マンションが売れないとどうなる?原因別対策をわかりやすく解説

マンションを売り出しても、なかなか成約しない場合もあるでしょう。

マンションが一向に売れない場合、どうなるのでしょうか?

また、マンションが売れない場合は、どのような対策をとればよいでしょうか?

今回は、マンションが売れないとどうなるかを解説するとともに、売れない場合に検討したい対策について解説します。

マンションが一向に売れないとどうなる?

マンションが一向に売れないとどうなる?

はじめに、マンションを売りたいにもかかわらず一向に売れない場合にどうなるのか解説します。

  • 管理費や修繕積立金などの維持費がかかり続ける
  • 住み替え先を購入済の場合はダブルローンの期間が長くなる
  • 売れない間にも築年数が経過してさらに売りづらくなる
  • いずれ建て替えの問題に巻き込まれる

管理費や修繕積立金などの維持費がかかり続ける

マンションを売りに出していても、売れない間は売主の所有物であることに変わりありません。

そのため、売れない期間中であっても、管理費や修繕積立金、固定資産税などの維持費がかかり続けます。

住み替え先を購入済の場合はダブルローンの期間が長くなる

マンションを売却する理由はさまざまですが、住み替えのために売る場合も少なくありません。

マンションの住み替えは、マンションが売れてから住み替え先となる物件を購入する「売り先行」と、マンションが売れる前に住み替え先となる物件を購入する「買い先行」の2パターンがあります。

このうち、「買い先行」とした場合において売却しようとするマンションにもローンが残っている場合は、マンションが売れるまでの間、次の2本のローンを返済しなければなりません。

  1. 売却するマンションのローン
  2. 住み替え先となる物件のローン

このような状態を「ダブルローン」といいます。

ダブルローンを組む際、収入や貯蓄額などを検討したうえで「半年程度ならダブルでローンを払っていける」などと想定することでしょう。

しかし、マンションが一向に売れないとダブルローンとなる期間が長くなり、資金計画に支障がでるおそれがあります。

売れない間にも築年数が経過してさらに売りづらくなる

マンションは一般的に築年数が経過するごとに売却価格が下がり、また築年数が経過するごとに売りづらくなる傾向にあります。

これは、公益財団法人東日本不動産流通機構(通称「東日本レインズ」)が公表している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」に掲載されている次のグラフからも明らかです。

図表5-1

画像引用元:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)(公益財団法人東日本不動産流通機構)

マンションがなかなか売れない場合、売れない間に築年数が経過してしまうと、さらに売りづらくなるリスクが高くなります。

いずれ建て替えの問題に巻き込まれる

マンションは永久に存続できるものではなく、いずれは老朽化が進行し建て替えの時期が到来します。

マンションを建て替える際は、一戸あたり数千万円単位の負担が生じることもありますが、建て替えによってマンションの戸数を増やし分譲することができれば、一戸あたりの負担金が少なくなる可能性もあります。

ただし、マンションを建て替えるハードルは決して低いものではありません。

区分所有者の4/5以上の賛成と議決権の4/5以上の賛成による決議が必要であるためです。

国土交通省が公表している「マンション建替え等の実施状況(2023年4月1日時点/2023年8月10日更新)」によると、建て替え工事が完了したマンションの総数は282件に過ぎません。

そのため、建て替えが行われないまま徐々に入居者が亡くなったり退去したりして空室が増え、老朽化が進行してもメンテナンスもままならない「ゴーストマンション」と化すケースも増えるものと思われます。

このように、マンションが売れないままで時間が経過すると、さまざまなリスクが生じます。

マンションを早期に売却したい場合は、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご活用ください。

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マンションが売れない場合に所有権の放棄はできる?

マンションが売れない場合に所有権の放棄はできる?

マンションを手放したいものの一向に売れない場合、マンションの所有権を放棄することなどはできるのでしょうか?

ここでは、順を追って解説します。

  • 所有権の放棄はできない
  • 相続放棄は可能
  • 寄付や贈与にも相手方の承諾が必要

所有権の放棄はできない

マンションの所有権は、原則として放棄することはできません。

たとえそのマンションが不要であっても、強制的に国などに押し付けることは不可能です。

なお、「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月27日から始まっています。

これは相続した土地が不要である場合に、一定の要件を満たすことで土地を国に帰属させられる制度です。

この制度が活用できるのは、建物などが建っていない土地のみとされています。

そのため、そのマンションが相続により取得したものであったとしても、相続土地国庫帰属制度の適用を受けることはできません。

相続放棄は可能

それまでマンションを所有していた故人(「被相続人」といいます)が亡くなったばかりであり、まだ相続手続きを行っていない場合、相続放棄をすることでマンションを放棄する道はあります。

相続放棄とは、家庭裁判所に申述することで、はじめから相続人ではなかったこととなる手続きです。

ただし、相続放棄は「預金は相続したいけどマンションは放棄したい」など財産ごとに行えるものではなく、相続放棄をするとマンションも預貯金も一切の財産が相続できなくなります。

また、相続放棄は相続の開始があったことを知ったとき(原則として、被相続人が亡くなったことを知ったとき)から3か月以内に行う必要があり、この期間内を過ぎると行うことができません。

相続放棄には注意点が少なくないため、行いたい場合は弁護士や司法書士などの専門家へご相談ください。

寄付や贈与にも相手方の承諾が必要

売れないマンションを手放したい場合は、寄付や贈与も選択肢に入ります。

ただし、寄付や贈与を実現するには渡す側の「あげます」という意思だけでは不十分で、相手方にも「もらいます」との意思がなければなりません。

つまり、相手が一般個人である場合はもちろん、相手が自治体などであっても一方的にマンションを押し付けることはできないということです。

マンションが売れない主な原因と対策

マンションが売れない主な原因と対策

売りに出しているマンションが一向に売れない場合、その理由はどのような点にあるのでしょうか?

ここでは、マンションが売れない代表的な理由を9つ紹介するとともに、理由ごとの対策について解説します。

  • 売出価格が高すぎる
  • 築年数が古い
  • 室内の汚れやにおいが気になる
  • ニーズの低い時期に売り出している・周辺にライバル物件が売りに出ている
  • マンションの立地がよくない
  • 室内の印象がよくない
  • 不動産会社がそのマンションの売却を得意としていない
  • 不動産会社が囲い込みをしている
  • 老朽化が進行しすぎている

売出価格が高すぎる

1つ目は、売出価格が高すぎることです。

売出価格は売主の希望売却価格であり、売出価格を高めに設定することでマンションがより高値で売れる可能性が生じます。

とはいえ、買主も周辺の相場は調べていることが多く、売出価格が周辺相場と比較して高すぎる場合はマンションが一向に売れない事態となりかねません。

売出価格が高すぎることが原因でマンションが売れない場合は、売出価格を適正価格へ見直すことで成約につながる可能性が高くなります。

売出価格の設定は、マンション売却の成否のカギを握る重要なポイントの1つです。

適正な売出価格を設定してマンションの売却を成功させたい場合は、「おうちクラベル」をご活用ください。

おうちクラベルでは複数の不動産会社にまとめて査定の依頼ができ、複数社による査定結果を比較することでマンションの売却適正額を把握しやすくなります。

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築年数が古い

2つ目は、築年数が古いことです。

築年数が古いマンションは、建物自体や設備の不具合が不安となり、買主に購入を見送られる可能性があります。

とはいえ、築古のマンションは「安く買って、買主が自由にリノベーションをする」というニーズが見込め、成約する可能性がないわけではありません。

そのため、ホームインスペクションで建物や設備の状態を診断してもらい、診断結果を買主に開示することで買主が安心し、成約につながる可能性が高くなります。

ホームインスペクションとは、住宅に精通した第三者に建物の劣化状況などをチェックしてもらう手続きのことです。

マンションの場合、5万円前後で受けられることが一般的です。

室内の汚れや臭いが気になる

3つ目は、室内の汚れや臭いが気になることです。

内見にまでは至るもののその後成約につながらない場合は、室内に何らかの問題があるのかもしれません。

たとえ引渡し前にハウスクリーニングを入れることになるとしても、内見の時点で汚れや臭いが気になる場合は、購入が見送られる可能性があります。

室内の汚れやにおいが原因で成約に至らない場合は、ハウスクリーニングを入れることで成約できる可能性が高くなります。

ニーズの低い時期に売り出している・周辺にライバル物件が売りに出ている

4つ目は、マンションが売りづらい時期に売り出していることです。

一般的に、マンションは2月から3月頃がもっとも売りやすいとされています。

4月からの新生活へ向け、新居となるマンションの購入を決める人が増える時期であるためです。

そのため、これ以外に時期に売り出していることが原因で成約していない可能性があります。

また、同じマンションなど周囲にライバルとなる物件が売り出されている場合は、他の物件と比較されることで成約しづらくなっている可能性も否定できません。

この場合、売り出し時期を変えることで、成約に至る可能性が高くなります。

マンションの立地がよくない

5つ目は、マンションの立地がよくないことです。

駅から遠い物件や主要駅までの交通の便がよくない物件は通勤や通学に不便であり、これが原因で選ばれづらい可能性があります。

立地が原因でマンションが売れない場合は、ターゲットを絞って売りに出すことで成約できる可能性が高くなります。

たとえば、通勤などが不要となった高齢夫婦などに対し、静かな環境であることをアピールして売却することなどが考えられます。

室内の印象がよくない

6つ目は、室内の印象がよくないことによるものです。

汚れているわけではないものの、何となく薄暗かったり生活感が溢れていたりすると、買主が魅力を感じづらく成約に至らないかもしれません。

この場合は、家具の配置や照明を変えることが1つの方法です。

大規模なリフォームなどをしなくても、照明や家具を変えるだけで部屋の印象が大きく変わり、成約に至る可能性が高くなります。

不動産会社がそのマンションの売却を得意としていない

7つ目は、売却を依頼している不動産会社がそのマンションの売却を得意としていないことです。

不動産会社にはそれぞれ、得意なエリアや物件種別(マンション、戸建てなど)があることが少なくありません。

そのマンションの売却を得意としない不動産会社に依頼してしまうと、購入層にうまくアプローチすることができず成約に至らない可能性があります。

この場合、その不動産会社と締結している媒介契約の期間が終了するタイミングで不動産会社を変えることで、マンションが売れる可能性が生じます。

マンションの売却を成功させるには、不動産会社の選定が非常に重要です。

マンションの売却をご希望の際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。

おうちクラベル活用し、複数社による査定額や担当者によるアドバイスなどを比較することで、そのマンションの売却に強い不動産会社を見つけやすくなります。

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不動産会社が囲い込みをしている

8つ目は、売却を依頼している不動産会社が「囲い込み」をしていることです。

マンション自体に主な問題がないにもかかわらず一向に売れない場合は、不動産会社が囲い込みをしているのかもしれません。

囲い込みとは、不動産会社が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取れる「両手仲介」を画策し、他の不動産会社経由での問い合わせに対し「そのマンションはもう売れた」などと嘘をついて取り引きの機会を潰す行為を指します。

なお、両手仲介自体に問題があるわけではありません。

不動産会社が同時のネットワークや販売力を駆使してスムーズに買主を見つけてくれるのであれば、これは売主にとってもメリットとなるためです。

しかし、過度な囲い込みを行いマンションが売れる機会を逃す事態となれば、これは売主にとって大きな不利益となります。

囲い込みによってマンションが売れていない場合は、不動産会社を変えることで成約する可能性があります。

また、不動産会社自体を変えなくても、複数の不動産会社に重ねて売却の依頼ができる「一般媒介契約」に切り替えることも1つの手です。

老朽化が進行しすぎている

9つ目は、マンションの老朽化が進行しすぎていることです。

マンションの築年数が40年を過ぎるなど老朽化が進行している場合は、市場で買主を見つけることは難しいかもしれません。

この場合は、「不動産買取」が有力な選択肢となります。

不動産買取とは、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう取引形態のことです。

不動産買取の場合、市場で売れないマンションであっても買い取ってもらえる可能性があります。

ただし、不動産買取による売却価格は市場での売却価格の6割から8割程度となることが一般的です。

また、不動産会社にマンションを買い取る義務があるわけではなく、必ずしも買い取ってもらえる保証はありません。

マンションが売れない場合におすすめしない対策

マンションが売れない場合におすすめしない対策

マンションが売れないからといって、やみくもに対策を講じてしまうと、後悔する事態となりかねません。

最後に、マンションが売れない場合におすすめできない対策を3つ紹介します。

  • 売却を諦めて賃貸に出す
  • そのままの条件で売り出し続ける
  • 大規模なリフォームやリノベーションをする

売却を諦めて賃貸に出す

マンションが売れなくても、売却を諦めて安易に賃貸に出すことはおすすめできません。

マンションを賃貸しても、管理費や修繕積立金固定資産税などは所有者が負担し続けなければならないうえ、設備に不具合が生じれば修繕も必要となるなど、コストがかかりやすいためです。

売れないようなマンションに賃貸の高い需要があるとは考えづらく、高い賃料収入を得ることも容易ではありません。

また、賃貸に出している間にもマンションの老朽化は進行し、数年後に売ろうとしても売却が難しくなるリスクがあります。

ただし、マンションの立地がよいなど投資用として向いている場合は、例外的に賃貸に出すことが得策であることもあります。

そのため、賃貸に出すか売却にするかに迷ったら、自分だけで判断するのではなく、不動産会社の担当者に相談するようにしてください。

信頼できる不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。

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そのままの条件で売り出し続ける

マンションが一向に売れない場合、そのままの条件で売り出し続けることはおすすめできません。

マンションがずっと売りに出されていると「売れないマンション」というマイナスのイメージがついてしまい、さらに売りづらくなるリスクがあるためです。

大規模なリフォームやリノベーションをする

マンションが売れない場合であっても、自己判断で大規模なリフォームやリノベーションをすることはおすすめできません。

リフォームやリノベーションに要した費用が加算され売出価格が高くなることで、リーズナブルであるという中古マンションならではの利点が薄れ、さらに売りづらくなるリスクがあるためです。

築年数が経過した中古マンションは「安く買って、自分の好みにリノベーションする」というニーズが見込まれるものの、売主が行ったリフォームやリノベーションが買主の好みに合うとは限りません。

一方で、水回りなど一部をリフォームすることで、マンションが売りやすくなる可能性があることも確かです。

そのため、リフォームやリノベーションは売主が独断で行うのではなく、不動産会社の担当者とよく相談したうえで検討するようにしてください。

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まとめ

マンションがなかなか売れない場合にどうなるのかについて解説しました。

マンションが一向に売れない場合、その間にも老朽化が進行するとマンションがさらに売りづらくなるリスクが生じます。

売れない間にも管理費などの負担が続くほか、売れない期間が長期化するといずれは建て替えの問題に直面することとなりかねません。

このようなリスクを最小限に抑えるため、マンションが売れない場合は、早期に売出価格の見直しや売り出し方を変えるなどの対策を講じることをおすすめします。

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