マンションを売るか貸すかどちらがお得?メリットやデメリットを解説

会社の転勤や退職など何らかの理由でマンションを手放すことになり、売るべきか貸すべきか迷う場合もあるでしょう。住宅ローンが残っている、あるいは再度居住する予定がある場合などの状況によって、売却と賃貸でそれぞれメリット・デメリットがあります。

後々後悔がないようにリスクもふまえて判断することが大切です。この記事では、マンションを売るか買うかどちらがお得か、メリット・デメリットを交えて紹介します。

目次

1. マンションを売るか貸すかの判断基準

マンションを売るか貸すか迷っている場合、次の3つの判断基準で検討しましょう。再び住む予定があるかどうか、住宅ローン残高があるかどうか、マンションを管理する手間や資金があるかどうかという3つの判断基準についてそれぞれについて詳しく解説します。

1-1.再び住む予定

マンションを売るか貸すかを判断する場合には、マンションに再び住む予定があるかどうかで判断します。

再び住む予定がある場合は、賃貸にするほうがよいでしょう。マンションを売却してしまうと再び買い戻せる保証はありません。

家族で長い時間を過ごした思い入れがある家のため、手放したくないという人も少なくないでしょう。売却することによって2度と暮らせなくなる可能性があるため、賃貸をおすすめします。

再び住む予定がなければ、賃貸と売却どちらが自分の状況に合っているのかを考慮して検討しましょう。

マンションを売却するには、不動産会社に仲介を依頼して売却する方法や不動産会社にマンションを買い取ってもらう方法があります。

前者は一般的な売却方法です。仲介手数料は発生しますが、相場どおりか相場よりも高い値段で売却できる可能性があります。

一方、不動産会社の買取はある程度の価格が決まっており、相場より安く買取される場合もあります。売却期間を短くしたい場合などに依頼するのが一般的です。

1-2. 住宅ローン残高

住宅ローンが残っている場合は売却を検討しましょう。マンションの購入用に組んだ住宅ローンが残っている場合は、原則、賃貸にはできません。

住宅ローンは本人や家族が居住することを目的とした融資です。契約で定められた用途を勝手に変えて賃貸にすると契約違反となります。

住宅ローン残高がある場合、売却によって住宅ローン残債を返済することが一般的です。

ただし、住宅ローンの融資条件によっては賃貸が認められるという例外もあります。

例えば、住宅金融支援機構の「フラット35」は、転勤などやむをえない事情がある場合にかぎり、一定期間だけ賃貸にすることを認めています。また、金融機関によっては現行契約の内容を見直して、賃貸に切り替えられる場合もあります。

住宅ローン残高がある場合は、マンションを貸し出せない場合がある点を覚えておきましょう。

1-3.マンションを管理する手間や資金の有無

マンションを管理する手間や資金がある場合は賃貸、ない場合は売却を検討しましょう。マンションを賃貸するには、管理する手間や費用がかかります。家庭を持ち、なおかつ働きながらマンションを管理するのは難しいでしょう。

マンションを貸している間は、設備のメンテナンスが必要だったり、管理組合への参加に時間を取られたりします。また、管理費や修繕積立金、固定資産税などといった費用もかかります。

退職が近づき、時間や資金に余裕がある人などは賃貸を検討するのもよいでしょう。体力や専門的な知識を必要とするわけではないため、退職後には向きます。契約者が決まれば安定した収益が得られるため、長期にわたって一定の収益を得たい人におすすめです。

2.マンションを売るメリット・デメリット

マンションの売却には、メリット・デメリットがあります。メリット・デメリットを知らずに売却すると、後に後悔することもあるでしょう。特に、税金や住宅ローンに関わる部分には注意が必要です。

ここでは、マンションを売るメリット・デメリットを解説します。メリット・デメリットを把握することによって適切な判断が行えます。マンションの売却が成功するよう事前に確認してましょう。

2-1.マンションを売るメリット

マンションを売るメリットは、3つあります。

  • 一時的に大きな資金を得られる
  • マンション管理に必要な管理費や修繕積立金、税金の支払いが不要になる
  • 税制優遇が受けられる

マンションを売却すると一時的に大きな資金が手に入ります。築年数や立地、建物の構造によって異なりますが、数百万円から数千万円、あるいは億単価のマンションもあります。

また、マンションの賃貸に必要な管理費や修繕積立金、固定資産税などの税金が不要になります。特に、所有するマンションの老朽化が進むとメンテナンス費用がかかるため、売却することによって支払いから解放されます。

通常、マンションの売却で利益が出た場合は、譲渡所得税が課税されますが、居住用の場合は、3,000万円の特別控除を受けられます。ただし、賃貸用マンションにした後、マンションを売却すると、税制優遇措置は適用されないため注意が必要です。

2-2.マンションを売るデメリット

マンションを売るデメリットは、3つあります。

  • 住宅ローン残債の支払いに自己資金が必要になることがある
  • 所有する資産がなくなる
  • 売却利益が高額であれば譲渡所得税がかかる

マンションの売却益で住宅ローンを完済が出来なければ、自己資金でローンの残債を支払わなければなりません。原則、ローン残債のあるマンションを売却するには、売却時にローンが完済されている必要がある。つまり、ローンを完済しないと売却できないため、ローン残債と売却金額を事前に把握しておきましょう。

マンションを売却すると所有資産ではなくなります。資産を失いたくない、毎月一定の収入が欲しいといった方は慎重に検討しましょう。

メリットでは譲渡所得の特別控除が受けられるといいましたが、マンション売却による3,000万円を超える高額な利益が出た場合は、譲渡所得税がかかります。

課税所得の税率はマンションの所有期間によって下記のように異なります。

  • 短期譲渡所得(所有期間5年以下の場合)の税率:所得税30%、住民税9%
  • 長期譲渡所得(所有期間5年を超える場合)の税率:所得税15%、住民税5%

所有してから5年以下のマンションの売却は、税率が高くなるため特に注意しましょう。

3.マンションを貸すメリット・デメリット

マンションを手放したくない、資産として所有しておきたいなど、さまざまな理由で賃貸を検討する方も少なくないでしょう。しかし、マンションを賃貸にする場合にもメリット・デメリットがあります。

この項目では、マンションを貸す場合のメリット・デメリットを紹介します。賃貸にした後、後悔がないように事前によく確認し、売却のメリット・デメリットと比較検討しましょう。

3-1.マンションを貸すメリット

マンションを貸すメリットは次の4点です。

  • 家賃収入を得られる
  • 管理費や固定資産税、ローン金利などを経費計上できる
  • 再度入居・居住できる
  • ローンを借りる際にマンションを担保にできる

マンションを貸すことによって、毎月、家賃収入を得られます。加えて、マンションを貸している間は、マンションにかかる管理費や固定資産税、ローン金利などを経費として計上できます。

思い出のある家に再び住みたい場合も、賃貸契約次第で居住できるうえ、ローンを組む際も資産として担保にもできます。

手間や労力はかかりますが、賃貸によって資産運用するのもいいでしょう。マンションの賃貸は、費用を経費として計上することで節税でき、ローンを借りる際には担保にできることから、投資を行う方には特にメリットがあります。

3-2.マンションを貸すデメリット

マンションを貸すデメリットは次の4点です。

  • 借り手がいない場合は空室リスクがある
  • 借り手を確保するためリフォーム費用や広告費がかかる場合がある
  • マンションの管理費や固定資産税の支払いにコストがかかる
  • 入居者への対応に手間がかかる

マンションは、必ず入居者を確保できるとはかぎりません。立地や築年数、家賃などの条件によって需要は決まります。

入居者を確保できない場合、空室となり賃貸収入が得られないうえ、入居者を募集する広告費用やメンテナンス費用などもかかります。古い物件の場合はリフォーム費用がかかることもあるでしょう。

それに加えて、マンションの管理費や固定資産税の支払いにもコストがかかります。住民からの苦情やトラブルなど、対応に追われる可能性もあります。

4.マンションを売る流れ

マンションの売却には、一般的に3~6ヶ月程度が必要と言われています。マンションを売る流れをあらかじめ把握しておくことで、実際の売却がスムーズに進むでしょう。特に、売却を急いでいる方は流れを把握したうえで準備しておく必要があります。

ここでは、マンションを売る流れを解説します。

4-1.査定依頼で相場を把握

マンションを売る際、まず不動産仲介会社に査定の依頼をしてマンションの相場を把握しましょう。

査定は複数社に依頼して結果を比較すると、自分のマンションの適正な価格を把握できます。不動産仲介会社によって査定方法は異なるため、1社だけでは適正価格が判断できません。

相場を把握することによって自分のマンションの適正価格を把握し、少しでも利益が残るように売却しましょう。

4-2.不動産会社を選び媒介契約する

マンションを売却するときには、不動産会社を選び媒介契約を交わします。媒介契約は主に次の3種類です。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任契約

一般媒介契約とは、複数の不動産仲介会社に依頼できる契約で、売主が買主を探して直接売買することもできます。

専任媒介契約と専属専任契約は共に不動産仲介会社1社のみに依頼する契約です。専任媒介契約は、売主が買主を探して直接売買できますが、専属専任契約はできません。状況に合った契約を交わしましょう。

4-3.販売活動

不動産仲介会社と媒介契約締結後、販売活動を開始します。

通常は不動産仲介会社が販売活動を行ってくれますが、一般媒介契約や専任媒介契約を結んだ場合は、自分で買主を探せます。

不動産仲介会社は、マンション情報を自社の販売情報サイトなどさまざまな媒体に載せて広告宣伝活動をして購入希望者を探します。

4-4.内見対応

購入希望者の内見対応をします。内見希望者と内見のスケジュールの調整をした後、状況に応じて内見対応します。

売主が居住したまま内見が進める場合、室内の掃除や整理整頓をしてきれいにしておくことがおすすめです。内見でいい印象を持ってもらえると売買契約も決まりやすくなります。

すでに退去済みの場合は、内見対応を不動産仲介会社に任せられます。内見は土日を希望する人が多いため、必要に応じて依頼するといいでしょう。

4-5.売買契約

購入希望者と売買契約を交わします。

不動産仲介会社が用意した契約書の内容に問題がなければ、署名・捺印をもって契約締結となります。契約締結時には、不動産仲介会社に仲介手数料の半分を支払う必要があるため準備します。契約締結時に買主から支払われる手付金を、仲介手数料にあてることもできます。

契約締結時にマンションの引き渡し日も確定します。

4-6.決済・引き渡し

マンションの引き渡し日に入金確認ができれば引き渡しとなります。

売主に住宅ローンの残債がある場合、売却金額で一括返済します。住宅ローンを完済すれば、無事マンションは買主へと引き渡されます。

居住しているマンションを売却する場合は、次の引越し先を確保しておきましょう。

4-7.確定申告

マンションを売却して利益が出た場合には確定申告をします。

マンション売却についての確定申告時期は、翌年の2月中旬から3月中旬までです。売買益があるにもかかわらず確定申告を行わななければ、通常の支払いに必要な税金に加算した追徴課税をうけることなるため注意しましょう。

反対に、マンションの売却によって損失が出た場合、確定申告の損益通算によって納税額を減額することもできます。

5.マンションを売る場合にかかる費用や注意点

マンションを売る場合は、仲介手数料や印紙税、所有権移転登記費用がかかります。

仲介手数料とは、不動産仲介会社に支払う手数料です。仲介手数料には、宅地建物取引業法により定められた次のような上限額があります。

取引部件価格(税別)

仲介手数料の上限

400万円超

取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税

200万円〜400万円以下

取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税

200万円以下

取引物件価格(税抜)×5%+消費税

参考:宅地建物取引業法

また、契約時には印紙税やマンションの所有権が売主から買主に移ったことを示すために行う登記の費用である所有権移転登記費用もかかります。所有権移転登記費用は、通常買主が全額負担します。

住宅ローンの残債がある場合は、ローン一括繰り上げ返済手数料や抵当権抹消登記費用などもかかるため、資金を準備しておきましょう。

6.マンションを売る場合の注意点

マンションを売る場合には以下の3点にも注意しましょう。

  • 築年数
  • 買い戻しは困難
  • メンテナンス・清掃

それぞれについて解説します。

6-1.築年数

マンションの売却金額や需要は、築年数によって左右されます。

一般的には築年数の浅いマンションのほうが高値で売却できる可能性があります。経年したマンションよりも築年数が浅い物件のほうが、資産価値が高いと判断されるためです。

ただし経年していても、交通の利便性が高い都市圏や子育てのしやすい地域などは例外です。人気のある知識は高値で売却できる可能性があります。

築年数も含めて総合的に判断して売却金額を決定しましょう。

6-2.買い戻しは困難

基本的にマンションを買い戻すことは困難です。マンションの購入には数百万円以上もの資金が必要です。そのため、一度居住してから短期間で引っ越すケースは多くありません。また、一度売却した後、さらにほかの購入者にわたる可能性もあります。

住み慣れた家や地域に戻りたいという人は少なくないでしょう。住み慣れた地域を離れて働き、そのまま別の地域に居住していたところ、リモートワークが可能になったことで再び昔の家に戻れるといったケースも最近では見られます。

売却する際は家族に相談して慎重に検討しましょう。

6-3.メンテナンス・清掃

マンションを売却する際には、メンテナンスや清掃をしっかりとしておきましょう。マンションの清潔さや設備などの状態は査定価格に関わります。

不動産会社が訪問査定を行う際には、マンションのメンテナンスや清掃が不十分だと、管理が行き届いていないと判断され査定価格が下がることがあります。また、購入希望者が内見をする際にも、メンテナンスや清掃状況はチェックされます。

古い物件でもメンテナンスや清掃が行き届いていれば、査定の際も好印象を与えられるため、劣化している部分などはメンテナンスをしておくといいでしょう。

7.マンションを貸す流れ

ここでは、マンションを貸す流れについて紹介します。マンションを売る流れと貸す流れは似ていますが、契約内容や種類が異なります。流れを把握しておくことで、その後の手続きがスムーズになり、契約の際のトラブルなども避けられるため、しっかり把握しておきましょう。マンションを貸す流れは次のとおりです。

  1. 不動産会社を選択
  2. 貸出方法を選択
  3. 家賃を設定
  4. 入居者を募集

7-1.不動産会社を選択

マンションを貸すためには、不動産会社を選び、依頼する必要があります。

不動産会社に依頼する業務は、主にマンションの入居者仲介業務や賃貸中の管理業務です。具体的には、マンションの入居者の募集・契約、家賃管理、設備管理などを行ってもらいます。

不動産会社によってサービスは大きく異なるため、インターネット上での口コミ・評判を確認したうえで、担当に直接会って話を伺うといいでしょう。

また不動産会社は業界団体に所属しているかも確認します。以下が主な不動産の業界団体です。

  • 公益社団法人 全国宅地建物取引業協会連合会
  • 公益社団法人 全日本不動産協会
  • 一般社団法人 不動産流通経営協会
  • 一般社団法人 全国住宅産業協会

団体が所属するのは、一定の基準をクリアしている不動産会社のため信用があります。

7-2.貸出方法を選択

不動産会社を選択した後は、マンションの貸出方法を決定します。貸出方法は次の3つです。

  • 普通借家契約
  • 定期借家契約
  • サブリース・リロケーション契約

それぞれの方法についての内容と特徴を解説します。自分の資金や方針にあった適切な貸出方法が選択できるように、参考にしてください。

7-2-1.普通借家契約

普通借家契約とは、通常2年を契約期間と定め、借主が契約更新を希望すれば契約更新される契約方法です。

一般的によく見られる賃貸契約で、借主が更新を希望するかぎり、基本的に貸主からの中途解約や契約期間満了時の更新拒否はできません。

借主が解約の手続きをするまで同じ条件で契約は更新され続け、入居期間に制限がない点が特徴です。

7-2-2.定期借家契約

定期借家契約とは、契約期間の満了によって契約を終了できる賃貸契約です。借主は定められた期間内でのみ物件を借りられます。

契約期間を過ぎれば借主が退去するため、一定期間のみマンションを貸したいオーナーが利用するのが一般的です。

なお、普通借家契約では契約期間を1年以上とする必要がありますが、定期借家契約の場合は1年未満の契約も可能です。

7-2-3.サブリース・リロケーション

サブリースとは、不動産会社がオーナーから物件を借り受け、入居者に貸し出す方法です。空室となった場合でも、家賃保証として保証料がオーナーに支払われるメリットはありますが、毎月の手数料が必要になります。

リロケーションはサブリースと同じく不動産会社が物件を入居者に転貸するパターンと、オーナーと入居者が直接契約して管理業務を不動産会社に委託するパターンとがあります。

不動産会社に預けて賃貸運営してもらうという点では同じですが、賃貸契約期間が異なります。サブリースは不動産投資の意味合いが強く、賃貸契約期間は10年~数十年単位と長期になる一方、リロケーションは2〜3年程度の契約期間となります。

7-3.家賃の設定

貸出方法を設定した後は、家賃を設定します。

家賃は、近隣の物件や地域の相場から妥当な金額を設定しましょう。例えば、住宅情報サイト(SUUMO・HOME’S・at-home)などで、貸し出したいマンションの「立地」「築年数」「構造」「面積」など、条件が似た物件をいくつか比較検討して、価格設定しましょう。すでに不動産会社を利用している場合には、不動産会社に相談するといいでしょう。

7-4.入居者を募集

入居者を募集します。

基本的には不動産会社が、入居者を募集のための広告宣伝を行ってくれます。不動産情報サイトなどにマンションの広告を掲載するため、賃貸マンションの希望者に好印象を与えられる見栄えのよい写真や物件情報を提供しましょう。

物件情報のほか、コンビニやスーパー、学校など、周辺環境の情報なども掲載してアピールすると、生活がイメージしやすくなります。

8.マンションを貸す場合にかかる費用

マンションを貸す場合にかかる費用を確認しておきましょう。

マンションを貸す場合にかかる主な費用は次のとおりです。

  • リフォーム、ハウスクリーニング費用など
  • 管理委託手数料
  • 契約手続手数料
  • 更新手続手数料

経年劣化や目立った汚れがある場合、リフォームやハウスクリーニングを行うといいでしょう。設備を新しくしたり、綺麗にしたりすることで賃貸物件の価値を向上できます。貸主自分が費用を負担して、直接施工会社に依頼するか不動産会社を通して依頼します。

管理委託手数料や契約手続手数料、更新手続手数料とは、依頼する不動産会社に支払う管理費用です。建物・設備の管理、借主への対応などの業務を委託する対価として支払います。

マンションの管理・賃貸契約業務を不動産会社を通さずに個人で行おうとすると、手間と労力がかかるため、プロである不動産賃貸管理会社にお任せすることがおすすめです。

9.マンションを貸す場合の注意点

マンションを貸す場合には注意しておくべき点が3つあります。

  • 借主が現れない可能性
  • 個人での管理は困難
  • メンテナンスが必要

これらを把握しておかなければ資金が不足するだけでなく、手間や労力がかかる場合があります。それぞれについての対策もふまえて解説するので、ぜひ参考にしてください。

9-1.借主が現れない可能性

マンションを賃貸に出しても、借主が現れない可能性があります。

賃貸マンションの需要は、立地条件や築年数、家賃などさまざまな理由で差が生じるからです。駅から遠く、交通が不便な地域、築何十年も経過している、あるいは同じ地域のマンション価格と比較して高額な設定といったマンションの場合、借りたいと思う人は少なくなるでしょう。

空室のままだとコストだけがかかるため、物件によっては賃貸価格を下げるか、または賃貸にすること自体を慎重に検討しましょう。

9-2.個人での管理は困難

マンションの賃貸を個人で管理をするのは困難です。賃貸管理するには、さまざまな業務を伴います。

  • 入居者の募集
  • 入居者との契約手続き
  • 毎月の家賃回収
  • 入居者からの相談・クレーム対応
  • 建物・設備のメンテナンス
  • 退去時の敷金の清算

賃貸経営には資格や免許がいらないため、誰でも物件管理ができます。とはいえ、これらの業務を全て個人で行うには多くの時間や労力が必要です。

手数料はかかりますが、賃貸管理のプロである不動産会社に依頼すると、マンションをスムーズに運営管理できるでしょう。

9-3.メンテナンスが必要

マンションを貸す場合には、定期的なメンテナンスが必要です。

外壁、屋根、水道など、生活に必要な設備は必ず経年劣化します。また、居住者がいなくても、ほこりなどの汚れは蓄積するため、清掃や点検や補修が必要です。

基本的には、建物の性能を維持や資産価値の向上を目的とする修繕費は貸主負担です。外壁補修や防水工事、設備のメンテナンスや交換は、貸主が対応しなければなりません。

建物や設備に不具合が発生すると借主に大きな迷惑がかかるため、トラブル時などは迅速に対応する必要があります。

10.マンションを売るか貸すかお得な方法をケース別で紹介

マンションの売却と賃貸のメリット・デメリット、注意点などを把握したうえで、どちらにしようか悩む人も少なくないでしょう。売るか貸すかは、それぞれの状況によってお得になることも不利益になることもあります。

この項目では、マンションを売るか貸すか、お得な方法をケース別で紹介します。

10-1.将来的に物件を使う予定がある

将来的に再びマンションを使う予定がある場合は、マンションを貸すべきです。

マンションは一度売却してしまうと買い戻すのは困難です。賃貸にする際、定期借家契約やサブリース・リロケーション契約など、契約期間の定めがあり、貸主に戻ってくる方法を選択するといいでしょう。

再び居住するまでの間、家賃収入も得られます。

10-2.住宅ローンが残っている

住宅ローンの残債がある場合、残高次第で売却を検討しましょう。

住宅ローンは、本人が住む家を購入するための融資です。そのため、ローンが残っている場合、原則、賃貸にはできません。

ただし、フラット35では、特定の条件下で賃貸を認めています。フラット35とは、金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う全期間固定金利型の住宅ローンです。転勤などの事情があり、一時的に居住できない場合、住宅に戻ることを前提に賃貸できます。

また、住宅ローン残高が少ない場合は、繰り上げ返済をして賃貸にすることも検討しましょう。

10-3.資産として活用する

資産として所有し、賃貸収入を得ましょう。

売却・賃貸に関わらず、マンションには相場があります。不動産市況や経済動向に合わせて売るか貸すかを判断し、適切な価格を提示することが重要です。

例えば、子育て世代を支援する政策を行っており住民が増えている都市は、不動産価格が上がる傾向があります。適切なタイミングで売却するか、賃貸で毎月の収入を得るか、メリット・デメリットを考慮して検討しましょう。

10-4.マンションの立地が悪い場合

マンションの立地が悪い場合は売却を検討しましょう。

立地が悪いマンションを貸し出したとしても、借主が見つからない可能性があります。借主は、交通の利便性や周辺の環境、日当たり、間取り、デザインなど、さまざまな要因を考慮して居住地を判断します。

そのため立地が悪い場合は人気がなく、空室のリスクがあるのです。

賃貸の場合、空室が続けば維持費や固定資産税が継続してかかるため、不動産会社への売却も視野に入れて検討するといいでしょう。

11.マンションの売却や賃貸以外の選択肢

マンションを売却するか賃貸にするか以外にも選択肢はあります。

  • サブリースやリロケーションを利用する
  • 空き家のまま所有する

2点についてそれぞれ解説します。

11-1.サブリースやリロケーションを利用する

サブリースやリロケーションを利用します。

サブリースとは、不動産を通して入居者に転貸するシステムです。物件の所有者から不動産会社に貸して、不動産会社は入居者に貸します。一括借上や家賃保証制度などとも呼ばれます。

空室の場合でも不動産会社が保証料を支払ってくれるため、空室でも物件からの収益がゼロになることはありません。一般的な賃貸よりも空室リスクを軽減できますが、手数料がかかるなどのデメリットもあります。

リロケーションは、2~3年などの短期間だけ貸し出すことができる仕組みです。サブリースと同じように不動産会社から転貸する方法と、オーナーと入居者が直接契約をし、管理業務や入居者探しを賃貸管理会社が代行する方法があります。

再び居住する予定がある場合、サブリースやリロケーションを検討するといいでしょう。

11-2.空き家のまま所有する

マンションを空き部屋のまま所有する手段もあります。売却か賃貸で悩んだ結果、空室のままにする人も少なくありません。

空き家のまま所有すると、内装や設備の損傷、買主または借主とのトラブルなどのリスクを避けられるうえ、好きなタイミングで再び居住できます。

ただし、メンテナンスや固定資産税などの費用がかかるだけでなく、建物が老朽化し価値が下がる可能性もあります。また、マンションの管理組合員として任務などに時間も取られます。

思い入れのあるマンションを手放したり貸したりしたくない場合は、メンテナンスや固定資産税などの資金や管理する手間を考えたうえで空き家のまま所有するといいでしょう。

12.売却か賃貸どっちか迷った場合は売却がおすすめ

マンションを売却するのか賃貸にするのか迷った場合は売却をおすすめします。理由の1つはコストがかかる点、もう1つは資産価値が下がる点です。

それぞれについて解説します。

12-1.コストがかかる

マンションを賃貸で保有し、維持・管理するのはコストがかかります。

マンションを売却すると資産をなくすことになるものの、その分不動産を維持する費用や手間などのコストがかからなくなります。

一方、マンションを貸す場合には資産は残るものの、管理費、修繕費などのランニングコストや固定資産税などの税金もかかり続けます。人気の地域にある物件や新築物件であれば、安定した家賃収入を期待しやすいものの、ずっと空き家にならない保証はありません。出費だけがかさむ可能性があります。

マンションを保有しているとコストがかかり続けるため、売却がおすすめです。

12-2.資産価値が下がる

不動産は経年によって資産価値が下がる傾向があるため、迷った場合は売却がおすすめです。

建物の資産価値は、築年数に比例して減少していくのが一般的だからです。賃貸の場合、築年数に応じて価格調整が必要な場合もあります。

また、人気の地域の物件や利便性の高い住居の場合は、古くても資産価値が下がりにくい傾向にあるものの、経年劣化で資産の評価が下がることは避けられません。

資産価値が下がる前の高値で売れるときに売却することがおすすめです。

13.分譲マンションを売るか貸すか迷った場合は売却を検討しよう

マンションを売るか貸すか迷った場合は、それぞれのメリットやデメリットを把握したうえで売却を検討しましょう。再び住む予定やマンションを管理する手間や資金がある場合は賃貸を検討するのもいいでしょう。ただしローンの残債がある場合は、原則、賃貸にはできない点を覚えておきましょう。

マンションを売却するときには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。不動産会社を選ぶには、不動産一括査定サービスを利用すると、スムーズに不動産会社を比較して選ぶことができます。

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