多くの人にとって、不動産の売却はさほど頻繁に行うものではありません。そのため、いざ不動産を売却しようにも、何から調べるべきかわからない場合が少なくないでしょう。
そこでこの記事では、不動産売却をするときの査定方法や媒介契約の種類、売却時にかかる費用など、不動産売却で知っておくべき基礎知識をまとめて解説します。この記事を参考に、ぜひ後悔のない不動産売却を目指しましょう。
1.不動産売却に必要な基礎知識
ここで、不動産売却の基礎知識を確認しておきましょう。
1-1.売却の流れ
不動産を売却する基本的な流れは次のとおりです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 依頼先の不動産会社を選定して媒介契約を締結する
- 不動産を売り出す
- 内見などに対応する
- 売買契約が成立する
- 不動産を引き渡す
1-1-1.不動産会社に査定を依頼する
はじめに、不動産会社へ査定を依頼します。査定とは、その不動産がどの程度の価格であれば売れそうであるのか、不動産会社が見込み額を算定する手続きです。
査定は1社のみに依頼するのではなく、複数の不動産会社へ依頼しましょう。複数社へ査定を依頼することで査定の適正額適性額が把握できるほか、査定額や担当者の対応などを比較することで依頼先の不動産会社を選定しやすくなるからです。
複数社に査定を依頼したい場合には、「おうちクラベル」の不動産一括査定をご利用ください。
1-1-2.依頼先の不動産会社を選定して媒介契約を締結する
不動産の仲介(媒介)を依頼する不動産会社を選定したら、その不動産会社と媒介契約を締結します。媒介契約には3種類あるため、自身や状況に合った契約を締結しましょう。媒介契約の種類は後ほど解説します。
1-1-3.不動産を売り出す
不動産会社と媒介契約を締結したら、まずは不動産の売り出し価格を決定します。売り出し価格とは売主側の希望売却価格であり、査定額をベースに決めることが一般的です。
売り出し価格が決まったら、いよいよ不動産を売りに出します。購入希望者などからの問い合わせには、原則として不動産会社が対応してくれます。
1-1-4.内見などに対応する
購入希望者が購入を決める際には、現地の見学(いわゆる「内見」)を希望することが少なくありません。居住中の物件などでない限り、内見の対応を不動産会社に任せることも可能です。
しかし、内見に売主が同席することで購入希望者からの細かな質問などにもその場で対応しやすくなり、売買契約の成立につながりやすくなるでしょう。そのため、可能であれば内見の際には売主も同席することをおすすめします。
1-1-5.売買契約が成立する
購入希望者と条件などがまとまったら、売買契約を締結します。売買契約書は不動産会社側で用意してくれることが一般的であり、自分で作成する必要はありません。
1-1-6.不動産を引き渡す
あらかじめ取り決めた日に売買代金を受け取り、同時に不動産の名義変更に必要な書類に署名押印をします。これで不動産が正式に買い手の所有となります。
1-2.必要な準備
不動産の売却前にすべき必須の準備は、希望の売却条件を定めることです。「最低いくらで」「いつまでに売りたいのか」をあらかじめ確認しておきましょう。
しかし愛着のある不動産であればあるほど、高値での売却を期待してしまいがちです。一方で売り出し価格が高すぎれば購入希望者が現れず、いつまで経っても売れないという事態にもなりかねません。
そのため不動産の売却条件を定めるにあたっては、まず不動産会社から査定を受け不動産会社と相談しながら決めると良いでしょう。
1-3.必要書類
不動産の売却では、次の書類などが必要です。
- 売却をする不動産の「登記済証(権利証)」または「登記識別情報」
- 売却をする人の実印
- 売却をする人の印鑑証明書
- 建築確認通知書・検査済証
- 測量図・建物図面・建築協定書など
- リフォーム契約書などリフォーム履歴のわかる書類
- 購入時の売買契約書や重要事項説明書、パンフレット
- 住宅性能評価書
- 住宅ローン返済予定表
- 固定資産税納税通知書
状況によってはこれら以外の書類が必要となることもあるため、依頼先の不動産会社へ相談しながら書類を揃えると良いでしょう。何が必要であるのかよくわからない場合には、購入時やリフォーム時の資料一式を担当者に渡すことで、必要な書類をピックアップしてもらえます。
1-4.売却方法
不動産の売却方法には、不動産会社に売買を介在してもらう「仲介」と、不動産会社へ直接不動産を売却する「買取」があります。
このうち、まずは「仲介」を検討することが一般的でしょう。ただし、そのままでは売りにくい広大な土地や古家が建っている土地などは、「買取」の方が向いているかもしれません。
買取の場合には仲介手数料が不要であるうえ売買契約の成立までがスピーディーであるなどのメリットも多く存在します。ただし、すべての不動産について不動産会社が買取をしてくれるわけではないため、買取を希望する場合には不動産会社に打診してみてください。
2.不動産会社と結ぶ媒介契約の種類
個人で不動産という大きな資産を売買することは大変困難なため、不動産会社に依頼して仲介してもらうのが一般的です。
そのため、不動産会社との媒介契約は避けて通れない道でしょう。不要なトラブルを避けるためにも、プロの手を借りることが大切です。
不動産会社に仲介を依頼すると、宅地建物取引業法に基づいて、売主が不利にならないよう、国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づいた契約を取り交わすことが一般的です。
- 対象物件を売却する条件
- 約定報酬額
上記のような仲介にかかわる条件をあらかじめ定め、媒介契約書を作成します。このステップが「媒介契約」です。
2-1.媒介契約の種類
媒介契約にも種類があり、下記の3種類が挙げられます。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
2-1-1.媒介契約を選ぶ際のポイント
3種類もあると思うと少しややこしく感じてしまうかもしれませんが、それぞれの大きな違いとして押さえておきたい重要なポイントは下記の5つです。
- 同時に複数の不動産会社と契約できるかどうか
- 自力で買主を見つけた場合も仲介が必要かどうか
- 有効期間
- 指定流通機構(レインズ)への登録義務の有無
- 依頼者に販売状況を報告する定期報告義務の頻度
これらの制限は一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の順に厳しくなりますが、どの媒介契約を結ぶかは売主が選ぶことができます。
最終的な仲介手数料の限度額にも違いがないので、「どれにしたら良いかわからない…」と悩んでしまう方もいるでしょう。
違いに焦点を当てつつ下記にそれぞれの詳細を解説するので、ポイントを押さえ、媒介契約を結ぶ際の参考にしてみてください。
2-2.一般媒介契約
一般媒介契約は売主にとって厳しい制限がない代わりに、不動産会社側にも制限が少ないのが特徴です。
2-2-1.売主の自由度が高い
- 同時に複数の不動産会社と契約できる
- 自力で買主を見つけた場合、仲介不要で売却できる
- 契約期間の規定はなし(国土交通省が定めた標準媒介契約約款に基づく契約の場合、有効期間は3ヶ月とされている)
上記のように、3種類のなかでも売主の自由度が最も高いのが一般媒介契約のポイントです。
また、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があり、どちらを選ぶかは依頼主の自由です。
「明示型」は複数の不動産会社に依頼しているかどうか・どこの不動産会社に依頼しているのかを明かしておきます。
一方「非明示型」は複数の不動産会社に依頼しているかどうか・どこの不動産会社かを明かしません。
情報を明かすことに抵抗があれば「非明示型」、不動産会社との信頼関係の構築や営業戦略を重要視するなら「明示型」を選ぶと良いでしょう。
2-2-2.不動産会社側の制限が少ない
前述したように不動産会社側にも制限が少ない点には注意しましょう。
- 指定流通機構(レインズ)への登録は任意
- 依頼者に販売状況を報告する義務はない(ただし、売買等の申込ががあったときは遅滞なく報告しなければならない)
指定流通機構(レインズ)は国土交通省より指定されている不動産流通標準情報システムです。信頼性が高く、不動産会社のみが情報を閲覧するため日常的に利用されています。
指定流通機構(レインズ)に物件が登録されているかどうかは、契約の相手方を検索するための確率を大きく左右します。
一般媒介契約では登録義務がないため、物件の販売情報を広めづらいといえるでしょう。
また、不動産会社からの報告義務もないため、販売状況の把握がしづらい点もデメリットです。
「とにかく早く売りたいから複数の不動産会社に同時に依頼したい」「自分で買主を見つけられたら仲介なしで売却したい」などの希望がある方に向いているでしょう。
売却に向けて待つだけでは落ち着かない方・積極的なタイプの方にもおすすめです。
2-3.専任媒介契約
専任媒介契約は、一般媒介契約と比較するとやや依頼主の自由度が下がるように思えますが、一方で不動産会社側の責任が重くなります。
- 契約できる不動産会社は1社のみ
- 自力で買主を見つけた場合、仲介不要で売却可能
- 有効期間は最長3ヶ月
上記が依頼主の行動にかかわる主なポイントです。複数の不動産会社と契約することはできませんが、自力で買主を探し仲介なしで売却することは可能です。
有効期間は最長3ヶ月と定められていますが、具体的な有効期間は当事者同士で決めることになります。そのため、不動産会社選びは慎重に行う必要があります。
2-3-1.積極的な売却活動が期待できる
依頼主の自由度がやや下がる一方で、不動産会社側は一般媒介契約に比べて積極的に動いてくれることが期待できます。
- 契約から7日以内(休業日を除く)に指定流通機構(レインズ)に登録
- 14日に1回以上(休業日を含む)の頻度で依頼者に販売状況を報告
上記の規定があることから、契約の相手方を検索しやすくなるうえ、販売状況の把握もしやすくなります。
1社のみとの契約なので信頼関係も築きやすく、スムーズに売却できる確率が上がるでしょう。
2-3-2.契約を結ぶ不動産会社選びが重要
1社のみを頼りにするからこそ、不動産会社の販売力が重要です。
また、万が一「囲い込み」と呼ばれる違法行為を行われてしまうと、今すぐ買いたいといった他社から紹介された買主との売却のチャンスを逃すことも。
互いへの信頼が売却への近道なので、不動産会社選びを慎重に行うことが肝だといえるでしょう。
専任媒介契約は、不動産会社の対応にも期待しつつ自分自身でも積極的に買主を探したい、という方におすすめです。
2-4.専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、「依頼主の自由度」という観点からは3種類のなかで最も制限がかかります。
2-4-1.依頼主の自由度はほとんどなくなる
自由度がなくなる反面、不動産会社からのサポートは最も期待できるといえるでしょう。
- 契約できる不動産会社は1社のみ
- 自力で買主を探す直接取引は不可(契約した不動産会社の仲介が必須)
- 有効期間は最長3ヶ月
専任媒介契約と同じく、契約できる不動産会社は1社のみです。
ただし、専任媒介契約では自力で買主を探して仲介なしの売却も可能でしたが、専属専任媒介契約ではそれはできません。
もし不動産会社を介さずに買主を見つけた場合でも、売却するためには仲介に入ってもらう必要が生じます。この点が専任媒介契約との特に大きな違いといえるでしょう。
2-4-2.不動産会社からのサポートが最も手厚い
依頼主の自由度はほとんどなくなりますが、その代わり、不動産会社側からのサポートも3種類のなかで最も手厚くなります。
- 契約から5日以内(休業日を除く)に指定流通機構(レインズ)に登録
- 7日に1回以上(休業日を含む)の頻度で依頼者に販売状況を報告
指定流通機構(レインズ)への登録もよりスピーディーに行われることで、売却に向けたタイムロスを減らすことができます。
また、販売状況の報告もこまめに行ってもらえるので、状況が把握できず不安になったり信頼感を損なったりしにくいメリットもあります。
不動産が実際に売れるまでの期間には差が大きいものですが、不動産会社からのサポート面を考えると、専属専任媒介契約なら早めに売却できる可能性が高いでしょう。
ただし、1社のみとの契約のため、専任媒介契約と同じように営業力に結果が左右されやすい・「囲い込み」の可能性がある点は注意が必要です。
とはいえ、不動産会社側も依頼主へのこまめな報告を必要とするうえ、仲介手数料も成功報酬。契約期間中に結果を出すために、全力で販売に当たってくれることがほとんどです。
自力で積極的に売却活動をするよりも、しっかりとプロの力を頼って早めの結果を得たい方には、専属専任媒介契約がおすすめです。
3.不動産売却時にかかる費用・税金
不動産売却は、「売却=お金が入ってくる」というだけではありません。出ていくお金、いわば必要経費もあることをしっかりと留意しておきましょう。
では不動産売却を行う際にかかる費用とはどういうものがあるのかというと、主に下記の3つが挙げられます。
- 仲介手数料
- 印紙税
- 譲渡所得税
不動産は資産として大きなものといえるので、売却できればそれなりにまとまったお金が入ってくることが期待できますよね。
必要な費用もあらかじめ予想しておくことで、実際に売却した際に出費に驚いてしまったり、手元に残った金額が思ったより少なくてがっかりしたりということも防げるでしょう。
物件の状態によってはハウスクリーニングの費用なども別途かかる場合もありますが、必要とは限りません。
しかし、仲介手数料・印紙税・譲渡所得税の3つはほとんどの方にかかる可能性がある費用なので、知っておいて損はないでしょう。
3-1.仲介手数料
仲介手数料とは、不動産売却の仲介を依頼した不動産会社に支払うものです。
前述した「媒介契約」を結んだ不動産会社の仲介により売買契約が成立すると、成功報酬として仲介手数料を支払います。
媒介契約を結んだ不動産会社は、物件情報の広告掲載・チラシの作成・ポスティング・購入検討者とのやり取り・交渉・契約…と、物件を販売するためさまざまな活動を行います。
とはいっても仲介手数料はあくまでも「成功報酬」として扱われるため、売買契約が成立しないうちは支払い義務はありません。
ただし、仲介手数料に含まれない費用は実費で別途請求されることがあるため注意が必要です。
3-1-1.仲介手数料に含まれる業務
仲介手数料に含まれる業務は主に下記のようなものです。
- 不動産売却にかかわるアドバイス
- 物件情報の不動産情報サイトへの掲載・チラシ作成など
- 購入検討者への案内
- 不動産売却にかかわる条件の交渉や契約手続き
最低限必要とされる範囲を超えたサポート・遠方への現地調査費用・依頼者(売主)の依頼に基づいて行う広告料金などは別途費用を請求される可能性が高いです。
上記をよく理解していないと、知らずに仲介手数料の範囲外のサポートを受けてしまい請求額が膨らんでしまった…というケースもありえます。
あえてサービスを上乗せするような信頼しにくい不動産会社がいないとも限らないため、注意が必要です。
3-1-2.仲介手数料の限度額
仲介手数料は下記のように限度額が定められています。
- 200万円以下:売却価格×5%(+消費税)
- 200万円超400万円以下:売却価格×4%+2万円(+消費税)
- 400万円超:売却価格×3%+6万円(+消費税)
この限度額は宅地建物取引業法で定められているので、それ以上の金額を仲介手数料として求められることはありません。
ですが、あくまでも限度額なので、不動産会社によってはもっと低価格な場合もあります。
とはいえ大切なのは売却の結果です。手頃な仲介手数料だとしても、希望の価格で売却が成立することやサービスの質が確かなことのほうが重要です。
不動産会社選びには妥協せず、総合的に満足して「成功報酬」を支払えれば良いですよね。
3-2.印紙税
不動産売却の際には、売主と買主の間に売買契約が生じるので、不動産売買契約書を取り交わすことが必要です。
不動産売買契約書は課税文書と呼ばれるものにあたるので、印紙税が課税されます。
3-2-1.売却金額によって税額が異なる
印紙税は対象となる文書の種類によって税額・非課税金額が異なり、不動産売買契約書の印紙税は記載されている金額で変化します。
租税特別措置法により、記載されている金額が10万円以上かつ平成26年4月1日~令和6年3月31日までに作成されるものは軽減措置の適用対象です。
軽減税率適用後の金額ごとの印紙税は下記のとおりです。
- 10万円超50万円以下:200円
- 50万円超100万円以下:500円
- 100万円超500万円以下:1,000円
- 500万円超1,000万円以下:5,000円
- 1,000万円超5,000万円以下:10,000円
- 5,000万円超1億円以下:30,000円
売主と買主それぞれの分として不動産売買契約書を2通作成すると、それぞれが課税文書に当たるため印紙税もそれぞれにかかります。
3-3.譲渡所得税
不動産の売却をするとき、譲渡所得税という税金がかかるケースがあります。譲渡所得税とは、物件の売却で得た利益に対してかけられる所得税・住民税を総称したものです。
利益に対する税金なので、買主ではなく売主のみが対象となります。
3-3-1.譲渡所得税の計算方法
不動産売却の譲渡所得税は分離課税方式と呼ばれる方法で計算します。事業所得・給与所得などとは分けて計算する方法です。
税率は対象物件を所有していた期間によって異なり、5年以下の所有期間なら「短期譲渡所得」、5年超の所有期間なら「長期譲渡取得」として扱われます。
それぞれの税率は下記のとおりです。
- 短期譲渡所得:39.63%(所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
- 長期譲渡所得:20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
上記の税率を譲渡所得にかけ合わせて、譲渡所得税を計算します。
なお、譲渡所得は単純に売却価格というわけではなく、「収入金額-取得費-譲渡費用」の計算式を用いて導き出すものです。
3-3-2.利益が出なければ非課税となる
売却しても結果として利益が出なかった場合は非課税となるものの、利益があれば上記のように課税されるので、必ず確定申告が必要です。忘れずに納税してくださいね。
課税される金額をあらかじめ予測しておきたい場合には、不動産査定価格を確認しましょう。
おうちクラベルなら、複数の不動産会社による不動産一括査定を依頼できます。
4.不動産売却価格の相場の確認方法
不動産の売却をするには、不動産会社による査定額はもちろんですが、売却価格の相場もしっかりと押さえておくのが大切なポイントです。
土地・築年数・間取りなどさまざまな要因で不動産の売却価格は変化します。
実際には査定額と同額ではなく、少し高めに設定して売り出すケースも少なくありません。逆に、どうしてもなかなか売れない…となれば、価格を下げる場合もあるでしょう。
お持ちの物件のポテンシャルに合った相場を知っておくことで、実際に売却する際のイメージがしやすくなります。
相場を確認する方法は大きく分けて下記の2つです。
- 物件情報サイトで似た条件の物件を探す
- 過去の取引事例を閲覧できるサイトを参考にする
それぞれの方法について詳しくご紹介します。どちらも比較的簡単に行える方法なので、ぜひ参考にしてみてください。
4-1.物件情報サイトで似た条件の物件を探す
物件情報サイトには多くの物件情報が掲載されています。
どのような物件か・どこの物件かという情報と併せて販売価格も載っているので、お持ちの物件と似た条件の物件を探すことで、目安となる販売価格を知ることができます。
4-1-1.物件情報サイトを利用する際の注意点
ただし、掲載されている販売価格は実際の売却価格とイコールではないので、「この価格で売却できる!」と期待しすぎないよう注意が必要です。
やや高めに設定されている場合や、売り出し時期が明記されておらず実は値下げされた後の価格だった…というようなケースも少なくありません。
売り主が実際に不動産売却をした際には、もっと低価格だったり高価格だったりと差異が大きい可能性もあります。あくまでも目安としてとらえておくようにしましょう。
4-1-2.価格相場の計算方法
【購入時の価格×築年数による価格下落率】の計算式を用いることで、物件のおおよその売却価格相場がわかるといわれています。
ただし、上記の計算式で知ることのできる価格もあくまでも目安にすぎません。実際の売却価格とは差異が大きい可能性も十分にあるので、あまりあてにしすぎず、参考程度にとどめましょう。
4-2.過去の取引事例を閲覧できるサイトを参考にする
過去の取引事例を閲覧することで、実際に似たような土地で売買された物件の売却価格などを知ることができます。
4-2-1.REINS
REINS Market Informationは、国土交通省より指定されている不動産流通機構標準情報システムです。
情報を集める際に不動産会社が利用する場合が多いものの、一般の方でも閲覧可能なサイトとして知られています。
都道府県・地域・沿線・駅などを指定した絞り込みや、さらに築年数・間取りなどを指定した細かい絞り込みもできます。
4-2-2.土地総合方法システム
ほかに国土交通省が提供している「土地総合情報システム」でも、さらに詳しく情報を閲覧することが可能です。
物件の情報や成約時期などまで詳細に閲覧できるため、お持ちの物件や土地と照らし合わせて参考にしやすいでしょう。
お持ちの物件の相場をより詳細に知る方法の1つには、おうちクラベルの不動産一括査定もあります。
複数の不動産会社による査定価格を比較できるため、現在の相場を知ることにもつながるでしょう。
おうちクラベルならAI査定も可能です。不動産一括査定依頼後に確認できるAI査定には、人の手による査定で起こりやすい経験や相性によるばらつきが起こりにくいという大きなメリットがあります。
AIが導き出す膨大なデータベースによる客観的な査定額は、相場の目安としてとても参考になるはずです。
5.不動産売却の査定の種類
不動産売却を考えているなら、まずは不動産会社に査定を依頼することが必要です。お持ちの不動産が一体いくらで売れるのか、より具体的に数値化することで、実際に契約する不動産会社を決めるためにも大きく役立ちます。
物件情報や過去の取引事例から相場を知ることも大切ですが、実際にご自身の売却予定の物件に対する査定を受け、相場と併せて考慮していくことが大切です。
売却価格の相場を確認するだけならご自身でいつでも可能ですが、よりピンポイントに物件の売却価格をイメージするには不動産会社による査定が必要不可欠といえます。
ただし、不動産会社による査定にも種類があります。
主な査定方法は次の2種類です。
- 机上査定
- 訪問査定
それぞれの方法に特徴があるので、メリット・デメリットも押さえてご自身に合った査定を受けるようにしましょう。
下記に詳しくご紹介いたします。
5-1.机上査定
机上査定とは、売却対象の物件のおおよその売却価格を計算で導き出す査定方法です。訪問査定に比べて時間や手間がかからないため、簡易査定と呼ばれることもあります。
5-1-1.机上査定のデメリット
対象の物件への訪問は行わず、立地・路線などの条件や、周辺の物件の過去の取引事例・景気・市場の動向などのデータを利用して算出していきます。
そのため、物件固有の細かな情報までは考慮されず、査定結果があくまでもおおよその価格にすぎない点はデメリットといえるでしょう。
実際の売却価格と差異が生じる可能性も否定できないので、精度の高い査定を期待しすぎないよう注意が必要です。
5-1-2.机上査定のメリット
訪問の必要がない分、インターネット上のやり取りのみでも査定を受けることができる点は大きなメリットにつながります。
査定のために複数の不動産会社に赴くのは、時間的にも体力的にもかなりの余裕がないと難しいところではないでしょうか。
その点、机上査定の場合は、査定結果が出るまで当日~3日程度と非常にスピーディーです。不動産会社に足を運ぶ労力と時間の確保も必要ありません。
5-1-3.机上査定のデメリット
対象の物件への訪問は行わず、立地・路線などの条件や、周辺の物件の過去の取引事例・景気・市場の動向などのデータを利用して算出していきます。
そのため、物件固有の細かな情報までは考慮されず、査定結果があくまでもおおよその価格にすぎない点はデメリットといえるでしょう。
実際の売却価格と差異が生じる可能性も否定できないので、精度の高い査定を期待しすぎないよう注意が必要です。
ただし、不動産一括査定を受ければ、一度で複数の不動産会社による査定結果を得ることで精度を上げることが可能です。
のちに訪問査定を受ける場合でも、不動産一括査定の結果から検討して、訪問査定を依頼する不動産会社を絞り込むのも1つの方法でしょう。
おうちクラベルなら、大手から地域密着型の不動産会社まで一括で査定を依頼できます。
依頼と同時に高精度なAIによる査定価格が導き出されるので、不動産一括査定の結果を待つ時間も無駄なく活用可能です。
不動産一括査定・AI査定価格の確認ともにご利用いただけますので、査定方法に迷ったらぜひ一度お試しください。
5-2.訪問査定
訪問査定とは、実際に不動産売却の対象となる物件を訪問し、物件の状態・周辺地域などを確認したうえで行う査定方法です。
足を運ぶからこそ、現場で対象物件を見なければわからない日当たり・物件の使用状況なども確認することが可能になります。
訪問による現地調査で得られる情報だけでなく、立地・路線などの条件や、周辺物件の過去の取引事例・景気・市場の動向などのデータも併せて査定を行います。
5-2-1.訪問査定のメリット
訪問査定は机上査定に比べてさらに詳細な査定が可能になり、より精度が高く実際の売却時に近い査定価格が導き出される点が最大のメリットです。
また、査定時に不動産会社の担当者と直接顔を合わせるので、対応やご自身との相性などを同時に確認できる点も訪問査定のメリットの1つといえます。
5-2-2.訪問査定のデメリット
ただし、訪問査定の場合は机上査定と違い、査定結果を得るまでにやや時間がかかります。1週間程度の日数は必要だと思っておくと良いでしょう
また、直接不動産会社に依頼をして行う査定方法なので、不動産の売却に迷いがある段階ではあまりおすすめできません。
売却を決意し、最終的に契約する不動産会社にもある程度目星をつけた状態で依頼しましょう。
まだ不動産売却に迷いがある・どこの不動産会社に頼めばいいかわからない…という方は、まずは机上査定から行うことをおすすめします。
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5-3.複数の不動産会社に依頼をすることがおすすめ
不動産会社によって査定額の違いが大きいことも少なくないため、複数の不動産会社による査定を行うことがおすすめです。物件という大きなものを手放すからこそ、じっくり比較検討することで不動産会社選びに失敗しにくくなるという大きなメリットも得られるでしょう。
5-3-1.複数の不動産会社から査定を受けるなら
とはいえ、複数の不動産会社にそれぞれ依頼をするのは骨が折れるもの。ですが、不動産一括査定サービスを利用すれば同時に複数の不動産会社による査定額を知ることができます。
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6.不動産売却の相談はどこがいい?不動産一括査定サイトがおすすめである理由
不動産売却は、まずは査定をしないことには始まりません。
査定にも机上査定・訪問査定の2種類があることはお伝えしましたが、訪問査定を受ける場合でもまずは不動産会社を絞り込む必要があります。
机上査定で複数の不動産会社を比較検討することが大切です。そこで便利なのが不動産一括査定です。
不動産一括査定なら複数の不動産会社に1つ1つ依頼をかける手間が省けて査定結果を得、比較検討することができます。
不動産一括査定のメリットを下記に詳しくご紹介します。
6-1.インターネットで簡単に依頼できる
不動産一括査定はインターネット上でとても簡単に依頼できます。利用サイトを決めたら、アンケート形式で対象物件と依頼者の情報を入力していくだけです。
不動産会社に直接赴くには時間も体力も必要です。ましてそれが複数となると、かなりのやる気が必要になるでしょう。
一方で、インターネットを利用した不動産一括査定なら一度情報を入力するだけで済み、時間も手間もかからない点は大きなメリットです。
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6-2.まとめて複数の不動産会社に依頼できる
査定を受ける際には、1つではなく複数の不動産会社に依頼して比較検討することがとても重要です。不動産一括査定サイトなら、まとめて一度に複数の不動産会社に依頼ができます。
不動産会社に直接依頼するとなると、まず不動産会社を調べるのに時間がかかり、依頼する段階でもまた時間がかかります。それを複数回行うのは骨の折れる作業です。
仮に電話やインターネット上のやり取りだとしても、多くのコミュニケーションを必要とするので気疲れしてしまう方もいるでしょう。
6-2-1.大手から地域密着まで多くの不動産会社に一度で
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不動産一括査定の結果をお待ちいただく間にもAIによる査定価格をご確認いただけるので、忙しい現代人の不動産売却でも時間を無駄にすることがありません。
7.不動産売却の際は不動産一括査定を活用しよう
不動産売却では慎重になるべき場面も多いからこそ、事前に複数の不動産会社で査定を受けることが重要です。
比較検討してこそみえてくるご自身との相性もありますし、査定による最高価格・相場価格などの情報もとっても大切。
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8.不動産売却の注意点
不動産の売却で後悔しないためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?主な注意点は次のとおりです。
- 査定は複数社に依頼する
- 査定額のみで不動産会社を決定しない
- 時間に余裕を持って売却する
8-1.査定は複数社に依頼する
先ほども解説したように、不動産を売却する際にはまず不動産会社から査定を受けることになります。査定額はその不動産会社が「その不動産がこの程度の価格なら売れる」と想定した見込み額であり、この査定額をベースに売り出し価格を決めることが一般的です。
つまり、不動産会社がつけた査定額によっては実際に売れたはずの価格よりも安く売却してしまう事態になる可能性があるということです。
このような事態を避けるため、不動産売却時の査定は、必ず複数の不動産会社へ依頼しましょう。複数社の査定額や査定額への説明などを比較検討することで、より良い条件で売却してくれる不動産会社と出会いやすくなります。
しかし、自分で複数の不動産会社を回って査定を依頼していては、多大な手間を要してしまうことでしょう。そのような際には、「おうちクラベル」のご利用がおすすめです。おうちクラベルをご利用いただくことで、一度の入力で複数の不動産会社へ査定を依頼することができます。
8-2.査定額のみで不動産会社を決定しない
1つ上の解説と矛盾するようですが、不動産の売却を依頼する不動産会社を査定額のみで選ぶことはおすすめできません。なぜなら、査定額はあくまでも「その不動産がこの程度の価格なら売れる」と不動産会社が想定した見込み額であり、必ずしもその価格で売れる保証があるわけではないためです。
1社のみが非常に高い査定額を提示している場合には、まず媒介契約を締結してもらうためだけに高い査定額を提示しており、結局は価格を下げて売却するといった可能性があります。そのような不動産会社に依頼するより、ある程度確実な査定額を提示してくれた誠実な不動産会社を選ぶべきだったと後悔してしまうかもしれません。
そのため、他社より高い査定額を提示された場合には査定額の根拠について説明を受け、その説明が納得できるかどうかや誠実性を感じるかどうかも考慮の上、依頼先の不動産会社を検討することをおすすめします。
8-3.時間に余裕を持って売却する
不動産の売却で失敗しないためには、時間に余裕を持って売却することが鉄則です。売却を急いでいることが買主側に知られてしまうと、足元を見られて買いたたかれてしまうかもしれません。そのため、できるだけ時間に余裕を持って売却に臨みましょう。
9.不動産売却に関するよくある疑問
最後に、不動産の売却に関するよくある質問に2つ回答します。
9-1.不動産売却は不動産会社を介さなくても行える?
不動産の売却を不動産会社へ依頼すると、仲介手数料が発生します。では、仲介手数料を節約するため、不動産会社を介さずに不動産の売却をすることはできるのでしょうか?
まず、自分で買い手を見つけることができるのであれば、不動産会社を介さずに売買契約を成立させること自体は不可能ではありません。しかし、結論をお伝えすると、このような「直接取引」はおすすめできません。なぜなら、不動産会社はただ単に買い手を探す役割だけを担っているわけではなく、不動産の状態を買い手側に丁寧に説明したりそのことを契約書に落とし込んだりすることなどによって、トラブルを防止する役割も担っているからです。
特に、中古の建物は劣化していることが一般的であり、これが原因でトラブルとなる可能性が低くありません。そのため、仮に不動産会社を介さない「直接取引」をするのであれば、そのリスクを十分に把握したうえで行う必要があるでしょう。
9-2.その不動産に強い不動産会社はどう探せば良い?
不動産会社にはそれぞれ、得意とする不動産があることが少なくありません。たとえば、あるエリアの不動産売却に強い不動産会社や、マンションや一戸建て、土地など、ある物件種別の売却に強い不動産会社などがあります。
しかし、売却しようとしている不動産に強みを持つ不動産会社を外部から見分けることは容易ではありません。では、その不動産売却に強い不動産会社は、どのように探せば良いのでしょうか?
その不動産の売却に強い不動産会社を見つけるためには、複数の不動産会社から査定を受ける必要があるでしょう。とはいえ、自分で複数の不動産会社を回って査定を依頼していては多大な手間を要します。
そこでおすすめなのが「おうちクラベル」のご利用です。おうちクラベルでは、一度の入力で複数の不動産会社に査定を依頼することが可能です。複数社の査定額を比較することで、その不動産の売却に強みを持つ不動産会社を見つけやすくなるでしょう。
10.まとめ
不動産の売却は、一生に何度も発生するものではありません。しかし、不動産の売却では動く金額も大きく、失敗したくないことでしょう。不動産の売却で失敗しないためには、不動産会社の選定が非常に重要です。
しかし、どの不動産がその不動産の売却に強いのか判断することは容易ではないでしょう。複数社に査定を依頼して査定額などを比較しようにも、自分で1件ずつ不動産会社を回っていては多大な手間が生じてしまいます。
そのような際におすすめなのが、「おうちクラベル」のご利用です。おうちクラベルをご利用いただくことで、一度の入力で複数の優良な不動産会社へ査定を依頼することが可能となります。
複数社の査定額や担当者の対応などを比較することでその不動産の売却に強い不動産会社と出会いやすくなり、後悔のない不動産売却につながりやすくなるでしょう。