マンションの契約時には内覧を行います。内覧とは、マンションの購入希望者に実際に物件を見学してもらうことです。内覧で好印象を持ってもらえれば、購入してもらえる可能性が高くなります。
とはいえ、内覧で何をすればで好印象を持ってもらえるのか、分からない人は少なくないでしょう。この記事では、内覧で好印象を得るための事前準備や注意点を紹介します。マンションの売却を成功させるために、ぜひ参考にしてください。
1.内覧から成約までの流れ
ここでは内覧から成約までの流れと重要なポイントを解説します。
- 購入希望者から不動産会社への内覧予約
- 内覧の準備
- 内覧にかかる時間
- 内覧の件数
内覧の流れを把握して、スムーズに対応できるように対策しましょう。
1-1.購入希望者から不動産会社への内覧予約
内覧は、マンションの購入希望者からの希望があって、はじめて実施されます。購入希望者の申し込みを受けた不動産会社から売主に伝えて、内覧の日程調整を行います。
内覧の日程は、対応できる範囲で購入希望者の指定した日に合わせます。できるだけ多くの購入希望者に内覧してもらうことが重要です。
内覧希望日は、土日祝日が多い傾向があり、予約は1~2週間前または前日や当日など突然連絡がある場合もあります。
1-2.内覧の準備
内覧の予定が決定すれば準備をします。いつ内覧予約が入るのかわからないため、不動産会社と売却の契約を交わした後は常に準備しておきましょう。
内覧で建物や設備の全てを見せる必要はありませんが、生活に関わる場所は購入希望者が確認するため、整理整頓や清掃を行っておきます。
リビングなどの室内はもちろん、水回りなどをしっかりと確認できると購入者は安心して購入を検討できます。
収納力を確認するために、物置や押し入れのなかなどを確認したい人もいるため、見られたくない荷物などは事前に片付けておきましょう。
1-3.内覧にかかる時間
内覧にかかる時間は、内覧にくる人数や物件の広さによって異なりますが、一般的には30分〜2時間ほどとされています。
マンションは高額な買い物です。購入後は、長く住む可能性があるため、慎重に見学する人がほとんどです。そのため、内覧のスケジュールは余裕を持って組む必要があります。
また、土日・祝日の内覧希望者が基本的には多い傾向はありますが、平日にも対応できると購入希望者の幅が広がるでしょう。職種によって休日は異なります。土日祝日を中心に数十件以上の内覧を行ってきたにもかかわらず、契約が決まらなかったマンションの内覧を平日に切り替えた途端、売却が決定する可能性もあります。
可能な範囲で内覧を受け付け多くの人に見てもらいましょう。
1-4.内覧の件数
成約するまでの内覧の件数は、一般的には5~10件程度が目安といわれています。
ただし、実際は30回内覧を繰り返しても決まらない場合もあれば、1、2回で早々と成約する場合もあるなどケースバイケースです。
成約するかどうかは物件の評価以外に時期やタイミングなども影響するため、成約に至らないからと焦る必要はありません。
ただし、平均以上に内覧を繰り返しているにもかかわらず、なかなか成約に至らない場合、何かしらの原因がある可能性が高いため、一度振り返って内覧の対策をしましょう。不動産会社の担当者と相談して状況の改善を図り、成約を目指しましょう。
2.マンション売却の内覧前に必要な準備
購入希望者と成約するには、内覧の事前準備をしっかりと行う必要があります。内覧時に、「この家に住みたい」と具体的にイメージしてもらうことが重要です。ここでは、事前準備で重視すべきポイントを解説します。
- マンション売却の内覧前には徹底的に掃除する
- ニオイ対策
- 室内の傷は隠さず最低限修理する
- 整理整頓
- ホームステージングの利用
2-1.マンション売却の内覧前には徹底的に掃除する
内覧の前には徹底的に掃除を行います。清潔さは好印象につながります。
特に重点的に掃除を行なうべきポイントは、水回りや玄関、リビング、バルコニー、物置・収納ボックス、エントランスなどの共有部分です。目立った汚れや整理整頓が行われていなければ、値下げ交渉をされたり、契約を回避されたりする原因になります。
ここでは、重点的に掃除を行うべきポイントについてそれぞれ解説するので、内覧前の清掃の参考にしてください。
2-1-1.水回り
キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りを掃除しましょう。毎日使う設備だからこそ、内覧の際に重要視される場合があります。
水回りは劣化や損傷、汚れに加えてニオイが発生しやすい箇所です。水垢やカビ、排水溝の汚れなど、細かい部分も掃除しておきましょう。
ただし、水回りについては、素人では落としにくい汚れもあります。水回りの与える印象は大きいため、しつこい汚れが気になる場合は、多少費用がかかってもハウスクリーニングを活用することがおすすめです。
ニオイが気になる場合は、内覧前から定期的に換気を行ったり、芳香剤などを活用しましょう。
2-1-2.玄関
購入希望者の目につきやすい玄関も掃除しておきます。玄関は家の顔といわれることもあり、内覧者に第一印象を与える場所であるため綺麗に掃除します。加えて、不要な物を整頓すれば、できるだけ広く感じてもらえます。
玄関を見る際、靴の収納スペースを確認したいという内覧者もいるため、整理整頓して清潔にしておきましょう。靴が多すぎる場合、取り出して別の箇所に置いておくことをおすすめします。
内覧の際は売主の要望で、開けないでもらうこともできますが、成約してもらうためには、できるだけ全てを把握してもらいましょう。
2-1-3.リビング
生活の中心となるリビングを丁寧に掃除しておきましょう。内覧の際、必ずチェックされるのがリビングです。内覧者がよくチェックする場所のため、綺麗に掃除します。リビングが清潔感のある居心地のよいスペースになっていると好印象を与えることができます。
また、内覧者は、リビングにどうやって家具を置くかなども確認したいため、部屋のサイズを測る場合もあります。そうした確認の際に散らかった家財などが邪魔にならないように、あらかじめ片付けておきましょう。
またリビングについても収納スペースがある場合は、内覧者が確認できるように整理整頓しておくことが大切です。
2-1-4.バルコニー
バルコニーも内覧者がチェックする場所のため、掃除や片付けを忘れず行います。
内覧者がチェックするのは、日中の日当たり具合や眺望、洗濯物の干しやすさなどです。
内覧当日には洗濯物を取り込むことはもちろん、バルコニーに不要品を置いている場合は片付けます。窓ガラスや網戸、手すり部分などのホコリや汚れは綺麗に掃除しておきましょう。
バルコニーの床面などの汚れが目立つ場合、手間はかかりますが水をまいてブラシなどで、汚れを落としておくと、綺麗に家を使っていると好印象を与えられます。
2-1-5.物置や収納ボックス
内覧者は収納量を確認するために、物置や収納ボックスなどのなかを確認する場合があります。整理整頓して不要なものを処分しておきましょう。
内覧前の片付けで、物置や収納ボックスに荷物を詰め込む人も少なくありません。荷物を詰め込みすぎると収納の奥行きや幅などが確認できないため、内覧者が収納量を確認できるように必要に応じて物は減らしておきましょう。
ほかのスペースを整頓するために物置や収納ボックスを使う場合、内覧者に見学されてもよいように綺麗に整えておきます。
どうしても物が多い場合、トランクルームの一時利用もおすすめです。地域にもよりますが1畳月額3000円前後から借りられます。
2-1-6.エントランスなど共有部分
マンションのエントランスなどの共有部分も綺麗にしておくと、内覧者の印象が良くなります。
内覧では、マンションの自室以外にも、建物のエントランスやエレベーター、階段などの共有部分もチェックします。エントランスから自室までの通路が汚れていれば印象が悪くなるでしょう。
埃や砂、ゴミなどが落ちていないか確認し、気になる部分は清掃します。ただし、共有部分の清掃は不動産会社や管理組合の担当です。簡易的な清掃であれば問題ありませんが、一度、声をかけてから清掃するといいでしょう。しつこい汚れなどの場合、不動産会社に依頼します。
2-2.ニオイ対策
マンションの内覧の際には、ニオイ対策を行いましょう。不快なニオイがすれば印象は悪くなります。
ペットやタバコのニオイ、あるいは慣れによって住んでいる人にはわからない独特のニオイなども、訪問者にとっては不快に感じることもあります。
ニオイ対策には、消臭スプレーを活用するほか、部屋の風通しをよくして定期的な換気を行います。換気扇だけでニオイ対策をするのは難しい場合、窓を開けて換気しましょう。対角線上にある窓を開けることで風の通りはよくなります。
内覧は突然予約が入ることもあるため、日頃から定期的に換気するといいでしょう。
2-3.室内の傷は隠さず最低限修理する
室内に損傷がある場合は隠さず、最低限修理しましょう。長くマンションに居住していれば、経年劣化したり、傷がついたりすることもあります。壁紙が破れたり、フローリングに傷がついたりするなどはよくあるケースです。
損傷によって印象を悪くすることを危惧して傷を隠した場合、後でトラブルになり、瑕疵担保責任を問われて修理代を請求される可能性があります。
とはいえ、損傷があればマンションの評価が下がる可能性があるため、可能な範囲で最低限の修理をしておきましょう。
また、施工会社に依頼してリフォームを行う手もあります。しかし、大幅なリフォームをすると、リフォーム費用が高くつき、売却価格で回収できないこともあるため注意が必要です。
修繕はDIYで対応可能な範囲にとどめておくか、わからない場合は不動産会社に相談しましょう。
2-4.整理整頓
マンションの室内は全体的に、整理整頓を行います。
内覧者は、部屋の広さや間取りについては事前に図面で確認したうえで、内覧の際には実際にどの程度の広さなのか、日当たりはいいのか、風は入るのかなどを確認します。そのため、部屋をできるだけ広く、明るく、解放感があるように整理整頓する必要があります。
必要な物以外は処分するかトランクルームに預けておきます。物自体が少なければ、部屋が広く感じられるでしょう。棚や物で窓が隠れると光や風が入りにくくなるため、模様替えをするなど、対応をとりましょう。明るく見えることによって印象は大きく変わります。
広い家でも物が乱雑に置かれていると、実際の間取りよりも狭く感じられる一方、それほど広い家でなくても、物が少なく整頓されていれば間取り以上に広く感じられます。そのため整理整頓は重要です。引越しの際に処分する予定の物は、前倒しで処分するなどして物を減らすと、整理整頓しやすくなるでしょう。
2-5.ホームステージングの利用
ホームステージングサービスを利用します。
ホームステージングとは、部屋のイメージがよくなるよう演出するサービスのことです。演出のプロが家具や証明などを用いてモデルルームのように部屋をコーディネートしてくれます。不動産会社によっては、ホームステージングサービスが利用できるところもあります。
有料の場合、数万円〜数十万円程度が相場です。海外では、成約率や成約価格を上げる方法として採用されており、日本でも大手不動産会社などが導入しています。空室となっている物件において、生活のイメージを演出するなど、物件の印象を高めるのに有効です。
レンタルで家具などを設置できるほか、設置やコーディネートまで一貫して不動産会社に依頼できます。利用している不動産会社にサービスがあれば、利用するのも1つの手段です。また、ホームステージャーというホームステージングの資格を持った担当者が在籍する不動産会社もあるため、必要に応じて有効活用しましょう。
3.マンション売却の内覧で好印象を得る4つのポイント
ここでは、内覧で好印象を与えるための4つのポイントを解説します。
- 部屋の明るさ
- 室温調整
- 地域情報の共有
- 内覧しやすい環境づくり
4つのポイントを把握し、内覧で好印象を与えましょう。
3-1.部屋の明るさ
内覧で好印象を得るためには、部屋を明るくしておきましょう。
マンションなどの居住地を検討する際、日当たりを重視する人は少なくありません。洗濯物を干すベランダや日中の大半を過ごすリビングは、特に注目して見られるでしょう。
内覧当日は部屋中の電気をつけたり、カーテンを開けたりするなど部屋が明るく見えるように工夫します。窓際の家具や物は事前に移動させて、少しでも光が入りやすく努めましょう。窓が汚れていれば彩光も少なくなるうえ、印象も悪くなります。定期的に清掃することをおすすめします。
また、電球が切れている場合や暗い場合、管理が行き届いてない印象を与えるため、事前にチェックし、電球を入れ替えて明るくしておきます。
3-2.室温調整
内覧の際は室温調整を行います。マンションの購入希望者には、機密性や断熱性を重視する方もいらっしゃいます。
季節に応じて、暑すぎたり寒すぎたりしないように窓を開けるか、冷暖房で調節しましょう。内覧は心地よく見学してもらうことが大切です。暑すぎたり寒すぎたりすると、内覧の時間が短縮され、アピールする機会を失う可能性もあります。加えて、暑すぎたり寒すぎたりするとマンションの機密性や断熱性を疑われる可能性もあります。機密性や断熱性が高いマンションなら、必要以上にエアコンをかけず、快適な温度で過ごしやすいことをアピールしましょう。
各季節でどの程度の冷暖房器具を使用しているか、説明すると内覧者も安心できます。
3-3.地域情報の共有
居住する地域の情報を共有します。
マンションの購入希望者にとって、居住する地域の情報は貴重です。建物や設備だけでなく地域の情報を通して、そのマンションに居住する快適さが伝わると、成約につながりやすくなるでしょう。
マンションの近隣に品揃えのいい安いスーパーや親切な病院がある、または駅までの徒歩10分、学校まで7分ほどで行ける距離など、生活に役立つリアルな情報を提供すると、購買意欲が高まります。また、内覧者に子供がいる場合、治安の良さや子育てのしやすい環境であるかも重要です。
不動産の広告にはない、実際に住んでいるからこそ分かる便利さや快適さを伝えることでマンションの魅力が増し、購入の後押しになることもあります。
3-4.内覧しやすい環境づくり
内覧の際、購入希望者に少しでも気持ちよく内覧してもらえるように環境を整えます。
内覧しやすい環境づくりをするには、次を参考にしてください。
- スリッパを用意する
- 見学が長くなればお茶を出す
- ある程度説明が終わったらそばを離れる
- 子供やペットがいる場合は外出させる
当日になってから、予定よりも多くの人数で内覧しにくる場合もあるため、スリッパは当日多めに用意しておきます。他人が使ったスリッパをはくことを躊躇する内覧者もいるため、使い捨てできるスリッパを用意しておくといいでしょう。
そのほかにも、説明が終わったらそばを離れる、子供やペットは外出させるなどの気遣いによって、落ち着いて内覧できる環境をつくると、好印象を与えられます。
4.マンション売却の内覧に来ない場合
ここでは、内覧が来ない場合の対策を解説します。
- 適正価格で売る
- 内覧対応時間の幅を広げる
- 掲載している広告を改める
- 値下げを検討する
内覧者が少ない、あるいは来なければ、マンションの売却はできません。4点の対策を施し、内覧者が増えるように改善しましょう。
4-1.適正価格で売る
マンションの売り出し価格を見直し、適正価格で売りに出しましょう。マンションの内覧者が現れない場合は、売り出し価格が適切でない可能性があります。
地域の相場に合わせて、最初から適正な価格で売り出しておくことが、集客につながります。
できるだけ高く売りたいという気持ちから、高値で設定すると「割高だ」と思われてしまい、そもそも購入希望者が現れません。割高な価格で売り出しているマンションは、なかなか売れずに最終的には価格を下げざるを得ないパターンがほとんどです。
マンションの適正価格は、不動産会社複数社への不動産一括査定で判断できます。ぜひ、「おうちクラベル」をご活用ください。一度に複数社から査定を取り寄せることができるうえ、取り寄せている間にAIによる査定額で相場が即座にわかります。
不動産会社と相談して価格を見直すようにしましょう。
4-2.内覧対応時間の幅を広げる
内覧者の数を増やすためには、内覧対応時間の幅を広げましょう。
人によっては平日または週末にしか時間が取れない場合もあります。売主が平日の内覧に対応できない場合、週末しか時間が取れない買主は必然的に内覧できません。また、職種によって平日の午前中、あるいは週末の夜しか難しいという購入希望者もいることでしょう。
平日に限定して対応していたため、内覧が増えなかったマンションが、土日祝日対応可能にしたところ、一気に増えるケースは少なくありません。
平日や週末、時間帯などの幅を広げると、内覧者を確保しやすくなります。また、突然内覧希望がある場合もあるため、常に準備しておくといいでしょう。
4-3.掲載している広告を改める
内覧者が来ない場合は、掲載している広告の内容を見直しましょう。
広告に掲載している写真やアピールする文章などに魅力がない可能性があります。そもそも写真が古い、部屋が暗く感じる、狭く見える、部屋からの景観が確認できないなど、写真に問題があれば内覧したいとは思いません。そのため、新しく撮影した写真に交換してもらいます。
また、周辺地域の情報の詳しい情報を記載してなければ、駅や学校、病院、スーパー、コンビニまでの距離など、通常の生活に必要な情報を記載します。
内覧者はほとんどの場合、広告に掲載されたマンションの情報や写真などを参考に選んでいるため、魅力が伝わる広告を作成してもらいましょう。
4-4.値下げを検討する
どうしても内覧者が現れない場合は、マンション価格の値下げを検討しましょう。
内覧対応時間の幅を広げたり広告を改めたりしても内覧の申し込みがなければ、マンション価格に問題がある可能性が高いといえます。
周辺地域の相場の価格以下にすると、お得に感じる人も増えるでしょう。
また、リフォームで室内を整えてマンションの価値を上げる方法もありますが、多額の費用がかかります。そのため、結果としてマンションを値下げした場合と利益が変わらない可能性も少なくありません。
マンション価格の値下げは最終手段です。不動産会社と相談して慎重に検討しましょう。
5.内覧の際の注意点
ここでは、内覧の際の注意点を解説します。
- 買取希望者に曖昧な情報は伝えない
- 仮押さえには応じない
- 容易に値引きには応じない
- 過度なアピールはしない
内覧での失敗を防止するために参考にしてください。
5-1.買取希望者に曖昧な情報は伝えない
内覧では買取希望者に曖昧な情報は伝えないようにしましょう。
曖昧な情報を伝えると、契約時や契約後に言った言わないのトラブルになることがあります。
特に、仮押さえや値引きに応じる可能性を示唆する話には注意が必要です。曖昧に伝えることで「仮押さえや値引きが可能という話だった」といったトラブルの原因となります。
トラブルが原因で決まりかけた契約がなくなってしまうことも少なくありません。不動産会社の担当者がいないときに、仮押さえや契約条件に関わることは内覧者と話さないことが重要です。
買取希望者との条件交渉は、必ず不動産会社をとおして行いましょう。
5-2.仮押さえには応じない
内覧の際の仮押さえには応じないようにしましょう。
内覧者から仮押さえを依頼されることがありますが、売主にとってはリスクとなります。仮押さえは正式な申し込みではなく、法的拘束力はありません。そのため、原則、買主は契約を白紙に戻せます。
一方、売主は仮押さえに応じると、仮押さえの間、別の契約者と契約できる機会を失います。そのうえ、仮押さえした内覧者との契約が白紙になる可能性もあります。
基本的には仮押さえに応じないことが重要ですが、応じることになった場合は、1週間後までなど必ず期限を設定しましょう。
売主としては仮押さえで、ほかの購入希望者に買い取ってもらう可能性を失わないことが大切です。内覧者が部屋の仮押さえを提案してきた際には、断るのが無難でしょう。
5-3.容易に値引きには応じない
仮押さえと同様、内覧者から値引きを打診された場合、容易に応じないことが大切です。
売り出し価格は、不動産会社の査定などに基づき根拠を持って設定しているためです。マンション売買において、値引きを打診されることは少なくありません。値引きをする際には必ず値引きをする根拠を確認します。
根拠なく値引きに応じると、値引きの額に下限がなくなります。「あの売主は頼めば値下げしてくれる」という印象を与えてしまうと、購入希望者だけでなく不動産会社からも安易に値引きを打診されることにもなりかねません。
仮に一定の根拠をもって値引きに応じる場合でも、先に値引き額の上限を決めたうえで交渉に臨むといった対策が必要です。
基本的には、安易に値引きに応じることは避けましょう。
5-4.過度なアピールはしない
内覧者への過度なアピールには注意が必要です。
地域の役立つ情報を伝えるのは重要ですが、マンションの良さを伝えようと、過度にアピールすると、強引な印象を与えてしまい購入意欲を下げる原因となります。内覧者にとって必要な情報を理解し、事前にまとめておきましょう。
アピールポイントが多くある場合でも、一方的に伝えるのではなく、内覧者の質問に答える範囲にとどめておくほうが無難です。内覧者の疑問点を解消することを優先し、質問に答えながらアピールポイントを伝えるとよいでしょう。
強引な印象を与えない適度なアピールを心がけましょう。
6.居住中の内覧のメリット・デメリット
内覧は、売主が居住中に行う場合と売主が引越後に行う場合があります。居住中に行う内覧のメリットは次の4点です。
- 実際の生活をイメージしてもらいやすい
- 収納の使い方や家具の配置方法などメリットを説明しやすい
- 購入希望者の反応を直に知ることができる
- 居住しながら内覧の対応ができるため仮住まいをする費用や手間を省ける
居住中に内覧を行うと、内覧者に対してリアルな生活のイメージを伝えられます。また、直接売主がアピールでき、反応を伺えます。仮住まいをする必要がないため費用を抑えたい方にもおすすめです。
デメリットは次の4点です。
- 掃除が行き届いていない場合などには悪い印象を与えることがある
- 掃除などの準備に手間がかかる
- スケジュール確保が大変
- じっくり見学してもらえない可能性がある
居住中に内覧を行う場合は常に綺麗にしておかなければならないため、掃除に手間がかかります。また、内覧対応のスケジュール調整が大変なうえ、内覧者が売主に気を遣ってじっくり見学できないこともあるでしょう。
メリット・デメリットを把握して、対策しましょう。
7.引っ越し後の内覧のメリット・デメリット
引っ越し後に内覧を行う場合のメリットの1つは、内覧対応しなくてもよくなる点です。引っ越した後は、不動産会社に内覧対応を依頼できます。売主が内覧対応しないことによって、内覧者はさまざま場所を気兼ねなく確認できるでしょう。
売主が内覧対応すると、気を遣って収納などの気になる部分が見れないというケースもあります。また、事前準備やスケジュール調整の負担がありません。内覧対応できる時間も広がることによって、成約につながりやすくなるでしょう。
ただし、部屋に暖かみがなくなり、生活イメージがわきにくい、売主側から住居のメリットを直に伝えにくいといったデメリットもあります。
その場合は、ホームステージングを利用しましょう。家具や証明などを適切な位置に配置し、印象が良くなるようにコーディネートしてくれます。また、不動産会社の担当者に事前にメリットを伝えて、魅力をアピールしてもらうといいでしょう。
8.信頼できる不動産会社を探すには不動産一括査定を利用する
信頼できる不動産会社探しには、不動産一括査定サイトを利用することがおすすめです。
マンションの売却において、内覧を成約につなげるためにも信頼できる不動産会社の協力が不可欠です。不動産会社は、購入希望者が多く集まるように、広告制作や宣伝、内覧の手配や対応を行います。不動産会社の広告宣伝力や営業力は、内覧希望者の集客を左右します。
しかし、数多くある不動産会社から信頼できる不動産会社を選べないという方も少なくないでしょう。
不動産一括査定サイトを利用すると、一度に複数の不動産会社に査定を依頼できます。加えて、複数社の査定額やサービス内容、サービスの質を一度に見比べられます。手間や時間を節約して、効率的に不動産会社を選べるためおすすめです。
9.マンション売却の内覧前に必要な準備をして好印象を与えよう
この記事では、マンションの売却の内覧について解説しました。
マンションの売却において内覧対応は重要です。内覧がうまく行えれば、成約につながる可能性は高くなるでしょう。
内覧は通常、1~2週間前に予約されますが、突然入ることもあるため、常に整理整頓や清掃しておくことをおすすめします。不要な物は廃棄して好印象を与えましょう。
内覧当日も部屋を明るくし、室温に気を配るなど、内覧者が快適に見学できるように気を配ることも大切です。
内覧を成約させ、マンション売却を成功させるためには、信頼できる不動産会社に依頼します。不動産会社選びには、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。手間や時間を省きそれぞれに合った不動産会社を探せます。
不動産一括査定サイトの選択に迷ったら、「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルは、東証プライム上場企業、ソニーグループのSREホールディングスが運営しており、提携不動産会社には実績豊富な優良企業が多く参画しています。信頼できる多くの不動産会社から自分に合った会社を選ぶことができます。