中古マンションの売却にあたっては、売れるまでの期間が気になることでしょう。では、中古マンションを売りに出した場合、売れるまでの期間はどの程度なのでしょうか?
今回は、中古マンションが売れるまでの期間を紹介するとともに、売れるまでの期間を短縮する方法や売れるまでの期間を左右するポイントなどについて詳しく解説します。この記事を参考に、中古マンションのスムーズな売却を目指してください。
中古マンションが売れるまでの平均期間は71.4日
中古マンションが売れるまでにかかる期間は、公益財団法人東日本不動産流通機構が「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」で公表しています。これによると、首都圏の中古マンションがレインズ(不動産流通機構)に登録されてから成約するまでの平均日数は2022年で71. 4日でした。年によって多少の変動はあるものの、おおむね同程度の日数で推移しています。
年 | レインズへの登録から成約に至る日数(日) |
---|---|
2012年 | 77.1 |
2013年 | 79.1 |
2014年 | 71.2 |
2015年 | 65.5 |
2016年 | 69.3 |
2017年 | 74.7 |
2018年 | 78.8 |
2019年 | 81.7 |
2020年 | 88.3 |
2021年 | 74.7 |
2022年 | 71.4 |
参照元:首都圏不動産流通市場の動向(2022年)(公益財団法人東日本不動産流通機構)
売却依頼からレインズ登録までの期間を踏まえればプラス1週間程度
レインズとは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している、コンピューターネットワークシステムです。
中古マンションの売却を不動産会社に依頼する場合、不動産会社との間で媒介契約を締結することとなりますが、この媒介契約には次の3つがあります。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他の不動産会社へ重ねての依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
自己発見取引 (自分で買い手を見つけての売買) | 不可 | 可 | 可 |
指定流通機構への登録 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
報告頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 指定なし |
表のとおり、このうち「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」ではレインズへの登録義務があり、登録までの日数も決められています。そのため、少なくともこれらの媒介契約によって売却された中古マンションはすべてレインズに登録されるはずです。
ただし、レインズへの登録は媒介契約当日になされるとは限らず、登録までに契約締結から最大5営業日(または7営業日)はかかる可能性があります。そのため、不動産会社へ売却の依頼をしてから中古マンションが売れるまでの期間となると、先ほど解説した71. 4日にさらに1週間ほどの期間を加算して考える必要があります。
査定依頼からの期間を含めるとおおむね4か月から半年程度
先ほど解説した「71. 4日」は、中古マンションがレインズに登録されてから売買契約が成立するまでの期間です。しかし、いきなり不動産会社に出向いてその場で売り出しを始めることは稀であり、これに先立って不動産会社に査定の依頼をすることが多いでしょう。
また、売買契約の成立からその中古マンションを引き渡すまでの期間も1か月程度はかかります。
これらの期間までを含めると、中古マンションの査定依頼からそのマンションを引き渡す(売買代金を得られる)までにかかる期間は、おおむね4か月から半年程度となるでしょう。そのため、中古マンションの売却はできるだけ時間に余裕を持って行うことをおすすめします。
なお、中古マンションの売却をする際の査定は、1社のみではなく複数社に依頼することがおすすめです。なぜなら、複数社による査定額を比較することでそのマンションの売却適正額が把握しやすくなるほか、そのマンションの売却に自信のある不動産会社を選定しやすくなるためです。
複数の不動産会社に査定の依頼をしたい際は、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」の不動産一括査定をご利用ください。
中古マンションが売れるまでのステップと期間の目安
中古マンションが売れるまでの期間をステップごとに紹介すると次のようになります。
- 簡易査定の依頼から査定結果がわかる
- 訪問査定を受け入れる
- 訪問査定の結果がわかる
- 不動産会社を選定し媒介契約を締結する
- 売却活動を行う
- 買い手が購入を決めてから売買契約を締結する
- 中古マンションを引き渡す
なお、これはあくまでも目安であり、中古マンションの状態や依頼先の不動産会社の力量、売主や買主の状況によって変動する可能性があります。
簡易査定の依頼から査定結果がわかる
中古マンションを売ることが決まったら、不動産会社に査定の依頼をします。査定には「簡易査定」と「訪問査定」の2つがあります。それぞれの主な違いは次のとおりです。
簡易査定 | 訪問査定 | |
---|---|---|
概要 | 不動産会社の担当者が現地を見ずに行う査定 | 不動産会社の担当者が現地を見て行う査定 |
査定結果が分かるまでの期間 | 数時間から1日程度 | 1週間から10日程度 |
査定度の精度 | 低い | 高い |
査定を依頼できる不動産会社 | 多くの不動産会社に依頼しやすい | 3社から多くても5社程度 |
簡易査定の依頼をした場合は、この結果が出るまでには数時間から1日程度の時間がかかります。しかし、簡易査定とはいえ、1社1社の不動産会社を回って査定の依頼をするには時間や労力がかかります。そこでおすすめなのが「おうちクラベル」のご利用です。
おうちクラベルでは、一度の入力で複数の不動産会社に査定の依頼をすることが可能であり、自分で複数の不動産会社を回る必要はありません。
訪問査定を受け入れる
簡易査定の結果を見てから訪問査定に進む場合もあれば、簡易査定を省略してそのまま訪問査定の依頼をする場合もあります。
訪問査定では、不動産会社の担当者に実際にそのマンションを見てもらう必要があるため、売主と不動産会社の担当者で日程を調整しなければなりません。
訪問査定の依頼から訪問査定を受け入れるまでに要する期間は、日程調整がスムーズであるかどうか次第です。双方の日程が合えば数日後に調整できる場合もありますが、売主が日曜日しか休日がないなど多忙である場合は、依頼から実際の訪問までに1週間以上時間が空く場合もあるでしょう。
中古マンションの売却を急ぐ場合は、日程の候補を複数用意したうえで訪問査定の依頼をすると日程調整がスムーズとなりやすいでしょう。
訪問査定の結果がわかる
訪問査定は、中古マンションの状態をつぶさに確認したうえで行います。
その中古マンションを売り出す際は、この訪問査定による査定額をベースに売出価格を決めることが多いでしょう。訪問査定日から査定結果が出るまでには、1週間から10日ほどを要することが一般的です。
不動産会社を選定し媒介契約を締結する
訪問査定による査定額や説明、担当者の対応などを比較して中古マンションの売却を依頼する不動産会社を選定します。依頼先の不動産会社の選定は、査定額がわかったその日中に決める場合もありますが、数日程度悩んだうえで選定する場合もあるでしょう。
依頼先の不動産会社を選定したら、不動産会社との間で媒介契約を締結します。
売却活動を行う
不動産会社と媒介契約を締結したら、不動産会社がマンションの販売活動を開始します。専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合、その後5営業日(または7営業日)以内にマンションの情報がレインズに登録されます。
首都圏の場合、その後成約に至る期間の平均は71. 4日程度ですが、1か月も経たずに成約に至る場合もあれば、半年が経っても売れない場合もあります。
買い手が購入を決めてから売買契約を締結するまで
マンションの売り出し後は、買い手が内見をするなどしてマンションの売却を決定します。買い手が購入を決めてから売買契約を締結するまでには、1週間程度の時間を要することが多いでしょう。
中古マンションを引き渡す
売買契約の締結後、マンションの引き渡しを行います。居住していたマンションを売却する場合は、この間に退去しなければなりません。また、ハウスクリーニングを入れることも多いでしょう。
買い手や売り手、買い手がローンを組む金融機関などそれぞれに準備が必要であるため、売買契約の締結から中古マンションの引き渡しまでは1か月程度の期間が空くことが多いでしょう。なお、中古マンションの引き渡しと売買代金の支払いは同時に行われることが一般的です。
中古マンションが売れるまでの期間を左右する主なポイント
中古マンションが売れるまでの期間は、どのような要素によって左右されるのでしょうか?売却までの期間に影響を与えやすいポイントは主に次のとおりです。
- 立地やエリア
- 築年数
- 間取り
- 不動産会社の力量
- 競合物件の存在
- 価格設定
立地やエリア
その中古マンションの立地がよい場合や人気のエリアに位置している場合、一般的に売れるまでの期間は短くなりやすいでしょう。そのエリアの中古マンションを探している人が多いためです。
築年数
中古マンションの築年数が浅い方が、売れるまでの期間は短くなりやすいでしょう。築浅のマンションは、築古マンションと比較して需要が高い傾向にあるためです。
間取り
その中古マンションの間取りがそのエリアでニーズの高い間取りである方が、売れるまでの期間が短くなりやすいでしょう。ニーズが高ければ、問い合わせも入りやすいためです。
不動産会社の力量
不動産会社には、それぞれ得意なエリアや物件種別があることが少なくありません。その中古マンションの売却に強い不動産会社である場合、その中古マンションの売り方を熟知しているため売れるまでの期間が短くなりやすいでしょう。
そのマンションの売却に強い不動産会社をお探しの際は、「おうちクラベル」の不動産一括査定をご利用ください。
競合物件の存在
近隣に競合物件が売りに出ている場合は、その中古マンションが売れるまでの期間が長くなる可能性があります。なぜなら、競合物件と比較され売りづらくなる可能性があるためです。
価格設定
中古マンションが売れるまでの期間は、売出価格の設定によって大きく左右されます。
売出価格が相場より高いと、売れるまでの期間が長くなりやすいでしょう。一方、売出価格が低いと早く売れる可能性がありますが、損をしてしまうかもしれません。
そのため、マンションの売出価格は早さを重視するのか利益を重視するのかなど、戦略をもって決めることをおすすめします。
中古マンションが売れるまでの期間を短縮するコツ
中古マンションが売れるまでの期間を短縮したい場合は、どのような対策を講じればよいのでしょうか?中古マンションをより短期で売却する主なコツは次のとおりです。
- 適切な売出価格を設定する
- そのマンションの売却に強い不動産会社を選定する
- 2月から3月頃に売りに出す
- そのマンションのアピールポイントを十分に打ち出す
- 内見に積極的に対応する
- 競合物件が売りに出ていないタイミングで売りに出す
- 清掃や整理整頓を心がける
- 一般媒介契約を検討する
- 不動産買取を検討する
- 査定の依頼に「おうちクラベル」を活用する
適切な売出価格を設定する
中古マンションの売出価格を適正額に設定することで、より短期で売れる可能性が高くなります。また、むやみに値を下げることはおすすめできませんが、売却を急ぐべき事情がある場合は相場より低めの価格で売り出すことも1つの手です。
そのマンションの売却に強い不動産会社を選定する
その中古マンションの売却に強い不動産会社に依頼することで、よりスムーズによい条件で売れる可能性が高くなります。
しかし、どの不動産会社がそのマンションの売却に強いのか分からない場合も少なくないでしょう。その場合は、「おうちクラベル」のご利用がおすすめです。
複数の不動産会社による査定額や説明、担当者の対応などを比較することで、そのマンションの売却に強い不動産会社を見つけやすくなるでしょう。
2月から3月頃に売りに出す
中古マンションがもっとも売りやすいのは、引っ越しシーズンを控えた2月から3月頃であるといわれています。この時期は、新生活に備えて引っ越し先となるマンションの購入を検討する人が増えるためです。
そのため、売却をこの時期まで待てる場合は、2月から3月に合わせて売りに出すことも1つの方法でしょう。
そのマンションのアピールポイントを十分に打ち出す
築古のマンションや駅から遠いマンションは、一般的に売りづらいとされています。
しかし、このようなマンションでも、そのマンション購入ターゲットを念頭にアピールポイントを十分に打ち出すことができれば、早期に売却できる可能性が高まるでしょう。
内見に積極的に対応する
中古マンションが売れるまでの期間を短縮したい場合は、内見には積極的に対応することをおすすめします。内見に積極的に対応し丁寧に対応することで、買い手が安心して購入を決めやすくなるためです。
競合物件が売りに出ていないタイミングで売りに出す
近隣に競合物件が売りに出ていると比較され、マンションを売りづらくなる可能性があります。そのため、できるだけ競合物件が売りに出ていないタイミングで売り出すとよいでしょう。
清掃や整理整頓を心がける
内見時には、清掃や整理整頓を心がけましょう。なぜなら、引渡し前にはハウスクリーニングを入れることがわかっていても、乱雑で汚れた状態で内見を受け入れると買い手の購入意欲を削いでしまう可能性があるためです。
一般媒介契約を検討する
中古マンションがいわゆるブランドマンションである場合や築浅である場合など、比較的売りやすい物件の場合は、不動産会社との媒介契約を一般媒介契約とすることで、より早く売却できる可能性があるでしょう。なぜなら、複数の不動産会社へ同時に依頼できる一般媒介契約の場合、不動産会社同士に競争が生じやすく、他社よりも早く買い手を見つけようと販売活動に力を入れてくれる可能性があるためです。
一方で、築古のマンションや交通の便がよくないマンションでの場合、一般媒介契約とすることでむしろ売れるまでの期間が長くなるリスクがあります。なぜなら、これらのマンションは販売活動に手間がかかりやすいにもかかわらず、不動産会社が販売活動に尽力しても他社で売買契約が成立する(自社では仲介手数料が一切受け取れなくなる)可能性があるとなると、売却活動に力を入れなくなる可能性があるためです。
不動産買取を検討する
市場で売りにくい中古マンションの場合、不動産買取を選択することも1つの方法です。不動産買取とは、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう取引形態のことです。
不動産買取では、不動産会社が買い手を見つける必要がないため、売れるまでの期間が非常に短くなることがメリットです。また、市場で買い手が見つかりにくいマンションであっても買い取ってもらえる可能性があるでしょう。
一方で、買取価格は市場での売却の7割から8割程度の価格になることが一般的であることには注意が必要です。
査定の依頼に「おうちクラベル」を活用する
おうちクラベルは、一度の60秒入力で複数の不動産会社に査定を依頼できる不動産一括査定です。おうちクラベルを活用すると、自分で1社1社不動産会社を回って査定の依頼をする必要がなくなり、査定依頼にかかる期間を大きく短縮することができます。
また、おうちクラベルを活用してその中古マンションの売却に強い不動産会社と出会えると、効果的な販売活動をしてもらうことによって売却までがスムーズに進みやすいでしょう。
まとめ
レインズが公表するデータを参照すると、首都圏で中古マンションがレインズに登録されてから売れるまでの平均期間は71. 4日です。これにレインズ登録までの期間を加味すると、不動産会社への依頼から中古マンションが売れるまでの期間は3か月程度となるでしょう。
しかし、これはあくまでも平均であり、この期間が経過しても売れない場合も少なくありません。
中古マンションが売れるまでの期間を短縮するには、解説したようにさまざまな方法があります。中でも重要となるのは、売却を依頼する不動産会社の選定です。その中古マンションの売却に強い不動産会社に売却の依頼をすることで、そのマンションをより短くよい条件で売却できる可能性が高くなるためです。
そのマンションの売却に自信のある不動産会社をお探しの際は、「おうちクラベル」をご利用ください。
おうちクラベルは、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する不動産一括査定です。一度の入力で複数の優良な不動産会社に査定を依頼することが可能であり、査定額などを比較することでそのマンションの売却に強い不動産会社を見つけやすくなるでしょう。