マンションの売却査定の流れ|各査定方法のメリット・デメリットを解説!

マンションの売却を検討する場合は、まずマンションの価値を把握することから始めましょう。マンションの査定方法には大きく分けると「机上査定」と「訪問査定」があります。

ここではそれぞれのメリットやデメリット、実際査定を依頼した場合の流れを解説します。

またマンションの査定価格を決める8つのポイントや売却査定のコツを紹介します。

目次

1.査定方法は「机上査定」と「訪問査定」の2種類 

マンションの査定を依頼する場合、「机上査定」と「訪問査定」の2種類に大別することができます。

まずそれぞれの査定方法や実際の流れ、メリットとデメリットを解説します。注意点も紹介しますのでぜひ参考にしてください。

1-1.机上査定とは? 

実際にマンションを見ることなく、必要最低限の情報だけで査定を行う方法です。簡単に短時間で結果が出ることから「簡易査定」とも呼ばれます。

必要最低限の情報とはマンションの住所や広さ、部屋タイプ、築年数などです。同じマンション内で成約事例があればそのデータや、類似物件の成約事例などと比較し、査定額を算出します。

マンションは一戸建てや土地と違い、同じマンション内の物件や類似物件があるため、査定額を導きやすい特徴があります。

なかにはAI査定を行っている不動産会社もあります。マンションの成約事例や売り物件のデータベースから、必要事項を入力したその場で提示してくれます。

査定額は通常メールで送られてきます。査定額だけでなく、査定額を算出した際の計算式や類似物件の成約事例などのデータも記載されているので、近隣の相場も知ることができます。

1-1-1.机上査定のメリット 

机上査定のメリットは不動産会社がマンションを見ることなく査定をしてもらえるので、査定にかかる時間が短いという点です。訪問査定の場合は、聞き取りの時間も含めると通常1~2時間程度かかりますが、机上査定であれば必要項目の入力のみで、ネット査定の場合は数分程度で完結することも珍しくありません。非常に簡単で手軽に依頼することができます。

机上査定は早ければその日のうち、遅くとも2~3日ほどで査定結果をメールで受け取ることができます。とりあえず査定価格をすぐに知りたいという人や、忙しく時間がとれない人に向いている査定方法です。

1-1-2.机上査定のデメリットと注意点 

机上査定のデメリットは、提供したマンションの情報以外は査定価格に反映されないことです。リフォームしていることや、設備を入れ替えていることなどは査定価格に加味されず、一般的な相場から算出されます。

また内装の劣化や設備の故障なども査定価格に反映されていないため、実際の訪問査定をしてもらったときに価格の見直しがあるかもしれません。机上査定は売却するかどうかや、どこの不動産会社へ依頼するかの判断材料にするとよいでしょう。

注意点として、例えば一番高い査定額を提示した不動産会社へ実際依頼したとしても、必ずしもその価格で売却できるとは限らないということが挙げられます。なるべく机上査定は複数社に依頼し、平均値を参考にするようにしましょう。

1-2.訪問査定とは? 

訪問査定とはその文字通りマンションを訪問して、室内を確認して査定額を算出する査定方法です。

実際にマンションを見てみないと分からない内装の状態や、設備の不具合の有無などを確認するため、机上査定よりも正確な査定額が分かります。

机上査定を依頼した上で、実際に売却を依頼しようと検討している不動産会社数社に訪問査定を依頼するとよいでしょう。前にも触れていますが訪問査定は時間ががかかるため、ある程度依頼先を絞ぼることをおすすめします。

訪問査定の流れとしては、不動産会社に希望の日時を伝え訪問査定日を決めます。この日はクローゼットの中も確認されると思いますので、整理整頓しておくとよいでしょう。

室内の査定と聞き取り調査、打ち合わせに1~2時間程度かかります。その後通常1週間前後で査定書を受け取ることができます。

郵送やメールで受け取ることは可能ですが、できれば実際に会って担当者から説明を受けた方が査定額にも納得しやすいので、なるべく時間を確保するようにしたいものです。

1-2-1.訪問査定のメリット 

訪問査定は、実際に売却できる価格に近い査定額を知れるメリットがあります。一戸建てや土地と比べて、マンションは成約事例から査定額を算出しやすい物件ではありますが、やはり室内を見てみないと分からない部分があります。訪問査定は室内を見て査定できるので、より正確な査定額だといえます。

不動産会社はプロです。データだけでは判断できない「売りやすさ」を実際にマンションを見ることによって判断することができます。

1-2-2.訪問査定のデメリットと注意点 

訪問査定のデメリットは机上査定に比べて時間と手間がかかることです。訪問時に1~2時間かかる上に、正確な査定額を計算してもらうためにも必要書類をある程度用意しておく必要があります。

必要書類とはマンション購入時の平面図やパンフレット、売買契約書、重要事項説明書などです。用意できないと訪問査定してもらえないということではありませんが、用意しておきたい書類です。

また査定当日は室内をくまなく確認されます。実際に見せられない部屋が無いように片付けておきましょう。

注意点は査定書ができあがるまでに時間がかかることです。依頼した時から実際に査定書を手にするまで2週間以上かかる場合もあります。余裕をもって依頼するようにしましょう。

2.査定金額の求め方は「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3種類 

査定金額の求め方は「取引事例比較法」「原価法」「収益還元法」の3種類に大別できます。ここではそれぞれどのような方法なのか、そしてどのようなケースで使われることが多いのか解説します。またメリットとデメリット、注意点も紹介していきます。

2-1.取引事例比較法とは?

取引事例比較法とは、土地や中古マンションを査定する場合によく用いられる方法です。査定するマンションの近隣の類似する物件がいくらで売れているのか、成約事例を収集し、査定マンションと比較して査定額を算出します。

実際に算出する流れは以下の通りです。

  1. 近隣の類似するマンションの成約事例から平均単価(㎡)を割り出します。
  2. 査定マンションの専有面積に平均単価(㎡)を乗じます。
  3. 参考にしている近隣マンションの評価と査定マンションの評価を数値化し、調整します。

【査定額計算例】

  • 近隣マンションの成約事例から平均単価が48万円/㎡
  • 査定マンション75㎡の場合
  • 査定マンションの資産価値を100とした場合、査定マンションが105の場合

48㎡×1.05×75㎡=3,780万円

3,780万円が査定額となります。

マンションの所在階や向き、角部屋の有無、マンションのグレードなどを根拠に評価を数値化します。

取引事例比較法はマンションを査定するのに向いている査定方法であり、実際一般的に一番多く採用されている方法です。成約事例を参考に算出する為、実際売却できる価格に近い価格を算出できます。

デメリットとして、比較する成約事例が少ない場合、正確な価格を算出しづらいという点が挙げられます。

2-2.原価法とは? 

原価法とは、中古戸建の建物部分を計算する時によく使われる査定方法です。その建物を取り壊して再建築するのにかかる費用(再調達原価)を計算し、その再調達原価から築年数等に応じた価格を全体からマイナスして査定額を算出します。

計算式は、建物の再調達価格×延べ床面積×残存年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数です。

耐用年数は、建物の構造や用途によって異なり、住宅用の主な耐用年数と再調達価格の目安は下記の表の通りです。

建物の構造

耐用年数

再調達価格(目安)

木造

22年

10~16万円

軽量鉄骨造(厚さ3mm以下)

19年

10~17万円

軽量鉄骨造(厚さ3mm超4mm以下)

27年

10~17万円

SRC造・RC造

47年

16~20万円

【査定額計算例】

木造一戸建(築12年)

木造の耐用年数:22年

再調達価格:130,000円/1㎡

延べ床面積:100㎡

130,000×100㎡×(22年-12年)÷22=約590万円となります。

中古一戸建ての査定の場合は土地の査定額を取引事例比較法で算出し、その合計額から査定額を計算します。

原価法のメリットはあらかじめ設定されている再調達価格や耐用年数を掛け合わせて、誰でも簡単に計算できる点です。デメリットは建物の仕様やグレードは加味されていないため、老朽化や管理状況を加味しての調整が必要になるという点です。

注意点は画一的な計算式による査定のため、建物によっては査定額が価値よりも低くなる可能性があります。不動産会社に中古一戸建ての査定を依頼する場合は、建設時のコストや仕様を伝えてより正しい査定額になるようにしましょう。

2-3.収益還元法とは? 

収益還元法とは、投資用物件などを査定する場合に使用する査定方法です。査定物件が将来的にどのくらいの利益を生むのかという視点で査定します。その将来生み出すと予測される純利益と、現在の価値を総合した価格が評価額になります。

収益還元法には表面利回りから計算する「直接還元法」と、将来のリスクも加味して計算する「DCF法」があります。このDCF法は企業価値を求める際などにも利用されます。ここでは直接還元法について紹介します。

直接還元法では、1年間の純利益(収入から経費を差し引いた金額)を還元利回りで割って収益価格(査定価格)を算出します。

例えばマンション1室の場合、1年間の家賃収入から諸経費を差し引いたものが、1年間の純利益となります。

1年間の純利益÷還元利回り=査定物件の収益価格

毎月の家賃:7万円

年間の家賃収入:84万円(12カ月×7万円)

諸経費:20万円

純利益=84万円-20万円=64万円

この純利益に還元利回りをかけたものが、査定価格の収益価格になります。

純利益64万円

還元利回り:6%

※還元利回りは立地や築年数などによりますが、賃貸用物件は4~7%程度です。

収益価格=64万円÷6%=約1,067万円

収益還元法は収益物件に使われる査定方法です。一般的な住宅には利用しませんが、マンションを収益物件として売却する場合には参考になるでしょう。

デメリットとして、収益還元法は家賃収入をもとに算出するため、不動産価値と必ずしも一致しないことが挙げられます。

3.マンションの売却査定の流れ 

ここからはマンションの売却査定を依頼した場合の実際の流れを、ここでは6つのステップで紹介します。

  1. 査定の事前準備をする
  2. 複数の不動産会社に査定を依頼する
  3. 訪問査定を受ける
  4. 必要に応じてインスペクションを受ける
  5. 売却査定に必要な書類を提出する
  6. 査定結果の報告を受ける

3-1.①査定の事前準備をする 

実際に不動産会社へ査定を依頼する前に、近隣マンションの相場を確認しましょう。インターネットのポータルサイトや不動産情報誌、ポスティングチラシなどからおおよその相場を確認することができます。

売りに出ているマンションと比較し、自宅マンションの長所や短所を把握します。比較して見ていくうちに売却予想価格を想定することができるでしょう。

また権利書やリフォームの履歴、購入時の売買契約書やパンフレットなどを用意しておきます。不動産会社へ査定を依頼する時に必要になりますので、築年数や専有面積などの情報も確認しておきましょう。実際に査定依頼する時にスムーズに進めることができます。

3-2.②複数の不動産会社に査定を依頼する 

なるべく複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。まずはネットで机上査定を依頼することをおすすめします。

マンションの住所や面積、築年数などを入力すると、その場で査定価格が提示されるAI査定や、一度の入力で複数の不動産会社へ査定依頼できる不動産一括査定査定サイトなどがあります。ネットでの査定は早ければその日のうち、遅くとも2~3日で査定結果をメールで受け取ることができます。

マンションなど不動産の査定は無料で利用できるものが多くあります。上手く利用して情報収集をしましょう。

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3-3.③訪問査定を受ける 

ネットでの机上査定である程度査定価格が分かったところで、次は訪問査定を依頼します。机上査定はマンションを見ないで査定していますから、実際売却できる価格とズレがある場合があります。より正確な査定額を知るためにも訪問査定は必須です。

机上査定を受けた会社の中から3社程度に絞ります。希望の日時を伝え、訪問査定日を設定します。

当日は1~2時間、打ち合わせまですると3時間程度かかることもあるため、余裕を持ってスケジュールを確保しておくと安心です。

訪問査定では、実際に内装の状況や設備の有無などを確認します。クローゼットの中なども確認されますので、整理整頓しておきましょう。

3-4.④必要に応じてインスペクションを受ける 

インスペクションとは建物の設計や施行に精通した建築士などの専門家が、第三者の立場で住宅の劣化や欠陥の有無などを調査し、補修すべき箇所をアドバイスするものです。

必ずしも受ける必要はありませんが、売り出す前にインスペクションを受ければ、購入する人にとっては安心材料になるため、売却時にプラスに働き、アピールポイントにもなります。また住んでいても気が付かない不具合などを引渡し前に確認できれば、引き渡し後のトラブルを未然に防ぐことにつながるでしょう。

引き渡し後に、万が一大きな欠陥が発覚した場合には「契約不適合責任」に該当し、買主から補修や契約代金の減額請求をされる可能性や、損害賠償や契約解除に至ることもあります。

調査会社によって多少チェック項目が異なり、価格にも差異がありますが、中古マンションの場合は4.5万円~7万円が相場です。お互い安心するためにも、少しでも不安があれば事前にインスペクションを受けておくとよいでしょう。

3-5.⑤売却査定に必要な書類を提出する 

ネットでの机上査定では、簡単な情報の入力のみで査定を依頼できますが、訪問査定の場合

はより正確な査定額を算出するために、色々な書類が必要になります。全て揃わなくても査定は可能ですが、ある場合は販売活動から引き渡しまでがスムーズになります。

  • 登記済権利証・登記識別情報
  • 不動産売買契約書・重要事項説明書
  • 購入時の平面図やパンフレット
  • 住宅ローンの返済表
  • 修繕やリフォームの記録・領収書

例えば登記済権利証や登記識別情報はマンションを引き渡す時に必要になります。もし紛失してしまっている場合は、早めにその旨を伝えておきましょう。紛失しても引き渡しは可能ですが、再発行ができない書類のため、司法書士などに本人確認をしてもらう必要があります。

他にもリフォームや設備の入れ替えなどを行った場合は、正確な工事の内容が分かる資料も用意しておきましょう。

3-6.⑥査定結果の報告を受ける 

訪問査定の場合は結果が出るまでに1週間ほど時間がかかります。査定結果をメールや郵送で受け取ることは可能ですが、その不動産会社の強みや、担当者との相性を確認するためにも、ぜひ対面で説明を受けながら受け取ることをおすすめします。

査定額を算出するまでの根拠や、会社の販売実績なども含めて、どの不動産会社に依頼すべきか検討しましょう。

また査定額は大事ですが、他と比べて査定額が高いということだけで、売却を依頼する不動産会社を決めないようにしましょう。

4.マンションの査定価格を決める8つのポイント 

ここからはマンションの査定価格を決める8つのポイントを紹介します。査定価格の要素となる項目を把握しておけば、査定書を手にしたときにも客観的に妥当性を判断することができます。

4-1.過去の成約事例 

同じマンション内の成約事例や、近隣にある類似物件の成約事例から査定額を算出します。前半でも触れていますが、取引事例比較法で査定する場合は大事な情報になります。

同じマンション内の成約事例でも1年以上昔のデータであったり、近隣の類似マンションといってもまったく同じ価値とはいえません。

成約事例の㎡単価に専有面積をかけて査定額を出しますが、そこに調整を加えたものが査定額になります。

4-2.施工会社・販売会社 

施工会社や販売会社も大切なポイントです。施工会社や販売会社が大手である場合と、そうではない場合には査定価格にも開きが生じます。

販売実績が多い場合は信頼度につながり安心度が増します。また万が一過去に欠陥物件や不祥事などがあった場合には、査定価格にも影響します。

4-3.交通・立地条件 

マンションの周辺環境や生活に必要な施設へのアクセスの良さは、査定する上で重要なポイントになります。

生活や通勤・通学の利便性が高いエリアは人気があるため、結果的に資産価値も高くなります。

またファミリー向けのマンションの場合は、校区も重要なポイントになるでしょう。

4-4.住戸の位置 

マンションはその階数やバルコニーの向き、角部屋の有無などが査定価格に反映されます。

例えば、上層階はその高さに比例して眺望が良くなるため、高い階ほど販売価格や査定価格も高くなる傾向にあります。

またバルコニーの向きも重要で、陽当たりの観点から南向きが人気です。また西日を懸念する人は、東向きを希望する傾向にあります。

角部屋は陽当たりやその開放感に加えて、希少価値もあることからその分査定価格も高くなります。

このように、同じマンション内であっても住戸の位置によって査定額に差が生まれます。

4-5.間取り・広さ・設備 

専有面積が広ければ、その分査定額も高くなりますが、実はそれだけではありません。間取りも重要なポイントです。

3DKよりも、広いリビングを備えている2LDKや3LDKの方が人気があり、その需要の高さから査定額も高くなる傾向にあります。

また設備も重要で、例えばオートロックや宅配ボックスなどの人気設備があるマンションの方が査定額も高くなります。

4-6.維持管理状況・修繕履歴 

マンションは管理が命だといわれることもあり、維持管理の状況や修繕の履歴も重要なポイントです。実際売買契約時には、修繕積立金の積立額や大規模修繕の履歴や計画は、買主に対して必ず重要事項説明書で説明する項目でもあります。

また共有部分の清掃が行き届いていなかったり、枯れ木がそのままになっている状態は、意外と目につきます。管理がしっかりしていることは、資産価値の向上にもつながるといえます。

4-7.駐車場 

都内のマンションの場合、駐車場がないケースもありますが、エリアによってはマンションに駐車場があるかどうかは重要なポイントになるケースもあります。

また機械式なのか、平面なのかも査定額に影響する場合があります。機械式は車両の出し入れに時間がかかるため、平面駐車場の方が人気があります。

ただし査定は総合的に判断されるものなので、駐車場がないからといって査定額が低くなるというわけではありませんのでご安心ください。

4-8.各種証明書 

前にも触れていますが、例えばインスペクションを受けている場合や、マンションそのものが

耐震性が一定の基準を満たしているなど、買主が安心できる材料が揃っていれば、その分査定額にも反映されます。

インスペクションなどは、まだまだ実施している物件は少ないのが現状です。差別化という意味でも検討してみましょう。

5.正確な相場を知るためのマンション売却査定のコツ 

マンションの売却に慣れているという人はごく稀です。ここではマンションの売却査定に失敗しないためのコツを5つ紹介します。

少しでも高く売却し、売却後に後悔しないためにもぜひ実践してみてください。

5-1.ネット査定のみではなく、訪問査定やインスペクションを検討しよう 

ネット査定はおおよその価格を把握するためには非常に便利ですが、正確性では訪問査定に劣ります。

売却する前に必ず訪問査定を依頼して、より正確な査定額を出してもらいましょう。高すぎる机上査定を基に売出価格を決めてしまうと、売却までに時間がかかる可能性が高まります。また安すぎる場合は手にする金額が少なくなり、その分損をしてしまいます。

またインスペクションなども上手く利用して、アピールポイントを増やし、なるべく高く売却できるようにしましょう。

5-2.知っていることは隠さずに伝えよう 

知っていることはマイナスの情報だとしても、隠さずすべて伝えましょう。その分売却価格が下がったとしても、後々トラブルになったり、契約不適合責任を問われると、買主から補修や契約代金の減額請求をされる可能性を低くするためにも、知っていることはすべて正直に伝えることが大切です。

5-3.訪問査定を受ける際には室内をきれいにしておこう

訪問査定日は、できるだけ綺麗な状態にして臨みましょう。内装や水回りの見た目の印象は、査定額に反映されます。少しでも高い査定額を提示してもらいたい場合は、少し時間をかけてでも綺麗にしておくとプラスの評価につながるかもしれません。

また整理整頓されている部屋は印象がよくなります。なるべく目につくところだけでなく、クローゼットの中なども綺麗にしておきましょう。

実際内覧となった時にも綺麗な方が購入希望者の印象がよくなるため、訪問査定の時から綺麗にしておく方が焦らずに済みます。また最終的には引き渡すことになるので、いらないものを処分しておけば、引越しの時も楽になります。

5-4.大手や地元業者など複数社の査定を受けよう 

訪問査定は、机上査定と比べて時間も労力もかかりますが、複数社に依頼するようにしましょう。

不動産会社によって特色や強みが異なりますし、マンションの個性によって向いている不動産会社が異なる可能性もあります。大手だからといって高く売却できるというわけではありませんし、地元業者の方が潜在的な購入希望者を多く保有している可能性もあります。

なるべく高く、早く売却するためにも、まずは複数のカラーが異なる不動産会社に査定を依頼し、実際話を聞き、相性や熱意、査定額の根拠の確かさなどから判断するようにしましょう。

そのうえで売買仲介の依頼先は1社に絞ることも可能ですし、2社に依頼することも可能です。どちらの場合も売却が決まった際に支払う仲介手数料は契約を成立させた1社のみなので、2社に依頼したからといって仲介手数料が2倍かかることはありません。

5-5.査定は売却の直前に依頼しよう 

査定から時間が経つと相場も変化するため、必ず売却の直前に査定を依頼しましょう。もし査定をしてもらったものの、売却するまでに時間が経ってしまった場合は、再度査定を依頼します。

その場合も複数社に依頼しましょう。また近隣マンションの成約事例を確認することにより、相場の変化も確認することができます。

また依頼しようとしていた不動産会社や担当者も変化している場合もあり、再度依頼先を再検討する必要もあるでしょう。

6.売却査定を依頼する不動産会社選びのポイント

マンションの売却が上手くいくかどうかは、依頼する不動産会社にかかっているといっても

過言ではありません。しかし何を基準にしたらよいのでしょうか。

ここからは不動産会社を上手に選ぶためのポイント5つを紹介します。

6-1.①エリアを熟知している

マンションが所在するエリアを熟知している不動産会社を選びましょう。エリアの動向や相場、需要などが把握できていなければ、正確な査定額は出せません。またエリアを熟知していることで、マンションの購入希望者となり得るターゲットの設定が的確に行え、効率的に広告が打てるなど、早期売却できる可能性も高くなります。

6-2.②査定額の根拠が確かである

査定額の根拠が明確であることは、査定額の正確性の裏付けにもなります。

6-3.③売却実績が豊富

売却実績が豊富であることは、売却についてしっかりとしたノウハウがあり、営業方法が確立されていると想像できます。

6-4.④担当者との相性がよい、または信頼できる

そもそも担当者と相性が悪いと、上手くいくことも上手くいかないでしょう。相性は大事なポイントです。また信頼できるかどうかも重要です。

6-5.⑤レスポンスが早い

レスポンスの早さは担当者の誠実性や熱量を測る指標になります。依頼したことに対してや折り返しの連絡が遅い担当者は、仕事の進め方もスムーズで好機を逃しかねません。レスポンスが早い会社を選ぶことで契約までの流れもスムーズに進めるでしょう。

7.不動産査定に関するよくある質問

不動産査定について、いまさら聞けないよくある質問についてお答えします。

7-1.不動産査定はなぜ無料なのか?

無料と聞くと心配になる人も少なくないでしょう。そもそも不動産会社が受け取れる報酬は、成功報酬である仲介手数料です。成約しなければ、仲介手数料は受け取ることができません。

査定は媒介契約を結び、売却する物件を増やすための種まきのようなものです。多くの物件を預かるためにも、無料で査定をしているのです。ですから安心して無料査定依頼をしてください。

7-2.不動産査定にかかる時間は?

例えばAI査定はその場で結果が出るケースが多く、必要なデータの入力に数分程度で、サイトにもよりますが、結果は数分から数十分で出ます。

ネットから依頼する不動産一括査定サイトでは、不動産会社にもよりますが早ければ2、3日、遅くとも1週間ほどでメールで査定結果が送られてきます。

訪問査定の場合、実際マンションを見て査定をしますが、1~2時間程度かかります。その場で打ち合わせとなった場合や、必要書類まで確認する場合は2~3時間かかる場合もあります。余裕を持って査定日を設定をしましょう。

8.不動産一括査定サイトを利用して複数社に査定を依頼しよう

まずはネットから、マンションの査定を複数社に依頼してみましょう。そしてマンションの価値を知るところから始めます。

複数の不動産会社へ査定を依頼する場合は、ネットから不動産一括査定サイトが便利です。一度の入力で、複数社へ査定が依頼できます。

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この記事の監修者

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