投資用ワンルームマンション売却の流れと高く売るための注意点やコツを解説

はじめて投資用ワンルームマンションの売却を検討中の方には「売却までの流れや必要な費用が知りたい」「高く売れるタイミングやポイントはあるのだろうか」などの多くの疑問が生じるでしょう。事前に投資用ワンルームマンションの売却方法やコツを理解しておくと、早く高く売却できる可能性が高まります。

本記事では、投資用ワンルームマンションの売却を検討している方向けに、売却の流れや必要な費用に加えて、高く売るタイミングやポイントをご紹介します。この記事を参考に、投資用ワンルームマンションのスムーズな売却を成功させましょう。

目次

1.ワンルームマンションを売却する流れ

ワンルームマンションの売却が完了するまでには、いくつかの手順や段階が必要です。あらかじめ大まかな流れを理解しておくと、スムーズに売却できるでしょう。ここでは投資用ワンルームマンションを売却するまでの流れをご紹介します。

1-1.査定依頼

まずは、売却したい投資用ワンルームマンションがいくらで売れるのかを査定してもらいましょう。

査定は複数の不動産会社に依頼するのがおすすめです。なぜなら、不動産会社によって査定額が異なるからです。査定額は、実際の売却価格を決めるための大切な指標となります。

とはいえ、複数社に個別に査定依頼をするのは大変なため、不動産一括査定サイトを利用しましょう。複数の不動産会社へ実際に訪問する必要がないため、仕事で忙しくて時間がない方にもぴったりの査定方法です。

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1-2.媒介契約の締結

ワンルームマンションの売却を依頼したい不動産会社と、媒介契約の種類を選んで締結します。媒介契約の種類は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」です。

【専属専任媒介契約】

1社の不動産会社のみに依頼できる媒介契約です。契約締結後から5営業日以内に不動産の共有情報サイトである「レインズ」への登録と、7日に1回以上の進捗報告義務があります。不動産会社による手厚いサポートが受けられるのが魅力の媒介契約です。

【専任媒介契約】

1社の不動産会社のみに依頼できる媒介契約です。さらに自分で見つけた買主と売買契約が結べます。契約締結後から7営業日以内に「レインズ」への登録義務と、2週間に1回以上の進捗報告義務があります。専任媒介契約も、不動産会社による手厚いサポートが受けられます。

【一般媒介契約】

複数の不動産会社に依頼ができる媒介契約です。専属専任媒介と専任媒介に比べて手厚いサポートではありません。しかし、人気地域にある投資用ワンルームマンションだと不動産会社同士で競い合いながら売却活動をする可能性が高いため、高値での売却が期待できます。

1-3.売却活動

不動産会社と媒介契約の締結が完了すると、売却活動がはじまります。不動産会社が広告活動を行うため、事前に内見の準備をしましょう。

不動産会社は、自社ホームページや不動産ポータルサイト、折り込みチラシなどを利用してワンルームマンションを宣伝します。また、手持ちの顧客リストから売却したいワンルームマンションとマッチする買主を見つけます。

売主である自分は内見に対応できるように、事前にスケジュール調整をしておきましょう。また、物件にいい印象を持ってもらうために、室内の片付けや掃除は入念に行うことが大切です。

内見日当日は、室内のカーテンを全て開けたり照明を付けたりして明るくするのがおすすめです。好印象に繋がるように、気持ちのよい接客を行いましょう。

1-4.条件交渉

購入希望者と売買契約に向けて、契約金額や引き渡し日などの条件交渉を行いましょう。このとき、口約束は避けて不動産会社を通して交渉することが大切です。

基本的には、購入希望者から購入希望額や引き渡し希望日などの条件が記載されている「買付証明書」という書面が不動産会社を通して提出されるため、売主はこの内容にそって交渉を行います。

特に「値引き」は交渉される可能性が高いため、あらかじめどのくらいまでの値引きに対応するか上限額を決めておき、自分の納得のいく条件での売却につなげましょう。

1-5.売買契約の締結

双方ともに条件に合意できたら、売買契約の締結を行います。

売買契約時には、不動産会社から重要事項説明を受けるため、疑問点はきちんと質問して解消しましょう。契約書と重要事項説明書に記載されている事項について全て理解してから、署名・捺印することが大切です。

また、このタイミングで不動産会社に仲介手数料の半額分を支払い、買主から手付金が支払われます。手付金は契約金額の5〜10%が相場で、上限額は20%までと法律で定められています。

1-6.引き渡し

売買契約に基づいてワンルームマンションの引き渡しを行います。このとき、買主から残りの売買契約金が支払われます。また、固定資産税・管理費・修繕積立金の精算を行いましょう。同時に所有権移転登記の手続きを行い、売却完了です。

1-7.オーナーチェンジの通知

投資用ワンルームマンションを売却した場合は、入居者にオーナーチェンジの通知をしましょう。一般的に賃貸管理会社も変更となるため、新しい賃貸管理会社と家賃の振込先を記載します。変更合意書に入居者から署名・捺印をもらいましょう。

2.ワンルームマンションの価格の決まり方

投資用ワンルームマンションの価格を決める際、「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3つの方法があります。ここではワンルームマンションの売却価格を決める方法についてそれぞれご説明します。

2-1.原価法

原価法とは、物件を再建築した場合の再調達原価を算出して売却価格を決める方法です。主に中古戸建ての売却価格を決めるときに利用します。

まずは、ワンルームマンションを取り壊して再建築した場合に必要な費用を算出します。新築時のおおよその単価は、建物の構造や材料によって定められているため、建物の構造や

部材を参考に算出されます。また、再建築に必要な費用を算出したものが「再調達原価」です。

実際のワンルームマンションは、築年数が経過して劣化が進んでいると考えられるため、劣化に応じて法定耐用年数を用いて計算します。建物の築年数から劣化した分を計算したものが原価修正です。

原価法は再調達原価から原価修正を差し引いて売却価格を算出します。

2-2.取引事例比較法

取引事例比較法とは、売却したい物件の近隣にある類似した物件の成約価格のデータに基づいて売却価格を決める方法です。主に中古戸建てや中古マンションの売却価格を決めるときに利用します。

まずは売却したいワンルームマンション から周辺にある、築年数や広さが似ている物件の最新の成約価格を収集します。特殊なケースは避けて、なるべく似ている物件が対象です。

次に、収集したデータから1坪当たりの単価を算出します。この1坪あたりの単価をベースに、築年数や間取りなどのさまざまな要素を含んで考慮し、売却価格を算出します。

2-3.収益還元法

収益還元法とは、物件が将来どのくらいの収益が得られるか算出したものを基にして売却価格を決める方法です。主に収益が発生するアパートや投資用ワンルームマンションなどの投資用不動産の売却価格を決めるときに利用します。

収益が高いと売却価格は高く、収益が低いと売却価格は低くなります。

さらに収益還元法には、年間家賃収入と利回りから算出する直接還元法と、将来の収益を現在の価値に当てはめて売却価格を算出するDCF法があります。DCF法は理論的でより正確な価格の算出が可能ですが、複雑なため収益還元法が利用されることが一般的です。

3.ワンルームマンション売却時の注意点

ワンルームマンションの売却時には、目的や状況によって売却方法が変わります。あらかじめ注意点をチェックしておくとスムーズかつ高値での売却が期待できるでしょう。ここでは、ワンルームマンション売却時の注意点についてそれぞれご紹介します。

3-1.ローンの残債を確認する

まず、ワンルームマンションを売却する前に、ローン残債を確認します。同時にどれくらいの売却価格になるか、不動産会社が提示した査定額から予測できるといいでしょう。

金融機関と契約してローンを組む際に、ワンルームマンションに抵当権が設定されているため、ローン残債を返済できないと基本的には売却ができません。ローンが完済されてはじめて抵当権が外され、売却可能な状態となります。

つまり、ワンルームマンションの売却価格でローン残債を完済できれば、そのまま売却が可能です。しかし、ワンルームマンションの売却価格でローン残債を完済できない場合、貯蓄などを充てて完済しなければなりません。

したがって、ワンルームマンションを売却する前に、ローンの残債が完済できるのかを確認する必要があります。

3-2.ワンルームマンション売却に強い不動産会社を選ぶ

「近所にある不動産会社に売却の相談をしよう」と思われるかもしれません。しかし、不動産会社ならどこでもいいわけではなく、ワンルームマンションの売却実績が多い不動産会社を選ぶのがおすすめです。

不動産会社には、戸建てや土地の売却に強い、マンションの売却に強い、投資用物件に強いなど、それぞれに得意・不得意とする分野があります。また、査定額を算出したり物件を売り出したりする際、周辺地域に詳しいほうが有利なため、特定の地域に強い不動産会社もあります。

自分の売却したいワンルームマンションの物件や地域に強い不動産会社に売却を依頼すると、スムーズかつ高値での売却が期待できるでしょう。

3-3.「仲介」と「買取」の違いを理解する

ワンルームマンションの売却方法には、「仲介」と「買取」の2つの方法があります。それぞれの違いを理解し、自分にあった売却方法を選びましょう。

「仲介」とは、不動産会社に売却を依頼して買主を探してもらう売却方法です。買主を探すため、売却までに時間や手間を要するうえに仲介手数料がかかります。しかし市場価格での売却が可能なため、時間がある方にはおすすめの売却方法です。

「買取」とは、不動産会社に直接買い取ってもらう売却方法です。不動産会社が買主となるため、スピーディかつ仲介手数料がかかりません。しかし、仲介よりも2〜3割ほど売却価格が下がってしまいます。忙しくて時間がない方や、売れにくいと推測される物件におすすめの売却方法です。

3-4.同マンションの別の部屋と同時期に売り出さない

一般的に、不動産の売買は2〜3月が盛んに行われています。繁忙期になると、同じマンションにある別の部屋が売りに出されている可能性があります。そのような場合、同時期に売り出さないのがおすすめです。

同じマンションの別の部屋が同時期に売りに出されていると、価格競争が起きて希望価格での売却が叶いにくくなってしまいます。なぜなら、買主は同等の物件なら少しでも安いほうを購入したいと考えるからです。

同じマンション内での価格競争はワンルームマンションの価格を下げてしまう恐れがあるため、できるかぎり同時期のタイミング避けて売り出しましょう。

3-5.囲い込みに注意する

囲い込みとは、不動産会社が売主・買主の両方からの仲介手数料を狙うことです。

不動産会社の主な収益源は仲介手数料です。囲い込みをしている不動産会社は、ほかの不動産会社から問い合わせが来ても「商談中なので紹介ができない」などと言って断ってしまうのです。そして自社が見つけた買主と契約することで、売主と買主の両方から仲介手数料を得ようとします。

つまり、仲介を依頼した不動産会社に囲い込みをされると、窓口が狭くなって売却のチャンスが減り、売却期間も長くなってしまうのです。囲い込みをされないためにも、信頼のできる不動産会社選びが大切といえます。

3-6.査定額の根拠を確認する

査定額が実際の売却価格になるとは限らないため、不動産会社が提示した査定額の根拠は入念に確認しましょう。

不動産会社によって査定額は異なります。特に高額な査定額を提示してきた場合には注意しましょう。媒介契約を結びたいために、査定額を故意に高くしている可能性が考えられるからです。

不動産会社に査定額の根拠を聞いた際、周辺相場や物件の状態などさまざまな条件から算出した旨が説明できているかを確認しましょう。質問にも丁寧に応えてくれているか、きちんとした査定額の根拠を説明してくれているかなど、信頼できる不動産会社であるかを見極めてください。

3-7.売却前のリフォームは必要ない

基本的に、ワンルームマンションの売却前にリフォームをする必要はありません。ワンルームマンションにリフォームをしても、売却価格にリフォーム代を上乗せすることはできません。リフォームによって早く売却ができたとしても、赤字になってしまう恐れがあります。

また、近年は中古マンションを購入し、自分の好きな間取りや内装にリノベーションするのが人気の傾向です。そのため、ワンルームマンションをそのままの状態で売却するほうが売れやすい場合もあります。

ただし、入念な掃除をしたりハウスクリーニングを利用したりして、室内の魅力を最大限に引き出すことは大切です。

4.ワンルームマンション売却にかかる費用

一般的にワンルームマンションの売却のときには、売却価格の5〜7%ほどの費用が必要です。「思っていたよりも費用がかかってしまった」とならないように、事前にかかる費用を確認しておきましょう。ここではワンルームマンションを売却するときに必要な費用をそれぞれ詳しくご紹介します。

4-1.仲介手数料

仲介手数料とは、ワンルームマンションの売却を依頼した不動産会社によって買主が見つかり、成約に至った場合の成功報酬です。売買契約時と引き渡し時に、それぞれ半分ずつ支払います。仲介手数料の相場はありませんが、上限額が宅建業法によって定められています。

一般的には「(売買価格×3%)+6万円+消費税」の計算方法によって求められます。具体的には売買価格によって仲介手数料の上限額が異なるため、詳しい計算方法は以下の表を参考にしてください。

不動産の売買価格

上限の仲介手数料(消費税別)

200万円以下

取引額×5%

200万円超から400万円以下

取引額×4%+2万円

400万円超

取引額×3%+6万円

4-2.印紙税

印紙税とは、売買契約書に収入印紙を貼り付けて納める税金のことです。ワンルームマンションの売買契約時に支払います。

印紙税は以下の表のように契約金額によって異なります。なお、記載金額が10万円を超えるもので、2014年4月1日から2024年3月31日までの間に作成される売買契約書には軽減措置が適用されます。

契約金額

本則税額

軽減税額

500万円を超え1千万円以下

1万円

5千円

1千万円を超え5千万円以下

2万円

1万円

5千万円を超え1億円以下

6万円

3万円

1億円を超え5億円以下

10万円

6万円

5億円を超え10億円以下

20万円

16万円

10億円を超え50億円以下

40万円

32万円

50億円を超えるもの

60万円

48万円

出典:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

4-3.登記費用(抵当権抹消・所有権移転)

登記費用とは、売買契約によってワンルームマンションの所有者が変更される際の手続きに必要な費用です。

抵当権抹消とは、ワンルームマンションにローン残債があった場合、先述したようにローンを返済して抵当権を外すことです。抵当権抹消の手続きに必要な費用は売主が支払います。費用は不動産1つにつき1千円かかりますが、土地と建物にそれぞれ抵当権が設定されていた場合、どちらにも費用がかかるため2千円必要です。

一方で、所有権移転は、売主から買主へとワンルームマンションの所有権を変更することです。所有権移転の登記費用は売主が負担します。

また、抵当権抹消手続を司法書士に依頼した場合は、一般的に1〜3万円程度の報酬が必要です。抵当権抹消手続は複雑なため司法書士へ依頼するのがいいでしょう。

4-4.ローン一括返済の手数料

ワンルームマンションにローン残債がある場合、一括返済するための手数料がかかります。

先述のとおり、ローン残債がある状態でワンルームマンションを売却するためには、一括返済をして抵当権を外す必要がありますが、一括返済をするためには手数料がかかります。手数料は金融機関によって異なりますが、5千円〜2万円程度です。

ローン残債の一括返済は、インターネットか窓口での対応が可能です。また、インターネットと窓口では手数料が異なるため、金融機関に問い合わせて確認しましょう。

4-5.各種証明書取得費用

ワンルームマンションを売却するときには、以下の各種証明書が必要です。

  • 印鑑証明書
  • 住民票
  • 固定資産税証明書

各種証明書の発行には費用がかかります。

【印鑑証明書】

印鑑が実印であることを証明するための書類です。個人の場合は市区町村役場で取得します。1通につき200〜400円ほどの費用がかかります。3ヶ月以内に発行したものが必要です。

【住民票】

ワンルームマンションの登記手続きの際に必要な書類です。すでに新居へ引越しを済ませ、現住所と登記時の住所が異なる場合に必要です。市区町村役場での取得が可能で、300円ほどの費用がかかります。3ヶ月以内に発行したものが必要です。

【固定資産税証明書】

買主の登録免許税の計算時や、買主と固定資産税を精算するときに必要な書類です。市区町村役場での取得が可能で、300円ほどの費用がかかります。東京都の場合、東京都主税局にて取得する必要があり、費用は400円です。

4-6.譲渡所得税

譲渡所得税とは、ワンルームマンションを売却して譲渡所得(収益)を得た場合にかかる税金のことです。譲渡所得税は、住民税と所得税(復興特別所得税を含む)の2つから成ります。

譲渡所得税を算出するために、まず譲渡所得を以下の計算式で求めます。

「譲渡所得=収入価格-取得費-譲渡費用」

  • 収入価格:ワンルームマンションの売却価格
  • 取得費:ワンルームマンションの購入価格から減価償却費を引いた費用
  • 譲渡費用:ワンルームマンションの売却時にかかる、仲介手数料や収入印紙などの費用を全て合わせたもの

次に、譲渡所得にワンルームマンションの所有年数によって異なる以下の税率を掛け合わせて譲渡所得税を求めます。

区分

所有期間

所得税率

住民税率

 復興特別所得税

合計

短期譲渡所得

5年以下

30%

9%

所得税額の2.1%

39.63%

長期譲渡所得

5年超

15%

5%

所得税額の2.1%

20.315%

5.ワンルームマンションを売却するタイミング

ワンルームマンションを売却するとき、できるかぎり高値で売りたいと思う方が多いでしょう。さまざまな視点からタイミングを見極めることが大切です。ここではワンルームマンションを売却するタイミングを4つご紹介します。

5-1.ワンルームマンションの需要が高い時期

近年、コロナ禍やウッドショックによって建築材料が高騰しているため、新築物件が高値になっています。そのため、中古物件の人気が高まっている傾向があり、ワンルームマンションも同様に需要が高まっているといえます。

また、ワンルームマンションは不動産投資として人気の高い物件です。投資用ワンルームマンションだと初期費用も抑えられるため、リスクが低いからです。また投資用ワンルームマンションを複数持ち、分散投資ができる点も人気の理由の1つです。

不動産は社会的要因や経済的要因の影響を受けやすく、中古物件の人気が高い時期は不動産投資物件としてのワンルームマンションも売却を考えていいタイミングといえるでしょう。

5-2.周辺環境が大きく変わった

近所に大型商業施設ができたり企業の撤退があったりなど、ワンルームマンションの周辺環境が大きく変わったときは売却するタイミングです。

投資用ワンルームマンションの場合、近所にあった企業や大学、ショッピングモールなどの大きな施設が撤退してしまうと将来的に賃料が下がることが予想されます。また、空室になる恐れもあるでしょう。そのようなリスクを避けるために、早々に売却するのがおすすめです。

一方で、投資用ワンルームマンション周辺の土地開発が進んだり大型商業施設が建設されたりすると、賃貸物件としての人気が高まることが予想できます。家賃の値上げも期待できるでしょう。同時に高値での売却も期待できるため、売却するにはいいタイミングといえます。

5-3.収支がマイナスになりそう

投資用ワンルームマンションの収支がマイナスになりそうな場合も、売却するタイミングといえます。

築年数が浅い投資用ワンルームマンションは入居者が入りやすく、高い家賃設定が可能です。また、修繕費もさほどかからないため、高い収益を得られることが期待できます。

しかし築年数が経つにつれて、投資用ワンルームマンションの家賃は下がる傾向です。さらに築古物件になると劣化が目立ち、修繕費もかかってしまいます。そのため収支がマイナスになるときがくるかもしれません。

収支がマイナスになりそうな場合、思い切って売却し、赤字経営を避けるのが得策です。

5-4.築20年を迎える

築20年を迎えるワンルームマンションは、評価額が下がってきています。また、買主側が少しでも長期で住宅ローンを組めるようにと考慮すると、築20年を迎える前の売却がおすすめです。

ワンルームマンションは築年数が経つごとに売却価格が下がる傾向にあり、建物は税制上の法定耐用年数によって価値が決まります。マンションの法定耐用年数は47年のため、築20年の時点ではまだまだ価値がある状態です。

しかし、築20年を過ぎると価値は下がっていき、買主の住宅ローンの融資額が少なくなったり返済期間が短くなったりします。

このようにワンルームマンションの評価額と買主側の負担を考慮すると、築20年を迎える前がワンルームマンションを売却するタイミングといえます。

6.ワンルームマンションを高く売るためのポイント

投資用ワンルームマンションを高く売るためには、いくつかポイントをおさえて売却することが大切です。ここでは、高く売るためのポイント3つをご紹介します。

6-1.空室は埋めておく

投資用ワンルームマンションを売るときには、空室を埋めておくことが高値で売るための基本です。空室の状態である投資用マンションの場合、入居者を見つけてから売りに出しましょう。

不動産投資では、買主は家賃収入がどれだけ得られるのかを考慮したうえで購入を検討します。空室の状態だと、想定家賃を提示しても買主の不安要素となるでしょう。そのため、値引き交渉される可能性が高くなり、売却価格が下がってしまいます。

空室の状態が続いてなかなか入居者が決まらない場合は、一定期間の家賃を免除するフリーレントを付けて募集してみましょう。高く売るためにも、空室は必ず埋めておくのがポイントです。

6-2.金利が安い時期に売却

金利が安い時期だと、高値での投資用ワンルームマンションの売却が期待できます。

金利が安い時期は、不動産投資家にとって資金調達がしやすく、投資用ワンルームマンションの購入意欲が高まります。同様に金利が安い時期は、投資用物件の価格が高くなる傾向です。

1999~2000年にかけてゼロ金利政策が実施され、2度の解除はあったものの再び戻され、長年にわたって超低金利時代が続いています。しかし2022年12月に日銀が緩和修正を行い、固定金利がわずかに上昇しました。変動金利は低金利のままで維持されていますが、2023年はこれから金利の上昇が予想されているため、金利が安い時期に早めに売却するのがポイントです。

6-3.管理費・修繕積立金の滞納を解消しておく

管理費・修繕積立金の滞納がある場合、精算を済ませてから売りに出しましょう。

管理費・修繕積立金を滞納したままの状態で売りに出した場合、値引き交渉されるか、そもそも滞納額を抱えたワンルームマンションには買い手が付かない可能性があります。買い手が付かず売れ残ってしまうと、不動産価値がどんどん下がってしまいます。

また、管理費・修繕積立金の滞納は、買主に引き継がれると思われるかもしれません。しかし、買主は売主である前所有者に滞納額の請求が可能です。

したがって、管理費・修繕積立金の滞納を解消してから売りに出すことが高く売るためのポイントです。

7.ワンルームマンションを売却したら確定申告が必要

ワンルームマンションの売却が完了した翌年には確定申告の提出が必要です。

ワンルームマンションを売却して譲渡所得があった場合は、譲渡所得に応じて「譲渡所得税」を納める必要があります。譲渡所得があるにも関わらず、確定申告の提出をしなかった場合、延滞税等が課されてしまうため注意が必要です。確定申告の提出が遅れた場合には延滞税が、提出しなかった場合には無申告加算税が課されます。

一方でワンルームマンションを売却して赤字になった場合、確定申告は原則不要です。しかし、給与や事業所得と損益を通算できる特例を受けたい場合は確定申告をしましょう。

8.ポイントをおさえてワンルームマンションを高く売却しよう

ワンルームマンションを売却するには、査定から引き渡しまで多くの手順が必要です。また、売却するために仲介手数料や印紙税など、売却価格の5〜7%ほどの費用がかかります。事前に必要な書類や費用などを準備してスムーズに売却しましょう。

投資用ワンルームマンションを高く売却するためには、収支や周辺環境、築年数などを見極めていいタイミングを狙いましょう。また、不動産一括査定で査定額を比べるのがおすすめです。

おうちクラベルは、複数の不動産会社の査定額が比べられるうえに、AIによる査定がその場で確認できる不動産一括査定サイトです。忙しくて不動産会社に訪問する時間がない方にもぴったりです。ぜひおうちクラベルを利用して投資用ワンルームマンションの査定額を比べてみてください。

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