家を売るときは、なるべく高くそして早く売却したいと考える人も多いのではないでしょうか。一方でどの不動産会社へ相談すればいいのか悩みもつきないもの。
この記事では信頼できる不動産会社の選び方や、注意すべきポイントを解説します。また「仲介」と「買取」の違いや、家を高く売るために大事なタイミングも紹介しますので、これから家の売却を検討している人は参考にしてください。
1.家を売るなら「仲介」と「買取」どっちがいい?
家を売る方法には大きく分けて2つの方法があります。不動産会社に依頼して買主を探してもらう「仲介」と、不動産会社が自ら買主となって家を購入する「買取」です。
どちらも家を売却する方法には変わりありませんが、それぞれにメリットと注意すべきポイントがあります。特徴を理解したうえで自分にあった方法を選びましょう。
1-1.不動産会社に仲介してもらう方法
不動産会社が家を査定し、売主と相談したうえで販売価格を設定します。不動産会社は広告活動や顧客への紹介で買主を探します。条件や時期にもよりますが売却までに3〜5ヶ月かかることがほとんどで、さらに時間がかかることも想定する必要があります。
また買主のほとんどは個人であり、住宅ローンを利用することが多いでしょう。そのためローン承認が下りず、白紙になることも考慮しなければなりません。仲介のデメリットは現金化に時間がかかること、そして確実に売却できるとは限らないことが挙げられます。
一方で市場の動向を見て価格を設定できるうえ、すぐに売却できない場合は地域の需要を見ながら価格を下げることもできるので、売却価格に納得しやすいのはメリットの1つです。
1-2.不動産会社が物件を買い取ってから買主を探す方法
不動産会社が家を買取をするのは、リフォームなどにより付加価値をつけたうえで再販するのが目的です。不動産会社はその費用も含めて利益を出さなければならないため、厳しく買取価格を設定する傾向があります。買取価格は一般相場の60〜80%ともいわれており、仲介で売却するよりも安くなる可能性が高いといえます。
一方で不動産会社が買主のためローンで白紙になることはほぼなく、住み替えなどで現金化しなければならないなど期日が決まっている人には、契約に確実性がある買取がおすすめです。
買主が不動産会社のため、引渡し後に瑕疵が見つかっても契約不適合責任(引渡した物件が契約内容と適合していない場合に売主が負う責任のこと)を問わないと取り決めることも可能です。とくに築年数が古い家の場合は引渡し後も安心できるでしょう。
2.家を売る手順や流れは?
家を売るといっても、売却までにいくつかのステップを踏まなければなりません。事前に実際の流れを把握しておくためにも、ここではステップごとに押さえるべきポイントを紹介します。
2-1.物件価格の相場を把握したうえで査定を依頼する
いきなり不動産会社へ査定依頼するのではなく、まずは自分で不動産の相場を調べましょう。地域の相場をある程度分かっていれば、相場に見合わない金額が提示された場合に気づきやすいです。
不動産情報誌や住宅情報サイト(SUUMO・HOME’S・at-home)などでもある程度相場を調べられます。また国土交通省が提供している「土地総合情報システム」では不動産の取引価格や地価公示価格を確認でき、レインズ・マーケット・インフォメーション(REINS Market Information)では成約価格を基にした不動産取引の情報を検索できます。
不動産会社へ机上査定を依頼する方法もあります。早ければ数日程度で査定額を知ることができます。より市場価格に近い価格を知るためにも1社のみではなく複数社に依頼し、査定額の平均値を見るといいでしょう。
複数社に査定依頼するのは手間がかかり大変ですが、「おうちクラベル」の不動産一括査定を利用すれば一度の入力で複数社へ査定依頼ができるので便利です。
2-2.机上査定と訪問査定を行う
不動産には机上査定(簡易査定)と訪問査定の2種類があります。対象となる不動産を訪問せずに、一定の情報のみで査定するのが机上査定です。簡単な手続きで査定できることから、簡易査定ともいいます。早ければ数日で査定額もでますので、まずはおおよその金額を知りたいときや、売却するか否かを判断するときにおすすめです。
一方で訪問査定は担当者が実際に現地調査を行い、建物や土地の状況を確認したうえで査定します。より正確な査定額が出ますので、実際に売却する場合は通常訪問査定を受けることになります。
まず机上査定を複数社に依頼し、おおまかな査定額を把握したうえで不動産会社を比較するといいでしょう。査定書の内容から実際に依頼したい不動産会社を選定し、訪問査定を依頼します。実際に担当者と会うことになりますので、相性も考慮して仲介を依頼する不動産会社を決定しましょう。
2-3.不動産仲介会社と媒介契約を結ぶ
依頼したい不動産仲介会社が決まったら、媒介契約を結びます。不動産仲介会社へ売却を依頼するときに締結する契約です。
媒介契約には3種類あり、1社のみへ依頼する場合は専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約、複数社へ依頼する場合は一般媒介契約になります。一般的には専任媒介契約か一般媒介契約を選ぶことが多いです。
どの媒介契約を選んでも、不動産会社へ支払う仲介手数料の額は変わりません。それぞれメリットやデメリットがありますので、自分に合ったタイプを選びましょう。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
媒介契約締結先 | 1社のみ | 1社のみ | 複数社可能 |
自己発見取引 | 不可 (必ず不動産会社を介する必要がある) | 可能 (自分で買主を見つけたら直接売買可) | 可能 (自分で買主を見つけたら直接売買可) |
不動産会社の 報告義務 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 報告義務なし |
レインズへの登録 (不動産流通機構) | 5日以内に登録 | 7日以内に登録 | 登録義務なし |
契約期間 | 3ヶ月が上限 更新可能 | 3ヶ月が上限 更新可能 | 法的に決まりはない) (3ヶ月が一般的、更新可能 |
2-4.売却活動が開始される
媒介契約を締結したら、売却活動が始まります。売却活動をするのはおもに不動産会社になりますが、内見希望者が現れた場合は内見に応じます。
不動産会社が行う売却活動としては、レインズ(不動産流通機構)への登録、自社ホームページへや広告チラシによる広告活動、住宅情報サイト(SUUMO・HOME’S・at-home)への掲載などがあります。
専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約の場合は、業務報告の義務がありますので売却活動について報告があります。しかし一般媒介契約だからといって報告がない訳ではありません。任せっきりにせず、市場の状況や近隣の成約事例などを聞くようにしましょう。
2-5.買主と売買契約を締結する
購入希望者から不動産仲介会社経由で、「購入申し込み書」もしくは「買い付け依頼書」が届いたら、購入希望者の希望価格や条件などを確認します。
書面にある内容を承諾する場合はその旨を伝え、応じられない場合は売り渡し希望価格などを不動産会社の担当者に伝え交渉します。
価格や条件に折り合いがついたら両社のスケジュールを確認し、期日を定めて売買契約を締結します。売買契約時に必要になる重要事項説明書や不動産売買契約書は、不動産会社が準備をしますので基本的に書面などを準備する必要はありません。
買主に対して「物件状況報告書」や「付帯設備票」を用意する必要がありますが、書式は不動産会社が用意しますので、物件や付帯設備の状況や有無などを記入すれば足ります。
売買契約時に必要になる書類などは不動産会社に確認しましょう。基本的には登記済権利証(登記識別情報)や実印、印鑑証明、納税通知書などです。
不動産売買契約が締結したら、買主から手付金を受領します。買主への領収書が必要になりますが、不動産会社が用意したものに署名・捺印して渡すことが多いので、これについても不動産会社に相談してみましょう。
2-6.物件の引渡し(決済)
決済とは買主が売主に売買代金(売買代金から手付金を差し引いた額)を支払うことです。そしてその支払いに基づいて売主は買主に物件を引き渡します。
売主に住宅ローンの残債がある場合は、買主に物件を引き渡す前に完済しなければなりません。通常は買主から受け取った売買代金によって完済し、抵当権を抹消します。もし残債が売買代金を上回る場合は、自己資金を充当しなければなりません。
住宅ローン完済や抵当権の抹消、所有権移転は同日に行います。買主が住宅ローンを借入る場合は、ローンの実行も同日です。売主・買主・司法書士・不動産会社の担当者が集い、すべてを一度に行うことになります。基本的には同日に物件の引渡しもします。
売主は決済日までに買主に物件の引渡しができるように、引っ越しや不用品の処分をしなければなりません。粗大ごみは回収に時間がかかることがありますから、余裕をもって計画しましょう。
所有権移転や住宅ローンの実行をする必要があるため、決済日は法務局や金融機関が営業している平日に行う必要がありますのでご注意ください。
2-7.家を売ったら確定申告をする
不動産会社が仲介するのは決済と物件の引渡しまでです。しかし家の売却は確定申告までが一連の流れだと理解し、売却した翌年には忘れずに確定申告をしましょう。
家の売却をして譲渡所得が発生した場合は、必ずその所得を申請しなければなりません。申告を怠ると、無申告加算税や延滞税を追徴課税される場合があるので注意が必要です。
例えばマイホーム(居住用財産)を売ったときは、最高で3,000万円まで控除ができる特例がありますが、確定申告しなければこの特例は適用されません。所有期間の長短に関係なく譲渡所得から3,000万円控除できます。
また実は家を売って損失(譲渡損失)が発生した場合は、申告することによって損益通算など、節税できる可能性があります。
例えば年末に家を売却した場合は、翌年の確定申告日まで期間がありません。直前になって慌てることなく準備ができるように、あらかじめ必要書類など確認しておくとよいでしょう。
3.家を売るときの不動産会社の選び方
家の売却を考えたときに、不動産会社の選び方について戸惑う人は多いのではないでしょうか。不動産会社には大手不動産会社から地域密着型で中堅といわれる不動産会社まであり、正直なところ悩むのは必然かもしれません。
ここでは「頼れる不動産会社」なのか見極めるための、7つのポイントを紹介します。ぜひ自分に合った不動産会社を選んでください。
3-1.家の売買実績を確認する
不動産会社にはそれぞれ特色があり、得意とする物件の傾向があるので見極めが大切です。例えば土地や戸建ての売却を得意とする不動産会社や、マンションに重きをおいている不動産会社です。
もし家の売却が得意でないとしても不動産会社からまず断られることはありません。相談する前にその不動産会社のホームページなどを確認し、何を得意とする不動産会社なのか確認しましょう。さらに売買の取り扱いの実績などを確認できるとより安心です。
また依頼する地域に精通しているかどうかも重要なポイントです。その地域の相場や市場について熟知しているほうが、査定額もより適切に提案してもらえるでしょう。加えて買主になりえる顧客をすでに保有している可能性もあり、早期に売却できる可能性も高くなります。
3-2.「囲い込み」がないかどうか
「囲い込み」とは、不動産会社が売り物件の情報をほかの不動産会社に対してオープンにせず、自社で不動産を囲い込んで両手仲介を狙うことをいいます。
「両手仲介」とは売主から売却を依頼された物件の買主を自社の顧客の中から探し、売主・買主双方から仲介手数料を得ることです。一方から手数料を得る「片手仲介」の倍の手数料が入るので、不動産会社にとっては都合のいい取引になります。
両手仲介自体が悪い訳ではありませんが、囲い込みをしている場合は早期に売却する機会を逃してしまう可能性があり、売主にとっては不利益になることがあります。
実際に囲い込みをしているのか確認することは難しいですが、すぐにレインズ(不動産流通機構)に登録してもらえるのか、またほかの不動産会社へも情報をすぐに公開するのかなど確認してみましょう。
ちなみに一般媒介契約の場合はレインズへの登録義務はありませんが、複数社に依頼することが前提のため「囲い込み」の心配はありません。
3-3.売買のほかにどのようなサービスの提案が可能か
不動産仲介会社は不動産売買の仲介が本業ですが、会社独自のサービスを用意しているケースがあります。
例えば安心して住み替えできるように一定期間後に買取を保証するサービスや、リフォームの相談もできる会社、その会社の顧問税理士に税務について相談できるサービスがあるなどさまざまです。
自分のニーズに合ったサービスを提供している不動産会社を選ぶことが大切です。媒介契約を結ぶ前にサービスを受けられるのか、条件の有無などを確認しておきましょう。
3-4.営業担当者に相談しやすいか
営業担当者は、大切な不動産の売却を依頼する相手です。コミュニケーションが上手くいかないと、不満が残る取引にもなりかねません。営業担当者とは内見の予定や契約の打合せなど、頻繁に連絡を取ることになりますので信頼できる相手を選びましょう。
大手の不動産会社だから安心ということはありません。会社の規模だけでなく担当者との相性も重視しましょう。連絡が取りやすい時間帯や曜日、電話よりLINEがいいなど連絡方法についても希望を伝えておくと、気持ちよくスムーズにコミュニケーションを取ることができます。
3-5.免許番号と更新回数にも注目
不動産会社は宅地建物取引業を営むためには免許を受ける必要があります。例えば東京都内で営業する場合は都知事、都道府県をまたいで宅建業を営むのであれば国土交通大臣の許可が必要です。
不動産会社を見極める指標として見たいのは「免許番号」です。国土交通大臣や知事の後に記載されている括弧の中の数字です。
宅地建物取引業の免許は5年に一度更新になりますので、「免許番号×5年」がその会社の業歴になります。つまり免許番号の数字が大きいほど、会社が長く存続していることの証明になります。
ただし1996年までは3年に1回の更新でした。5回以上更新している不動産会社は、「免許番号×5年」が業歴ということにはなりませんので注意しましょう。
また途中で都道府県知事から国土交通大臣(もしくはその逆)に変えている場合は免許番号が「1」からスタートになります。業歴が長そうなのに免許番号が若い場合は、不動産会社に確認すると安心でしょう。
3-6.行政処分等の履歴をチェック
行政処分とは行政機関が法律に基づいて、国民に対して権利を与えたり義務を負わせることです。
宅地建物取引業者も例外ではなく、免許権者(国土交通大臣や都道府県知事)の行政庁から行政処分を受けることがありますが、その処分の履歴については、「国土交通省 ネガティブ情報等検索サイト」で検索できます。
処分の年月日や都道府県、事業者名、処分などの種類(行政指導・指示・業務停止・業務取消)を入力することでより簡単に確認できます。
概要には違反行為の概要についても記載されています。少なくとも媒介契約を締結する前にその不動産会社について検索し、行政処分を受けた履歴がないかチェックしておきましょう。
ちなみに同じサイトで、マンション管理業者や賃貸住宅管理業者、不動産鑑定士の行政処分の履歴も同様に確認できます。
3-7.査定金額とその根拠を比較する
査定は複数社に依頼することをおすすめしますが、その場合査定額だけでなくその査定の根拠も比較しましょう。
査定額を最も高く出している不動産会社が、1番高く売却できるとはかぎりません。その地域の市場価格をきちんと把握していなかったり、媒介を受けたいがために高く評価していたりする可能性もあります。査定価格は複数社に依頼し、平均値をみるようにしてください。
査定額が気になるところですが、大切なのは査定額の根拠です。きちんと成約事例や近隣の比較物件のデータを集めており、市場の状況や需要の有無まで把握できていると感じられる査定書を提出した不動産会社が仲介依頼先として望ましいといえます。
4.家を高く売るのにおすすめのタイミングは?
不動産を売却するタイミングは通常「売りたいとき」になりますが、少しでも高くそして有利に売却したいと考えるのであれば、家を売る時期について慎重に検討するべきでしょう。ここでは売却にふさわしいタイミングの見極め方を3つ紹介していきます。
4-1.税金を安く抑える控除・特例を利用する
不動産は短期保有に比べて、長期のほうが譲渡所得税や住民税が軽減されています。短期譲渡所得税は30%に対し、長期譲渡所得は15%です。住民税も下記のとおり異なります。
なお長期譲渡所得税は、売却した年の1月1日に所有期間が5年を超える場合の税率ですので注意しましょう。
所有期間 | 譲渡所得税 | 住民税 | 復興特別所得税 | 合計 | |
長期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を超える場合 | 15% | 5% | 基準所得税額の2.1% | 所得税15.315%+住民税5% =20.315% |
短期譲渡所得 | 譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年以下の場合 | 30% | 9% | 基準所得税額の2.1% | 所得税30.63%+住民税9%=39.63% |
※復興特別所得税とは東日本大震災の復興財源として、2013年1月1日から2037年12月31日までの通常の所得税に上乗せして徴収される税金です。
さらに10年以上所有している不動産については、「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」により課税長期譲渡所得金額の6,000万円以下の部分は軽減税率が適用され10%になります。
課税長期譲渡所得金額(=A) | 税額 |
6,000万円以下 | A=10% |
6,000万円超 | (A-6,000万円)×15%+600万円 ※上記600万円は6,000万円以下の税額 |
課税長期譲渡所得金額とは、以下の計算式で求めた金額です。
課税長期譲渡所得金額=土地建物を売ることによって得た収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除
税率が低い時期に売却することによって、節税効果が期待できます。売却時は所有期間を確認し、どの税率に該当するのか確認しましょう。また不動産を購入・売却したときの経費は「取得費」や「譲渡費用」として譲渡所得金額より差し引くことができます。確定申告時には土地や建物の売買契約書や領収書の添付が必要になります。申告時に慌てないように事前に確認しておきましょう。
4-2.市場価格の動向を見極める
不動産は社会的要因によって、不動産の市場価値が大幅に変わることがあります。
例えばコロナ禍の影響により、2020年の春には一時的に不動産取引が低迷しましたが、現在では不動産取引も回復しています。このような社会的な要因によって地価の価格も上下しますので、長期的に家の売却を検討している場合は、社会情勢をみながら時期を検討することをおすすめします。
市場の動向を確認する方法として、毎年国土交通省から発表される公示地価や、全国宅地建物取引業協会連合会が公表している不動産市場動向データなどが挙げられます。
不動産市場の動向は地域性もありますので、なるべく情報は多くのデータから得るようにし、売却時期を見極めましょう。
4-3.不動産の需要が高まる時期を狙う
賃貸需要の高まりに比べて不動産売買にそれほど大きな変化はありませんが、それでも需要の高まる時期はあります。
例えば人事異動の時期である春や秋、またライフステージの変化が起きやすい年度末などが需要が多くなる時期といわれています。また子どもがいる世帯では、新生活が始まる前の1〜3月も住み替えが多くなります。
需要が高まる時期は不動産価格にいい影響を与えるだけでなく、早期売却できる要因にもなります。可能であれば有利な相場で売れる時期を逃さないようにしましょう。しかし準備期間も必要ですから1月〜3月に向けて売りに出すのであれば、10月〜12月までには不動産会社への相談や査定は終えておきましょう。
もし家の査定をしてから3ヶ月以上経っている場合は、そのときの市場動向によっては資産価値が変化している場合があります。その場合はもう一度査定依頼することをおすすめします。
5.家を売るなら知っておきたい注意事項
家を売る前に押さえておきたい、注意すべきポイントがあります。事前に把握できていれば問題ありませんが、知らずに売却を進めてしまうと後で困ることもあります。
いざ不動産会社に相談してから慌てることがないように、ここでは代表的な3つの注意点を解説しますので、あらかじめ確認しておきましょう。
5-1.住宅ローンが残っている家を売る場合
大前提として住宅ローンが完済できなければ、売却することはできません。しかし売買価格で残債を支払うことができれば問題ありません。
決済時(残代金決済)に買主から受領した売買代金によって、住宅ローンを完済できれば同日に完済でき、その日に抵当権も抹消できます。売買代金が住宅ローンの残債を上回る場合は問題ありませんが、もし残債のほうが多い場合は自己資金を充当する必要があります。
住み替えを検討している場合などは自己資金を使うことになりますので、資金計画を綿密に立てる必要があるでしょう。住宅ローンが残っている場合は不動産会社にその旨を伝え、売却想定価格を基に購入物件の予算を検討しましょう。
住み替えには「売り先行」や「買い先行」、自宅を買取してもらいその代金で新居を購入する方法などがあります。自分の条件やニーズに合った方法を選べるよう、不動産会社の担当者には残債額や自己資金額を伝えて相談しましょう。
5-2.相続した家を売る場合
不動産を売却する場合は、登記名義人(所有者)が売却について了承している必要があります。そのため相続した不動産の登記名義人は、被相続人から相続人の名義に移っていなければなりません。
相続登記自体は費用はかかるものの、そう難しいものではなく司法書士へ依頼すればすぐに相続登記できます。また個人でも登記することが可能です。
しかし相続した家の相続人が複数人で、相続の割合が定まっていない場合やそもそも売却に賛成していない相続人がいる場合は売却できませんので注意が必要です。
不動産会社へ相続した家の売却を依頼する際は、少なくとも遺産分割について協議がなされ、「遺産分割協議書」が作成されていることが条件になるでしょう。
遺産分割協議書とは、遺産の分割について合意した内容をまとめた書類です。遺産分割する財産や遺産分割方法、相続の割合などが記載されています。
5-3.空き家を売る場合
相続や住み替えで家を売却する場合には、空き家となった状態で売却することもあるでしょう。空き家は鍵を不動産会社へ貸し出すことが多く、内見に立ち会う必要はありません。その一方で気をつけなければならないことがあるのも事実です。
例えば家は定期的に換気をして湿気を外へ出さないと、カビが発生しやすくなります。また給排水設備も使わない期間が長いと、故障の原因になりかねません。
空き家を売る際は定期的な手入れや管理は怠らないようにしましょう。とくに庭が広い物件は雑草や植木の手入れも必要です。全体的な印象が悪いと資産価値が下がったり、売りづらくなる原因にもなります。
また木々があまりにも茂った状態は防犯上もよくありませんし、近隣から苦情が出る可能性もありますので注意しましょう。
6.まとめ 家を売るなら不動産一括査定サイト「おうちクラベル」が便利
家を売るなら誰しも高く、早く売却したいと考えるものでしょう。そのためにはまず複数社に相談し、その中から自分のニーズに合った不動産会社を選ぶことが大切です。しかし数ある不動産会社の中から査定依頼先を選び、1社ごとに査定依頼するのは大変な作業です。
そんなときは不動産一括査定サイト「おうちクラベル」が便利です。一度の入力で複数の不動産会社への査定依頼ができます。また査定依頼できるのは実績豊富な優良企業ばかりなので、自分に合った不動産会社を見つけられるでしょう。
また「近所に知られたくない」「不動産の売却の進め方が分からない」などの相談も可能です。
まずは「おうちクラベル」の不動産一括査定サイトをご利用ください。