつかないため、バランスを考えることが大切です。
あくまでも目安として考え、余裕のある期間を想定しておくことで、無理なく運用できます。
4-1-2.マンション相場の把握が重要
月額家賃を設定する際は、賃貸に出すマンションの相場を把握できているかどうかが重要です。
まずは不動産一括査定でマンションの査定額を確認してみるのはいかがでしょうか。
おうちクラベルは60秒入力で査定依頼ができるため、ぜひ隙間時間にご利用ください。
4-2.分譲賃貸は高家賃で貸せることが多い
分譲マンションを賃貸に出す分譲賃貸は、一般的な賃貸マンションと比べて高家賃で貸せることが多いです。
なぜ分譲マンションの家賃が高くなるかというと、基本的な構造や設備が充実していたりセキュリティに力を入れたりと、最初から長期間住むことを想定して建設しているからです。
一方一般的な賃貸マンションの場合は、利回りを高くするために費用面を考慮して建てる傾向にあります。
そのため、借り手さえつけば分譲マンションだとより効率良く賃料収入を得られます。
4-3.将来のために資産として残せる
賃貸の場合は所有権を手放さないため、将来のために資産として残せることがメリットです。
例えば自分が亡くなった後、家族への相続財産として残しておくことができます。
もちろん生前に自分のタイミングで現金化するのも選択肢のひとつです。
そのほか、転勤で一時的に引っ越しをして戻ってきた場合でも、再びマンションに戻って移り住むことができます。
4-3-1.資産として残すなら定期借家契約がおすすめ
賃借人と契約を結んでいる以上、賃借人が家賃を支払わないなど正式な理由がなければ退去はさせられませんが、事前に「定期借家契約」を結ぶとこのような問題は生じません。
定期借家契約は、期限を決めたうえで賃貸借契約を結びます。
満期になれば契約は終了し、貸主と賃借人双方の同意があった場合のみ契約を更新できる仕組みです。
一方普通借家契約を結んでいると、期限は決められないため貸主の意向だけで契約を終了することはできません。
最初から定期借家契約を結んでおくことで、将来の選択肢を残しておけます。
ただし定期借家契約の場合は、普通借家契約と比べて賃料が安くなるため留意しておきましょう。
5.マンションを賃貸に出すデメリット
マンションを賃貸に出すデメリットとしては、主に下記の2点があげられます。
- 空室リスクと管理の手間
- 賃貸人とのトラブル
ここからはそれぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
5-1.空室リスクと管理の手間
賃貸に出しても借り手がつかない空室リスクは、賃貸ならではのデメリットといえます。
借り手がつかなければ当然ながら賃料収入は入らず、そればかりか貸し出すまでにかかった
初期費用や借り手がつくまでの維持管理コストが回収できないため赤字の状態です。
5-1-1.空室の維持管理にかかる費用
なお、初期費用や維持管理コストとして考えられるものは下記のとおりです。
- ハウスクリーニングorリフォーム費用
- 室内整備の修理費
- 入居者募集の広告費
- マンションの管理費・修繕積立金
- 不動産会社への管理手数料
- 所得税・住民税
- 固定資産税・都市計画税
不動産会社に依頼した場合、入居者募集の広告費は、一般的に設定した家賃の1~3ヶ月分を請求されるケースが多いです。
そのほかマンションの共用部分を維持・管理するための費用や大規模修繕に備える修繕積立金など、管理組合に支払う費用も払い続けなければなりません。
一定期間が経っても借り手がつかない場合は、最初の数か月間を無料で貸し出す「フリーレント(FR)」にするなど、条件を譲歩する必要性も出てきます。
少しでも費用の負担を減らしたい場合、管理業務や入居者募集を不動産会社に頼らず自分で行う選択肢もありますが、管理の手間は思っていた以上にかかるという声が多いです。
特に本業がある方にとっては片手間にできるような業務ではなく、大きな負担になります。
5-1-2.空室リスクを回避するためには
管理会社に費用を払い続けるか、それとも自分で管理していくか、どちらにせよ空室リスクは頭を悩ませるリスクです。
空室リスクをなるべく回避するには、まず賃貸に出すマンションの相場を把握しておくことが大切です。
事前にそのマンションに需要があるのかどうか、客観的に判断できます。
不安な場合は不動産会社の担当者に相談もできるため、ぜひ不動産一括査定をご利用ください。
5-2.入居者とのトラブル
入居者とのトラブルが起こる可能性があることも、賃貸のデメリットといえます。
例えば入居者が無断でペットを飼っていたり、想像以上に部屋を汚くしたりするケースがあげられます。
部屋の状態は入居者が退去するまでわからないため、予防のできないリスクです。
そして部屋の状態が悪ければ次の借り手が見つからないため、余計に修理費用を負担する可能性が高いです。
あるいは油料理で排水管を詰まらせてしまったり、寒い地域で水道管が凍結して破裂したりする場合など、入居中のトラブルもあります。
5-2-1.入居者同士のトラブルへの対応も
また、自分で管理業務をしている場合は入居者同士のトラブルにも対応しなければなりません。
例えば入居者が夜中に騒いでいたり、共用部分の使い方に問題があったりなど、近隣の住人から苦情が入る可能性があります。
不動産会社に管理業務を依頼していれば対応する必要はありませんが、もし以前に住んでいたマンションで近所付き合いがあった場合、直接連絡が来ることも考えられます。
6.売却と賃貸に迷ったときに考えたいポイント
マンションを売却するか賃貸にするか迷ったときは、いくつかのポイントを考慮して選ぶことがおすすめです。
考えておくべきポイントは下記のとおりです。
- 将来の人生プランを考える
- それぞれの収益・費用を想定して比較する
- 専門家に相談する
自分の将来や収益・費用を考えてみて、それでも気になる点がある場合は専門家に相談してみましょう。
各ポイントについて、ここから詳しく解説していきます。
6-1.将来の人生プランを考える
マンションをどうするかという大きな決断をする際は、まず将来の人生プランを考えてみましょう。
例えばマンションのある地域から転勤などの理由で一時的に離れる場合、また戻ってくる可能性があるかを考えます。
6-1-1.マンションに戻る可能性があるならば賃貸がおすすめ
戻ってくる可能性があるのなら、新たに住まい探しを始めるよりも賃貸にしておいて戻れる状態にしておくのが安心です。
賃貸にしておけば入居者が空気の入れ替えや掃除をしてくれるため、維持管理の手間も軽減できます。
この場合、賃料は下がるものの定期借家契約を結んでおくとスムーズに契約を終了できます。
普通借家契約は賃借人の権利が強く、家賃を支払わないなど明確な契約違反がない限り、拒否されてしまえば退去させることはできません。
将来戻ってくる可能性がない場合は、売却も検討できます。
新しい住宅の購入を考えているのであれば、現金化することで新住宅の頭金にできるでしょう。
一方賃貸にすると借り手さえつけば安定した不労所得が得られるため、生活にゆとりが出やすくなります。
6-1-2.住宅ローンが残っている場合は注意が必要
また、現在住宅ローンを払っている場合は、完済するかどうかを考える必要があります。
完済しなければ基本的に賃貸には出せません。
転勤などのやむを得ない理由があればローンを続けられる可能性はありますが、賃貸に出しても空室リスクがあるため、支出だけが続く可能性も考えられます。
6-2.それぞれの収益・費用を想定して比較する
一時的に離れるわけではなく、売却・賃貸どちらも選べるのであれば、それぞれの収益や費用を想定して比較してみましょう。
査定額の確認やマンションPERの算出、想定できる費用と税金のリストアップなど、できることはいろいろあります。
収益をはじめとしたメリットや費用面のデメリットなど、両方を比較してじっくり検討してみましょう。
6-2-1.相続後のことも考慮して比較する
想定する収益や費用から比較するポイントは、将来の人生プランに沿って自分が亡くなった後まで考えておくことです。
例えば売却を決めた場合、マンションという資産はすでにないので、現金が残っていれば相続人間で公平に分割することになります。
トータルの相続財産が多ければ相続税がかかる可能性はありますが、基本的にそのほか特別考慮する必要はありません。
一方賃貸に決めた場合、マンションを資産として相続人に残せます。
遺言書を作成すれば特定の相続人にマンションを残すことも可能です。
ただしそのときにマンションの資産価値がどうなっているかを予測するのは困難です。
もし将来的に相続人が売却するとしても、居住用として使っていなければ税制優遇が受けられず、高い税金を支払う可能性もあります。
様々な可能性を考えておくことが大切です。
まずは判断材料のひとつとして、おうちクラベルの不動産一括査定をぜひ参考にしてみてください。
6-3.専門家に相談する
判断に迷うときは、専門家である不動産会社に相談することがおすすめです。
マンションの売却も賃貸も考慮する点が多くあるため、初めての方にとっては難易度が高いといえます。
例えばマンションの査定で重要な立地条件ひとつ取っても、交通の便の良さ・近くに病院やスーパーなどがあるかといった生活利便性の高さなど考慮する要素がいくつかあります。
景観の良さはどうか・周辺に騒音がないかといった点も立地の良し悪しを決める評価に影響しやすいです。
あらゆる面から総合的に客観的な評価をする必要があるため、普段不動産を扱っていない一般の方には判断が難しいといえるのです。
6-3-1.賃貸を検討している場合は専門家にアドバイスをもらう
特に賃貸の場合は判断を誤ると借り手がつかず後悔する可能性があり、売却を視野に入れながら専門家に相談する方が納得のいく結果に繋がりやすいです。
建物の状態や立地状況によっては、貸したくても貸せないケースがあることを理解しておきましょう。
一方場合によっては、マンションの立地や建物の条件が良ければ購入価格以上で売却できるケースもあります。
タイミングひとつで大きなチャンスが訪れる可能性も秘めている点が、不動産の醍醐味ともいえます。
もし売却を検討するのなら、おうちクラベルでまずは不動産一括査定を行ってみてはいかがでしょうか。
複数の不動産会社から自分に合った1社を選び、担当者に相談することも可能です。
ぜひご利用ください。
7.マンションを売却する際の流れ
マンションを売却する際までの基本的な流れは次のとおりです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 依頼先の不動産会社を選定して媒介契約を締結する
- 売り出しを開始する
- 内見を受け入れる
- 売買契約を締結する
- マンションを引き渡す
7-1.不動産会社に査定を依頼する
はじめに、不動産会社にマンションの査定を依頼しましょう。査定とは、不動産会社が「このくらいの価格であれば売れるだろう」という見込み額を算定する手続きです。
査定額の算出方法は不動産会社ごとのノウハウであり、不動産会社によって査定額が異なることは珍しくありません。そのため、査定は1社のみに依頼するのではなく、複数社に依頼すると良いでしょう。複数社による査定額を比較することで訂正額を把握しやすくなるほか、依頼先の不動産会社を選定する1つの基準となるためです。
しかし、自分で複数の不動産会社を回って査定を依頼していては、非常に大きな手間がかかるでしょう。そのため、ぜひ「おうちクラベル」をご利用ください。おうちクラベルでは、一度の入力で複数の不動産会社へまとめて査定を依頼することが可能です。
7-2.依頼先の不動産会社を選定して媒介契約を締結する
依頼先の不動産会社を選定したら、その不動産会社と媒介契約を締結します。媒介契約を締結することで、不動産会社がマンションの売却活動を始めることが可能になります。
媒介契約には、一社のみとしか締結できない「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」のほか、複数社との契約締結が可能な「一般媒介契約」が存在します。それぞれの特徴を踏まえ、自身や状況に合った契約を選択しましょう。
7-3.売り出しを開始する
不動産会社とマンションの媒介契約を締結したら、まずは売り出し価格を決定します。売り出し価格とは売り手側の希望販売価格のことであり、査定額をもとに決めることが一般的です。
売り出し価格が決まったら、不動産会社がマンションの売却活動をスタートします。売却活動の方法はレインズへの登録のほか自社ホームページへの掲載、見込み客への案内など不動産会社によって異なりますので、どのような販売活動を行うのかあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
なお、購入希望者からの問い合わせなどには不動産会社が対応してくれるため、原則として売り手が直接購入希望者からの問い合わせに対応する必要はありません。
7-4.内見を受け入れる
マンションを購入する際には、内見を希望することが一般的です。居住中である場合であってもすでに空き家となっている場合であっても、内見時には最低限の清掃や整理整頓をしておきましょう。
また、すでに空き家となっている場合であっても、内見時にはできる限り売主も同席した方が良いでしょう。購入希望者からの質問などに丁寧に対応することで、売買契約の成立へとつながりやすくなるためです。
7-5.売買契約を締結する
購入希望者が購入を決め条件面などもまとまったら、売買契約を締結します。売買契約書は不動産会社側で用意してくれるため、自分で作成する必要はありません。
7-6.マンションを引き渡す
最後にマンションを引き渡します。具体的には、売買代金の支払いと同時にマンションの名義変更に必要な書類へ署名押印をすることとなります。これで、マンションが正式に買い手の所有となります。
8.マンションを賃貸に出す際の流れ
マンションを賃貸に出す場合の基本の流れは、次のとおりです。
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- 賃貸借契約の種類を決める
- 管理方法を決める
- 入居者を探す
- 賃貸借契約を締結する
- 入居のためにマンションを明け渡す
8-1.不動産会社と媒介契約を締結する
売買の場合と同じく不動産会社と媒介契約を締結します。なお、賃貸の場合には複数社と契約を締結できる「一般媒介契約」が一般的です。
8-2.賃貸借契約の種類を決める
マンションの賃貸契約には、次の3つが存在します。
- 普通借家契約:もっとも一般的な契約形態。2年に1度の更新が基本であり、借主が更新を望むにもかかわらず貸し手が更新を拒絶するには正当事由が必要となる。
- 定期借家契約:更新のない賃貸借契約であり、期間満了によって必ず修了する。ただし、双方の合意によって再契約をすることは可能。
- サブリース:不動産会社などにマンションを貸し、不動産会社から借主へ転貸する契約形態。
いずれの方法が適しているかはエリアやその地域でのニーズなどによって異なるため、不動産会社の担当者とよく相談をして決めると良いでしょう。
8-3.管理方法を決める
併せて、マンションの管理方法も検討してください。管理方法には次の2つが挙げられます。
- 管理会社へ管理を委託する
- 自分で管理する
管理会社に管理を委託した場合には、管理費が発生します。その一方で、設備の故障などがあった際に自ら対応する必要がなくなります。
8-4.入居者を探す
次に入居者を探します。入居者は不動産会社が探してくれるため、貸し手が自ら探す必要はありません。部屋探しで不動産会社を訪れた人に案内をしたり、ホームページに掲載したりして募集をすることが多いでしょう。
入居希望者が現れたら、年収や就業先、人柄などを確認しその人に貸すかどうかを決定します。
8-5.賃貸借契約を締結する
マンションの貸し手が決まったら賃貸借契約を締結します。賃貸借契約書は不動産会社側で用意してくれます。
8-6.入居のためにマンションを明け渡す
契約で定めた入居日に、マンションを入居者へ引き渡します。内部に自分の荷物などがある場合には、入居日までにすべて撤去しておきましょう。
9.マンションを売却する際にかかる費用
マンションを売却する際にかかる主な費用は次のとおりです。
- 仲介手数料
- 印紙税
- ローン返済手数料
- 抵当権抹消費用
- 譲渡所得税
9-1.仲介手数料
マンションの売却を不動産会社に依頼した場合には、仲介手数料がかかります。仲介手数料の上限額は宅建業法で定められており次のとおりです。
売却価格 | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格の5%+消費税 |
200万円を超え400万円以下の部分 | 売却価格の4%+消費税 |
400万円を超える部分 | 売却価格の3%+消費税 |
これはあくまでも上限額ですが、この上限額をそのまま報酬額として定めている不動産会社が多いでしょう。
なお、売却価格が400万円超である場合には、次の計算式でも仲介手数料を算定できます。
- 仲介手数料の上限額=売却価格×3%+6万円
9-2.印紙税
マンションの売却に係る売買契約書には、印紙を貼付して印紙税を納めなければなりません。印紙税額は契約書に記された売買代金に応じてそれぞれ次のとおりです。
売買代金 | 印紙税額 |
---|---|
50万円以下 | 200円 |
100万円以下 | 500円 |
500万円以下 | 1,000円 |
1,000万円以下 | 5,000円 |
5,000万円以下 | 10,000円 |
1億円以下 | 30,000円 |
5億円以下 | 6万円 |
10億円以下 | 16万円 |
50億円以下 | 32万円 |
50億円超 | 48万円 |
なお、売買契約書は、売主と買主がそれぞれ原本を保管することが一般的です。そのため、印紙税は売主と買主がそれぞれ自分の保管する契約書に貼付する分を負担することが多いでしょう。
9-3.ローン返済手数料
売却するマンションにローンが残っている場合には、原則としてローンの全額を売却前に返済しなければなりません。
返済に当たっては、繰上げ返済手数料がかかることがあります。繰上げ返済手数料の額はその金融機関によって異なり、無料から3万円程度です。
9-4.抵当権抹消費用
住宅ローンなどの抵当権がマンションについている場合には、売却前に抹消しなければなりません。この抵当権の抹消にかかる費用はおおむね次のとおりです。
- 司法書士報酬:1万円から2万円程度
- 登録免許税:抵当権を抹消する物件の数×1,000円
9-5.譲渡所得税
マンションを売却して「儲け」が出た場合には、譲渡所得税やこれに付随する住民税を納めなければなりません。
譲渡所得税は固定資産税のように役所が計算をして賦課されるものではなく、自分で計算をして申告と納税をする必要があります。申告期限は売却の翌年2月16日から3月15日までですので、忘れずに申告を行ってください。
なお、譲渡所得税には税金を引き下げるさまざまな特例が存在します。特例の適用を漏らさないよう、マンションを売却する際にはあらかじめ税理士へ相談しておくと良いでしょう。
10.マンションを賃貸に出す際にかかる費用
マンションを賃貸する場合にかかる主な費用は次のとおりです。
- 仲介手数料
- 管理委託費用
- 不動産所得税
10-1.仲介手数料
マンション賃貸の仲介を不動産会社に委託した場合には、仲介手数料がかかります。仲介手数料の額は、家賃の1ヶ月分程度です。
10-2.管理委託費用
マンションの管理を管理会社へ委託した場合には、管理委託料がかかります。管理委託料の相場は、家賃の5%から10%程度が相場とされています。
10-3.不動産所得税
マンションを賃貸して「儲け」が出たら、毎年確定申告をして所得税を納めなければなりません。そのマンションの管理に支払った費用は経費に計上することができるため、領収書などをしっかりと保管しておきましょう。
11.頼れる不動産会社に相談しよう
マンションを売却するか賃貸にするか迷っている方は、頼れる不動産会社に相談してみることをおすすめします。
納得のいく答えを出すためには、不動産会社選びがとても重要です。
単純に大手を選べば良いというのではなく、自分に合っているかどうかが選ぶポイントです。
例えば条件の良いマンションであれば、大手の不動産会社のネットワークを活用してスムーズに取引を進められる傾向にあります。
一方条件があまり良くないマンションなら、中小規模の不動産会社で丁寧に対応してもらった方が納得のいく結果を出しやすい可能性が高いです。
もちろんこれらは一例であり、条件がひとつ違えばまた別の選択肢が出てくるといっても過言ではありません。
11-1.不動産会社選びはかなりの手間
不動産会社は大手から中小規模まで幅広く展開しており、公式サイトなどからひとつひとつ情報収集するのはかなり手間がかかります。
頼れる不動産会社を効率良く探したい方は、ぜひおうちクラベルの不動産一括査定をご利用ください。
一度で複数の不動産会社に査定を依頼し、自分で納得のいく選択ができます。
きっと納得できる結果に辿り着けるでしょう。
12.まとめ
不動産会社を自分で調べるのはなかなか難しいものです。
不動産会社によって特色があり、強みが異なります。
不動産会社選びに迷ったときは、不動産一括査定を行うのがおすすめです。
不動産一括査定は1回の申し込みで複数の不動産会社の査定額を比較検討できます。
不動産会社探しで不動産一括査定をしようと思っている方は、ぜひおうちクラベルをご検討ください。
おうちクラベルはソニーグループのSREホールディングスが運営しており、多くのお客様から支持をいただいている不動産一括査定サイトです。
査定依頼できる企業は実績のある優良企業のみを揃えているため、安心してお選びいただけます。
依頼したい会社を選択すると、担当者に相談して適切なアドバイスが受けられます。
マンションを売却するか迷っているのであれば、ぜひご相談ください。
不動産会社の査定は、訪問査定・机上査定どちらも行なえます。
大切なマンションのことについては、おうちクラベルの不動産一括査定で、ぜひ納得のいく答えを見つけてみてください。