不動産価格の調べ方はどうする?価格動向と価格が変動する7つの要因

はじめて不動産売却に挑戦しようとしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
不動産価格を知ることで、損することなく不動産売却をできるだけでなく、タイミングを考えられるようになります。不動産価格が変動する要因を知っておくことで、事前に対処できるでしょう。
この記事では、不動産売却で必要な知識である「不動産価格の調べ方」や「価格が変動する要因」を紹介しています。
この記事を読み進めると「高く売るコツ」を理解できるようになるでしょう!まずは「不動産の価格を知ることの重要性」から順に解説していきます。

不動産価格を知ることの重要性

はじめて不動産売却をしようとしている方は、どのように不動産を売却していけばいいのかわからないのではないでしょうか?はじめて売却する方も、そうでない方も、売却するために知っておいて欲しいことは「不動産価格を知ることの重要性」についてです。

不動産売却では、できるだけ損をしたくないといった心理から、市場価格を無視した価格にしてしまうケースがあります。しかし、市場価格を無視した結果、売却までに長い期間を要することも少なくありません。

また、ローン残高がある場合も、売却価格を高く設定してしまいがちです。なぜなら、売却金額で諸経費や引っ越し費用をまかなおうとしてしまうからです。たとえローン残高があるとしても、不動産価格によっては手出しする必要性は低くなるでしょう。

不動産売却で失敗しないためには、所有物件の価値を知っておくことです。所有物件の価値を知っていると「適正な売り出し価格」の設定ができます。不動産売却では価値を知ったうえで売却することが非常に大切です。

不動産の価格が変動する7つの要因

不動産価格がどうなるかの見通しはある程度立てられますが、明確にいつ下落するとはいえません。なぜなら、変動する要因が複数あるからです。

ここでは、不動産価格が変動する要因を7つ紹介していきます。

要因 不動産価格への影響の例
経済・社会情勢 新型コロナウイルスの影響で、上昇傾向にあった不動産価格の先行きが不透明になる、など
マンションを売る時期 マンション購入が増える10月や、1~3月に買取額が上昇する傾向にある、など
物件の築年数 中古マンションは築20年で売却額が変動しやすい、など
設置されている設備 戸建て住宅では、太陽光発電の有無で価格差が生まれる、など
中古市場の人気 マンション・戸建てによっても価格が変動、など
間取り エリアによって、4LDKよりも3LDKが売れ筋となっており、広くなればなるほど価格に変動あり、など
人気のあるエリア 同じ間取りを比較した場合、人気のあるエリアとそうでないエリアで価格差が生まれる、など

価格は変動するものであり、上記に挙げた要因以外でも変動することを覚えておいてください。不動産価格が数年上がり続けていたとしても、何かの拍子に下落することも珍しくありません。

では不動産価格の変動要因の1つ「社会情勢」から順に解説していきましょう。

要因1:社会情勢

不動産価格の変動する要因の1つ目は「社会情勢」によるものです。不動産価格は社会情勢に影響され、大きな出来事があると不動産価格に変動が起きます。

社会情勢で不動産価格が乱高下したのは、以下の時期です。

1991年前後:バブル崩壊時期
2008年:リーマンショック
2011年:東日本大震災
2020年~:新型コロナウイルスの世界的流行

上記で挙げた事象が起きた際は不動産価格が下落し、不動産そのものが売れなくなったのです。

新型コロナウイルスの影響を受けた不動産価格の推移について紹介します。首都圏の2019年10月から、2021年7月の中古マンション1平米あたりの価格変動は以下のとおりです。

  2019年10月 2020年1月 2020年4月 2020年7月 2020年10月 2021年1月 2021年4月 2021年7月
1平米あたりの価格
(万円)
53.45 56.29 50.88 56.03 56.04 57.57 59.10 60.71
前月比(%) -0.6 +2.6 -5.9 +4.8 +0.1 +0.1 +0.1 +2.2

※参照元:公益財団法人東日本不動産流通機構『“target=”_blank”> 首都圏中古マンション・中古戸建住宅長期動向グラフを元に作成』

2019年12月以降に新型コロナウイルスの世界的な流行が起きた際に、中古マンションの1平米あたりの価格変動は-5.9%となりました。このように、不動産価格は、社会情勢によって変動してしまうものなのです。

要因2:9月以降という時節柄

不動産価格の変動する要因の2つ目は「9月以降という時節柄」によるものです。不動産価格は、1年のなかでも季節変動があります。特にマンションや戸建てが売れやすい時期が、9月以降です。

マンションの購入は賃貸とは違って時間がかかるため、購入者は9月ごろから購入に向け動き始めます。さらに、引っ越しシーズンは引っ越し料金も上がるため、1~3月を避けたいとの思惑から、早めに行動を開始するのです。

また、不動産業者の決算も不動産価格の変動に影響を及ぼします。一般的にマンション買取が終了するまでには3~5か月程度の期間を要し、3月の決算を見越して若干高くても買い取ろうとするため、買取額が上昇するのです。

不動産価格は、需要が上がる季節に上昇する傾向にあります。

要因3:物件の築年数

不動産価格の変動する要因の3つ目は「物件の築年数」によるものです。不動産は建物と土地で構成されますが、建物は築年数とともに価格は下がっていきます。一方、土地に関しては築年数と価格は関係ありません。

マンションを売却する場合「専有部分」つまり、自室のみが査定対象と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、専有部分だけでなく共用部分の権利も売却することになるため、築年数によって不動産売却額は大きく変動するのです。

新築マンションの場合、購入1年目から急激に不動産価格は下落します。その後20年を境に価格の下落幅は少なくなる傾向にあります。

中古マンションの成約状況から、価格の変動は以下のとおりです。

  0~5年 6~10年 11~15年 16~20年 21~25年 26~30年 31年~
成約価格(万円) 5,883 5,071 4,484 4,174 3,202 1,884 1,904

※公益財団法人東日本不動産流通機構『築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)』より引用

5年を経過すると価格が大きく下がることがわかります。また、マンション買取額は20年を境に大きく変動します。これは大規模修繕により、共益費などが上昇するため購入者が敬遠するからです。

このように、築年数は不動産価格に直結する大きな要素となります。

要因4:設置されている設備

不動産価格の変動する要因の4つ目は「設置されている設備」によるものです。やはり、中古市場では、売却される不動産に備え付けられている設備も不動産価格に影響します。

人気があり、査定時にプラスとなる付帯設備は以下のものです。

  • 給湯器(エコキュートなど)
  • 太陽光パネル(自家発電)
  • セキュリティー(オートロックや防犯カメラなど)

不動産売却では、上記以外の設備も査定時にプラスとなるものも多く、不動産価格を左右する点において、重要な要素だといえます。太陽光パネルを使った自家発電など依然として人気が高く、余った電力も10年間は買取してもらえる制度が利用できます。

2019年11月にて固定価格での電力買取が順次終了していますが、まだ期間がある不動産を売却するのであれば、不動産価格も高く売却できる可能性があるでしょう。

要因5:中古市場での人気

不動産価格の変動する要因の5つ目は「中古市場での人気」によるものです。不動産はマンションと戸建てでは人気も違います。マンションは利便性のよい土地に建てられていることが多く、公共交通機関が近いことも人気な理由の1つだといえるでしょう。

また、マンションは減価償却期間が長く、資産価値が高くなる傾向にあります。不動産中古市場の販売実績からみてもマンションの人気が高いことが以下の表でわかります。

首都圏成約件数 中古マンション 中古戸建て
販売物件数(件) 35,825 13,348

※参照元:公益財団法人東日本不動産流通機構『首都圏不動産流通市場の動向(2020年)

成約件数も8年連続で上昇しており、売却の可能性があるのであれば、マンションのほうが向いているといえるでしょう。

要因6:間取り

不動産価格の変動する要因の6つ目は「間取り」によるものです。不動産の間取りは非常に重要で、価格変動する要因の1つです。これはエリアによって傾向が異なり、3LDKから4LDKが高くなるエリア、2LDKが高くなるエリアなどがあるためです。

要因7:人気のあるエリア

不動産価格の変動する要因の7つ目は「人気のあるエリア」によるものです。都道府県によって異なりますが、人気のあるエリアとそうでないエリアでは、不動産買取額に差が出てしまいます。

当然首都圏でも不動産売却額の差は出ており、東京都ではエリアによって以下の価格差が生まれています。

エリア名 専有面積(平均) 買取額(平均)
足立区 54平方メートル 2,830万円
板橋区 42.4平方メートル 2,736万円
江東区 50.2平方メートル 3,967万円
品川区 41.8平方メートル 4,109万円
千代田区 38.3平方メートル 6,7369万円
港区 48.2平方メートル 6,463万円

※参照元:『ホンネの不動産相談所「東京中古マンション相場」』を基に作成

東京都内でもエリアによって、買取額に差があることがわかるでしょう。ほかの都道府県も同様で、エリアによって不動産価格は違います。

不動産価格動向の調べ方

不動産価格が変動する要因について解説してきました。ここからは、不動産価格をどのように調べるかについて詳しく解説していきます。

不動産価格は以下の2つを基に調べましょう。

  • 年間取引の価格動向を確認する
  • 不動産取引情報サイトの活用する

それぞれでどういった情報が得られるのかを中心に、調べる場所や方法をあわせて紹介しています。興味がある方は引き続き読み進めてください。

では実際の取引情報から、価格動向を確認する方法を順にみていきましょう。

年間取引の価格動向を確認

不動産価格を調べるための方法として「年間取引の価格動向を確認する」方法を紹介していきましょう。年間の取引動向は「不動産価格指数」を基に調べられます。不動産評価指数は年間30万件の取引から価格の動向を表したものです。

不動産価格指数は2010年の平均を100とし、国土交通省より毎月公表されています。不動産価格指数の対象は以下のものです。

  • 土地(更地)
  • 戸建て(建物付きの土地)
  • マンション

さらに対象地域を全国的なものから、都道府県別(東京、愛知、大阪)に絞り込めるため、調べたい地域を確認しましょう。全国的な取引状況から、積極的に取引がされている3つの都道府県の動向を調べられます。

不動産売却を考えている方は、まず不動産価格指数を調べてみることをおすすめします。

不動産取引情報サイトの活用する

次に不動産価格動向を調べるための方法として「不動産取引情報サイトの活用」です。ここで紹介する方法は以下の2つです。

  • 不動産取引情報提供サイト(レインズ)
  • 土地総合情報システム(国土交通省)

まず「不動産取引情報提供サイト(レインズ)」ですが、成約価格を基にマンション、戸建ての成約価格を調べられます。詳しく検索するには、調べたい都道府県と地域を選択するだけで、所在地や坪単価・専有面積・間取り・築年数・成約時期・用途地域が閲覧できます。さらに、価格情報はグラフ化でき、価格動向を可視化することにより価格動向の調査が行いやすくなります。

次に「土地総合情報システム(国土交通省)」は、レインズ同様実際に取引がされた不動産価格情報を検索できます。四半期ごとのデータを検索でき、土地や今後の目的、都市計画でどういった建物しか建てられないのかといった、詳しい情報が検索できます。

実際の取引情報から不動産価格を確認するには「不動産取引情報提供サイト(レインズ)」もしくは「土地総合情報システム(国土交通省)」を利用すると簡単に調べられます。

所有する不動産を高く売る方法

不動産の価格変動を起こす要因や、不動産価格動向を調べる方法の次に、不動産を高く売る方法

について解説していきます。

不動産をより高く買取ってもらうための方法は以下の2つです。

  • 日々のメンテナンスをしっかりと行う
  • 一括査定サービスを利用する

自宅を売るのであれば、より高く買ってもらいたいと思うものです。これより紹介する内容を実践し、高額売却や取引を目指してください。

では「メンテナンスをしっかりと行う」から順にみていきましょう。

メンテナンスをしっかりと行っておく

不動産売却で高く売るためには「日々のメンテナンス」が欠かせません。なぜなら、日々のメンテナンスを怠ると、外観や機能の低下を防げないからです。

高く売るためには、景観を維持しておくことはもちろんですが、付帯設備が定期的にメンテナンスされていることも重要になります。さらに、破損している設備があれば修理しておくのがおすすめです。

破損していることを把握していながら売却すると「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」を問われます。2020年4月に改正された民法では、瑕疵担保責任は「契約不適合責任」に変更されています。

この変更で瑕疵担保は隠れた瑕疵から、契約した内容が適合しているかどうかの判断に変わりました。つまり、破損している設備は欠陥とし、買い手に知らせなければなりません。

付帯設備は購入から使い続けることで徐々に劣化しますが、定期的なメンテナンスで長く使えるだけでなく、壊れる可能性を低くできます。日頃のメンテナンスは面倒かもしれませんが、売る際にメンテナンスが行き届いた不動産は、査定でプラスポイントになるでしょう。

一括査定サービスを利用する

不動産売却で高く売るために、さまざまな不動産で査定を行うことは大変重要です。査定サイトのなかでも「一括査定」がおすすめになります。不動産一括査定を利用するメリットは以下の通りです。

  • 複数社査定を受ける時間を短縮
  • 査定条件が同じなため比較が容易
  • 相性のよい不動産会社がみつかる

一般的に不動産売却で複数不動産会社に査定を依頼すると、非常に時間がかかってしまいます。しかし、一括査定を利用すると、おおよその査定金額がわかるだけでなく、どこに本査定を依頼するかの判断ができます。

また、連絡のやり取りで相性のよい不動産がみつかる点も、一括査定のよいポイントでしょう。

不動産一括査定は複数の業者が展開していますが、おすすめはヤフーとソニーグループが共同運営している「おうちクラベル」です。一般的な無料一括査定だけでなく、AIが算出する高精度な査定価格をその場で確認できる点が最大のポイントです。

まず、AIで査定価格を知り、のちに一括査定で業者が提示する査定価格を客観的に比較できます。さらに、2種類の査定価格を比較し、相場目安内で提示してきた業者と契約する判断基準となります。

AIを使った高精度な、相場価格をチェックできるためぜひ利用してください。

不動産売却は変動要因を知り、適切なタイミングで売却を

不動産売却では、さまざまな要因があり不動産価格が変動します。緩やかな上昇傾向であった不動産価格も社会情勢(新型コロナウイルスの世界的流行)で一時的に下落しました。

適切なタイミングで売却するのは非常に難しいですが、「不動産価格指数」や「不動産取引情報サイト」を利用し、判断するようにしましょう。

さらに不動産売却のコツとして、メンテナンスを日頃から行っておくことや、一括査定を利用することをおすすめします。不動産一括査定で「不要な電話がかかってくるのが嫌だ」という方はおうちクラベルを利用してみませんか?

自宅のある地域で、査定できる不動産会社のなかから自分が依頼したい業者を選択できるようになっているため、不要な電話はかかってきません。

不動産売却をお考えの方は不動産一括査定を利用してください。

Q:不動産は経年とともに売却価格が下がるとのことですが、人気エリアでも同じことがいえるのでしょうか?
A:一般的には経年劣化などを考慮し、売却価格は年々減少するものです。しかし、土地の価格が上昇することで、購入時よりも売却額が高いといった事例も存在します。築浅物件であれば、高く売れる可能性が高いですが、土地価格が上がる状況がいつまで続くかは予測できません。

Q:不動産価格の調べ方はわかったのですが、計算などで出す方法はありますか?
A:不動産評価額から、おおよその価格を調べることはできます。しかし、あくまでも概算となるため、詳細が知りたい方は一括査定などで査定してもらうことをおすすめします。

まずはお気軽にご相談ください!