マンションの売却に伴う資金計画を立てるにあたっては、入金のタイミングを知っておきたいことでしょう。
マンションを売却する際、売却対価はいつ受け取ることができるでしょうか?
また、マンションの売却でかかる仲介手数料はいつ支払うものなのでしょうか?
今回は、マンションを売却する流れの全体像や、入金のタイミングなどについて詳しく解説します。
マンションの売却による入金はいつ?
マンションを売却する場合、対価が入金されるのは決済のときが原則です。
決済とは、最終的にマンションの名義を変える書類への署名や押印と引き換えに、売却対価を受け取る手続きのことです。
ただし、売買代金の一部(5%から10%程度)は手付金として、売買契約の締結時に受け取ることが一般的です。
マンションの査定から入金までの流れ
マンションの売却はどのような流れとなるのでしょうか?
ここでは、マンションの査定から売却までの全体の流れについて解説します。
- 不動産会社に査定の依頼をする
- 売却を依頼する不動産会社を選定する
- 不動産会社と媒介契約を締結する
- マンションを売りに出す
- 内見に対応する
- 買主と売買契約を締結する
- 決済をして代金が入金される
- 必要に応じて確定申告をする
不動産会社に査定の依頼をする
マンションの売却を希望する場合は、はじめに査定を受けることが原則です。
査定とは、不動産会社にそのマンションの売却予想額を算定してもらう手続きです。
マンションを売却する際は、この査定額をベースとして売出価格を決めることとなります。
マンションの査定には、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルとは、所定の査定依頼フォームに1度情報を入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定の依頼ができる不動産一括査定です。
複数社による査定額や担当者のアドバイスなどを比較することで、そのマンションをより高く売ってくれる不動産会社を見つけやすくなります。
売却を依頼する不動産会社を選定する
査定額が出揃ったら、マンションの売却を依頼する不動産会社を選定します。
売却を任せる不動産会社は、査定額の高さだけではなく、査定額への説明や担当者のアドバイスなどを総合的に判断して選定するようにしてください。
査定額はその不動産会社が考えるマンションの「売却予想額」でしかなく、売却保証額ではないためです。
もっとも高い査定額を提示する不動産会社に売却を依頼したからといって、必ずしもそのマンションが高値で売れるとは限りません。
それどころか、売却の依頼を受けることを目指すあまり、根拠のない高い査定額を提示しているだけの可能性もあります。
不誠実な不動産会社に売却を任せてしまわないよう、他社よりも高い査定額を提示する不動産会社がある場合は、査定額の根拠をよく確認したうえで依頼するかどうか検討してください。
不動産会社と媒介契約を締結する
そのマンションの売却を依頼する不動産会社を選定したら、不動産会社と媒介契約を締結します。
媒介契約とは、不動産会社にマンションの買主を見つけてもらったり買主との売買契約締結をサポートしてもらったりするために、不動産会社と取り交わす契約です。
媒介契約には次の3種類があります。
状況や希望に合った契約を選定してください。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他の不動産会社へ重ねての依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
自己発見取引 (自分で買主を見つけて売却すること) | 不可 | 可 | 可 |
指定流通機構(レインズ)への登録義務 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
依頼者への業務状況の報告頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 指定なし |
マンションが築古であったり立地がよくなかったりするなど比較的売りづらいマンションでは、「専属専任媒介契約」または「専任媒介契約」を選択することが一般的です。
これらは1社としか契約することができないため、不動産会社に責任をもって販売活動をしてもらいやすくなるためです。
一方、築浅のマンションやいわゆるブランドマンションなど比較的売りやすい物件である場合は、「一般媒介契約」も選択肢に入ります。
一般媒介契約は他社と重ねて契約でき、不動産会社同士が競い合って買い手を探すことによってよりよい条件でマンションが売れる可能性があるためです。
マンションを売りに出す
媒介契約を締結したら、いよいよマンションを売りに出します。
売り出す際は、マンションの売出価格(売主の希望売却価格)を決めますが、この売出価格を適切に設定することが売却成功のカギとなります。
売出価格が低すぎると相場よりも安くマンションを売ってしまい後悔する可能性がある一方で、売出価格が高すぎると一向に買い手が見つからず入金が遅くなる可能性があるためです。
内見に対応する
マンションを売りに出すと、購入を検討している人から内見の希望が入ります。
内見を受ける際は、室内を整理整頓してきれいな状態にしておくと、部屋の印象がよくなり成約する可能性が高くなります。
また、可能な限り売主も立ち会い、質問に丁寧に回答したりマンションの使い勝手を丁寧に案内したりすることも、成約につながるポイントとなります。
買主と売買契約を締結する
買主がマンションの購入を決めたら、売買契約を締結します。
売買契約書は不動産会社が用意してくれるため、売主が自ら作成する必要はありません。
ただし、売主は契約の当事者となるため、内容については十分理解しておいてください。
この段階で、買主から売主に対して手付金が交付されます。
手付金の額に明確な決まりはないものの、マンションの売買代金の5%から10%程度とされることが一般的です。
決済をして代金が入金される
決済日は、売買契約から1か月ほど先の日付に設定することが一般的です。
遅くとも決済日までにはマンションから完全に退去をしたうえで私物を撤去し、ハウスクリーニングを済ませておいてください。
決済日には、次のことなどが同時に行われます。
- 買主のローンの実行
- 買主から売主への売買代金全額(手付金を除く)の支払い
- マンションの名義を売主から買主に替えるために必要な書類への署名や押印
- 売主から買主へ、マンションのカギなどの引き渡し
決済の後は、その場に立ち会った司法書士が法務局で登記申請をすることで、マンションの名義が買主へと変わります。
この決済日が、マンションの売却対価の入金日となります。
必要に応じて確定申告をする
マンションの売却によって利益が出たら、この利益に対して譲渡所得税がかかります。
譲渡所得税は国などから納付書が送られてくるのではなく、自ら確定申告と納税をしなければなりません。
確定申告の期限は売却の翌年2月16日から3月15日までの間であるため、忘れないようご注意ください。
なお、譲渡所得税は特例の適用を受けることで、ゼロとなることも少なくありません。
そのため、マンションを売却する際は税理士などの専門家や管轄の税務署に、譲渡所得税について相談しておくことをおすすめします、
マンション売却で入金までにかかる一般的な期間
マンションを売り出してから入金までには、平均してどの程度の期間がかかるのでしょうか?
まず、不動産会社による査定を受けたり不動産会社を選定したりするのに、2週間程度を要します。
その後は不動産会社と媒介契約を締結しますが、公益財団法人東日本不動産流通機構(通称「東日本レインズ」)が公表している「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」によると、レインズへの登録から成約に至るまでの平均日数が71.4日(おおむね2か月半)とされています。
レインズとは、不動産会社が専属専任媒介契約や専任媒介契約によってマンションの売却依頼を受けた際に登録するプロ向けのポータルサイトです。
つまり、レインズへの登録は、不動産会社と媒介契約を締結してから数日以内に行われることとなります。
また、成約後から入金(決済)までの一般的な期間は1か月程度です。
これらの期間をすべて合計すると、マンションの査定依頼から売買代金の入金までに要する平均的な期間は約4か月となります。
ただし、これはあくまでも平均であり、実際にかかる期間はマンションの状態やニーズ、不動産会社の力の入れ具合などによって大きく変動します。
そのため、マンションの入金までにかかる期間は初めに不動産会社にコンタクトをとってから最短で4か月程度はかかると考え、最終的な入金までには半年程度を要すると考えておくとよいでしょう。
マンションの売却をスムーズに進めてくれる信頼できる不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルによる査定の依頼先の不動産会社は実績豊富な優良企業ばかりであり、信頼できる不動産会社に出会いやすくなります。
不動産会社に仲介手数料を支払うのはいつ?
マンションの売却では入金のタイミングが気になる一方で、大きな支出のタイミングも知っておきたいことでしょう。
マンションの売却に要する大きな費用の1つに、不動産会社に支払う仲介手数料があります。
ここでは、仲介手数料の概要と支払いのタイミングなどについて解説します。
仲介手数料とは
仲介手数料とは、マンションの売買が成約した際に、媒介契約を締結している不動産会社に支払う報酬です。
不動産会社の仲介手数料には法律で上限が定められており、上限額は次のとおりです。
これはあくまでも上限額であるものの、この上限額をそのまま報酬額として設定している不動産会社がほとんどです。
売却価格 | 仲介手数料の上限額 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売却価格の5%+消費税 |
200万円を超え400万円以下の部分 | 売却価格の4%+消費税 |
400万円を超える部分 | 売却価格の3%+消費税 |
マンションの売却価格が400万円超となるケースでは、次の算式にあてはめることで、簡単に上限額が算定できます。
- 仲介手数料の上限額=売却価格×3%+6万円+消費税
仲介手数料は高額となることも多い一方で、よりよい条件でマンションを売るには優良な不動産会社への依頼がカギとなります。
そのため、仲介手数料はマンションの売却を成功させるための必要経費であると捉え、かかる金額をあらかじめ確認しておくようにしてください。
大切なマンションの売却を任せられる信頼できる不動産会社をお探しの際は、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご活用ください。
複数社の担当者によるアドバイスや査定額を比較することで、そのマンションの売却に自信のある不動産会社を見つけやすくなります。
売買契約成立時が原則
仲介手数料の支払い時期は、売買契約の成立時点が原則です。
ただし、このタイミングではまだ買主からマンションの売却対価は入金されていません。
売買契約締結時と決済時とで50%ずつとすることが多い
売買契約の成立時点では、まだ売主が買主から売買対価を受け取れていないため、売買契約成立時と決済時とに仲介手数料の支払い時期を分けている不動産会社が少なくありません。
それぞれのタイミングで支払うべき仲介手数料を50%ずつとしていることが一般的です。
ただし、この割合は不動産会社によって異なる可能性があります。
媒介契約を締結する時点で、仲介手数料をいつ支払うのかについても確認しておくとよいでしょう。
マンション売却の入金時期に関する注意点
マンションの売却対価の入金時期については、次の2点に注意が必要です。
- 手付金を受け取っても使い込まないようにする
- 売買契約成立時に全額を受け取れるわけではない<
手付金を受け取っても使い込まないようにする
1つ目の注意点は、手付金を受け取っても使い込まないようにすることです。
手付金はこの時点で入金が確定したものではなく、売主側の都合で売買契約をキャンセルすることになると、手付金の倍額を返還しなければなりません。
そのため、少なくとも最終的な決済日までは、手付金には手を付けないようにしてください。
売買契約成立時に全額を受け取れるわけではない
2つ目は、売買契約を締結した時点で売買代金を受け取れるわけではないことです。
先ほど流れの中でも解説したように、マンションの売却代金が入金されるのは、売買契約締結から1か月ほど先の日付に設定される決済日です。
資金計画を立てる際は、この点に十分注意しておいてください。
このように、マンションの売却対価の入金時期については注意すべきポイントがあります。
このような注意点についてもアドバイスをくれる信頼できる不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
マンション売却は「売り先行」と「買い先行」のどちらがよい?
住み替えに伴ってマンションを売却する場合、「売り先行」と「買い先行」の2つの方法があります。
ここでは、売り先行と買い先行それぞれの概要について解説します。
「売り先行」と「買い先行」とは
「売り先行」とは、現在所有しているマンションを先に売却してから、住み替え先のマンションを購入する方法です。
マンションの売却対価が入金されてから住み替え先を購入することとなるため、資金面で余裕が生まれやすい方法です。
ただし、居住中に内見を受け入れなければならないことと、現在のマンションの引き渡しから住み替え先の物件の引き渡しまでの間の仮住まいが必要となることがデメリットです。
一方、「買い先行」とは、マンションが売れる前に住み替え先となる物件を購入する方法です。
空き家の状態で内見を受け入れることができるほか、仮住まいが不要であることなどがメリットといえます。
その反面、マンションが売れるまでの間、売り出し中のマンションのローンと住み替え先のローンをダブルで返済すべき点に注意しなければなりません。
マンションがスムーズに売れればよいものの、一向に買主が見つからない場合はダブルローンの期間が長くなるリスクがあります。
売り先行が向いているケース
住み替えにあたって売り先行が向いているのは、資金に余裕がない場合です。
資金に余裕がないにもかかわらず買い先行としてしまうと、ダブルローンによって家計が大きく圧迫されてしまいかねません。
また、資金に余裕があったとしても、マンションがいくらで売れるのか最終的な金額がわかってから住み替え先の物件を買いたいと考える堅実な考えである場合も、売り先行が向いています。
買い先行が向いているケース
買い先行が向いているのは、資金に余裕がある場合です。
ダブルローンの期間が多少長くなっても家計への影響が少ない場合や、売却するマンションのローンが既に完済できている場合などは、買い先行が選択肢に入ります。
また、気に入った物件があり、マンションが売れるのを待っている間に住み替え先の物件が売れてしまう事態を避けたい場合も、買い先行を検討することとなります。
売り先行とするか買い先行とするかを判断するにあたっては、マンションがどの程度の価格で売れるのかを知っておきたいことでしょう。
その際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルを活用して複数社による査定額を比較することで、そのマンションの売却適正額を把握しやすくなります。
マンションの売買契約成立後にキャンセルとなったら入金された手付金はどうなる?
マンションの売買契約が成立した後、引き渡し前に売買契約がキャンセルとなったら、入金された手付金はどうなるのでしょうか?
最後に、売買契約がキャンセルとなった場合における手付金の取り扱いをケースごとに解説します。
売主都合によるキャンセルの場合
売買契約の締結後、買主が履行に着手するまでの間に売買契約をキャンセルする場合は、手付金の倍額を買主に対して返還します。
この可能性を踏まえ、手付金は使い込まないようにした方がよいでしょう。
売買契約が成立している以上、売買契約成立時点で不動産会社に支払った仲介手数料は原則として返還されません。
一方で、決済時に支払うとされていた残りの仲介手数料は、支払いが不要とされることが多いといえます。
ただし、これは不動産会社と締結した売買契約の内容によって異なります。
キャンセルする前に、媒介契約の内容をよく確認しておくようにしてください。
買主都合によるキャンセルの場合
売買契約の締結後、売主が履行に着手するまでの間に買主側の都合でキャンセルとなったら、受け取った手付金はそのまま売主のものとなります。
そのうえで、改めて別の買主を探すこととなります。
特約によるキャンセルの場合
マンションの売買契約には、「買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に手付金の放棄無しで契約解除できる」などの特約を記載することが少なくありません。
そのため、買主が住宅ローンの審査に通らないなど契約書で定めた特約の事項に該当したことで契約がキャンセルとなった場合は、手付金の返還が必要となります。
契約不適合責任によるキャンセルの場合
契約不適合があったことにより買主からキャンセルされた場合は、手付金の返還が必要となります。
また、買主に違約金などの負担は発生しません。
契約不適合責任とは、売買の対象となったマンションに契約時点までに買主へ知らされなかった不具合があった場合に、売主が負うべき責任です。
契約不適合があった場合は代金の減額や修補の請求などもできるものの、不具合の程度によっては買主が解約を選択することもできます。
契約不適合によるトラブルを避けるため、マンションや設備に不具合がある場合は契約締結前に買主に正直に申告したうえで、契約書に添付する設備表などにも不具合について明記することが必要です。
まとめ
マンションを売却する場合、対価の入金がいつなのかについて解説しました。
マンションの売却対価は、マンションの名義変更に必要な書類への押印と引き換えに、決済日に行われることが一般的です。
不動産会社にマンションの売却を依頼してから対価の入金までには4か月から半年程度を要することが多いため、売却にあたっては余裕のある資金計画を立てるようにしてください。
特に、住み替えにあたって買い先行とする場合は、マンションの入金が遅くなるとダブルローンの期間が長くなり家計を圧迫してしまいかねないため注意が必要です。
マンションの売却による入金のタイミングを早めるには、そのマンションの売却に強い不動産会社に売却を依頼することがカギとなります。
しかし、どの不動産会社がそのマンションの売却に強いのかわからないことも少なくないでしょう。
その際は、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルとは、査定依頼フォームに情報を1度入力するだけで複数の不動産会社に査定の依頼をすることができる不動産一括査定です。
複数社による査定額や売却へ向けた担当者のアドバイスなどを比較することで、そのマンションの売却に自信のある不動産会社を見つけやすくなります。