マンション売却前のリフォームはリスクあり!損をせず売却する方法を解説

保有しているマンションを売却する前に、価値を高めようとリフォームを検討する人も少なくないでしょう。

しかし、安直にリフォームを行ってしまうと、損失につながるリスクがあります。マンション売却前のリフォームは、室内の状態や価格相場などに合わせて最適な判断をすることが重要です。

この記事では、マンション売却前のリフォームにスポットを当て、マンションを高く売るための注意点やコツについて詳しく紹介します。リフォームにかかる費用やリスク、利点を把握して、最適な手段を選びましょう。

目次

1.マンション売却前のリフォームにリスクがある理由とは?

マンションを売却する前にリフォームをすれば、入居者も見つけやすく、高い価格で買ってくれるだろう、と思う方も多いでしょう。

しかし実は、いくつかのリスクがあります。リフォームによって価値が上がるか分かりませんし、そもそも需要があるかも分かりません。

状況をよく把握せずに、やみくもにリフォームをすることはしない方が良いのです。マンション売却前のリフォームにリスクがある理由を詳しく見ていきましょう。

1-1.リフォームで売却価格がどれくらい上がるか分からない

リフォームには当然お金がかかりますが、かけた費用以上に売却費用が上がる保障はありません。多額の費用をかけてリフォームをしたのは良いけれど、実際はニーズが少なくてあまり高く売れなかったのでは、リフォームにかけたお金は無駄になってしまいます。

内装の新しさも確かに重要ですが、実際に価格への影響力が大きいのは、建物の骨組みを始めとする構造体の強度に関係する築年数の方です。

なぜなら、内装はリフォームで何とかなりますが、構造体はリフォームすることができないからです。以上のように、マンションを売却する際には、高額なリフォーム費用をかけても売却で回収できないケースもあることを理解しておく必要があるでしょう。

1-2.リフォーム済物件の需要が少ない

リフォームをする前に、そもそもリフォーム済物件に対するニーズを把握しておかなくてはなりません。

2017年3月に行われた「公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会」の「中古物件の購入者におけるリフォームの実施状況」を調査したデータによれば、「リフォームを行った」が40.5%、「リフォーム済の住宅を購入した」が15.7%となっており、リフォームを自分で行った人の割合が多くなっています。

既にリフォームされている住宅を買うよりも、購入後に必要な箇所だけをリフォームしたり、自分好みの部屋にリフォームしたりする需要の方が多いことが分かります。こうしたデータを踏まえたうえで、リフォームは慎重に行う必要があるでしょう。

1-3.不動産会社が購入しづらくなる

あまり知識がないままリフォームをしてしまうと、不動産会社が購入しづらくなってしまうリスクがあります。

不動産会社が物件を買い取った後にリフォーム・リノベーションして販売する「買取再販」は、中古住宅の需要が増加したことにより昨今増えてきている販売手法です。

売主が自分でリフォームをしてしまうと、不動産会社が求める価値と合致しない可能性があり、売りにくくなる恐れがあります。「自社のノウハウに則ってリフォームをしたい」と考えている不動産会社の購入機会を減らしてしまう可能性があるので注意が必要です。

1-4.集客効果があるか分からない

資金をかけてリフォームをするのであれば、売却価格の向上はもちろんのこと、集客効果も獲得したいところです。しかし、リフォームが必ずしも集客効果につながるとは限らないことを理解しておきましょう。

中古マンションを検索する人の多くは、築年数の上限を決めて検索します。つまり、リフォームの有無は二の次で、まず重要視されるのは築年数というわけです。

いくらリフォームをしてきれいに見せたところで、築古マンションの場合は候補に入らないことがあるため、集客効果は得難いといえます。購入者の目線に立って、リフォームが効果的なのかどうかをよく検討する必要があるでしょう。

2.マンション売却のリフォームが効果的なケース

マンション売却のリフォームが効果的なのは、リフォームしなければ売却できないくらい劣化が目立つ場合や、そもそも築年数が浅く高く売れる保証がある場合などです。

リフォームを安価でできる場合や、立地が良く安価な物件の場合も悪くないでしょう。リフォームが効果的なケースをそれぞれ深堀りしていきます。

2-1.劣化が目立つ場合

室内があまりにも汚れていたり、見るからに劣化が目立ったりする場合は、なかなか買い手が見つからない場合があります。室内写真の掲載が難しく、掲載しても逆効果になる可能性があるためです。

特に、ひどいヤニ汚れや水回りのサビなど目に見える劣化や、補修が簡単ではない汚れなどは大きなマイナスポイントといえます。購入希望者が不快感なく内覧できるくらいの、最低限のリフォームはしておいた方が良いでしょう。

クロスやフローリング、水回りなどの目立つ箇所が汚れている場合は、売却をスムーズに進めるためにリフォームを検討するのが無難です。

2-2.築年数が浅いマンションの場合

築年数が10年未満など、比較的新しいマンションの購入を検討している人は、そもそもリフォームをしない前提で物件探しをしているケースが多いです。築年数が浅ければ室内の状態も良いだろう、と考えている人も多く、劣化が少ないことが前提となります。

そのため、すぐに生活できる水準にしておいた方が早期売却の可能性が高くなるでしょう。とはいえ、リフォームに多額の費用が掛かる場合はリスクを伴います。コストパフォーマンスについて不動産会社に相談しつつ進めるのが良いでしょう。

2-3.安価なリフォームだけの場合

クロスやフローリング、畳、ドア、照明、スイッチプレートなど、比較的安い費用で十分きれいになる場合のリフォームは効果的です。目に見える部分を取り換えるだけの場合は、費用も安く済み、内覧時の印象も良くなります。

すぐに購入者が見つかればリフォーム費用を回収しやすいでしょう。不動産会社に相談しつつ、コストパフォーマンスが高いリフォームを優先的に進めるようにするのがおすすめです。

周辺物件との差別化にもつながるので、安価でリターンが見込めるリフォームは、積極的に検討すると良いでしょう。

2-4.立地がよく比較的安価な物件の場合

駅から徒歩5分以内だったり、周辺施設が充実していたりと立地がよく、安価な築古物件は、リフォームの効果がより期待できます。立地が良いと人気物件であることが多く、価格が安定しているため、リフォーム費用を回収しやすくなるのです。

例えば、3,500万円が相場のエリアであれば、1,500万円の物件をリフォームして2,000万円で売り出しても相場より安くなります。

リフォーム費用を上回って売却しやすくなるので、立地が良く安価な物件の場合はリフォームの効果が大きくなるといえます。

3.マンション売却のリフォームを決断する前に把握しておくべき3つの事項

リフォームを決断する前には、様々なポイントを把握しておく必要があります。中でも、売却に伴ってかかる税金や手数料はコストに直結するので重要です。

また、売却する地域の相場についても知っておく必要があるでしょう。今のマンションがどの程度の価格で売ることができるのかも大切なポイントです。それぞれのポイントについて細かく見ていきましょう。

3-1.売却に必要な税金・手数料の目安

不動産を売却する時には、売却額の5~7%前後の手数料や税金がかかります。決して少なくない負担なので、予め不動産会社に相談し、費用を把握したうえでリフォームを検討した方が良いでしょう。

売却時の費用

概要

仲介手数料

不動産会社の報酬。売買価格に応じて上限が法律で定められており、400万円超の場合は「3%+6万円+消費税」(速算式)。

登記に伴う費用

登記の手続き時に納める「登録免許税」と「司法書士への手数料」がかかる。売却時に関係する登記は、所有権の移転登記と抵当権の抹消登記の2つ。

印紙税

不動産売買契約書に課税。契約金額5,000万円超1億円以下の場合で本則税率6万円(軽減税率で3万円)。

譲渡所得税・住民税

不動産を購入した時よりも高く売れた場合の譲渡所得に課税。所有期間(5年超かどうか)で税率が異なり、3,000万円特別控除が適用される場合はそれを超えた部分に課税。

住宅ローンの返済費用

住宅ローンの残債がある場合に、繰り上げ返済の手数料がかかる。手数料は返済方法により異なる。

3-2.売却する地域の相場と近隣の物件

周辺地域で似た条件のマンションにおける設備や内装などの特徴や、価格の相場を調べておくことも大切なポイントです。不動産会社にマンションの査定を依頼する前に、自分で調べて近隣の相場感を把握しておくのが良いでしょう。

相場は、タウン誌や地域のポータルサイトなどで大まかに確認することができます。実際の売却価格を調べたい場合は、レインズ・マーケット・インフォーメーションなどを閲覧するのがおすすめです。

3-3.現在の査定額

不動産の査定をするためには、「不動産鑑定士への依頼」や、不動産会社に依頼する「簡易査定」「現地査定」があります。不動産鑑定士へ依頼する場合は、20~30万円程度の費用が掛かるので、不動産会社や一括査定サイトなどで簡易査定を行うのが一般的です。

おすすめは、一度の手続きで複数の不動産会社に査定依頼ができる不動産一括査定サイトの「おうちクラベル」。無料で査定依頼ができるだけでなく、AIによる高精度な査定価格をその場で確認することができるので便利です。

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4.【箇所別】マンション売却のリフォーム費用相場

コストパフォーマンスの高いリフォームを行うためには、費用の相場を把握しておくことが大切です。ここでは、箇所別にリフォーム費用の相場を見ていきます。

4-1.クロス・フローリングのリフォーム相場は「20~60万円」

クロスは「1,500円/平米」、フローリングは上から重ねる上張りで「10,000円/平米」、張替えで「15,000円/平米」程度が相場です。広さにもよりますが、比較的安く、見た目的にも効果的なリフォームなので、コストパフォーマンスが高いといえます。

クロスは安価な量産品クロスや、色柄が豊富な1,000番台クロスなど種類が豊富です。フローリングは板を圧着して床材に仕立てる安価な集成材や、一枚の板で作られる高価な無垢材などがあり、予算に合わせて選択することができます。

4-2.トイレのリフォーム相場は「10~40万円」

トイレ交換だけであれば、工賃込みで10~20万円程度が相場です。ただし、内装の張替えを伴う場合は、その分費用が上乗せされます。

また、和式から洋式に交換する場合も内容によって高額になることがあるので注意が必要です。それほど汚れておらず、機能性に問題が無ければ、クリーニングだけで印象は良くなるでしょう。

また、温水洗浄便座を設置することでより多くの人のニーズを満たすことができるため、トイレのリフォームに合わせて設置を検討するのもおすすめです。

4-3.キッチンのリフォーム相場は「20~150万円」

キッチンのリフォームはピンキリで、安価なシステムキッチンへの交換であれば20~30万円程度で可能です。

築古マンションはキッチンが狭く作られていることが多く、経年劣化で汚れていることも多いため、安価なシステムキッチンでもきれいにしておくだけで集客効果が期待できます。

最新のシステムキッチンや対面式への交換などは一定のニーズがありますが、キッチン部分に費用をかけすぎても売却価格に反映できなくなるケースも多いので注意が必要です。

4-4.浴室のリフォーム相場は「50~150万円」

浴室は、本体価格・工賃ともに高額であることが多く、50~150万円程度かかります。ただ、浴室は毎日利用する空間であり、ある程度きれいでないと集客が難しくなる場所でもあるため、見栄えが悪い場合には最低限のリフォームが必要です。

ユニットバスとタイル張りの在来浴室がありますが、在来浴室を交換する方が高額になりやすい傾向にあります。オプション追加やグレードにこだわりすぎると高額になるため、最低限のものを検討するのが良いでしょう。

ファミリー向けのマンションであれば、自動湯沸かし機能や追い炊き機能を付けておくと好印象です。

5.マンション売却で優先すべきリフォーム箇所

効果的にリフォームを行うには、買主が求めているリフォーム箇所を把握することが重要です。買主に求められる箇所を中心にリフォームすることで、費用を回収しやすくなり早期売却につながりやすくなります。

「公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会」が実施した「土地・住宅に関する消費者アンケート調査ウェブアンケート調査結果(2017年3月)」の「リフォームの実施箇所」によれば、「キッチン、浴室、トイレ等の交換」が70.5%で第1位。

水回りは経年劣化が早く、毎日利用するところであるため、できるだけきれいな状態で使いたいというのが多くのニーズといえます。

ただし、キッチンや浴室はデザインや機能性の好みがわかれやすいため、知識不足を感じる場合には事前に不動産会社に相談するか、あえてリフォームせずに売却するのがおすすめです。

第二位は「床、畳の張替え」で60.5%。床や畳は生活するうえで目につきやすく、空間の基本となる部分です。リフォーム自体もこだわらなければそこまで高額になりにくいので、最低限きれいにしておきたい箇所といえるでしょう。

第三位は「室内の壁張替え」で55.8%。こちらも床と同じく、空間の基本となる一部で、見栄えが良い方が集客効果も高まります。

最低でも上位3箇所は多くの人が求めているポイントになるので、売却前に優先してリフォームを検討しましょう。

6.マンション売却のリフォーム費用を抑えるコツ

リフォーム費用をなるべく抑えるためには、複数のリフォーム会社で相見積もりを取ったり、設備のグレードを見直したりと、確認しておきたいポイントがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

6-1.相見積もりを取る

リフォーム費用は、同じ箇所の修繕であっても、施行業者により大きく異なる場合があります。3社程度から見積もりを取り、費用や条件を比較すると最も好条件の業者を選ぶことができるでしょう。

見積もりをもとに費用の交渉もできます。より安くリフォームをするためにも、相見積もりは取った方が賢明です。

また、リフォーム業者を選ぶ際には、作業内容や金額の内訳を細かく教えてくれる業者や、予算を抑えつつリフォームするアドバイスをしてくれる業者がおすすめ。よく比較して、自分の希望に合ったリフォームをしてくれる業者を選ぶようにしましょう。

6-2.設備のグレードを下げる

設備のグレード次第でリフォーム費用は大きく変動します。想定よりもコストが膨らみそうな場合は、まずは設備のグレードを下げることを検討しましょう。

クロスやフローリングなどの建材におけるグレードを下げられないか、キッチンや浴室、トイレなど安価なものはないか見直すことが大切です。

ただし、あまりグレードを下げ過ぎて、買い手のニーズを満たせないリフォームになっては本末転倒。グレードごとにメリット・デメリットは存在するので、よく把握したうえで、本当に必要なものを採用しましょう。

7.マンション売却前にリフォームする際の注意点

マンション売却前にリフォームをするのはリスクが伴います。それでもリフォームを行う場合には、以下の注意点を確認しておきましょう。

  • ピンポイントで行うこと
  • 万人受けするリフォームにすること
  • 確定申告の計算に費用を計上すること
  • リフォーム前の記録を残しておくこと
  • 不動産会社に相談すること

それぞれ細かく見ていきましょう。

7-1.ピンポイントでリフォームを行う

リフォームを計画すると、様々な箇所に目が行きがちで、あれもこれもと修繕していく内にかなりの費用が掛かることも。リフォームはあくまで売却のための投資と考え、必要な箇所だけピンポイントでリフォームすることが大切です。

早期売却とマンションの価値向上に対してコストパフォーマンスが高い箇所を優先的に行いましょう。特に、激しく損傷した部分やヤニで黄ばんでいるクロス、使用に難がある水回りなどは購入者の目に付きやすい部分です。

交換だけで済めば費用も安く抑えられるので、優先順位をつけてピンポイントでリフォームしていきましょう。

7-2.万人受けするリフォームを行う

リフォームは、買主に好印象を与えるのが目的なので、売主の好みは反映させないのが普通です。個人的な趣味が反映されている印象を与えるリフォームは、購入希望者の数を減らすことにつながります。

なるべく万人受けし、多くの人のニーズを満たすようなリフォームを心がけましょう。先述した優先すべきリフォーム箇所のランキングなども参考に、シンプルでクセがないリフォームが理想です。

メンテナンスしやすいかどうかも多くの人がチェックするポイントなので、購入者目線に立ったリフォームにしましょう。

7-3.確定申告の計算にリフォーム費用を反映させる

マンション売却に伴い、利益が生じた場合には譲渡所得税がかかります。なるべく納める税金を抑えるためには、リフォーム費用をきちんと反映させることが大切です。

一般に、譲渡所得税の対象となる譲渡所得は、売却価格から取得費を差し引いて計算します。取得費には、そのマンションを購入した時の価格に加えて、リフォーム代を含めることができるのです。

経費が掛かるほど譲渡所得の額は減るため、その分支払う税額も少なくなります。以上の理由から確定申告の計算時にはリフォーム費用の計上を行いますが、実際の計算は複雑になることも多いので、税理士に相談するのがおすすめです。

7-4.リフォーム前の記録を残しておく

リフォーム済みの物件は、買主からの印象が良くなる一方で、「重大な欠陥があってそれを隠しているのかもしれない」と思われる可能性があります。

なぜリフォームをしたのかきちんと説明できるようにしておくだけでなく、リフォーム前の記録も残しておくことが大切です。リフォーム内容がわかる写真や書類を残しておけば、買主は安心して購入することができるでしょう。

せっかくリフォームしても買主に不信感を抱かせてしまいかねないので、リフォームをマンション売却に活かすためにも記録を残しておくことが重要です。

7-5.売却の仲介を依頼する不動産会社に相談する

リフォームをする前に、売却の仲介を依頼する不動産会社に予め相談することも大切です。不動産会社は、売却する地域や間取りなどから適切な販売戦略を立てることに長けているので、専門家に相談することが賢明です。

自分の考えだけでリフォームをしてしまうと、マンションや地域の特性に適した販売戦略が難しくなる恐れがあります。事前にリフォームをしたい理由やイメージを共有しておくことで、アドバイスをもらいながら進めることもできます。

リフォームによって売却が難しくならないか相談しながら、二人三脚で進めるようにしましょう。

8.リフォームせずにマンション売却を成功させるポイント

マンション売却のためにリフォームをして価値を高めることは1つの選択ですが、集客効果を高めるだけならリフォームをしない方法もあります。

ハウスクリーニング、自身での補修、ホームステージング、などのほか、売り出し期間に余裕を持ったりインスペクションを受けたりするだけでも成功につながる可能性が増すでしょう。不動産会社に直接売却するという方法もあります。

マンション売却を成功させるポイントをそれぞれ見ていきましょう。

8-1.ハウスクリーニングを行う

ハウスクリーニングは、リフォームより費用を抑えつつ、内装・設備全体をきれいにできるため効果的です。

プロ用の薬剤や機器で通常のクリーニングでは取れない汚れや臭いも取り除いてくれます。依頼する業者や地域によっても幅はありますが、箇所ごとのハウスクリーニングの料金相場は以下の通りです。

ハウスクリーニングする箇所

料金相場

浴室

10,000円~20,000円

洗面台周り

6,000円~10,000円

トイレ

6,000円~13,000円

キッチン

10,000円~24,000円

レンジフード

10,000円~20,000円

全て依頼した場合の料金相場は、約4万円~9万円。リフォームを行うよりも安上がりなので、そこまで大規模な補修が必要ないマンションならハウスクリーニングを検討してみましょう。

8-2.簡単な補修は自分で行う

業者に依頼するリフォームは費用の負担が大きく、リスクがあるためなかなか踏み出しにくいという人もいるでしょう。壁紙やフローリング、障子やドアノブの交換などはDIYを行えば安価に補修できます。

最近では、ホームセンターに様々な材料が充実していて、ネットで調べれば初心者でも難しくありません。売主が丁寧に住んでいたことが伝わると、買主も安心するでしょう。

ただし、破損している場合は隠さずにきちんと伝える必要があります。瑕疵を知ったうえで隠して売却すると、「契約不適合責任」が問われ、補修や賠償を求められる恐れがあるので注意しましょう。

8-3.ホームステージングを行う

ホームステージングとは、部屋をリフォームせずにモデルルームのような空間を演出できる手法です。家具や照明などで室内を装飾することで、物件の印象を良くすることができます。

内覧者は、購入後の生活をイメージしやすく、早期売却につながります。日本ではあまりメジャーではありませんが、リフォームほど高額にはならないので1つの選択肢になるでしょう。

ホームステージングにおいても売主の趣味は反映させず、シンプルで万人受けするデザインにするのが理想です。

8-4.売り出し期間に余裕を持つ

マンションの売り出し期間を長く設定しておく方が、希望する価格で売却しやすくなります。築年数が古くなると成約率が低くなるので、最低でも6ヶ月は見ておくのがおすすめです。

「東日本レインズ」の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)」のデータでは築10年以降、成約率が低下していき、築30年以降は20%を下回っています。築古のマンションは、余裕を持って売却活動を行うようにしましょう。

8-5.インスペクションを受けておく

インスペクションとは、建物状況調査とも呼ばれ、専門の検査員が住宅の検査を行うことを指します。現在の建物の状況が分かるので、買い手からすると安心してマンションを購入できます。

インスペクションを受けておけば、売却価格の上昇や売却期間の短縮につながるだけでなく、トラブルも予防できるのでおすすめです。

設備の不具合などに気付かず売却すると、買主から後になって補修費用の負担を求められることもあるので、インスペクションは受けておいた方が安心でしょう。費用は5~8万円程度が相場です。

8-6.不動産会社の買い取りで売却する

不動産会社に仲介してもらい買主を探すほかに、不動産会社にマンションを直接買い取ってもらう方法もあります。室内の劣化が激しく、大がかりなリフォームを要する場合には、リフォームをせずに不動産会社に買い取ってもらうと手間をかけずに売却できます。

売却価格は相場の8割程度になってしまいますが、長期で買主が現れない、リフォーム費用を回収できないなどのリスクを回避できるので、メリットとデメリットをよく確認したうえで検討しましょう。

9.マンションを高く売却する3つのコツ

マンションを高く売却するためには、値引き交渉前提の価格設定にすること、転居が多いタイミングに売り出すこと、複数の不動産会社に査定を依頼すること、などがあります。

それぞれのコツについて詳しく紹介します。

9-1.値引き交渉前提の価格設定にする

中古マンションの売買では、値引き交渉されるケースが多々あります。最初から安めの価格設定をしてしまって値引き交渉に応じられないよりは、値引き交渉ありきで価格設定をした方が、結果的に早期売却できる可能性が高まります。

例えば、1,500万円で売却したい場合、1,600万円に設定しておくと、100万円の値引きまで対応できます。上手く交渉できると、希望価格以上で売却できることもあるのでおすすめです。

どれくらいの値段設定が適切かどうかは、仲介を依頼する不動産会社に相談して決めるようにしましょう。

9-2.転居が多いタイミングに売り出す

会社の転勤、異動や入学などがある春や秋などは、物件探しが活発になり、中古マンションの需要が高まります。こうしたタイミングを見計らって売りに出すことで、売却の可能性を高めることができるのです。

ニーズがあればそれだけ集客につながりますし、早期売却に直結しやすくなります。オンシーズンより前から物件を探し始める人も多いので、少し早めに売却活動を開始するのが重要です。

9-3.複数の不動産会社に査定を依頼する

マンションを高値で売却するには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。不動産会社によって、得意分野や持っているノウハウが異なるため、同じマンションでも大きな価格差が生じることがあります。

効率よく査定をするためには「一括査定サイト」がおすすめです。おうちクラベルは、ソニーグループのSREホールディングス株式会社が運営する実績豊富なサービスで、ホームページから申し込むだけで無料査定ができます。

信頼できる複数の業者へ同時に査定依頼ができるうえ、高精度のAI査定によって査定価格がすぐにわかるのも魅力です。「リフォーム前に売却価格を把握したい」「資金計画を立てるためすぐに査定価格を知りたい」という方は、利用してみると良いでしょう。

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10.マンション売却のリフォームは慎重に!まずは物件の査定価格を意識しよう

今回紹介した通り、マンション売却のリフォームは、売却価格の上昇や集客効果につながらないこともあります。

劣化が目立つケースや安価なリフォームだけの場合には、コストパフォーマンスが高く有用ですが、より多くのニーズを満たせるリフォームにしないと損失を生むかもしれません。

効果的なリフォームのためには、買主が求めているリフォーム箇所を理解し、優先順位をつけて費用を抑えながら行うことが大切です。場合によっては、リフォーム以外の方法を検討するのも良いでしょう。

いずれにしても、まずは物件の査定価格を把握することが重要です。一括査定サイトのおうちクラベルなら、複数の業者にまとめて査定依頼が可能です。これからリフォームを考えている人は、一度利用してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

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