マンションは築何年まで売れる?売れない場合の対策も解説

築浅のマンションが売れやすい傾向にある一方で、築古のマンションは売りにくくなる傾向にあります。

では、マンションは築何年まで売れるのでしょうか?また、築年数が経ったマンションを売るためには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?

今回は、マンションが売りやすい築年数や、築年数が経ったマンションを売るための対策、それでも売れない場合の対応などについて詳しく解説します。

目次

マンションの価値は築年数とともに低下する傾向にある

はじめに、マンションの売買価格と築年数の関係について見ていきましょう。

公益財団法人東日本不動産流通機構が公表している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」によれば、首都圏における中古マンションの1㎡あたりの売買単価は築年数が経過するとともに低下する傾向にあります。

中古マンションの築年帯別平均㎡単価

画像引用元:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)(公益財団法人東日本不動産流通機構)

築年数が経ったマンションが必ずしも売れなくなるわけではないものの、築年数の経過とともに売却価格が低くなっていくことは確かでしょう。

マンションは築何年まで売れる?

マンションは築何年まで売れる?

マンションは築何年まで売れるのでしょうか?そのマンションの個別事情や買い手のニーズによって左右されますが、基本的な考え方について解説します。

築20年までのマンションは売りやすい

一般的に、マンションは築20年頃までは比較的売りやすいといわれています。築20年頃まではさほど老朽化が進んでおらず、買い手が新築よりリーズナブルに手に入れることができ、ニーズが高いためです。

法定耐用年数が売れる時期の1つの目安となる

マンションが売れる1つの目安となるのが法定耐用年数です。

法定耐用年数とは、通常の維持補修を加えることを前提に、その固定資産の本来の用途用法により通常予定される効果を上げられる年数として「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」に定められている年数です。

法定耐用年数が過ぎたからといって、そのマンションが危険な状態となるわけでもなければ売れなくなるわけではありません。しかし、法定耐用年数を過ぎたマンションは比較的売りづらくなる傾向にあります。

その理由は次で詳しく解説しますが、たとえば買い手がローンを組みづらくなることや老朽化が進むことなどが主な理由です。

なお、居住用マンションの法定耐用年数はその構造により異なります。それぞれ次のとおりです。

構造 耐用年数
木造・合成樹脂造のもの 22年
木骨モルタル造のもの 20年
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの 47年
れんが造・石造・ブロック造のもの 38年
金属造のもの 骨格材の肉厚により次のとおり
4mm超のもの:34年
3mm超4㎜以下のもの:27年
3mm以下のもの:19年

マンションには、このうち「鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの」が多いことから、「マンションの寿命は47年」などといわれることも少なくありません。これは必ずしも正確な表現ではないものの、法定耐用年数を過ぎたマンションが売りづらいという点では一理ある表現といえるでしょう。

築古のマンションが売れにくい主な理由

築古のマンションが売れにくい主な理由

法定耐用年数が過ぎたマンションなど築古のマンションが売れにくい理由にはどのようなものがあるでしょうか?主な理由は次のとおりです。

  • 買い手がローンを組みにくいから
  • 見た目が古く購入意欲が湧きにくいから
  • 耐震性に不安があるから
  • 不動産会社が売却に力を入れない可能性があるから

買い手がローンを組みにくいから

法定耐用年数を過ぎたからといって、そのマンションにすぐに住めなくなったりすぐに倒壊の危険が生じたりするわけではありません。しかし、法定耐用年数を過ぎたマンションの購入においては、買い手がローンを組みづらくなる傾向にあり、これが原因で売りづらくなる可能性があります。

マンションを購入する人は、金融機関でローンを組むことが多いでしょう。そして、その際にはローンを組んで買ったマンションに「抵当権」が付けられることが一般的です。

抵当権とは、契約どおりにローンが返済できなくなった場合において、金融機関がそのマンションを競売(けいばい)にかけて、そこからローン残債の返済を受けるための担保のことです。

法定耐用年数を過ぎたマンションは建物部分の資産価値がゼロに近いとされる場合が多く、担保価値がほとんどないとされることが少なくありません。そのため、買い手が希望どおりにローンを組むことができず、買いたくても買えない可能性があります。

見た目が古く購入意欲が湧きにくいから

築古のマンションの場合、外観などマンションの見た目が老朽化し古くなっている傾向にあります。また、古いマンションの場合、設備も古くなっていることが多いでしょう。

そのため、買い手の購入意欲が湧きづらく売れにくくなる可能性があります。この点は、特にそのマンションの維持管理の状況によって左右される可能性が高いでしょう。

耐震性に不安があるから

耐震基準とは、一定規模の地震が起きても建物が大きな損傷を受けない強度の基準です。

1981年5月31日までは、震度5強程度の揺れに耐えられる基準である「旧耐震基準」が適用されていました。その後、1981年6月1日以降に建築確認を受けたマンションでは、震度6強から7程度の地震に耐えられる基準である「新耐震基準」が適用されています。

旧耐震基準であるからといって、すぐに倒壊などの危険が生じるわけではありません。しかし、今後起きる可能性が高いとされる南海トラフ巨大地震などを想定すると、旧耐震基準であることに不安を感じて購入が見送られる場合もあるでしょう。

不動産会社が売却に力を入れない可能性があるから

不動産会社に仲介の依頼をしてマンションの売却が成立した場合、不動産会社に対して仲介手数料の支払いが生じます。この仲介手数料は法令で上限が決められており、マンションの売買価格が400万円超の場合、仲介手数料の上限額は次のように計算されます。

  • 仲介手数料の上限額=売却価格×3%+6万円+消費税

原則として売買成立価格が高ければ高いほど、不動産会社が得られる仲介手数料の上限額は高くなる仕組みです。つまり、築古のマンションなど売買価格が低くなりがちな不動産では、売買が成立した際に不動産会社が得られる仲介手数料は低くなるということです。

このような事情から、不動産会社の中には儲けが比較的少なくなりがちな築古のマンションの売却に力を入れない場合もあるでしょう。その結果、売りに出したマンションがなかなか売れない可能性があります。

しかし、築古のマンションの場合も、次で解説するような適切な対策を講じることで売れる可能性が高くなります。そのためには、そのマンションの売却に強い信頼できる不動産会社を見つける必要があるでしょう。

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築年数が経ったマンションを売れるマンションに変える対策

築年数が経ったマンションを売れるマンションに変える対策

築年数が経ったマンションを売れるマンションに変えるには、どのような対策を講じればよいのでしょうか?主な対策は次のとおりです。

  • そのマンションの売却に強い不動産会社に相談する
  • そのマンションのメリットを訴求する
  • 故障している箇所を修繕する
  • 内見時に整理整頓や清掃を心がける
  • 内見に丁寧に対応する
  • 照明や家具の配置を変える
  • ホームインスペクションを受ける

そのマンションの売却に強い不動産会社に相談する

不動産会社には、それぞれ得意なエリアや物件種別、顧客層などがあることが少なくありません。築古のマンションを売れるマンションに変えるには、そのマンションの売却に強い不動産会社に相談することが近道です。

しかし、どの不動産会社がそのマンションの売却に強いのかわからない場合も少なくないでしょう。その際は、「おうちクラベル」の不動産一括査定をご利用ください。

複数社による査定額や説明、担当者の対応などを比較することで、そのマンションの売却に自信のある不動産会社を見つけやすくなります。

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そのマンションのメリットを訴求する

そのマンションのメリットを訴求することで、築古のマンションが売りやすくなる可能性があります。

たとえば、一戸あたりの専有面積が広めであることや、新たにマンションを建築するのが難しい好立地に位置していることもあるでしょう。また、築古のマンションの場合、築浅のマンションと比較して割安であるため、買い手の好みに合わせてリノベーションしやすいメリットも訴求ポイントの1つです。

ほかにも、ペットの飼育が可能であることや公園が近く子育てがしやすいことなど、そのマンションに特有のメリットを訴求することも1つでしょう。

故障している箇所を修繕する

水回りなどマンション内に故障している箇所がある場合は、修理することで売りやすくなる可能性があります。

ただし、築古のマンションでの場合、買い手が大規模なリノベーションを前提にマンションを購入する場合も少なくありません。その場合は、せっかく修理をしても無駄になる可能性があるほか、修理に要した費用が売り出し価格に上乗せされることで割安であるメリットが薄れてしまい、さらに売りづらくなるリスクもあります。

そのため、売却するマンションの修繕は独断で行うのではなく、売却を依頼している不動産会社の担当者とよく相談したうえで慎重に検討するとよいでしょう。

内見時に整理整頓や清掃を心がける

マンションの購入希望者は、購入前に内見を希望することが少なくありません。内見を受け入れるにあたっては、室内の清掃や整理整頓を心がけましょう。

同じマンションでも、清掃が行き届いて整理整頓された状態と乱雑で汚れている状態とでは、購入意欲に大きな差が出る可能性があるためです。

内見に丁寧に対応する

築古のマンションを売るには、内見に可能な限り売主が立ち会い、丁寧に対応してください。購入希望者からの質問に丁寧に回答したりマンションについて丁寧に説明したりすることで、購入希望者が安心してマンションを購入しやすくなる可能性があるためです。

照明や家具の配置を変える

内見に数回対応しても売買契約の成立に至らない場合は、部屋の印象がよくないのかもしれません。あらかじめ清掃や整理整頓を行い丁寧に対応しても購入に結びつかない場合は、部屋の印象を変えてみることも1つの手です。

とはいえ、大規模なリノベーションなどまでは必要ありません。たとえば、照明を変えたり家具の配置を変えたりするだけでも、部屋の印象は大きく変わることでしょう。

ホームインスペクションを受ける

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通した専門家が住宅の劣化状況や不具合事象の有無、改修すべき箇所やその時期などを見きわめ、アドバイスをしたうえで報告書を交付することです。

中古マンションの購入者は、設備の劣化度合いなどに不安を持っていることが少なくありません。そのため、ホームインスペクションを受けて購入希望者に報告書を開示することで、買い手が安心してマンションを購入しやすくなります。

築年数が経過したマンションが売れない場合のリスク

築年数が経過したマンションが売れない場合のリスク

築年数が経過したマンションが売れない場合、次のリスクが生じる可能性があります。

  • 修繕積立金や固定資産税などがかかり続ける
  • さらに築年数が進むとより売りづらくなる
  • 室内の老朽化が進みメンテナンスに費用がかかる
  • いずれ建て替えの話が浮上する可能性がある
  • いずれは相続で次世代に引き継がれる

このようなリスクを抱えないため、築古マンションの売却をご検討の際には「おうちクラベル」の不動産一括査定から始めるとよいでしょう。

おうちクラベルでは、一度の60秒入力で、複数の優良な不動産会社に査定の依頼ができます。複数社による査定額やの説明などを比較することで、そのマンションの売却に強い不動産会社を見つけやすくなるでしょう。

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修繕積立金や固定資産税などがかかり続ける

マンションを所有している限り、毎月の修繕積立金と管理費のほか毎年の固定資産税がかかります。マンションが売れないと、これらの費用を負担し続けなければなりません。

居住中のマンションであればまだしも、空き家となったマンションでこれらの費用の負担をし続けることはできるだけ避けたいことでしょう。

さらに築年数が進むとより売りづらくなる

築古のマンションがなかなか売れないと、売れない間にもさらに老朽化が進みます。現在よりも老朽化が進行すると、さらに売りづらくなる可能性があるでしょう。

室内の老朽化が進みメンテナンスに費用がかかる

売れない間にマンション室内の老朽化が進行すると、トイレや洗面などが故障するかもしれません。その場合は、売却までに要するメンテナンス費用がかさむ可能性があります。

いずれ建て替えの話が浮上する可能性がある

マンションの老朽化が進むと、いずれ建て替えの話が浮上する可能性があります。

マンションの建て替えでは、一戸あたり数百万円から数千万円にのぼる負担金が必要となることが一般的です。建て替え決議には区分所有者数の5分の4以上の賛成と議決権の5分の4以上の賛成が必要であり、ハードルは高いといえます。

しかし、建て替えが決まった場合は負担金を支払って建て替え後のマンションの所有権を取得するか、建て替えに反対し賛成派に対してマンションを売り渡すかの2択となり、難しい判断を迫られることになるでしょう。

いずれは相続で次世代に引き継がれる

築古のマンションが売れないと、いずれは相続が発生して次世代に引き継がれることとなります。売れないマンションの場合、相続人も要らないと考えることが多く、マンションの押し付け合いから相続争いに発展する可能性も否定できません。

築年数が経過したマンションが売れない場合の対応

築年数が経過したマンションが売れない場合の対応

対策を講じても築年数が経過したマンションが売れない場合には、どのような対応をとればよいのでしょうか?マンションを手放したいものの、なかなか売れない場合の主な対応は次のとおりです。

  • 格安での売却を検討する
  • 不動産買取を検討する

格安での売却を検討する

1つ目の方法は、マンションを格安で売却することです。

格安での売却は、原則としておすすめできるものではありません。しかし、継続的な修繕積立金や管理費などの負担を避けたい場合や、次世代にマンションを引き継がせず自分の世代で手放すことを強く希望する場合は1つの選択肢となるでしょう。

不動産買取を検討する

2つ目の方法は、不動産買取を検討することです。

不動産買取とは、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう取引形態です。不動産買取の場合、市場で売りづらいマンションであっても売却できる可能性があるうえ、買い手を探してもらう必要がないためスピーディーに売却できる可能性が高くなります。

また、売却する相手がプロであるため、契約不適合責任を免責されることが多いことも大きなメリットでしょう。契約不適合責任とは、引き渡したマンションに契約書などに記載しなかった不具合があった場合、買主から代金の減額や不具合の修補、損害賠償などが請求され得る責任です。

一方で、不動産買取では売買価格が低くなりがちであることに注意しなければなりません。一般的には、市場での売買の7割から8割程度となることが多いでしょう。また、すべての不動産会社が買取をしているわけではないため、必ずしもそのマンションを買い取ってもらえるわけではないことにも注意が必要です。

まとめ

マンションが築何年まで売れるのかについて、明確な線引きがあるわけではありません。ただし、一般的には築20年頃までのマンションが売りやすい傾向にあるとされています。また、法定耐用年数を過ぎたマンションは買い手がローンを組みづらくなることなどから、売りづらくなる可能性が高いでしょう。

しかし、そのマンションの売却に強い不動産会社に売却を依頼したうえで、メリットを十分に訴求することなどで、築古のマンションであっても売れる可能性は高くなります。そのマンションの売却に強い不動産会社をお探しの際は、「おうちクラベル」をご利用ください。

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複数社による査定額や説明、担当者の対応などを比較することで、そのマンションの売却に強い信頼できる不動産会社を見つけやすくなるでしょう。

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この記事の監修者

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