不動産の売買は一般の方であれば、人生のなかでそれほど多く経験するものではありません。後から悔やんでしまうことがないように、基礎知識を備えておきましょう。 不動産の売買取引を進めるために必要な準備や売買の手順を知ることで、取り組むべき事柄の具体的なイメージを持つことができます。この記事では、不動産の売買における基本的なポイントを詳しく解説します。
不動産購入前にできる3つの準備
不動産を購入する際は、次にあげる3つのポイントを押さえて事前準備を行っておくとスムーズに進めることができます。
- 予算の確認と資金計画の作成
- エリアと不動産の種別を決める
- 希望する間取りと広さを決めておく
それぞれの事前準備について、どのような点に気をつけるべきか詳しく解説して行きます。
予算の確認と資金計画の作成
不動産を購入する際は、まず準備できる頭金を踏まえたうえで、どれくらいの予算を組めるのかを考えておく必要があります。住宅ローンを組んで不動産を購入するときは、希望どおりの金額を借りられるとは限らないため、想定よりも少ない金額で考えておくと良いでしょう。
また、住宅ローンを組むときには、金融機関のサイトなどから返済額を試算できるので、現在の収入や将来的に必要なお金を把握したうえでシミュレーションを行ってみてください。毎月の返済額に無理がないか試算することも大切です。
さらに、不動産を購入するときは、仲介手数料など売買取引に付随して支払う費用も必要になります。購入時にかかる費用は現金で決済するものも多いため、不動産会社の担当者に尋ねてどのタイミングでいくらぐらいの費用が必要になるかを把握しておきましょう。
不動産を購入するときに必要な費用として、主なものは以下のとおりです。
費用の項目 | ポイント |
仲介手数料 | 売買契約が成立したときに、不動産会社に対して支払う手数料。取引価格×3%+6万円+消費税が金額の目安となる。 |
登記費用 | 購入した不動産の所有権を登記するための費用。司法書士に登記手続きを依頼するときは、そのための費用も必要になる。 |
印紙代 | 売買契約書に貼付する収入印紙。契約額に応じてかかる金額が異なる。 |
固定資産税の精算金 | 不動産の引き渡しを受ける際に、売主に対して支払う固定資産税の月割りの負担分。 |
不動産取得税 | 不動産を取得した際に一度だけかかる税金。 |
住宅ローンの事務手数料 | 住宅ローンを組むときに、金融機関に支払う手数料。 |
火災保険料・地震保険料 | 火災保険や地震保険の保険料。 |
エリアと不動産の種別を決める
購入予算や資金計画が決まったら、次に住みたい居住地や不動産の種類を選んでいきます。どのようなエリアや物件が適しているかは、家族構成やライフスタイルによって異なるため、さまざまな角度から時間をかけて検討してみましょう。戸建てかマンションか、新築物件か中古物件かといった不動産の種類もある程度決めておきましょう。
エリアは初めから絞り込み過ぎてしまうと、事前に決めた購入予算ではオーバーしてしまうこともあります。その場合は、希望エリアを少し広げてみるなどして、柔軟に検討してみることが必要です。
理想どおりの物件を手に入れようとすれば、いつまでも購入を決められないケースもあるので、希望条件に優先順位をつけて効率良く物件探しに取り組んでみましょう。
希望する間取りと広さを決めておく
どの程度の間取りや広さが必要であるかは、家族構成やライフスタイルによって左右されます。
2021(令和3)年3月19日に閣議決定され、国土交通省が公表している「住生活基本計画(全国計画)」を参考にしてみましょう。「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準」(最低居住面積水準)は、単身世帯で25平米、2人世帯で30平米、3人世帯で40平米、4人世帯で50平米などとしています。
ゆったりと快適に過ごしたい場合、「多様なライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積に関する水準」である誘導居住面積水準を基本に考えてみると良いでしょう。誘導居住面積水準(都市居住型)では、単身世帯で40平米、2人世帯で55平米、3人世帯で75平米、4人世帯で95平米です。誘導居住面積水準(一般型)では、単身世帯で55平米、2人世帯で75平米、3人世帯で100平米、4人世帯で125平米としています。
具体的な広さや間取りに加えて、築年数、建物の向き、マンションの場合には高さなどもイメージしておくことで、物件を効率良く絞り込んでいけるでしょう。また、家族の意見や希望も大事にすることによって、優先順位をうまく整理できるようになるでしょう。
不動産購入の8つの流れ
ここでは不動産を購入するときの全体的な流れを紹介していきます。具体的な流れを把握しておくことで、購入までに行うことやその順番のイメージをつかむことができますので、対応する事柄を理解しましょう。
基本的な流れと手順については以下のとおりです。
- 不動産情報の収集
- 問い合わせと物件見学
- 不動産購入の申し込み
- 住宅ローンの事前審査
- 不動産の売買契約
- 住宅ローンを申し込む
- 内覧チェック
- 残金の決済と入居
それぞれのステップについて、細かくみていきましょう。
流れ①不動産情報の収集
不動産を購入するときに損をしないためには、自分でもある程度相場を把握しておくことが大切です。いきなり不動産会社に相談をしても、価格に関する基準がなければ提示された金額が妥当かどうか、判断がつきづらいものです。
不動産ポータルサイトなどWebで掲載されている物件情報を検索するだけでも、エリアごとに相場の違いがある点など、みえてくるものは多いでしょう。
手軽に不動産価格を知りたいときは、国土交通省が提供している「土地総合情報システム」を活用してみると良いでしょう。
実際に取り引きが行われたデータがまとめられているサイトのため、類似した物件の取引価格などを知ることで目安を把握できます。不動産の種別やエリアを絞り込んで検索すれば、スムーズに知りたい情報を得られるはずです。
流れ②問い合わせと物件見学
気になる物件をみつけたら、ネットや電話で問い合わせを行って、実際に物件を見学してみましょう。すぐに購入を判断するのではなく複数の物件を見学することで、物件ごとの違いや自分や家族がこだわる点、相場感などがみえてくるようになるものです。
建物の状況や土地の形状などをチェックするだけでなく、周辺環境が自分に合ったものであるかも精査してみましょう。交通アクセスや買い物の利便性、静かに暮らせる環境であるかなどさまざまな視点から調べていくことが大切です。
流れ➂不動産購入の申し込み
複数の物件から絞り込んで購入したい物件を選んだら、不動産会社を通じて購入の申し込みを行います。購入の意思表示を行い、売主との間で価格や条件面などを交渉する段階です。
購入の申し込みの際に、申込証拠金が必要なケースもあります。申込証拠金は特に金額が定められているものではないため、不動産会社の担当者に相談をして、必要な金額を用意しておきましょう。
物件の相場について把握していれば交渉を進めやすくなります。どの程度のラインであれば交渉の余地があるのかを見極めることも重要です。
流れ④住宅ローンの事前審査
不動産の購入ではまとまった金額が必要になるため、住宅ローンを組んで物件を購入することもめずらしくありません。しかし、必ずしも希望する金額で住宅ローンが組めるとは限らないため、あらかじめ借り入れを行えるかどうかを金融機関にチェックしてもらう必要があります。
無理のない資金計画を立てたうえで、住宅ローンの事前審査を受けましょう。事前審査で主にチェックされるポイントは、次のとおりです。
- 申込者の年収や勤続年数
- 自己資金の割合
- 借り入れ希望額
- 購入予定の物件 など
どのような項目をチェックされるかは金融機関によって異なるため、求められる情報を正しく申告しましょう。事前審査は、申し込みを行ってから1週間程度で結果が分かります。
Webや郵送で申し込みを受け付けている金融機関も多くあるため、購入したい物件が決まった段階で早めに申し込みを行いましょう。
流れ⑤不動産の売買契約
住宅ローンの事前審査に問題がなければ、不動産会社を通じて売主と売買契約を締結します。
契約を締結する前に、契約内容をしっかりと確認する必要があります。可能であれば契約の日を迎える前に、物件の詳細を記載した「重要事項説明書」や契約内容についてまとめられた「売買契約書」のコピーをもらい、読み込んでおきましょう。
契約後のトラブルを防ぐためにも、不明点があればそのままにせず、すぐに質問をすることが重要です。特に物件に不具合があったときの保証などをどのように行ってくれるのかという点はチェックしておきましょう。
売買契約書で決められた内容に沿って、契約代金の支払いや物件の引き渡しなどを進めていくため、契約書の内容に問題がないかを入念に調べておくことが大切です。
契約を締結する際には、契約金額の5~20%程度の手付金が必要になります。こちらもあらかじめ確認して用意しておくと良いでしょう。
流れ⑥住宅ローンを申し込む
売買契約書を締結したら、金融機関に対して正式に住宅ローンの申し込みを行います。本審査を受けるにあたって、以下のような書類が必要になります。
必要書類 | ポイント |
印鑑証明書、実印 | 役所で入手できる。発行日から3ヶ月以内のものが有効となる点に注意。 |
本人確認書類 | 本人や家族全員が記載された住民票、運転免許証、健康保険証など |
収入を証明する資料 | 源泉徴収票、確定申告書、住民税課税決定通知書など |
物件の詳細な資料 | 不動産会社が用意してくれる。 |
預金通帳 | 残高の確認のため。 |
どのような書類が必要になるかは金融機関によって異なるため、できるだけ早い段階で確認しておきましょう。本審査は事前審査よりも入念にチェックされるため、審査結果が伝えられるまでに2週間程度の期間を必要とすることが多くあります。
流れ⑦内覧チェック
物件の引き渡しを受ける前に、建物の状態や仕上がり具合が契約書の内容に合っているかを内覧によってチェックします。仮に不具合をみつけたら、引き渡し日までに修繕などを行ってもらうように伝えましょう。
初めて不動産を購入する場合でチェックに不安があるときは、インスペクション(住宅診断)のサービスを利用してみるのも1つの方法です。建築士が内覧に同行して、第三者の立場から物件に問題がないかを細かくみてもらえます。
流れ⑧残金の決済と入居
すべての準備を整えて引き渡し日を迎えたら、手付金や申込証拠金を除いた残金を決済します。住宅ローンを組む場合は、金融機関から不動産会社の口座などに直接振り込んでもらうことができます。
代金の精算が済んだら、司法書士を通じて所有権の移転登記を行って契約は完了です。
不動産の取得にかかった費用を証明する領収書などはきちんと保管しておき、翌年の2月中旬から3月中旬にかけて確定申告を行いましょう。
確定申告を行うことで、住宅ローン控除など税制上の優遇措置が適用されます。税負担を軽減するためにも、忘れずに確定申告を行うことが大切です。
不動産売却前にできる5つの準備
不動産の売却を考えるときは、事前に5つの準備を整えておきましょう。
- 不動産相場の確認と売り出し価格の想定
- 不動産売却スケジュールの確認
- 費用と住宅ローン残債の確認
- 売却対象物の確認
- 土地境界の確認
各ポイントについて、それぞれ解説します。
不動産相場の確認と売り出し価格の想定
不動産を売却するときには、所有する物件売却価格がどのくらいになるのか把握しておく必要があります。。大まかな相場を知っておくだけでも、安値で取り引きを行ってしまう可能性を防げるでしょう。
具体的に相場を調べる方法としては、不動産ポータルサイトを利用したり、国土交通省が提供している「土地総合情報システム」を活用したりする方法があります。また、不動産流通機構が運営している「レインズ・マーケット・インフォーメーション」なども有効なツールです。
近隣エリアの類似した取り引き事例を参考にして、どの程度の価格で売却ができそうかを把握し、相場からどのくらいの売り出し価格にするのかを大まかに想定しておきましょう。
不動産売却スケジュールの確認
不動産は売却するタイミングによっても売却方法や売却価格が変わってくるため、スケジュールをしっかりと立てておく必要があります。
一般的に、不動産を売却するまでに必要な期間は4~6ヶ月程度だといわれています。時間をかけて売却活動を進めたほうが希望に添った価格で売却できる可能性は高まります。
ただし、住み替えなどで売却したい時期が決まっていたり早期売却が必要であったりといった場合は、売却方法にも工夫が必要になるでしょう。相場よりも少し低い価格で売り出したり、不動産会社に買い取りを行ってもらったりすることも検討してみることが大事です。
相場よりも低い価格であれば、早めに買主をみつけられる可能性がありますし、不動産会社に買い取ってもらう場合は新たに買主をみつける必要がないため、すぐに売却できることも期待できます。
いずれにしても、不動産の売却を決めたら早めに行動することが大切です。どの時期に不動産を売却したいかを決めて行動してみましょう。
費用と住宅ローン残債の確認
不動産を売却するときには売却のために必要な諸経費がかかります。主な諸経費としては、次のようなものがあげられます。
費用の項目 | ポイント |
仲介手数料 | 売買契約が成立した際に、不動産会社に対して支払う手数料。取引価格×3%+6万円+消費税が上限値の目安 |
印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙。契約額によって必要な金額が異なる。 |
登記費用 | 抵当権を抹消するための登録免許税で、不動産1個あたり1,000円。司法書士に依頼する場合は、1~2万円程度の報酬が必要になる。 |
その他の費用 | 引っ越し費用、測量費用、解体費用、廃棄物の処分費用、ハウスクリーニング費用など |
諸経費は必要に応じて金額が違ってくるため、不動産会社の担当者に確認をして、金額を事前に見積もっておくことが大切です。現金で決済するものも多くあるため、必要なお金を事前に準備しておきましょう。
また、住宅ローンが残ったまま不動産を売却するときには、ローン残債がどれくらいあるのかを把握しておく必要があります。金融機関から送られている書類をチェックして、不動産を売却した代金で住宅ローンを完済できるのかを試算しておくことが重要です。
仮に不動産を売却しても完済できないときは、預貯金などの自己資金で補う必要も出てきます。売却にあたって資金計画に無理がないかをチェックしておくことが大切です。
売却対象物の確認
売却予定の物件について、建物の状況だけでなく付随する設備の状況も細かくチェックしておく必要があります。エアコンや照明器具などはそのまま譲渡するか、戸建て住宅の場合なら庭に設置している物置や植木などをそのまま引き渡すのか、なども考えておきましょう。
すべてのものを売却対象物として含めるのか、それとも一部だけ含めるのかといった判断は事前に行っておくほうが後からトラブルが発生するのを防げます。不動産会社の担当者のアドバイスも参考にしながら、1つずつ決めていきましょう。
土地境界の確認
不動産を売却するうえで重要な点として、土地の境界をきちんと確認しておくことがあげられます。土地を巡ったトラブルは隣接地との境界に関するものが多いことから、特に気をつけておきましょう。
不動産を取得した際の測量図や境界確認書があれば、図面のとおりに境界が設定されているかをチェックします。
もしも、境界が曖昧になっていたり境界がはっきりしていなかったりする場合には、不動産を売却する前に、土地家屋調査士に依頼をして測量図を作成してもらうことが必要です。そのうえで、隣接地の住民にも立ち会ってもらって、境界についてのトラブルが起こらないようにしておきましょう。
不動産売却の5つの流れ
不動産を売却する準備を整えたら、実際に5つのステップに沿って物件の売却を進めていきます。以下のステップをそれぞれ解説します。
- 不動産の査定依頼
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 不動産の売り出し開始と内覧対応
- 買主との条件交渉と売買契約の締結
- 引き渡し
流れ①不動産の査定依頼
事前に把握しておいた相場を念頭に置いて、不動産会社に対して査定依頼を行いましょう。初めから1社に絞り込んでしまうのではなく、査定額や評価、サービス内容などを見比べるために、複数の会社を比較することが大事です。
不動産の一括査定サービスを使えば、時間や手間を省きながら複数の会社から査定結果を受け取れます。「おうちクラベル」( https://realestate-od.jp/)なら、物件情報などを入力するだけで複数の不動産会社へ依頼後、AIによる高精度な査定結果をすぐに知ることができ、その後に送られてくる不動産会社の査定結果と比較できるため、より実情に近い査定額などを把握できます。
査定額のほか、査定書の内容、サービス、不動産会社の担当者の対応などを総合的に考慮して、仲介を依頼する不動産会社を絞りましょう。
流れ②不動産会社と媒介契約を結ぶ
仲介業務を依頼する不動産会社を選んだら、媒介契約を締結します。媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があり、それぞれ特徴が異なるため、契約方法の選択にも注意が必要です。
専属専任媒介契約と専任媒介契約は1社のみの契約となりますが、REINS(レインズ)への登録や売主への報告義務が不動産会社に課されるため、熱心に売却活動を進めてくれることが期待できます。売りづらい物件を売却したいときなどに活用してみると良いでしょう。
一方、一般媒介契約の場合は複数の不動産会社と同時に契約を結ぶことができ、契約そのものもいつでも解約できます。人気のエリアの物件を売却するときには、一般媒介契約のほうが希望以上の価格で売れる可能性があります。
流れ➂不動産の売り出し開始と内覧対応
不動産会社と契約を結んだら、売り出し価格を設定したうえで売却活動がスタートします。Webに広告を掲載したり、購入希望者からの問い合わせに対応したりするのはすべて不動産会社が行ってくれるため心配いりません。
しかし、物件の内覧対応については売主自身も協力する必要があります。内覧を希望する人が現れたら、不動産会社を通じてスケジュールを調整し、少しでも物件の印象を良くするために室内の片付けや清掃を行いましょう。
流れ④買主との条件交渉と売買契約の締結
買主が現れた段階で、取引価格や条件面などをすり合わせます。値引き交渉が行われる可能性もあることを考慮して、売り出し価格を設定するときは値下げの余地を残し、少し高めに設定しておくと良いでしょう。
また、買主が気になっている部分についてはきちんと話を聞いたうえで、柔軟に対応していくことが重要です。物件に何らかの不具合があるときは事前に説明し、どのような補償を行うのかを売買契約書に盛り込んでおけば、後からトラブルが起こることを未然に防げるでしょう。
流れ⑤引き渡し
売買契約書で定めた内容に沿って、物件の引き渡しを行います。手付金を除いた残金を買主から受け取り、所有権の移転登記を進めます。抵当権が設定されている場合は抹消登記を行う必要があるため、手続きに関しては司法書士に依頼をしたほうが安心です。
残金を受け取り、物件の引き渡しが済めば契約は完了となりますが、売却した翌年2月中旬から3月中旬にかけて確定申告を行うことを忘れないようにしましょう。不動産を売却することで利益が出た場合だけでなく、売却損が出たときも確定申告をすることで税負担を軽減できることがあるからです。
売却時に支払った費用などを示す領収書などは、確定申告の際に必要になるため、きちんと保管をしておきましょう。
不動産売買契約書|5つのチェックポイント
不動産取引を円滑に進めるには、売買契約書の内容を細かくチェックしておく必要があります。チェックしておきたい項目は以下の5つです。
- 対象物件の範囲
- 金額の内訳
- 所有権の移転期間
- 違約金
- 危険負担
5つの項目から、どのようなポイントに気をつけるべきかを解説します。
対象物件の範囲
不動産売買でトラブルになりやすい点としては、売買の対象となる範囲に認識のずれが生じてしまうということがあげられます。登記事項や各種図面などを確認して、建物や土地、住宅設備などについて、どの範囲までが取り引きの対象となるのかをよく確認しておきましょう。
不明な点は曖昧にせずに、取り引き相手とすり合わせ、しっかり確認することが重要です。
金額の内訳
売買契約書には、お金にまつわる内容が細かく記載されている必要があります。契約の総額・手付金・内入金・残金などの具体的な金額や支払い時期について、曖昧な点がないかをよく確認しておきましょう。
契約書で定めた支払い時期にきちんと決済できなければ、債務不履行となってしまい損害賠償請求の対象となったり、契約が解除となったりする恐れがあります。
支払いスケジュールについて問題がある場合は、売買契約を締結する段階で十分に話し合っておくことが大切です。
所有権の移転期間
物件の所有権については、法律上は所有権が移転した日から所有者に権利義務が移ることになります。
税金面についても同様であり、所有権の移転日が「取得日」となり、その日から所有期間の計算が始まります。所有者は納税義務などを負うことになるため、引き渡し日に問題がないかを売買契約を結ぶ段階でよく確かめておきましょう。
違約金
売買契約を結んでも、状況の変化などによって売主と買主の間でトラブルが起こる可能性があります。万が一にもトラブルが起きた場合にむやみにトラブルが長期化しないようにするには、あらかじめ違約金を設定して、売買契約書に盛り込んでおくことが大切です。
契約書に違約金の項目を盛り込むケースは増えています。どのようなケースに違約金が発生するか、具体的な金額はいくらかなどを想定される内容に応じてきちんと決めておきましょう。
危険負担
契約の当事者に問題がなかったとしても、物件を引き渡すまでには不測の事態が起こる可能性があります。たとえば、物件を引き渡す前に隣家の火事の影響で物件が焼失してしまうようなケースであれば、売買契約書で定めた内容を実行することができなくなるでしょう。
売主には物件を引き渡す債務がありますが、取り引き相手の責任を問えないときに押さえておくべき点が「危険負担」です。このケースでは、買主は物件の引き渡しを受けられないため、代金の支払いを拒絶できます。
契約内容や特約として設定した条項によって取り扱いが異なるため、もしもの可能性も想定して契約内容に問題がないかをチェックしてみてください。
不動産売買の基礎知識を身につけてスムーズに売却を進めよう
不動産の売買で後悔をしないためには、基礎知識をしっかりと身につけておくことが重要です。不動産を購入するときの手順、売却するときの手順をそれぞれ押さえて、自分の希望条件に合った不動産取引を進めてみましょう。
また、不動産の売買を行うときには相場をきちんと把握しておくことも大切です。「おうちクラベル」を利用すれば、不動産会社の査定 AIによる高精度な査定と AIによる高精度な査定不動産会社の査定によって物件の価値を客観的に把握できます。ぜひ活用してみましょう。
Q.家の購入を検討しているのですが、まずは何から始めればいいですか?
A.まず、予算を決めましょう。用意できる頭金とご自身の年収などを考慮し、どの程度の融資を受けられるのかを考えましょう。予算が決まったら、ライフスタイルや家族構成を基に、希望する広さや間取りを決めることで、希望物件の形がみえてくるはずです。
Q.不動産を売却するときには何社に査定依頼をすればいいですか?
A.可能性を広げるという意味では、多いほうがいいでしょう。あまり、時間と労力をかけたくない場合は、不動産一括査定サイトを利用すると複数の会社からの査定を簡単に手に入れることができます。