中古マンションを高く査定してもらうためには、査定までの流れやポイントを把握しておくことが大切です。
「中古マンションを査定するまでの準備や流れが分からない」「マンション査定に影響するポイントを知りたい」という方は多いのではないでしょうか。
マンション査定を依頼する前に自分自身で相場を調べて準備をした上で、複数の不動産会社に査定依頼をかけることが重要です。本記事では、中古マンションの査定に関して詳しく解説します。
査定時の注意点やなるべく高く査定されるためのコツも解説しているので、中古マンションの査定を検討している方は最後まで読み進めてみてください。
1.中古マンション査定の流れ【事前準備】
まずは、中古マンションを査定してもらう際の事前準備を確認しておきましょう。
事前準備の流れは以下の通りです。
- マンションのポジティブな情報をまとめる
- マンションの相場をリサーチする
- 査定に向けた掃除・片付けをする
- 住宅ローンの残債を調べる
- 必要な書類を揃える
それぞれ詳しく解説します。
1-1.マンションのポジティブな情報をまとめる
マンションの査定を依頼する前には、売却するマンションの情報をまとめておくことが大切です。
マンションの情報は築年数や間取りといった、物件の資料から得られる情報だけではありません。
その場所に実際に住んでみないとわからないマンションの特徴や、メリットを伝えることで査定結果に影響する場合もあります。
例えば、以下のような情報です。
- リフォーム履歴
- 眺望や日当たり
- 周辺環境や交通状況
- 近隣の状況 など
これらをメモに書き出してまとめておくと、査定の際に担当者へ伝えやすいでしょう。
また、マンションは自身の部屋になる専有部とエントランスやエレベーターなどの共有部に分かれるので、それぞれで整理しておくのがおすすめです。
1-2.マンションの相場をリサーチする
マンションの査定額の算出は、不動産会社が行います。ですが、自身で相場を把握しておくことで、不動産会社から提示された査定額の根拠を聞く際にも役立ちます。
自身でリサーチする方法は、以下の3つです。
リサーチ方法 | 特徴 |
・国土交通大臣が指定する指定流通機構が運営・管理をしている ・直近1年間の成約価格を把握できる ・地域や最寄り駅、専有面積など条件を細かく絞って調べられる | |
・国土交通省が管理するサイト ・取引価格だけではなく、地価公示や都道府県地価調査の価格を調べられる ・土地や不動産を購入した人へのアンケートをもとにしている ・5年前までさかのぼって取引相場を確認できる | |
不動産ポータルサイト | ・SUUMOやアットホームといった、さまざまな不動産会社が所有・管理する不動産を多数掲載しているサイトのこと ・現在の販売価格を確認できる |
これら3つの方法を活用して、過去の成約事例と現在の販売中の類似した中古マンションを調べてみましょう。
1-3.査定に向けた掃除・片付けをする
清掃の有無が査定結果に影響を与えるわけではありませんが、不動産会社が自宅を確認しやすいように最低限の掃除・片付けをしておきましょう。
また、販売開始後には購入検討者の内覧を行います。その際に家の中が散らかっていたり、汚れていたりすると購入検討者に悪い印象を与える原因になります。
内覧予約が入っても慌てないように、査定前から少しずつ掃除・片付けを始めて、自宅をキレイにしておくのがおすすめです。
1-4.住宅ローンの残債を調べる
査定を行う前には、必ず住宅ローンの残債を確認しておきましょう。
住宅ローンが残っていると、抵当権が設定された状態になっており、マンションを他人に売却できません。
ですので、住宅ローンが残っている場合には、残りの金額を把握して一括返済するための計画を立てる必要があります。
残債額が高額な場合には、マンションの売却益をもとに返済を考える必要があるので、住宅ローンの残債が販売価格を設定する際の目安にもなります。
住宅ローンの残債を確認するには、融資を受けた金融機関に問い合わせをして、「一括返済する場合に残りがいくらになるか」を確認してみましょう。
1-5.必要な書類を揃える
不動産会社がより正確な査定額を算出するために、用意しておくべき書類があります。
必要な書類は以下の7つです。
必要書類 | 内容 |
登記簿謄本(登記事項証明書) | ・マンションの新築年月日や種類、構造が記載されている書類のこと ・紛失している場合には、最寄りの法務局で取得するか、不動産会社に依頼できる |
購入時の売買契約書やパンフレット | ・マンション購入時の売買契約書やパンフレットは、査定額を算出するための参考になる ・不動産会社が広告を打ち出す際に間取りを作成するのに役立つ ・紛失している場合には、購入した不動産会社に問い合わせると、コピーをもらえる可能性がある |
マンションの維持費の確認書類 | ・マンションの管理費と修繕積立金の金額が記載された書類のこと ・管理費や修繕積立金、滞納履歴が査定額に影響する ・売主と買主で分担する精算金の計算でも必要になる |
管理規約、長期修繕計画書 | ・販売する際の広告の打ち出しで役立つ ・購入希望者の判断材料になり、買主が見つかった際の契約時の内容に盛り込む必要がある |
リフォーム時の契約書 | ・リフォーム履歴は査定額に影響するため、過去にリフォームを実施している場合は、見積書や契約書を用意しておく ・書類がない場合には、リフォーム箇所や時期などを査定時に伝える |
住宅ローンの返済予定表、残高証明書 | ・住宅ローンが残っているとマンションを売却できないため、残債を確認できる書類を用意する ・手元にない場合には、金融機関に用意してもらう |
本人確認書類 | ・不動産の査定時に、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要 |
急に準備できないものもあるので、早めに探して集めておきましょう。
2.中古マンションの査定の流れ【不動産会社探し〜査定】
事前準備ができた後は、不動産会社を探してマンションの査定を依頼します。
不動産会社探しから査定までの流れは以下の通りです。
- すぐに概算相場を確認したい場合は「AI査定・自動シュミレーション」
- 査定を依頼する不動産会社を探す
- 机上査定を行う
- 訪問査定を行う
- 査定結果を確認し依頼先を決める
それぞれ詳しく解説します。
2-1.すぐに概算相場を確認したい場合は「AI査定・自動シュミレーション」
不動産査定では、まずは不動産会社に簡易査定を依頼して、実際に物件を確認する訪問査定という流れが一般的です。
ですが、日程調整や査定完了までに時間がかかってしまいます。
そこで、素早く概算の査定額を知りたい場合には「AI査定・自動シュミレーション」がおすすめです。不動産のAI査定では、不動産専用に開発されたAI(人工知能)を用いて、査定結果を導き出します。
AIが過去の不動産売買のデータから類似物件の取引を照合・比較するので、短時間で不動産価格を算出可能です。
具体的には以下のようなデータをもとに、査定額を算出します。
- 所在地
- 築年数
- 間取り
- 面積
- 構造
- 最寄り駅までの距離 など
不動産のAI査定は短時間で査定額を算出してくれるので、とりあえず相場を知りたいという人におすすめです。
2-2.査定を依頼する不動産会社を探す
不動産を売却する際は、どれくらいの金額で販売できるかを確認するため、不動産会社に査定依頼をする必要があります。
とはいえ、不動産売却が初めての方には、どの不動産会社に依頼をしたらよいのか判断するのは難しいものです。
不動産会社の公式ホームページなどを閲覧してリサーチする方法もありますが、複数の会社に査定依頼をする場合には非効率でしょう。
そこでおすすめなのが「不動産一括査定サイト」の活用です。
不動産一括査定サイトとは、査定したい物件の簡単な情報を入力するだけで、無料で複数の不動産会社に査定をしてもらえるサイトのことです。時間や手間をかけずに、優良会社に出会える可能性が高まります。
また、「おうちクラベル」の不動産一括査定サイトは、ソニーグループの関連会社が運営しており安心してご利用いただけます。
さらに、AI査定を取り入れているため、複数の不動産会社に査定依頼をしている間に、AIによる高精度な査定額を確認できます。
マンションの査定を検討されている方は「おうちクラベル」の一括査定をぜひご利用ください。
財産の分配が目的なら不動産鑑定士に依頼する
相続や離婚などで財産を配分する場合は、不動産鑑定士に依頼する必要があります。
不動産鑑定士への査定依頼は費用が発生しますが、鑑定評価基準に基づいて査定額を決めるためより公平な金額を算出可能です。
不動産会社の査定でも、財産を分配する際の参考にできますが、依頼する会社によって金額が変わるため注意が必要です。
ですので、財産の分配者それぞれで不動産会社に査定依頼をすると、不動産会社同士で金額に差が出てトラブルの原因になる可能性があります。
金額差が出づらくトラブルにもなりづらいことを考えると、一定の基準で査定を行う不動産鑑定士への依頼がおすすめです。
2-3.机上査定を行う
机上査定とは、実際に物件を確認せずに物件の情報と過去のデータに基づいて、大まかな査定額を算出する方法です。簡易査定とも呼ばれます。
一括査定サイトなどのインターネット上で情報を入力するだけで依頼でき、短時間で査定結果を算出できるのが特徴です。
机上査定で参考にするデータは主に以下の通りです。
- 過去の成約価格
- 販売中の類似物件
- 路線価や固定資産税評価額
- 景気動向 など
このようなデータを用いて査定額を算出した後に、現地を確認してより正確な査定額を算出するのが査定の一般的な流れです。
2-4.訪問査定を行う
訪問査定とは、不動産会社が実際に現地調査を行い、より正確な査定額を算出する査定方法です。
現地調査では、マンションの状態やお部屋の間取り、周辺環境などを細かくチェックします。たとえ、間取りや立地条件が同じ物件でも、室内の状態やマンションの管理状況などによって査定額が異なります。
そのため、実際に売却活動を行う前には訪問査定が必要です。
机上査定と比べると、日程の調整や立ち会いなどに時間がかかりますが、より正確な査定額を算出するために必ず依頼しましょう。
2-5.査定結果を確認し依頼先を決める
複数の不動産会社に査定を依頼した場合には、査定結果を比較検討し、販売を任せる会社を選びます。
依頼先を決定する際は、査定額の高さだけを考慮しないようにしましょう。高い金額で販売しても売れるとは限りませんし、値引き交渉を受ける場合もあります。
特に中古マンションの売却は依頼する不動産会社により成果が変わるため、売却するマンションとの相性や担当者の信頼性を加味して慎重に検討します。
そのため、訪問査定の結果を確認する際に以下の内容を質問してみましょう。
- 査定の根拠
- 集客方法(チラシ配布、ネット掲載、店頭掲載など)
- 見込み客の有無
- 中古マンションの売却実績
仲介を依頼する不動産会社によって、売却までの期間などの成果も変わるので、焦らず慎重に決めましょう。
3.中古マンション査定額の算出方法
中古マンションの査定額の算出方法は、以下の3種類です。
- 原価法
- 取引事例比較法
- 収益還元法
計算自体は、不動産会社の担当者や不動産鑑定士が行うので、大まかにどのような方法があるのかを確認してみてください。
3-1.原価法
原価法とは、対象の不動産を取り壊して新たに取得した場合の価格(再調達原価)をもとに試算価格を算出する方法です。
計算式は以下の通りです。
再調達原価 − 減価修正 = 試算価格
減価修正とは、建物設備が老朽化している部分の価格を指します。
原価法は、建物を一1度取り壊して建て替えることを仮定するため、立て替えることが少ないマンションではあまり活用されない方法です。
3-2.取引事例比較法
取引事例比較法とは、対象物件と条件の近い物件の取引事例を多く集め、それらの事例と対象物件を比べることで試算価格を算出する方法で
す。
マンションの査定で活用されることが多く、レインズマーケットインフォメーションや自社の成約データを基に算出します。
具体的な計算式は以下の通りです。
事例知の単価(円/㎡)× 建物面積(㎡)× 補正率
具体的に比較する際には、以下のようなポイントを参考にします。
- 近隣地域にある物件、または近隣地域と同じような特性をもった地域にある物件
- 築年数
- 建物の階数
- 方位
- 間取り
- 専有部の面積
- 分譲している会社
注意点は、なるべく多くの新しい情報を集めないと正確な査定額を算出できないことです。
3-3.収益還元法
収益還元方法とは「対象物件を貸し出した際にどれくらいの投資利益が発生するか」をもとに、試算価格を算出する方法です。
具体的な計算式は以下の通りです。
1年間の純利益(年間の収入 − 年間の諸経費)÷ 還元利回り
年間の収入とは賃料のことを指し、諸経費は管理費用や固定資産税などの支払いのことを指します。住居用のマンションで活用されることは少ないですが、市場において不動産の取引価格の上昇が著しいときに活用する場合もあります。
4.中古マンションの査定額に影響する11のポイント
中古マンションの査定額に影響するポイントは、以下の11項目です。査定額を確認する際の参考にしてみてください。
- 築年数
- 部屋の間取・広さ
- 室内・設備の状態
- 階数・方角
- 耐震性
- 共用部の充実度
- 全体の管理状態
- 修理費の修繕積立金の状況
- 販売・施工会社
- 立地
- 駐車場
それぞれ詳しく解説します。
※本記事では、中古マンションの査定額のポイントを、公益財団法人不動産流通推進センターの「価格査定マニュアル」を参考にしております。
4-1.築年数
日本の建物は新築時が一番価値が高く、年月が経つに連れて徐々に価値が下がる傾向にあるため、マンションの築年数も査定額に大きく影響します。
以下のグラフは、中古マンションの築年数と建物の価値を表したものです。
参考:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)|東日本不動産流通機構
このグラフからも分かるように、築1年〜10年ごろまでの値下がり幅が大きく、それ以降もおよそ築30年まで価値が下がっていきます。
しかし、マンションの査定価格は周辺相場を基準にすることが基本であるため、周辺の相場が上昇すれば築年数が古くても査定価格が高くなる可能性があります。
4-2.部屋の間取・広さ
1㎡あたりの価格を算出し専有面積をかけるため、部屋の広さは査定額への影響が大きくなります。
しかし、専有面積が大きいほど1㎡あたりの単価が低くなる傾向にあるため、面積が倍になったからといって査定額が倍になるわけではありません。
また、エリアの需要も専有面積に対する価格に影響します。
例えば、ファミリーが多いエリアであれば、家族と過ごすリビング部分が大きかったり、子供部屋が求められたりと、専有面積の広い中古マンションの査定額が高くなる傾向にあります。
このようなことから、部屋の間取りや広さは査定の際に重要なポイントになります。
4-3.室内・設備の状態
室内と設備に関しては、買主のリフォームを前提に考えるか考えないかで変わります。
マンションの築年数が浅く、設備や内装がそのまま使える状態であれば査定価格に反映されます。しかし、築年数が古く買主がリフォームすることを前提としていたら、たとえ状態の悪い箇所があっても査定価格にそれほど影響しません。
注意点は、付帯設備と呼ばれる柱や壁以外のマンションの部屋に備え付けられた設備に関してです。付帯設備の不具合は、買主への報告義務があるため把握しておきましょう。
付帯設備の一例が以下の内容です。
- エアコン
- 給湯器
- キッチン設備
- 浴室設備
- トイレ
- 換気システム
- インターホン など
訪問査定の際に担当者に報告して、修理すべきか指示を仰ぐようにしましょう。
4-4.階数・方角
一般的に階数が高いほど、査定価格が高くなります。
「価格査定マニュアル」では、3階を基準にして1階高くなるほどに評価も上がると記載されています。
高い階ほど査定額が上がる理由は、日当たりや眺望に有利だからです。
バルコニーが面している方角も査定価格に影響します。太陽は東から登り南を通過して西に沈むので、北側にバルコニーがあるよりも南側にある方が評価は高くなります。また南と東の2方向に面している角部屋はさらにプラス査定になります。
階数や方角に関わらず「富士山が見える」「スカイツリーが望める」といった特徴があれば、不動産会社にアピールすることで査定価格に影響する場合もあります。
4-5.耐震性
耐震性とは、主に耐震基準が変わった1981年6月1日以降のマンションかどうかということです。
1981年6月1日以降に建築されているマンションは、耐震基準に関する法律が新しくなり安全性が向上しています。新耐震基準では、震度7の地震に対しても倒壊しない水準で建築されているので安全性が高いです。
旧耐震基準の場合は、査定額が低くなる傾向にあります。
4-6.共用部の充実度
共用部とは、入り口のセキュリティやエントランスフロアのグレード、キッズルームの併設など、住居スペース以外の部分を指します。
オートロックや高いセキュリティシステムがあるなどのグレードの高いエントランスを備えていると、プラス査定になる可能性が高いです。
さらに、駅に直結していたりフィットネスルームやラウンジ、キッズルームなどの共用施設が充実していたりすると査定額に影響します。
「価格査定マニュアル」内でも、エントランスのセキュリティや共用施設の有無が評価に影響すると記載されています。
4-7.全体の管理状態
マンション全体の管理に関しても、評価のポイントとなります。
例えば、以下のような点です。
- エレベーターや廊下、エントランス回りの清掃が行われているか
- ゴミ置き場が片付いているか
- 自転車・バイクがきちんと駐輪してあるか
このような共用部分の保守・清掃が行き届いているかが評価の対象です。
また、マンションの管理を管理会社に委託している場合は、管理体制もチェックポイントの対象となります。「価格査定マニュアル」では、土日を除く週3日間は管理員が勤務するのが標準と記載されています。
そのため、管理員のいない状態が多いマンションほど、査定の評価が下がる傾向にあります。
4-8.修理費や修繕積立金の状況
マンションを所有すると必要になる、修理費や修繕積立金の状況も査定額に影響する要素です。
修繕積立金の負担額が大きいほど評価がマイナスになり、負担額が小さいほどプラス評価になります。修繕積立金の負担額は、近隣同種のマンションと比較します。
また修繕積立金は、共用部分やマンションの外壁などを修繕するための資金なので、修繕の履歴や計画も重要なポイントの1つです。
「価格査定マニュアル」のなかには、適切な長期修繕計画の有無に関する項目があり、査定額の評価に影響しています。
4-9.販売・施工会社
マンションの販売会社や施工会社が大手の企業や大手ゼネコンなどの場合には、査定額がプラスになる可能性があります。
その理由は、買主の安心感につながり販売しやすくなるからです。反対に過去に問題が起こっている会社は、査定の際にマイナス評価になることもあります。
マンションの売主は、売買契約書で確認してみましょう。
4-10.立地
立地もマンションの査定において、重要なポイントになります。
立地のなかでもいくつかの項目がありますが、もっとも査定額に影響する要素は「駅からの距離」です。最寄駅からマンションまでの距離を「徒歩何分」で換算して、距離が短いほど査定価格が高くなります。
「価格査定マニュアル」によると、駅から徒歩1分のマンションが最も評価が高く、徒歩7分以上になるとマイナス評価です。また、学校や商店、病院、銀行などの周辺施設といった、生活圏内の利便性も含まれています。
4-11.駐車場
駐車場は、「価格査定マニュアル」内では評価対象にされていませんが、駐車場の仕様や駐車可能台数が査定に影響する可能性は高いです。
駐車場はマンションの敷地内にあることと、住戸数に対しての駐車場の充足率が高いと、査定価格が高くなる傾向にあります。
また、駐車場代が賃貸なのか分譲なのかも重要なポイントです。毎月駐車場代を支払わなければならない賃貸よりも、マンション費用に含まれている分譲の方が査定額が高くなる傾向にあります。
5.中古マンション査定時の注意点
中古マンションの査定時の注意点は以下の4つです。
- 査定額=売却額ではないことを確認しておく
- 査定前にリフォームしない
- 査定段階で瑕疵は伝えておく
- 査定結果について質問する
それぞれ詳しく解説します。
5-1.査定額=売却額ではないことを確認しておく
注意点の1つ目は、査定額と売却額はイコールにならないということです。
査定額とは、あくまでも不動産会社が「このくらいの価格で売れるだろう」と予測する価格のことです。不動産会社の査定額をもとに売主が売り出し価格を決めて、購入希望者と売却価格の交渉をして販売価格が決定します。
ですので、査定額が高いからといって、必ずしもその価格で売れるとは限りません。
本当に売れる価格を確かめるためにも、複数の不動産会社へ査定依頼するようにしましょう。
5-2.査定前にリフォームしない
注意点の2つ目は、査定前に自己判断でリフォームをしないことです。
リフォームをすることで、内観がキレイになり購入検討者に対していい印象を与えられますが、必ずしも高く売れるとは限りません。リフォームによって売主の好みが強くでてしまい、売れづらくなるケースもあります。
結果として、リフォーム費用を回収できず損をしてしまう可能性もあります。
中古マンションの購入を検討している人のなかには、自身でリフォームすることを希望している人も多いので、査定前のリフォームは控えるようにしましょう。
リフォームに関しては、販売を依頼する不動産会社に相談をして、必要な部分だけリフォームするのが安全です。
5-3.査定段階で瑕疵は伝えておく
注意点の3つ目は、査定段階で住宅内の不具合がある部分を伝えておくことです。
瑕疵とはキズや設備の不具合といった物理的な内容から、殺人事件が起きたなどの心理的な欠陥も指します。瑕疵があることを知っていながら、不動産会社や買主に伝えない場合は、「契約不適合責任」に違反します。
違反した場合には、以下のようなリスクがあります。
- 瑕疵の修繕
- 減額請求
- 損害賠償請求
- 契約解除 など
査定の前には、自宅のデメリットとなりそうな箇所に関して確認し、必ず伝えるようにしましょう。
5-4.査定結果について質問する
注意点の4つ目は、査定結果について質問をすることです。
不動産会社が提示する査定結果には、必ず根拠があります。根拠を確認することで、自宅のどの部分がどのように評価されているかを確認でき、マンションの強みと弱みを把握できます。
また、自身で事前に相場を調べていたら、相場との差異があった時に何が査定に影響しているのかを確認できるでしょう。
複数社に査定依頼をした場合には、不動産会社によって査定額が異なる場合もあるので、それぞれの会社で査定の根拠を確認することが重要です。
このように査定結果の根拠を確認することで、売り出し価格の設定に役立てられたり、購入希望者からの無理な値下げ交渉も断りやすくなったりします。
6.中古マンションが高く査定されるためのコツ
中古マンションが高く査定されるためのコツは、以下の2つです。
- 最適なタイミングで依頼する
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
それぞれ詳しく解説します。
6-1.最適なタイミングで依頼する
同じ物件であっても、査定するタイミングによって価格が異なるケースがあります。
最適なタイミングを見極めるコツは、中古物件の需要が高まるタイミングを逃さないことです。
不動産の需要が高まるのは、主に以下の2つのタイミングです。
- 1〜3月
- 8〜11月
進学や転校といった新生活に向けて動きだす時期や、会社の人事異動の時期に合わせて住宅の購入を検討する人が増えてきます。
ただし、上記のタイミングでマンションの売却をするには、販売開始の時期から逆算して査定を行うことが大切です。机上査定から販売開始までは早くて1ヶ月ほどかかるので、タイミングを逆算して早めに動き出しましょう。
6-2.複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産売却では、複数の不動産会社に査定依頼することが大切です。
不動産会社によって査定方法や知識・経験、得意分野が異なるため、査定価格に大きな差が出る場合も少なくありません。ときには数百万円以上の差が出ることもあるため、複数の不動産会社に依頼しましょう。
査定自体には費用が発生しないため、複数社に依頼して、その上で価格への納得感や信頼感を持てる会社と媒介契約を締結することをおすすめします。
とはいえ「複数の不動産会社に依頼するにしても、どうやって探したらいいのだろうか?」「たくさんの不動産会社に訪問するだけの時間がない」と悩む方もいるのではないでしょうか。
そこでおすすめするのが「不動産一括査定サイト」です。不動産一括査定サイトであれば、インターネット上で数項目を入力するだけで、複数の不動産会社へ査定依頼が可能です。
また「おうちクラベル」は、ソニーグループの関連会社が運営する不動産一括査定サイトで、各不動産会社の査定額だけではなくAI査定を使うことで最高価格を導き出します。
不動産一括査定サイトを活用して効率よく査定を進め、相性のよい信頼できる不動産会社を見つけたい方は、「おうちクラベル」を利用してみてください。
7.中古マンションを安心して売却できる不動産会社の特徴・選び方
中古マンションを安心して売却できる不動産会社の特徴は、以下の3つです。
- 中古マンションの販売実績が多く、具体的な販売戦略を提案してくれるか
- 担当者が親身になって対応してくれるか
- 客観的な口コミや評判があるか
不動産会社といっても、土地や戸建ての売買が得意な会社や都内のマンションに強い会社などさまざまです。
そのため、中古マンションの売却をしたい場合には、中古マンションの売買実績が多い会社を選びましょう。中古マンションの販売に慣れている会社であれば、具体的な販売戦略を提案してくれる可能性が高く安心できます。
不動産会社の販売実績は、各社の公式ホームページで確認します。販売戦略は需要や価格の動向に精通しており、根拠のある価格設定や売り出し方の提案をしてくれるところに注目してみましょう。
また、不動産売買は短期間で簡単に終わるものではなく、およそ3〜6ヶ月と長期間に渡って、不動産会社に任せることになります。そのため、売主の話を親身になって聞いてくれたり、要望に対して誠意を持って応えてくれたりと、信頼が持てる担当者に依頼することが重要です。
インターネット上に客観的な口コミや評判がある場合には、判断基準の1つにできるので参考にしましょう。
マイナス要素がないかよく確認し、運営体制など本質的な部分に問題がないか把握することが安心して依頼できる不動産会社を探すポイントです。
8.中古マンションの査定はポイントを押さえ事前準備から始める
本記事では、中古マンション査定の流れや査定に影響するポイント、査定時の注意点などを解説しました。
中古マンションの査定を不動産会社に依頼する前には、自身でマンションの情報をまとめたり、相場をリサーチしたりしておくことが大切です。
また、不動産会社に査定依頼をする際には、不動産一括査定サイトの「おうちクラベル」を活用してみてください。
「おうちクラベル」は、ソニーグループの関連企業が運営しているため安心感があり、AI査定を取り入れているので、不動産会社からの査定が届く前に素早く相場を確認できます。
簡単な入力作業で査定を開始できるので、ぜひこの機会に利用してみてください。