マンションが売れない場合はダブルローンを組むべき?メリット・デメリットを解説

住み替えによってマンションを売却する場合、ダブルローンを組むことがあります。

では、ダブルローンを組むことには、どのようなメリットやデメリットがあるでしょうか?

また、ダブルローンを組んだもののマンションが売れない場合には、どのような対策を講じればよいでしょうか?

今回は、マンションが売れない場合のダブルローンについて詳しく解説します。

ダブルローンとは

ダブルローンとは

ダブルローンとは、文字どおりローンをダブル(二重)で組むことです。

ダブルローンを組む理由はさまざまであり、セカンドハウスを購入する際や、マンションなどの住み替えの際に使われることも少なくありません。

マンションの住み替えには、先に住み替え先の物件を買ってからマンションを売る「買い先行」と、先にマンションを売ってから住み替え先となる物件を購入する「売り先行」の2つのパターンがあります。

ダブルローンとなるのは、このうち「買い先行」の場合です。

この場合は、売却したいマンションが売れるまでの間、次のローンを二重で返済する必要が生じます。

  1. 売却したいマンションのローン
  2. 住み替え先として新たに購入したマンションのローン

マンションが売れないときはダブルローンを組んでもよい?

マンションが売れないときはダブルローンを組んでもよい?

元々は売り先行で住み替えを進める予定であったものの、マンションがなかなか売れないことで買い先行に切り替えてダブルローンを組もうと考えることもあるでしょう。

では、マンションが売れない場合に、ダブルローンを組んでもよいのでしょうか?

マンションが売れない場合にダブルローンを組んでよいかどうかは、ケースバイケースです。

ただし、ダブルローンとなるとマンションが売れるまでの間、二重でローンを支払い続けなければなりません。

そのため、これを支払い続けられるだけの収入や貯蓄の余裕が必要となります。

また、「6か月程度でならダブルローンを支払っても何とかなる」などとギリギリの資金計画を立ててしまうと、その後もマンションが売れない場合に資金計画が破綻してしまうリスクが生じます。

ダブルローンを組む際かどうかを判断する際は、金融機関にも相談したうえで、余裕のある資金計画を立てる必要があります。

ダブルローンを組むメリット

ダブルローンを組むメリット

マンションが売れない場合、ダブルローンを組んで買い先行へと切り替えることには、どのようなメリットがあるでしょうか?

ここでは、主なメリットを3つ解説します。

  • 仮住まいが必要なくなる
  • 新居を好きなタイミングで購入できる
  • 空き家となった状態で内見を受けられる

仮住まいが必要なくなる

ダブルローンを組んで買い先行とすることで、マンションの売却から購入までの間の仮住まいが不要となります。

売り先行の場合、今住んでいるマンションが売れてから新居の売買契約を締結することとなるため、マンションを買主に引き渡すタイミングでは、まだ住み替え先の家がないことが一般的です。

そのため、一時的に賃貸物件に引っ越すことが必要となるケースが少なくありません。

賃貸物件に引っ越すとなると、居住期間中の家賃の支払いが必要となることはもちろん、引っ越し費用や敷金や礼金などの支払いも必要となります。

また、費用面のみならず、何度も引っ越しをすることに心理面や体力面での負担を感じることもあるでしょう。

一方、ダブルローンを組んで買い先行とすることで、売却前に住み替え先の物件に引っ越すことが可能となり仮住まいが不要となります。

新居を好きなタイミングで購入できる

ダブルローンを組む前提である場合は、好きなタイミングで新居を購入することが可能となります。

まったく同じ不動産は2つとして存在せず、一期一会です。

そのため、売り先行を徹底すると、せっかく住み替え先として理想の物件を見つけても、今住んでいるマンションが売れるのを待つ間に理想の物件が他者に買われてしまうかもしれません。

一方で、ダブルローンを組む前提である場合は、理想の物件を見つけた時点でその物件を購入することが可能となります。

空き家となった状態で内見を受けられる

マンションを売却する際は、原則として内見を受けなければなりません。

マンションという大きな買い物をするにあたっては、買主はあらかじめ室内を見ておきたいと考えることが一般的であるためです。

これはマンションに売主が居住中であっても例外ではありません。

しかし、居住中のマンションについて内見を受け入れることに、心理的な負担を感じることもあると思います。

散らかった状態で内見を受け入れると購入希望者にとっての印象が低下しかねないため、よい条件でマンションを売るには清掃や整理整頓などをする手間も必要です。

一方、ダブルローンを組んであらかじめ引っ越しをすることで、空き家の状態でマンションの内見を受けることが可能となります。

これにより売主の手間が軽減されるほか、売主の私物がない分だけ室内がすっきりして見えるため、よい条件でマンションを売却しやすくなります。

ダブルローンを組むデメリットと注意点

ダブルローンを組むデメリットと注意点

ダブルローンを組むことには、デメリットもあります。

ここでは、主なデメリットと注意点を5つ解説します。

  • 金銭的な負担が大きくなる
  • ダブルローンは審査が厳しい
  • 住宅ローン控除はダブルで適用できない
  • ローン期間が長期化するおそれがある
  • 資金計画に狂いが生じるおそれがある

金銭的な負担が大きくなる

1つ目は、金銭的な負担が大きくなることです。

買い先行としてダブルローンを組んだ場合は、マンションが売れるまでの間、ローンを二重に支払い続けなければなりません。

そのため、家計を大きく圧迫するリスクがあります。

ダブルローンは審査が厳しい

2つ目は、ダブルローンの審査は厳しくなりやすいことです。当人としては当面の間、貯蓄を切り崩してダブルとなったローンを支払おうと考えていても、金融機関の審査に通らず希望が実現できない可能性も低くありません。

ダブルローンの場合、返済比率は一般的に30%以内に抑えることがよいとされています。返済比率とは、年収に対する年間返済額の割合であり、たとえば年収400万円における30%以内の年間返済額は120万円です。

そのため、ダブルローンを組みたいと考えている場合は事前に返済比率を計算したうえで金融機関に相談することをおすすめします。

住宅ローン控除はダブルで適用できない

3つ目は、ダブルローンを組んだとしても、住宅ローン控除がダブルで適用できるわけではないことです。

住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高に原則として0.7%を乗じた額を、所得税などから控除することができる制度です。

減税効果が大きいため、活用している人も少なくありません。

この住宅ローン控除を受けるための要件の1つに、「2つ以上の住宅を所有している場合には、主として居住の用に供すると認められる住宅であること」が挙げられています。

つまり、ダブルローンの年末残高がすべて住宅ローン控除の対象になるのではなく、原則として新居のローン残高のみが住宅ローン控除の対象となります。

参照元:No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)(国税庁)

ローン期間が長期化するおそれがある

4つ目は、マンションが売れるまでの期間を正確に予想することは困難であり、その後もマンションが一向に売れない場合はダブルローンの期間が長期化するおそれがあることです。

ダブルローンを組む場合であっても、収入や資産に十分な余裕があれば問題ありません。

しかし、たとえば「半年くらいなら貯蓄を切り崩すことで何とかダブルローンを返済できる」などギリギリの計画を立ててしまうと、予定通りにマンションが売れない場合に計画が破綻してしまうおそれがあります。

また、そもそもこのような余裕のない計画である場合は、審査が通らない可能性も高いでしょう。

資金計画に狂いが生じるおそれがある

5つ目は、ダブルローンを組んで買い先行とする場合、資金計画に狂いが生じるおそれがあることです。

たとえば、売却するマンションが「3,000万円程度で売れるだろう」と考えこれを基準に新居を購入したものの、結果的に売却価格が3,000万円には遠く及ばなかった場合などがこれに該当します。

このような事態が生じないよう、ダブルローンを組む前に、信頼できる不動産会社に売却するマンションの査定を受けることをおすすめします。

査定にはぜひ、「おうちクラベル」をご活用ください。

おうちクラベルとは、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する不動産一括査定です。

査定依頼フォームに情報を1度入力するだけで複数の不動産会社に査定の依頼ができるため、複数社による査定額を比較することでマンションの売却適正額が把握しやすくなります。

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マンションの住み替えでダブルローンの期間を短くするポイント

マンションの住み替えでダブルローンの期間を短くするポイント

ダブルローンを組む場合、ダブルローンとなる期間(つまり、マンションが売れるまでの期間)をできるだけ短くしたいと思います。

では、ダブルローンとなる期間をできるだけ短くするには、どのようなポイントを踏まえるとよいでしょうか?

マンションを早く売却しダブルローンとなる期間を短くするポイントを2点紹介します。

  • そのマンションの売却が得意な不動産会社に依頼する
  • ニーズの高い時期にマンションを売り出す

そのマンションの売却が得意な不動産会社に依頼する

マンションを早く売却したい場合は、そのマンションの売却を得意とする不動産会社に依頼することがポイントです。

そのマンションの売却に強い不動産会社は、独自の販売ネットワークや販売ノウハウを駆使し、マンションを早く成約させてくれる可能性が高いためです。

しかし、どの不動産会社がそのマンションの売却に強いのかわからないことも少なくないでしょう。

その際は、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」の不動産一括査定をご活用ください。

おうちクラベルを活用して複数社による査定結果や担当者によるアドバイスなどを比較することで、そのマンションの売却に自信のある不動産会社を見つけやすくなります。

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ニーズの高い時期にマンションを売り出す

一般的に、マンションは2月から3月がもっとも売れやすいとされています。

なぜなら、4月からの新生活へ向けて、引っ越し先となるマンションの購入を決める人が増える時期であるためです。

そのため、この時期にマンションを売り出すことで、マンションが早く成約する可能性が高くなります。

ダブルローンを組んでも売却できない場合の対応策

ダブルローンを組んでも売却できない場合の対応策

ダブルローンを組んで住み替え先の物件を購入したものの、マンションが一向に売れない場合もあります。

マンションがなかなか成約しない場合、どのような対策をとればよいのでしょうか。

ここでは、主な対策を4つ紹介します。

  • 売出価格を見直す
  • 不動産会社に販売戦略を尋ねる
  • 内見対応に力を入れる
  • 不動産買取に切り替える

売出価格を見直す

1つ目は、マンションの売出価格を見直すことです。

マンションが一向に売れないのは、売出価格が高すぎるからかもしれません。

売出価格を適正価格へと見直すことで、マンションが成約する可能性が高くなります。

マンションの売出価格は、不動産会社による査定額をベースとして設定することが一般的です。

適正な価格設定によってマンションを売り出したい場合は、「おうちクラベル」をご活用ください。

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不動産会社に販売戦略を尋ねる

2つ目は、売却を依頼している不動産会社にマンションの販売戦略を尋ねることです。

回答や担当者の対応次第では、不動産会社との媒介契約の期間が満了するタイミングで不動産会社を切り替えることも選択肢の1つとなります。

特に、ポータルサイトに掲載している写真や文章の質が良くない、内見時に購入希望者と次のアポイントをとらない、売主に対する活動報告の頻度が少ないなどの対応が見られる場合は、不動産会社の変更を検討した方がよいでしょう。

マンションの売却を成功させるには、不動産会社の選定も非常に重要です。

マンションの売却を任せられる信頼できる不動産会社をお探しの際は、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご活用ください。

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内見対応に力を入れる

3つ目は、内見の対応に力を入れることです。

内見にまでは至るものの、その後成約に結びつかない場合は、室内の印象や内見時の対応に原因があり成約しないのかもしれません。室内の清掃が行き届いているか、質問に誠実に答えているかなど、改めて見直してみましょう。

大々的なリフォームやリノベーションは必要ないものの、不動産会社の担当者と相談したうえでハウスクリーニングを入れたり照明を変えたりするだけでも室内の印象が大きく変わり、成約する可能性が高くなります。

不動産買取に切り替える

4つ目は、不動産買取に切り替えることです。

不動産買取とは、不動産会社にマンションを買い取ってもらう契約形態です。

不動産買取の場合、市場で売りづらいマンションであっても買い取ってもらえる可能性があるほか、成約までがスピーディーとなります。

一方で、不動産買取による売却価格は市場で売却する場合の6割から8割程度となることが一般的であり、高く売りたい場合に適した方法ではありません。

マンションの住み替えでダブルローンを避けた方がよいケース

マンションの住み替えでダブルローンを避けた方がよいケース

マンションがなかなか売れないからといって、ダブルローンを組むことを避けた方がよい場合もあります。

それは、ローンを二重で支払っていけるだけの十分な収入や貯蓄がない場合です。

この場合、無理にダブルローンを組んでしまうと、その後もしばらくマンションが売れない場合に家計へ及ぼす影響が大きくなってしまいかねません。

ローンの支払いが難しくなったことを理由にせっかく購入した新居を手放さざるを得ない事態となれば、本末転倒です。

マンションの住み替えで検討したいダブルローン以外の方法

マンションの住み替えで検討したいダブルローン以外の方法

最後に、マンションの住み替えにおけるダブルローン以外の方法を3つ紹介します。

  • 親族などからの借り入れ
  • 住み替えローンの活用
  • 売り先行とする

それぞれの方法に一長一短があるため、実際に住み替えを検討している際は不動産会社の担当者とよく相談したうえで、最適な方法を検討するようにしてください。

住み替えについて相談できる信頼できる不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定の「おうちクラベル」をご活用ください。

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親族などからの借り入れ

1つ目は、金融機関でダブルローンを組むのではなく、親族から借り入れる方法です。

親族に資金に余裕のある人がいる場合は、マンションが売れるまでの期間だけ一時的に資金を借りられないか相談し、この資金で売却するマンションのローンを完済します。

このような方法を取ることで、マンションが売れるまでの間も、新居分の返済のみをすることが可能となります。

なお、当然ながら親族から借り入れた資金についてはきちんと契約書を取り交わし、約束どおりきちんと返済するようにしてください。

親族であることを理由に返済に遅れたり返済が滞ったりすれば、関係性が大きく悪化する可能性があります。

住み替えローンの活用

2つ目は、「住み替えローン」を活用することです。

住み替えローンとは、売却するマンションのローン残債と住み替え先の物件を購入するための資金を1本にまとめるローンです。

住み替えローンはダブルローンと異なりローンが一本化されるため、コストや手間が削減しやすくなります。

ただし、住み替えローンは通常の住宅ローンと比較して審査が厳しい傾向にあり、必ずしも審査に通るとは限りません。

そのため、住み替えローンの活用を検討する際はあらかじめ金融機関に相談するようにしてください。

売り先行とする

3つ目は、買い先行を諦め、売り先行とすることです。

売り先行とすることで、ダブルローンを組む必要がなくなります。

特に、資金面の余裕がない場合は無理に買い先行とせず、売り先行とするとよいでしょう。

まとめ

マンションの住み替えによるダブルローンについて解説しました。

マンションの住み替えには「売り先行」と、先に新居を購入しダブルローンを組む「買い先行」があります。

ダブルローンを組んで買い先行とすることには、仮住まいが不要となることや空き家の状態で内見を受けられることなど、メリットが少なくありません。

一方で、ローンを二重で支払う必要があり家計への影響が大きい点が、最大のデメリットです。

また、マンションが予想したとおりの価格で売れない場合、資金計画に狂いが生じるリスクがあります。

そのため、マンションを住み替える際は、複数の不動産会社から査定を受け、余裕のある資金計画を立てるようにしてください。

マンションの査定にはぜひ、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご活用ください。

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複数社による査定額を比較することでそのマンションの売却適正額が把握しやすくなり、住み替えに伴う資金計画を立てやすくなります。

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