独身のときにマンションを購入する場合もあるでしょう。賃貸物件を借りるために月々に支払う賃料とさほど変わらない住宅ローンの支払いで購入できるマンションも存在します。
しかし、独身でマンションを購入してから後悔するケースも少なくありません。そこで今回は、独身の方がマンションを購入して後悔する主な理由を紹介するとともに、後悔した場合の対処法などについて詳しく解説します。
独身でマンションを購入して後悔する理由
独身でマンションを購入して後悔する理由にはどのようなものがあるのでしょうか?主な理由は次のとおりです。
- 毎月のローン返済や管理費などの支払いが苦しくなったから
- 転勤や転職でその地域に住めなくなったから
- 婚姻などで同居人が増えて手狭になったから
- マンション内で人間関係のトラブルが生じたから
- 騒音やにおいに悩まされているから
- 防犯面で不安が生じたから
- 周辺環境の利便性がよくないから
毎月のローン返済や管理費などの支払いが苦しくなったから
マンションを購入する際には、月々のローン返済の可否は十分に検討することが多いでしょう。
しかし、マンションを購入するとローン返済のほかに月々の管理費や修繕積立金、駐車場代などの負担も生じます。また、固定資産税も毎年支払わなければなりません。これらをトータルすると想定したよりも負担が重くなり、購入を後悔することもあるようです。
また、購入時点ではこれらを含めて十分に支払える見込みであったにもかかわらず、その後の転職など状況の変化で支払いが苦しくなる場合もあるでしょう。
転勤や転職でその地域に住めなくなったから
マンションを購入した後で、転勤や転職などでその地域を離れざるを得ない場合もあるでしょう。せっかくマンションを購入したにもかかわらず、住むことが難しくなったことで後悔するケースもあります。
婚姻などで同居人が増えて手狭になったから
生涯独身でいることを前提にマンションを購入したものの、その後婚姻する可能性はゼロではありません。また、介護などのために親との同居の必要が生じることもあるでしょう。
このように同居人が増える事情が生じて手狭になったことから、独身でのマンション購入を後悔する場合もあります。
マンション内で人間関係のトラブルが生じたから
せっかくマンションを購入したにもかかわらず、マンション内で人間関係トラブルが生じる場合もあります。人間関係のトラブルは実際に住んでみるまでわからないことが多いものの、これが原因で購入を後悔する場合もあるでしょう。
騒音やにおいに悩まされているから
マンションに実際に住んでみたところ思いのほか音が響くことに気づいたり臭いが気になったりして購入を後悔することもあるでしょう。
マンションの購入前には内見をすることが多いものの、すべての時間帯に滞在することは現実的ではなく、たとえば夜間の騒音などは気づかずに購入する可能性があります。また、コロナ禍からリモートワークの機会が増えたことで、これまで気にならなかった昼間の音や臭いが気になり始める場合もあります。
防犯面で不安が生じたから
他の条件がよくオートロックなどの防犯面に妥協して購入したものの、実際に住んでみたところ防犯面で不安が生じたことから購入を後悔することもあります。特に近隣で物騒な事件が起きた場合や人間関係で大きなトラブルが生じた際などには、セキュリティの甘いマンションでの一人暮らしに不安を感じやすいでしょう。
周辺環境の利便性がよくないから
マンションに住んでみたところ想像以上に利便性が悪く、購入を後悔することもあります。
たとえば体力に自信のあるときに駅徒歩20分のマンションを購入したものの、その後体力が衰えた際に外出が億劫となり後悔する可能性があるでしょう。また、購入時には特に気にしていなかったものの、年齢が上がった際に病院が遠いことに気づき後悔する場合もあります。
独身でマンションを購入して後悔した場合の対応策
独身でマンションを購入して後悔した場合にはどのような対応策があるのでしょうか?主な対応策は次のとおりです。
- マンションを賃貸して住み替える
- マンションを売却して住み替える
マンションを賃貸して住み替える
1つ目は、マンションを賃貸して他の物件に住み替えることです。よい条件で賃貸できれば、月々の不労所得が得られることとなるでしょう。
その一方で築古のマンションや駅からの距離があるマンションの場合、スムーズに借り手が見つからない可能性や満足のいく賃貸収入が得られない可能性も否定できません。
また、トイレなど居室内の設備に不具合が生じた場合には、修理などの対応をする必要があります。さらに、賃貸をしても管理費や修繕積立金、固定資産税などは引き続き支払っていかなければならない点にも注意が必要です。
マンションを売却して住み替える
2つ目は、マンションを売却して他の物件に住み替えることです。よい条件で売却できればまとまった資金が手に入り、住み替え先を確保する元手にすることができるでしょう。
マンションを売却すると、その後は修繕積立金などを負担する必要性から解放されるほか、賃貸物件を管理していく必要もなくなります。
ただし、マンションの売却は1つ間違えると、相場より安く売ってしまうなど後悔することにもなりかねません。そのため、そのマンションの売却に強みを持つ不動産会社を選定することが重要です。
不動産会社を選ぶ際には、不動産一括査定サイトである「おうちクラベル」をご利用ください。複数社の査定を比較することでそのマンションの適正額を把握しやすくなるほか、査定額や対応などを比較することでそのマンションの売却に強みを持つ不動産会社を選びやすくなります。
独身で購入したマンションを売却する基本の流れ
独身でマンションを購入したことを後悔してマンションを売却したい場合には、どのような手順を踏めばよいのでしょうか?マンションを売却する基本的な流れは次のとおりです。
- 売却相場を大まかに調べる
- 住み替え先を検討する
- 不動産会社に査定を依頼する
- 依頼先の不動産会社を選定する
- 媒介契約を締結する
- マンションを売りに出す
- 内見や問い合わせに対応する
- 売買契約を締結する
- マンションを引き渡す
売却相場を大まかに調べる
初めに、そのマンションの売却相場を大まかに調べるとよいでしょう。自分で相場を調べる際には、国土交通省の「不動産取引価格情報検索」や不動産流通機構の「レインズ・マーケット・インフォメーション」などが参考になります。
いずれも詳細なエリアごとに中古マンションなどの売却実例を確認することが可能です。最寄駅や駅からの距離、築年数、間取りなどが実際の売買価格とともに確認できるため、自分のマンションの情報と比較することで売却価格の参考とすることができるでしょう。
住み替え先を検討する
マンションの売却に伴って引っ越しをする場合には、住み替え先を検討します。なお、住み替え先として物件の購入を検討している場合であっても、初めから購入するのではなく、当面の間は賃貸住宅などで暮らし、購入する物件をじっくりと検討することも1つの手です。
不動産会社に査定を依頼する
住み替え先の検討と並行して不動産会社へマンションの査定を依頼しましょう。査定とは、不動産会社にそのマンションの売却想定額を算出してもらうことです。
マンションの査定は1社のみに依頼するのではなく、複数の不動産会社へ依頼することをおすすめします。なぜなら、1社のみに依頼した場合にはその査定額が適正であるか判断するのが難しいためです。
複数社の査定額を比較することでマンションの相場を把握しやすくなるほか、対応などを比較して信頼できる不動産会社を選定しやすくなるでしょう。複数社へ査定を依頼したい際には、不動産一括査定サイトである「おうちクラベル」の利用がおすすめです。
依頼先の不動産会社を選定する
複数の不動産会社から査定を受けたら、マンションの売却を依頼する不動産会社を選定します。
依頼先の不動産会社は査定額の高さのみで決めるのではなく、対応の真摯さや査定額の説明などを総合的に考慮して決定するとよいでしょう。なぜなら、査定額はあくまでもその不動産会社による売却想定額でしかなく、その価額で実際に売却できるとの保証ではないためです。
媒介契約を締結する
依頼先の不動産会社を選定したら、不動産会社との間で媒介契約を締結します。媒介契約には次の3種類があります。希望に合った媒介契約を選択しましょう。
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他の不動産会社へ重ねての依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
自己発見取引 (自分で買い手を見つけての売買) | 不可 | 可 | 可 |
指定流通機構への登録 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
報告頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 指定なし |
マンションを売りに出す
媒介契約を締結したら、マンションを売りに出します。マンションの買い手を募る方法はインターネットや不動産会社の看板への掲載などその不動産会社ごとにさまざまです。
買い手の募集方法が知りたい場合には依頼先の不動産会社へ確認しておくとよいでしょう。
内見や問い合わせに対応する
マンションの購入希望者からの問い合わせ対応は不動産会社が行います。
ただし、購入希望者からの問い合わせに回答するため、不動産会社から売主に対して質問が入ることも少なくありません。売買契約が成立する可能性を高めるため、問い合わせがあったらスムーズに回答することをおすすめします。
また、マンションの購入希望者は購入前に内見を希望することが一般的です。内見を希望されたら、マンションに居住中であっても整理整頓や最低限の清掃をしたうえで対応しましょう。
売買契約を締結する
購入希望者が購入を決めたら、売買契約を締結します。
売買契約の締結時には買主から売主に対して手付金が交付されることが多いでしょう。手付金は売買代金の5%から10%程度とされることが一般的です。
マンションを引き渡す
あらかじめ取り決めた日時において、マンションの引き渡しを行います。この日にはマンションの売買代金のうち手付金を除いた全額が支払われ、これと同時にマンションの名義変更の必要書類への押印などを行います。
マンションを売却する際にかかる主な費用
マンションの売却にはどのような費用がかかるのでしょうか?かかる主な費用は次のとおりです。
- 仲介手数料
- クリーニング費用
- 抵当権の抹消費用
- 住宅ローンの繰上げ返済費用
- 印紙税
- 譲渡所得税
仲介手数料
マンションの売却を不動産会社へ依頼した場合には仲介手数料がかかります。売買価格が400万円超である場合、仲介手数料の上限額は次の式で計算できます。
- 仲介手数料の上限額=売却価格×3%+6万円+消費税
これは上限額であるものの、実際にはこの上限額をそのまま仲介手数料の額に定めている不動産会社が多いでしょう。
クリーニング費用
マンションを売却する際には、ハウスクリーニングを入れることが一般的です。ハウスクリーニングの額は依頼先の清掃会社によって異なりますが、1LDKの場合でおおむね2万円から5万円程度であることが多いでしょう。
抵当権の抹消費用
マンションを売却する際には、マンションの抵当権を抹消しなければなりません。抵当権とは、住宅ローンを借りる際に銀行がそのマンションに付けた担保のことです。
住宅ローンの返済が滞った際には銀行がこの抵当権を実行してマンションを競売にかけ、そこからローン残債の弁済を受けます。
買主からすると、売主がローンの返済を滞納し競売にかけられてしまう可能性があるマンションなど、怖くて購入できないでしょう。そのためマンションの売却時には抵当権を抹消するべきことが大前提です。この抵当権の抹消にかかる費用はおおむね次のとおりです。
- 司法書士報酬:事務所によって異なるがおおむね1万円から2万円程度
- 登録免許税:不動産の数×1,000円
住宅ローンの繰上げ返済費用
抵当権を抹消するためには、住宅ローンをすべて返済しなければなりません。借入先の金融機関によっては、住宅ローンを繰り上げ返済する際に1万円から3万円程度の費用がかかる場合があります。
印紙税
印紙税とは、契約書や領収書などの文書に課される税金です。マンションの売買契約書も印紙税の課税対象文書であり、その金額は契約書に記載された契約金額に応じてそれぞれ次のとおりです。
契約金額 | 印紙税額 (2024年年3月31日までの軽減税率) |
---|---|
50万円以下 | 200円 |
100万円以下 | 500円 |
500万円以下 | 1,000円 |
1,000万円以下 | 5,000円 |
5,000万円以下 | 10,000円 |
1億円以下 | 30,000円 |
5億円以下 | 60,000円 |
10億円以下 | 160,000円 |
50円以下 | 320,000円 |
50億円超 | 480,000円 |
なお、マンションの売買契約書は売主と買主がそれぞれ1通ずつ保管することが原則であり、それぞれ自分が保管する分の印紙税を負担することが慣例です。
譲渡所得税
マンションの売却で譲渡益が出た場合には譲渡所得税の対象となります。
ただし、譲渡所得税には「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」などさまざまな控除が設けられており、自分が住んでいたマンションを売却した場合には税額がゼロとなることも少なくありません。
しかし、特例の適用を受けるためには確定申告をする必要があります。そのため、マンションの売却で譲渡益が出た際には忘れずに確定申告を行いましょう。
また、譲渡損が出た場合であっても、確定申告をすることでその損失を他の所得と通算できる場合があります。譲渡所得税について詳しく知りたい場合には、管轄の税務署や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
独身で購入したマンションの売却で後悔しないポイント
独身で購入したマンションの売却で後悔しないための主なポイントは次のとおりです。
- 査定は複数の不動産会社に依頼する
- 内見時には整理整頓を心がける
- 売却を急がない
- 売却でかかる費用を理解しておく
査定は複数の不動産会社に依頼する
マンションを売却する際の査定は、1社のみに依頼するのではなく複数社に依頼しましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼することでそのマンションの適性額が把握しやすくなり、複数社の対応や査定額への説明などを比較することでそのマンションの売却に強みを持つ不動産会社を選定しやすくなるためです。
しかし、複数の不動産会社を自分で回って1社1社査定を依頼するのは手間がかかります。そのような際には、「おうちクラベル」の不動産一括査定をご利用ください。
内見時には整理整頓を心がける
マンションの購入希望者は、購入前に内見を希望することが一般的です。
この内見の時点でまだそのマンションに居住している場合もあるかと思いますが、その場合であっても最低限の清掃や整理整頓をしておきましょう。同じマンションであっても、乱雑な状態であるのと整理整頓がされた状態とでは、後者の方がよい条件で売却しやすいためです。
売却を急がない
マンションを売る際には、売却を急ぐことはおすすめできません。売却を急いでいることが買主側に伝わると、無理な値下げ交渉をされる可能性があるためです。
売却でかかる費用を理解しておく
先ほど解説したように、マンションの売却にはさまざまな費用がかかります。この費用を考慮せず住み替え先の購入などの資金計画を立ててしまうと、計画に狂いが生じるかもしれません。そのためかかる費用の総額を大まかにでも把握しておくとよいでしょう。
独身で買ったマンションを売却する際によくある質問
最後に、独身で買ったマンションを売却する際によくある質問とその回答を2つ紹介します。
住宅ローンが完済できないと売却できない?
ローンが残っているマンションを売却する場合、売却代金でローン残債を返済して抵当権を抹消してもらうことが一般的です。
しかし、中にはマンションの売却代金を充てても住宅ローンを返済しきれない場合(オーバーローンとなる場合)があります。この場合に抵当権の抹消が可能かどうか(つまり、マンションの売却が可能かどうか)はケースバイケースです。
まず、自己資金や親族からの借り入れなどでローン残債をすべて返済できるのであれば問題ありません。また、住み替え先の物件などに抵当権を付け替えることなどで売却するマンションの抵当権抹消に応じてもらえる場合もあります。
いずれにしても、オーバーローンとなる場合にはあらかじめ借入先の銀行へ相談しておくことが必要です。
不動産の売却は不動産会社を介さなくてもできる?
先ほど解説したように、マンションの売却を不動産会社に依頼すると仲介手数料がかかります。では、不動産会社を介さずに自分で買い手を見つけ売買契約を成立させることはできるのでしょうか?
まず、自分で買い手を見つけられるのであれば、不動産会社を介さない不動産売買をする余地はあります。しかし、自分での不動産取引はリスクが高くおすすめはできません。
たとえば売却したマンションに契約書に記載のない不具合があった場合には、補修や代金の減額、損害賠償請求などが求められる可能性があります。不動産会社を介した場合には不動産会社がこれらの不具合を踏まえアドバイスをしたり契約書に盛り込んだりしてくれるものの、自分で取引をした場合にはこれらのリスクなどを見落とす可能性があるでしょう。
不動産会社は単に買い手を見つけるだけの役割を担っているわけではなく、不動産売買がトラブルとならないためのセーフティーネットとしての役割も担っています。不動産会社を介さずにマンションを売却するのであれば、不動産売買にまつわるリスクをすべて自分が背負うことになる点を理解しておく必要があります。
まとめ
独身でマンションを購入したものの、その後状況が変わったり支払いが苦しくなったりして購入を後悔する場合もあります。マンションの購入を後悔した場合には、そのマンションを賃貸したり売却したりして住み替えることを検討するとよいでしょう。
マンションの売却で後悔しないためには、信頼できる不動産に売却を依頼することがカギとなります。そして、信頼できる不動産会社と出会うためには「おうちクラベル」のご利用がおすすめです。
おうちクラベルとは、一度の60秒入力で複数の優良な不動産会社へ査定を依頼できる不動産一括査定サイトです。複数社から査定を受けることでマンションの適正額が把握しやすくなります。
また、査定額や査定額の説明、対応などを比較することで、そのマンションの売却に強みを持つ信頼できる不動産会社を選定しやすくなるでしょう。独身でマンションを購入したことに後悔したら、ぜひ「おうちクラベル」の不動産一括査定をご利用ください。