不動産売却を検討している方にとって、気になることの一つが、どのぐらいの期間で売却できるのか?といった部分ではないでしょうか? 状況によっては、できるだけ早く売却したいとお考えの方もいるかもしれません。
しかし、不動産売買は基本的に大きなお金が動くため、売却までにある程度の期間が必要です。 ただし、少しでも早く売却するためのポイントが存在するのも事実です。最短で売却したい場合には、売却までの流れを知ることで、適切な対応を知ることができます。
今回は、不動産売却の平均期間と売却までの流れを紹介、また、早く売却するための3つのポイントについても紹介します。 本記事を参考にすることで、不動産売却がスムーズに進められるでしょう。
不動産売却までの平均期間
不動産売却までの平均期間は、首都圏でみると8ヶ月となっています。しかし、売却する不動産によっては、期間に違いがあるため注意が必要です。
たとえば、マンションと戸建てでも違いが出てきます。マンションだと、売却までの平均期間は6ヶ月となっていますが、戸建てだと11ヶ月です。
もちろん、築年数や立地条件などの違いがあるため、判断材料としてはあくまで目安として覚えておきましょう。
状況によっては売却までに1年以上かかるケースもあるため、注意してください。
不動産を短期で売却したければ、不動産会社に相談して相場よりも低めの価格設定にするなどの対応が必要です。
不動産売却までの流れ
不動産を売却するまでの流れは大きく3つに分けられます。それが、「売却活動前」「売却活動中」「売却活動後」です。
ここでは、それぞれの段階について詳しく説明していきます。
不動産売却までの流れを知り、スケジュール感覚を身につけておきましょう。
流れ①売却活動前
不動産売却活動前には次のステップがあります。
- 事前準備
- 不動産査定
- 不動産会社との媒介契約
事前準備から解説していきます。まず、必要書類の準備が必要です。
不動産会社に相談に行く際、手ぶらでも問題はありませんが、次に紹介する書類を準備しておくと話がスムーズに進められます。
- 所有不動産の物件概要書
- 登記事項証明書(登記情報)、もしくは固定資産税納税通知書
- 間取り図および敷地測量図
書類の準備ができたら、不動産会社に査定を依頼します。
基本的に、地元の不動産会社であれば、現地で確認する「訪問査定」を行うため、日程の調整や査定額の算出に1週間から2週間程度かかります。
なお、ここで行われる査定額は「3ヶ月程度で売れると想定される価格」です。
不動産会社の規模や力量、実績によって、ある程度の違いが出てくるため、気になる方は複数社への査定依頼を検討しましょう。
複数社への査定依頼の結果、信用できる不動産会社がみつかれば、媒介契約を結びます。
契約する不動産会社によって、結果も変わってくるため、慌てずに1週間程度の時間を使って、契約する不動産会社を選ぶようにしましょう。
流れ②不動産売却活動中
不動産会社と媒介契約を結べば、不動産売却活動が開始されます。
売却活動が始まれば、基本的に不動産会社に営業を任せ、購入希望者が現れるのを待ちます。
対応が必要になるのは、実際に購入希望者が現れてからです。購入希望者が現れたら、内覧対応や条件交渉などが必要になります。
内覧時には、綺麗に掃除を行い、整理整頓をしておくと、購入希望者もさらに興味を持てるでしょう。
不動産を早く売るためにも、環境づくりには気を配っておく必要があります。内覧を終え、購入希望者が物件を気に入ったら、実際に条件などの交渉が始まり、交渉が無事にまとまれば売買契約を結びます。買主は売主に対して手付金を支払い、売主は不動産会社に対して仲介手数料の半額を支払うといった流れです。
なお、購入希望者と交渉が始まるまでの平均的な期間が1〜2ヶ月程度、内覧から交渉がまとまるまでの平均期間が2週間程度といわれています。
流れ③不動産売却後
続いて、不動産売却後の流れを解説していきます。売買契約が締結されてから、およそ1ヶ月の間に決済と引き渡しが行われます。
決済から引き渡しまでは同日中に行われ、所要時間は1時間半から2時間程度です。
流れとしては、買主からの決済を確認してから、不動産の引き渡しが行われます。
決済と引き渡しが終了したら、不動産会社に仲介手数料の残額を支払い、不動産売却は終了です。
なお、不動産を売却した際には、翌年の申告期間(毎年2月16日〜3月15日)に確定申告を行う必要があります。
事前になって慌てないように、この期間に備えて予め準備しておくのがいいでしょう。
不動産をなるべく早く売却するための3つのポイント
ここまで、不動産を売却するまでの平均期間と、不動産売却の流れを紹介してきました。
ここからは、不動産売却を急ぐ方が知っておくべきポイントについて解説していきます。
なるべく早く不動産を売却するためにも、次の3つのポイントを知っておく必要があります。
それが「価格設定」「売却時期」「不動産会社の変更」です。一つずつ詳しく紹介していくため、参考にしてください。
ポイント①不動産価格を見直す
不動産を少しでも早く売却するためのポイントで最も重要になるのが売り出し価格です。
少しでも早く売りたいときは、価格設定を相場よりも低めに設定するのも一つの選択肢となります。その際、あまり安くし過ぎず、相場を参考にして価格を決めましょう。
ただ、不動産相場はなかなか相場がみえにくい部分もあるため、複数社から入手した査定額を参考にする方法が有効です。
複数社からの査定額を入手すれば、最高査定額に最低査定額、平均査定額を知れるため、ある程度の相場観を身につけられます。
なお、不動産一括査定サイトを利用すれば時間と手間を省きながら複数社の査定を入手できます。気になる方は、ヤフーとソニーグループのSREホールディングスが共同運営している「おうちクラベル」で試してください。
ポイント②売却時期を見直す
不動産をなるべく早く売却するための2つ目のポイントが売却時期です。実は、不動産の取引件数が伸びる時期があります。
それが、春や秋の移動シーズンです。この時期には引越しする方が多くなるため、不動産の取引件数が伸びる傾向があります。
時期としては、2月から3月、9月などです。不動産の取引件数が伸びる傾向にある時期は、当然、物件を探す方も多くなります。
早期の売却を目指すのであれば、この時期に向けて売却準備をしていくのも一つの方法です。
ポイント➂不動産会社を見直す
続いてのポイントが、不動産会社の見直しです。実は、不動産会社によっては、利益率が高い物件から販売に力を入れていくケースがあり、すべての物件を同じように扱わないケースがあります。
仮に、売却しようとしている物件が不動産会社にとって優先度が高くないときには、後回しにされるため、あまり力を入れて宣伝してくれないケースも考えられるでしょう。
そのため、問い合わせや内覧がこないときは、思い切って不動産会社を変更するのも一つの選択肢となります。
その際、契約内容には十分に気をつけておかなければなりません。なぜなら、一度結んだ契約の変更は基本的に不可能だからです。
不動産会社と契約する際には、予め、さまざまなケースを想定し、納得できない契約は結ばないようにしましょう。
ここで、変に遠慮してしまうと後々トラブルの原因となります。少しでも疑問があれば、納得がいくまで質問する姿勢が大切となります。
遠慮してしまうこともあるかもしれませんが、きちんと説明をしてくれない会社であれば、そもそも契約を結ぶ会社として相応しいとはいえません。
しっかりとした不動産会社であれば、こちらの気持ちに配慮し、納得がいく説明を行ってくれます。
不安を感じたら、急いで契約を結ぶのではなく、別の不動産会社に相談してみましょう。
買取なら数週間での売却も可能?
なかにはどうしても早く売却したいとお考えの方もいるかもしれません。早く売却したいと考えているのであれば、不動産会社による買取といった選択肢もあります。
不動産会社による買取とは、文字通り、直接不動産会社に買い取ってもらう方法です。
売却期間は、早ければ1〜2週間程度となっているため、最も売却期間が短いといえるでしょう。ただし、注意しておかなければならない点があります。
それが、売却価格です。基本的に、不動産会社に買取してもらうときは、売却価格は相場よりも低くなってしまいます。
どれぐらい低くなるのかは不動産会社によって違いがあるため一概にはいえませんが、目安として相場価格の7〜8割程度の価格になる可能性が多いようです。
相場価格より安くなってもいいから、少しでも早く売却したいと思っているのなら、検討してみましょう。
なお、買取価格と買取スピードには、不動産会社ごとに差があるため、この点にも注意が必要です。
後悔しないためにも、不動産会社による買取を選択するときでも、複数社へ買取査定を依頼するようにしてください。
不動産を早く売るためには3つのポイントを意識する
不動産売買は、大きな金額が動くため、売買が完了するまでにそれなりの期間が必要です。
そのため、売却までの流れを把握して、自身の状況に合わせたスケジュールを組んでいく必要があります。
少しでも早く売却したいときには「売出し価格を下げる」「売却時期の見直し」「不動産会社を見直す」といった方法があるため、状況に応じた対応を考えておきましょう。
Q.不動産売却までの平均期間はどれぐらいですか?
A.マンションなのか戸建てなのかによって、若干の違いはありますが、2つを併せた平均期間は8ヶ月となっています。
Q.どうしても早く売却したいです。方法はありませんか?
A.不動産会社による買取であれば、相場の7〜8割程度の金額になってしまいますが、最短数週間で売却できる可能性があります。