不動産買取とは?買取と仲介の違いやメリット・デメリットを解説

不動産の売却には、不動産会社に仲介をしてもらう方法と、直接買取をしてもらう方法があります。一般的には仲介で売却されるほうが多いのですが、買取と仲介はどのような違いがあるのでしょうか。
そこで、この記事では不動産買取の概要・買取・メリット・デメリット・買取をしている不動産会社の探し方について解説していきます。
不動産買取に興味がある方には参考になる記事なため、ぜひご覧ください。

不動産買取とは?

不動産会社が直接不動産を買取する方法を不動産買取といいます。

一般的に不動産会社は、買い手と売り手を繋ぐ「仲介」のイメージが強いですが、買取のように不動産会社が買い手となる場合もあります。

不動産買取業者を利用すれば、仲介のように買主を探す必要がないため、速やかに物件の売却ができるのが特徴です。

不動産買取と仲介の違い

物件を売却する方法として、大きく分けて買取と仲介の2つがあります。

買取と仲介の違いは、以下の点で異なります。

  • 買主
  • 売却価格
  • 売却にかかる期間

どのように違うのかそれぞれ、みていきましょう。

買取と仲介の違い1:買主

違いの1つ目は、買主の違いです。仲介は、不動産会社が買主と売主の間に立ちますが、基本的には個人と個人の売買取引となります。売主も物件の売却に対して求めるものが異なります。

不動産会社に買取してもらう場合と仲介で個人などに売却する場合を比較すると、売却後の売主の責任の大きさも変わってくるのです。

仲介で個人に物件を売却した場合、契約不適合責任を負います。一方、不動産買取業者に物件を買取してもらった場合は、売主の契約不適合責任が免除されます。

契約不適合責任とは「契約内容に適合しない場合に発生する売主の責任」です。

契約不適合責任については、メリット②の箇所で詳しく解説します。

買取と仲介の違い2:売却価格

違いの2つ目は、売却価格です。基本的に買取よりも仲介のほうが高く売れる傾向にあります。

売却価格は、買取の場合は市場価格の7割程度になるのが一般的です。

不動産会社が買取をしたあとに修繕やリフォーム・リノベーションを行うため、その費用をあらかじめ含んだ金額になることから売却価格が安くなってしまいます。

より相場に近い価格で売りたいのであれば、仲介のほうが良いでしょう

買取と仲介の違い3:売却にかかる期間

違いの3つ目は、売却にかかる期間です。買取は条件が合えばすぐに売却できるのに対して、仲介は買主を探す必要があります。

仲介による売却は、「不動産会社へ依頼>広告を出して売り出し>契約>引き渡し」と売却するまでの工程が多いため、時間がかかりがちです。

たしかに、売却の場合は仲介のほうが高額売却になる可能性があります。しかし、物件やエリアによっては売却までに時間がかかり、いつまで経っても売れないケースもあります。一方買取だと、物件の査定価格に売主が納得すれば、不動産買取業者がすぐに買取をしてくれるため、売却にかかる期間は短いです。

主な違いは、ここまで紹介した3点になります。ご自身の状況を考えて、買取か仲介か選びましょう。

  買取 仲介
買主 不動産会社(買取業者) 主に個人
売却価格 市場価格の7割程度 市場価格
売却にかかる期間 早期に売却できる 売却まで時間がかかる

不動産買取の種類とは?

不動産買取の種類には大きく分けて以下の2つがあります。

  • 即時買取
  • 買取保証

それぞれどういった違いがあるのか、詳しく解説していきます。

買取の種類1:即時買取

不動産会社に買取をしてもらう方法を即時買取といいます。

買取条件(特に金額面)が決まれば、すぐに物件を売却して現金化ができます。即時買取が向いているのはどんな方なのかみていきましょう。

  • 急いで不動産を現金化したい方
  • 相続税の支払期日が近づいている方
  • とにかく早く物件を売却したい方
  • 周囲に知られずに売却したい方

ただし、市場価格と比較すると7割程度の金額になってしまうため注意が必要になります。

買取の種類2:買取保証

仲介と即時買取を組み合わせたものが買取保証といわれます。不動産会社に仲介として買主を探してもらい、その期間に物件が売れなかったとき買取してもらえる仕組みです。

売却に出している期間内に契約が決まった場合は、仲介としての契約となり、不動産会社に仲介手数料を支払います。買主がみつかれば仲介による売却ができるため、市場価格で売れる可能性があります。

また、買取保証をするには、不動産会社と「専任媒介契約」か「専属専任媒介契約」を結ぶ必要があるため、その点も忘れないようにしましょう。

  即時買取 即時買取
売却にかかる期間 即時 一定期間売れなければ買取
売却価格 市場価格の7割程度 市場価格
仲介手数料 かからない かかる(仲介で売却の場合)

不動産買取のメリット

ここまで買取と仲介の違いや買取の種類について解説してきました。ここからは、不動産買取のメリットを5つお伝えしていきます。

  • すぐ売却できる
  • 契約不適合責任の免除
  • 内覧対応が不要なため手間が少ない
  • 仲介手数料が不要
  • 誰にも知られずに売却できる

それぞれを詳しくみていきましょう。

メリット①すぐ売却できる

不動産買取は、仲介と比較するとすぐに売却できるのが最大のメリットといえます。金額の条件が合えば、1週間~1ヶ月程度で売却が終わります。

「すでに住んでいる場所が転勤などで決まっている」「今後、子どもの教育などでお金がかかる」などの場合、すぐに現金化できるのは大変便利です。

時間がかからずに売買代金が入ってくるため、次の物件探しなどの資金計画も立てやすくなります。

メリット②契約不適合責任免除になるためトラブルがない

物件の売却時に関係するもので「契約不適合責任」といわれる民法で定められた制度があります。以前は、「瑕疵担保責任」といわれていたのが、2020年4月に民法が改正されて「契約不適合責任」に名称が変わりました。

物件売却後に物件にシロアリ・雨漏り・土壌汚染など、何かしらの不具合や故障があった場合、それを明示せず売却した売主は責任を負わなければなりません。

そのため、仲介だと個人に物件を引き渡したあとにトラブルが発覚した場合、売主は損害賠償などを請求される可能性があります。

しかし、買取では不動産会社が買主になるため、売却後に瑕疵があったとしても売主は責任を負わないで済みます。

物件を売却したあとのトラブルを防ぎたい方には、向いているでしょう。

メリット③内覧対応が必要ないため手間が少ない

仲介で物件を売却する場合、何度も購入希望者の内覧対応をする必要があります。内覧は事前に掃除や修繕などの準備をするケースが多く、売主としては手間がかかります。

買取の場合は、不動産会社が直接買い取るため、何度も内覧する必要がありません。「手間をかけずに売却したい」「時間的に内覧の対応は難しい」方には向いているでしょう。

メリット④仲介手数料が必要ない

買取は、不動産会社が直接購入するため、仲介手数料はかかりません。

仲介で売却する場合、希望の価格で売却できる可能性もある一方で、妥協した価格で売却をしなければならない場合もあります。

このようなケースでも仲介手数料はかかるため、売却価格によっては買取よりも利益が少なくなることもあります。

その点、買取は価格が明確なため、売却予定価格から下がるといったリスクはありません。

メリット⑤誰にも知られることなく売却できる

物件を売却するときに、近隣住民や知り合いに「物件の売却を知られたくない」と考える売主も多いです。仲介だと、折り込みチラシやインターネットなどで広告掲載して買主を探すため、売却しているのを知られてしまう恐れがあります。

しかし、買取なら不動産会社とのやり取りだけなため、近隣住民や知り合いなどに知られることなく売却ができる点がメリットです。

不動産買取のデメリット

不動産買取にはメリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。

  • 売却額が相場よりも安値となる
  • 買取してもらえない場合もある

それぞれ、解説していきます。

デメリット①売却額が相場よりも安値となる

不動産会社は物件を買取したあとに、リフォームやリノベーションをする場合がほとんどです。あらかじめ、その費用を差し引いた金額が買取価格として提示されるため、市場価格と比較すると約7割前後の金額になるケースが多いでしょう。

どうしても相場や希望の価格で売りたいと考えるなら、仲介による売却をおすすめします。

デメリット②買取してもらえない場合もある

不動産会社が買い取ってくれるとはいえ、どんな物件でも対象になるわけではありません。物件やエリアによっては、買取を断られる可能性があるため注意が必要です。

たとえば、下記のような物件は買取が難しいかもしれません。

  • 物件があまりにも古過ぎる
  • 再建築不可物件
  • 人気のないエリアで買い手がつかないと判断された物件
  • リフォームやリノベーションが難しいと判断された物件

不動産会社も買取をしたあとに、再販売して利益を出さなければなりません。上記のように売れにくいと判断した物件に対しては、買取をしてもらえない場合もあります。

買取

メリット すぐに売却できる
契約不適合責任の免除
内覧対応が不要なため手間が少ない
仲介手数料が不要
誰にも知られずに売却できる
デメリット 売却額が相場よりも安値となる
買取してもらえない場合もある

不動産買取と仲介を選ぶ基準

ここまで、不動産買取と仲介それぞれの違いを説明してきました。この章では、「不動産買取と仲介どちらを選べば良いのか分からない」とお考えの方に向けて、それぞれを選ぶ基準を紹介していきます。

  • 明確な要望が決まっているなら買取
  • 明確な要望が決まっていないなら仲介

明確な要望が決まっているなら買取

物件を売却するにあたって、明確な要望が決まっている場合なら買取が向いています。買取での売却が適している条件や物件があります。

買取が適していると判断する基準は、以下の通りです。

  • すぐにお金が欲しい場合(即時買取)
  • お金が必要な時期が決まっている(買取保証)
  • 仲介手数料などの経費を払いたくない
  • 隣人や友人に売却活動をしてると知られたくない
  • 築年数が古くて仲介では売れにくい

上記に該当している方は、買取を選ぶと良いでしょう。

明確な要望が決まっていないなら仲介

物件を売却するにあたって、明確な要望が決まっていない場合なら仲介が向いています。仲介での売却が適している条件や物件があります。

仲介が適していると判断する基準は、以下の通りです。

  • 絶対に相場よりは安く売りたくない
  • 売却時期にこだわっていない
  • 物件の築年数が浅く売れやすい
  • 立地の良い物件

上記に該当している方は、仲介での売買を選びましょう。

それぞれの基準を見比べて、自分の適している方法で物件を売却しましょう。

不動産買取している不動産会社を効率良く探す方法

不動産買取を不動産会社に依頼したくても、すべての不動産会社が対応しているわけではなく、仲介しか対応していない会社も多いです。

買取をしている不動産会社を探す方法はいくつもありますが、効率良く手間をかけずに探すには、不動産一括査定サイトを使う方法がおすすめです。

不動産一括査定サイトに物件情報などを入力すると、簡単にまとめて複数の不動産会社に査定依頼ができます。

査定価格を比較して、物件相場の把握もできますし、さまざまな不動産会社と繋がれます。誰でも無料で使えるため、買取をしている不動産会社を探すときには利用してみましょう。

できるだけ早く不動産を売却するなら買取がおすすめ

この記事では、不動産買取と仲介の違いや買取のメリット・デメリットなどについて解説してきました。

不動産を売却するときには、買取と仲介の2つの方法があります。仲介と比べると売却価格が安くなる傾向にありますが、できるだけ早く不動産を売却したい場合には買取がおすすめです。

買取を検討するのなら、複数の不動産会社から適正な価格で買取してくれる不動産会社を選ぶ必要があります。買取会社を探すなら、不動産一括査定サイトで複数の不動産会社に査定を依頼するのが効率的です。

一社ずつ買取してくれる会社を調べて査定依頼するよりも、手間なく不動産会社を探せます。おすすめの一括査定サービスは、無料で使える「おうちクラベル」です。

おうちクラベルで査定依頼できる会社は、実績豊富な優良企業ばかりです。多くの企業から、仲介の実績や買取実例などをみて選べます。買取するならおうちクラベルで、最良のパートナーをみつけましょう。

Q&A

Q.家具や家電をそのまま置いているのですが、引き取ってもらえますか?
A. ケースバイケースですが、基本的には引き取ってもらえます。ただし、不用品処分費として別途金額がかかる可能性があるため、金銭トラブルにならないように、事前に確認しておくようにしましょう。

Q.買取なら仲介手数料がかからないということでしたが、ほかの費用は何がかかるんですか?
A. 買取の場合は、仲介手数料はかかりません。ほかの費用は仲介での売買と同じく、印紙税や場合によっては譲渡所得税がかかります。

まずはお気軽にご相談ください!