不動産の個人売買はできる?メリットや注意点や売買の流れ・必要書類も紹介

不動産の個人間売買とは、不動産会社を介さずに不動産取引を行うことです。
個人間売買が実現すれば不動産会社へ支払う仲介手数料がかからないため、魅力を感じる人もいるでしょう。しかし、不動産の個人間売買ではさまざまなトラブルが生じる可能性があり、安易に選択すれば後悔することにもなりかねません。
そこでこの記事では、個人間売買におけるメリットやデメリットのほか、不動産会社が担っている役割などについて解説します。

目次

1.不動産の個人間売買はできる?

冒頭でも紹介しましたが、不動産の個人間売買は可能です。不動産の売買は不動産会社が行うものだとイメージしている人は意外に感じたでしょう。

ですが、不動産の個人間売買は、事業としての営みには該当しないため法律に触れません。根拠として以下に事業として行う法律の一部をご紹介します。

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、宅地建物取引業を営む者について免許制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うことにより、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引 の公正とを確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、もつて購入者等の利益の保護と宅地及び建物の流通の円滑化とを図ることを目的とする。

不動産会社を通す取引では、宅地建物取引士の資格を所有した専門家が重要事項の説明に携わる決まりです。これには上記で紹介した宅地建物取引業法という法律が適用され、この法律は不動産取引業を営む人を対象としており、個人は含まれません。

この宅地建物取引業法に則って、不動産会社は厳しい規則に基づいた契約のやり取りや書類作成・交付などを行うのです。

2.不動産の個人間売買はリスクがある?

厳しい規則のない中での個人間の売買はリスクが伴います。法律に守られていないということは、全ての取引が自己責任であることを意味します。

トラブルが起きた場合、不動産会社への仲介料よりも高額な費用が発生することも考えられます。リスクを回避するためにも、個人間での不動産売買については、専門家と同等の知識を習得する必要があるのです。

それらを加味した上で個人間売買にするか不動産会社に仲介を依頼するかを検討しなければなりません。

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3.不動産を個人間売買するメリット

前章で、不動産を個人間で売買するのは法律で守られていないリスクがあるとお話しましたが、個人間売買が禁止されているわけではありません。実際には、以下の2つの要素をメリットと捉えて個人間で売買取引を進める人もいます。

  • 取引の自由度が高い
  • 仲介手数料・消費税が節約できる

取引の自由度とは法律や条件に縛られない取引を指し、仲介手数料・消費税の節約については1番のポイントです。本章では、これらの項目に着目して詳しく解説します。

3-1.取引の自由度が高い

不動産の個人間売買は、契約条件売却価格売却期間などを自由に決められるため、自由度が高い取引が可能です。

不動産会社が仲介する場合、会社として利益を追求すると同時に、宅地建物取引業法に基づいて対応しなければなりません。そのため、不動産会社が主導となって取引が進みます。

不動産売買の専門家が売買に携わるため、土地・建物の状態・需要などを総合的に判断して提案してくれます。全てを任せられるため安心できますが、売主の希望が通りにくくなり、自由な取引が難しくなるのです。

一方、買主が売主の親戚や知り合いの場合は関係が構築されているため、個人間売買でも条件の交渉や話し合いがスムーズに進行します。

売主と買主が互いの希望をすり合わせながら契約する流れになり、進捗状況によっては、不動産会社に仲介を依頼するよりも短期間で取引できる可能性があります。

このことからも、個人間売買は不動産会社の仲介と比較して自由度が高いといえるでしょう。

3-2.仲介手数料・消費税が節約できる

不動産の個人間売買は、売主と買主の間での直接取引になるため、仲介手数料や消費税発生しません。これは個人間売買を行う際の最大のメリットです。一方、不動産会社に仲介を依頼すると、以下の手数料が発生します。

  • 物件価格200万円以下→仲介手数料の上限5%以内
  • 物件価格200万円を超え400万円以下の金額→仲介手数料の上限4%+2万円以内
  • 物件価格400万円を超える金額→仲介手数料の上限3%+6万円以内

参照:https://www.mlit.go.jp/common/001307056.pdf

例えば、物件価格400万円を超える場合は、仲介手数料は最大で物件価格の3%に6万円と消費税を加えた金額です。仮に1000万円の売却を想定すると、最大36万円(税抜き)の手数料を不動産会社に支払うことになります。

売却価格が高額になればなるほど、仲介手数料も増額し、負担が大きくなる仕組みです。同時に、消費税が仲介手数料に課せられるため、売却価格に応じて高額になります。

一方、個人間売買の場合は、仲介を依頼しないので仲介手数料一切発生しません。同様に仲介手数料に課せられる消費税も節約できます。

仲介手数料と消費税がかからない点は、費用の負担が少なくなるため、不動産の個人間売買の大きなメリットです。

3-2-1.不動産会社を探すなら

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4.不動産を個人間売買する際の注意点

不動産を個人間売買する際には、様々な注意点があります。主な注意点は以下の6つです。

  • 買主とトラブルになる可能性がある
  • 契約不適合責任を負う可能性がある
  • 適正な価格で売却できないこともある
  • 売買までに手間や時間が多くかかることがある
  • 買主が見つかりにくい
  • 個人間売買にはできることに制限がある

不動産売買は専門的な知識が必要であり、本来は宅地建物取引士の資格を有した専門家が行います。宅地建物取引業法という法律があるのも、不動産売買に伴うリスクを軽減するためです。しかしながら、個人間で不動産を売却する際には専門家が仲介しないため様々な注意点があります。そこで、本章では不動産の個人間売買におけるこれらの注意点を解説します。

4-1.買主とトラブルになる可能性がある

最初に挙げる注意点は買主とトラブルになる可能性がある点です。不動産売買は、多くの書類を作成する必要があります。個人間売買をする場合、このような契約に関する確認事項・書類・契約書の作成や交付など多くの業務を個人で行う必要があり、いつトラブルが起きてもおかしくありません。不動産売買を専門家のサポートを受けずに個人で行うことは非常に危険です。

トラブルを回避するには、売主買主が共に不動産売買に関する知識を身に付けておく必要があります。

4-2.契約不適合責任を負う可能性がある

近年では民法の改正が目まぐるしく、売主は売買した不動産に対して、契約不適合責任という法的責任を負わなければなりません。これは、売却した不動産に何かしらの瑕疵(かし)があった場合、売主が補償しなければならないという意味です。

瑕疵とは欠点のことで、物理的瑕疵・法律的瑕疵・環境瑕疵・心理的瑕疵などに分類されます。特に心理的瑕疵には注意が必要です。

不動産の売買における心理的瑕疵の告知義務は約5年とされていますが、社会的に大きな影響を与えた事件などが発生した場合、半永久となった事例が存在します。

例えば約30年前に起きた有名な事件の告知を行わなかったとして、契約を取り消す訴訟を起こしたところ、買主が勝訴した判例があります。

個人が行う不動産売買において、ここまで情報収集を行うことは困難といえます。「知らなかった」で済まされないのが法律です。

知識習得や取引にかける時間が十分に確保できない人や、安心安全に取引をしたい人は、不動産会社に仲介を依頼しましょう。

4-3.適正な価格で売却できないこともある

次に挙げる注意点は適正な価格で売却できないこともある点です。不動産の個人間売買は不動産売却の知識がないと、適正な価格の設定が難しいといえます。

不動産の個人間売買は売主が価格を設定でき、自由度が高いことを前章でメリットとしてご紹介しました。ですが、判断を誤るとメリットがデメリットにもなり得るのです。

不動産の売買を不動産会社に依頼する場合、土地周辺環境築年数建物の状態需要などを総合的に判断した上で査定します。

誰しも価格交渉の経験があると思いますが、人生の大きな買い物において、少しでも安く購入したいと考えることは自然といえます。

価格交渉されることを念頭に置き、売主としてをしないような価格設定を行わなければなりません。相場や査定額から少し高めに価格を設定して、価格交渉をされても希望価格で売却するなどの工夫が必要です。

4-4.売買までに手間や時間が多くかかることがある

個人間売買では、不動産の価格設定や売買に必要な書類の準備に手間や時間が多くかかることがあります。不動産の価格を設定するには、情報を売主が調べてその結果から価格を設定するため、不動産会社へ仲介を依頼するのに比べて手間や時間がかかるのです。同時に、決めた価格で売却できるとは限らず、手間や時間が無駄になってしまうこともあります。

また、前述したように不動産売買には多くの書類が必要です。個人間売買では、必要書類を全て自分で用意しなければならないため手間がかかります。初めて不動産を売却する人は特に、書類の入手先がわからず時間がかかるでしょう。これらを加味した上で、不動産会社へ仲介を依頼することをおすすめします。

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4-5.買主が見つかりにくい

次に挙げる注意点は買主が見つかりにくい点です。個人間売買に限らず不動産の売買では買主を見つけること、つまり集客がポイントになります。不動産の個人間売買で考えられる集客の方法2つあります。

1つ目は、親戚や知り合いなど、既に関係が構築されている人と取引を行う方法です。既知の相手と取引を行う状況のため、非常に容易といえます。

2つ目は、不動産のポータルサイトやチラシなどを活用して、集客する方法です。

売主がポータルサイトやチラシなどの広告媒体で買主を募集する形になるため、買主を見つけるのに時間とコストがかかる恐れがあります。

4-6.個人間売買にはできることに制限がある

不動産会社であれば集客を組織的に行います。不動産会社が行う一般的な集客方法は、店舗前での掲示・ポータルサイトへの掲載・チラシの配布・REINS(レインズ)への登録などです。さらに、個人間売買では重要事項説明書が作成できないことがほとんどであるため買主がローンを組めないというデメリットがあります。

4-6-1.REINS

REINSとはReal Estate Information Network Systemの略で、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営している、不動産情報を扱うシステムです。このシステムに不動産情報を登録すると、日本全国の不動産会社が閲覧でき、集客の効率が上がる可能性があります。

ですが、不動産会社でなければ、このシステムにアクセスできません。必然的に個人間売買では、集客の機会が少なくなるのです。

4-6-2.重要事項説明書

売買契約書や重要事項説明書がなければ、金融機関で住宅ローンは組めません。しかし、重要事項説明書の作成と説明ができるのは、宅地建物取引士だけです。

つまり、個人間売買において重要事項説明書が不要とされているのは、不要ではなく作成できないことが正しい解釈となります。

金融機関としても個人間売買の取引はトラブルに発展するのではという見解から、審査が通りにくくなります。

5.不動産を個人間売買する際の流れ

不動産の個人間売買におけるメリット・デメリットを把握した上で、不動産の個人間売買を希望する人もいるでしょう。そこで売買の流れを4つのステップに分けて解説します。

不動産の個人間売買を行う上で、取引の流れを把握することは、非常に重要です。

また、個人間売買にするか不動産会社に仲介を依頼するか悩んでいる人は、個人間売買の流れを知った上で検討してみましょう。個人間売買のステップは以下の通りです。

  1. 売却価格の決定
  2. 買主との交渉
  3. 必要書類の準備
  4. 引き渡し

詳しくは次章をご覧ください。

5-1.売却価格の決定

不動産を販売するためには様々な準備が必要ですが、最初に行う業務は売却価格の決定です。前章でご紹介した通り、売主が自由に価格を設定できます。

しかし、売却価格を設定することは簡単ではありません。不動産の相場と過去の実例を調べた上で、損をしない価格を設定しなければならないからです。

不動産会社が行う不動産の査定は無料で行うことが多いのですが、不動産鑑定士が行う査定はほとんどが有料です。専門家が有料で行うわけですから、その事実だけで査定の難しさが伺えます。

価格が決まったら、不動産のポータルサイトに情報を掲載したりチラシを作成して配布したりして、集客を行いましょう。問い合わせが来ない場合、引き続き待つか、チラシを配布するエリアを拡大します。

5-1-1.不動産会社の査定額を調べるには

不動産一括査定サイトは、一度で複数の不動産会社の査定額を調べることが可能です。

おうちクラベルなら、簡単な不動産情報を入力することで査定額を調べられます。売主の希望に合った金額であれば、そのまま仲介を依頼することをおすすめします。

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5-2.買主との交渉

集客に成功したら次の段階へ移行し、いよいよ買主との交渉です。問い合わせに対応したり、値段交渉を行ったりしましょう。

5-2-1.不動産についての情報を的確に伝える

ポータルサイトからの問い合わせでは、土地や建物などの詳細を知りたい人が多く、問い合わせに的確に答えられるかどうかも買主の購入意欲に関わってきます。

「その問い合わせについては答えられない」「よくわからないが答えておこう」と、情報を的確に伝えられないようでは、買主の購入意欲は高められません。

物件の見学を希望する買主には、その場で正しい情報を的確に伝え、検討してもらいましょう。

5-2-2.誠実な対応を心がける

また、不動産の個人間売買は、不動産会社への仲介手数料がかからない分、費用が安くなります。併せて、専門家が行う取引と比較して、不安定な側面が多くなりがちです。

これらの要素により、かなりの確率で価格交渉されることが予想されます。リスクを踏まえた上で、誠実な対応を心がけましょう。

これからポータルサイトで買主を見つける場合も同様です。提示した価格を見た買主から問い合わせや価格交渉が行われる可能性があります。買主の気持ちを想定しながら、誠実に対応しましょう。

知り合いと売買を行う場合

例外として知り合いと売買を行う場合、売主と買主の間で信頼関係が構築されているため、互いに話し合って価格を決めてもよいでしょう。

売主が所有している不動産の問い合わせに答えられない時には、不動産会社に相談し、調査内容を報告書にまとめてもらうように依頼する方法があります。このような場合は、相談した不動産会社と媒介契約を締結しましょう。

5-3.必要書類の準備

買主との交渉が成立し売却価格が決定したら、契約も大詰めです。必要書類の準備をしましょう。

5-3-1.口約束の取引はトラブルが起きることがある

個人間売買で知人と取引をする際には関係が構築されていることから、面倒な書類の作成を行わずに口約束で取引を行う人も多くいます。

口約束での取引は、後々トラブルが起きた際に対処することが難しくなります。前章でもお伝えしましたが、個人間売買ではトラブルが起きやすく、何かあった時の対応は自己責任です。

互いの認識に差異が生じさせない・トラブルを未然に防ぐためにも、契約書の作成を強くおすすめします。

5-3-2.個人間売買は住宅ローンを組めないことに注意

買主が住宅ローンを組む場合、最も注意が必要です。金融機関で住宅ローンの審査を行う場合、重要事項説明書の提出を求められます。

しかし、個人では重要事項説明書を作成できず、宅地建物取引士が作成したものでなければ法的効力を発揮しません。したがって、住宅ローンを組める可能性は皆無です。

不動産会社に仲介してもらう

当然ですが不動産会社が仲介する際には、これらの作業は一切不要です。必要な書類を準備する煩わしさが、不動産の個人間売買を行う上で、ネックといえます。面倒だと感じる人は、集客の段階から不動産会社に依頼した方が無難です。

おうちクラベルの不動産一括査定なら、集客から書類の作成まで、お任せできる不動産会社が見つかります。下記のリンクからご利用ください。

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5-4.引き渡し

最後は物件の引き渡しです。最終確認を含めて物件を確認し、鍵を渡すと売却完了です。

5-4-1.契約不適合責任に注意

売却完了後も買主とのやり取りが続く場合があります。これは契約不適合責任という法的責任を負わなければならないからです。

契約不適合責任は、契約内容と物件に相違があった場合瑕疵・欠陥等のトラブルが見つかった場合に発生します。

契約不適合責任には一定期間が設けられ、この期間に発生したトラブルについては、買主は売主に修繕費用の請求ができる他、物件価格の減額・損害賠償の請求も可能です。

売主は不動産の売買取引が成立した後であっても、欠陥や問い合わせがあった際には、対応をしなくてはなりません。引き渡したら自らの手から完全に離れて、完了ではありません。

5-4-2.契約前に認識を擦り合わせることが重要

物件の欠陥や買主との認識の相違などのトラブルは、契約前に対応するのが望ましいでしょう。

エアコンなどの残置物がある場合は特に要注意です。リモコンの液晶画面に生じた黒いシミまで申告していたケースもあります。

言い換えると不動産の契約における契約不適合責任には、これぐらいの慎重さが必要といえるのです。

不動産会社に相談する

やはり、トラブルを避けて安心・安全に取引をしたい人は、不動産会社に相談することをおすすめします。

どの不動産会社に相談するとよいかわからない人は、おうちクラベルをお試しください。複数の不動産会社へ一括査定ができるサービスが魅力です。

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6.不動産の個人間売買に必要な書類

ここまでは不動産の個人間売買におけるメリット・デメリットの他、契約の流れをお伝えしました。契約前や契約の際に必要な書類があることがおわかりいただけたでしょう。

本章では下記の項目に沿って必要な書類を解説します。

  • 売買契約前に必要な書類
    • 登記簿謄本
    • 固定資産税評価額証明書
    • 公図
  • 売買契約の際に必要な書類
    • 不動産売買契約書
    • 権利証(登記済証)
    • 実印
    • 印鑑証明書
    • 本人確認書類
    • 登記簿謄本
    • 固定資産税評価額証明書

不動産会社に仲介を依頼すると、アドバイスを受けられて、かつ必要な書類も準備してくれます。ですが個人間売買となると、上記の書類を全て売主で準備しなければなりません。

書類の準備を丁寧に迅速に行うことは、トラブルが起きるリスクを軽減することにも繋がります。スムーズな取引を心掛けるためにも、必要な書類について知っておきましょう。

6-1.売買契約前に必要な書類

不動産の個人間売買で、契約前に必要な書類は下記の3点です。

  • 登記簿謄本
  • 固定資産税評価額証明書
  • 公図

買主が物件を確認する際に併せて必要な書類になるため、必ず用意しておきましょう。

6-1-1.登記簿謄本

登記簿謄本は物件の所有者や担保の有無などの情報が記載された書類です。法務局で手続きを行うと取得できます。

登記簿謄本は登記事項証明書と呼ばれることもあり、インターネットでも取得が可能です。取得方法は次の3つがあります。

6-1-2.固定資産税評価額証明書

固定資産税評価額証明書とは、土地や建物などの不動産に関わる固定資産の評価額を証明する書類です。

地域によって取得方法は異なりますが、一般的には役所で取得が可能です。マイナンバーカードがあればコンビニで取得できるなど、地域によって取得方法が異なります。

不動産所在地ごとの取得方法を調べてみましょう。

6-1-3.公図

公図とは土地の図面のことで、位置や形状が記載されています。

法務局や役所などの登記所で取得する際に、公図を取得したい不動産の地番が必要になります。

地番は一般的な住所と異なるため、把握していない人がほとんどです。

地番を把握する方法として、登記所のブルーマップという地図で確認する方法があります。公図も地域によって取得方法が異なるので、売主が住んでいる地域ごとの取得方法を調べてみましょう。

6-2.売買契約の際に必要な書類

続いて不動産の個人間売買契約の際に必要な書類を解説します。下記の7点です。

  • 不動産売買契約書
  • 権利証(登記済証)
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 登記簿謄本
  • 固定資産税評価額証明書

尚、権利証・実印・印鑑証明の3点が第三者に渡ってしまった場合、なりすましが可能になります。いわゆる地面師と呼ばれる詐欺行為で、不動産を奪って売却できてしまいます。

これらの取り扱いは、慎重に行いましょう。

6-2-1.不動産売買契約書

不動産売買契約書は、売買する際の条件をまとめた書類です。

不動産会社に仲介を依頼する場合は専門家が作成しますが、個人間売買の場合は売主と買主が納得できるように相談しながら作成します。

知人と信頼関係が構築された間柄でも、口約束で契約を済ませるのはトラブルのもとになり危険です。関係の悪化を避けるためにも契約書を作成しましょう。

売主と買主が契約書について話し合い、互いが契約事項を理解してください。互いの認識を併せて相違がないように、しっかりと話し合いをしましょう。

また、一度締結した契約は法的効力を発揮するため、簡単に破棄はできません。互いが納得をした上で契約書類の作成と締結をしなければなりません。契約書の内容として記載するべき項目は主に14項目あります。

  • 売買物件の表示
  • 売買金額、手付金等の額、支払期日
  • 土地の実測及び土地代金の精算
  • 所有権の移転と引き渡しの時期
  • 付帯設備等の引継ぎ(電気・ガス・水道・配管図・庭の植物など)
  • 負担の消除(完全な所有権を引き渡すことが可能かどうかを確認して記載する。)
  • 公租公課等の精算(年の途中で売買を行った際に、一部税金の負担割合をどうする
    か話し合いをして記載する。)
  • 手付解除の期限
  • 契約違反による解除(契約違反をした側が違約金を払い契約解除できる内容を記載する。違約金は売買代金の約20%までの金額で設定することが多い。)
  • 引渡し前の物件の状態・毀損(トラブル回避のために話し合いをして記載する。)
  • 反社会勢力の排除
  • ローンの特約(買主がローン審査に落ちてしまった際に備えて記載する。)
  • 契約不適合責任(引き渡し完了後に、未確認だった欠陥が発覚した際に、売主が負う責任について互いに話し合いをして記載する。)
  • 印紙(不動産の譲渡に関する契約書は印紙税の課税になるため、印紙を貼る。)

不動産売買契約書は、契約完了後も売主と買主の間で確認できるように保管する必要があります。それぞれが保有できるように、2部用意した上で、契約時には割印を押しましょう。

6-2-2.権利証(登記済証)

権利証とは、物件の所有者であることを証明した書類で、不動産を取得した際に法務局から交付されるものです。

この書類を紛失してしまった場合は、司法書士と面談が必要で、費用と時間がかかります。大切に保管しましょう。

6-2-3.実印

実印とは、役所に本人確認として登録している印鑑です。所有権移転登記という書類には、実印を使用しないといけないため、必ず用意しておきましょう。

6-2-4.印鑑証明書

印鑑証明書は、実印を使用するにあたって、その印鑑が実印であることを証明するための書類です。

基本的に、印鑑証明書は契約の3か月以内に取得したものを使いましょう。

6-2-5.本人確認書類

本人確認書類は、証明写真付きで、氏名・生年月日が記載されているものが好ましいです。運転免許証・パスポート・マイナンバーカードのいずれかのうち、普段から証明書として使用している物を用意しましょう。

7-2-6.登記簿謄本

契約前にも必要な書類です。契約の際にも使うため、引き続き保管をしておきましょう。

6-2-7.固定資産税評価額証明書

登記簿謄本と同様に、契約前にも必要な書類です。契約の際にも使うため、しっかりと保管をしておきましょう。

契約時にはこのように多くの書類が必要となります。どれか一つでも書類に不備があるとトラブルのもとです。

書類の準備に不安を感じている人は、不動産会社と媒介契約を締結して、不動産を売却することをおすすめします。

7.不動産の個人間売買を成功させるポイント

個人間売買に限らず不動産の売却は、集客を含めてスムーズにトラブルなく、取引を成功させたいものです。

そこで、個人間売買を成功させるポイントについて2点をご紹介します。

  • 妥当な価格を設定する
  • 物件の瑕疵に注意する

個人間売買を始める前に、これらのポイントついても、しっかり準備をしましょう。

7-1.妥当な価格を設定する

前章でもお伝えした、個人間売買の1番の特徴である売却価格の設定は、不動産売買に関する知識がないと非常に難しくなります。

間違った価格設定をした場合、高すぎると売れず、安すぎると売主が損をします。

そのため妥当な価格を設定することが、不動産売買を成功させるポイントです。

インターネットで公開されている不動産売買の情報を、できる限り収集して、慎重に判断しましょう。

誰が見ても相場通りの価格を設定していたとしても、問合せが1件もないようであれば、個人間売買での集客は限界といえます。不動産会社との媒介契約の締結を検討しましょう。

その際は、2〜3社の不動産会社に査定を依頼することをおすすめします。価格が大きく変わることはありませんが、不動産会社にも得手不得手があり、相性が合わないこともあります。

少しでも相性のよい不動産会社を見つけることも、取引を成功させる重要なポイントです。

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7-2.物件の瑕疵に注意する

瑕疵とは物件の欠点のことで、契約書の内容と物件に相違があった場合、瑕疵として扱われます。そして、契約書の内容通りに復旧することを、契約不適合責任として法律で明確に定められているのです。

7-2-1.契約不適合責任の規則について話し合う

瑕疵の発見が物件の引き渡し後であったとしても、一定期間は売主の責任が問われます。トラブルに発展することが多く、注意が必要です。

欠陥がないか念入りにチェックし、引き渡し後に欠陥が発見された場合のために、契約不適合責任の規則についても話し合っておきましょう。

7-2-2.契約不適合責任の項目

物件に関する瑕疵について、以下の項目が挙げられます。

  • 物理的瑕疵
  • 法律的瑕疵
  • 環境瑕疵
  • 心理的瑕疵

物件や土地に関する物理的な不具合や欠陥については発見しやすい瑕疵ですが、法律的欠陥として発見できないような瑕疵も対象となります。

法律的欠陥の例は、都市計画により撤去が決まっているのにも関わらず、内容を伝えないまま買主に売却することです。

最後に挙げた心理的瑕疵については、「買主が瑕疵の内容を聞いて嫌と思うかどうか」が基準となるため、人により判断が異なります。明確な基準がないことから、最もトラブルに発展しやすいといえます。

いずれの瑕疵も売主の責任となりますので、注意しましょう。

8.不動産の売買で頼りにできるのは

ここまで不動産の個人間売買についてご紹介しました。通常であれば不動産の売買は、宅地建物取引士の資格を所有した専門家が業務を行います。

専門家ではない知識の浅い人が個人間売買を行うと、思いがけないトラブルが発生することも、珍しくありません。

個人間売買によるトラブルは売主が全責任を負うため、その費用が仲介手数料よりも高額になることは、避けたいところです。

トラブルに発展するリスクを避けて、安心・安全に売却したい人は、お金を払って専門家による適切なサポートを受けることをおすすめします。

本章では改めて不動産売買に携わる専門家を紹介します。

  • 司法書士
  • 宅地建物取引士

宅地建物取引士は言わずと知れた不動産の専門家ですが、司法書士も不動産登記において重要な役割を担っているのです。それぞれのサポート内容について解説します。

8-1.司法書士

司法書士は、法律に関する書類作成や手続きを代行する国家資格保有者です。

不動産に関わらず、遺産相続や裁判に関する業務なども行っており、契約書を作成する専門家といえます。

不動産売買における司法書士の役割として、特に重要なものを3つピックアップしました。

  • 所有権移転登記
  • 抵当権の設定
  • 登記事項証明書の作成

8-1-1.所有権移転登記

不動産の売買を行うと、所有者が売主から買主へと移ります。仮に所有権移転登記を行わなければ、所有者が売主のままです。

例え買主が不動産の購入時に、全額現金で支払ったとしても法的な効力がなく、買主の主張は通りません。所有権移転登記は非常に重要な手続きです。

8-1-2.抵当権の設定

続いて抵当権の設定ですが、買主が金融機関から住宅ローンを組んで不動産を購入した場合に行います。これにより万が一、買主が住宅ローンの返済を滞ってしまった場合、不動産を差し押さえます。

債権が移行した保証会社により、任意売却や競売を行えるため、金融機関の債権を守れるのです。

8-1-3.登記事項証明書の作成

最後の登記事項証明書の作成も重要な役割で、法務局での手続きを代理で行ってくれます。

一般的に司法書士は、契約に立ち会って、これらの業務を遂行します。司法書士も不動産売買における重要な専門家です。

8-2.宅地建物取引士

8-2-1.宅地建物取引士の役割

宅地建物取引士は不動産売買だけではなく、民法などの法律にも精通した法の番人です。様々なスキルを保有しており、安心して不動産売買を任せられます。

宅地建物取引業法に基づいて不動産売買などを営む不動産会社は、事務所に従事する従業員5人に対して1人の割合で、宅地建物取引士を配置しなければなりません。そのため、不動産売買にあたり不動産会社を仲介すれば宅地建物取引士に手続きを任せられます。

不動産の知識がない人・忙しくて書類作成ができない人・不動産の売買に不安を感じる人は、不動産会社に依頼すると良いでしょう。

契約書・必要書類を作成する専門家でもある宅地建物取引士を通して不動産の売買を行うことは、トラブル回避する上で大きなメリットではないでしょうか。

8-2-2.宅地建物取引士には難しい取引を任せられる

不動産会社に仲介を依頼すると難しい取引を任せられます。難しい取引の場合、多大なコストが発生してしまいがちです。

不動産会社を仲介すると仲介手数料や消費税はかかってしまいますが、無理をして個人間売買を選択するよりもコストが抑えられる場合があります。

難しい取引の場合には、無理して個人間売買を選択せず宅地建物取引士が在籍する不動産会社への依頼を検討してください。

ただし、数ある不動産会社から1社を選べない人もいるでしょう。

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不動産売買には大きなお金が動くことから、ほとんどの人が専門家に依頼します。

不動産売買をスムーズに進めて取引を成功させる方法の1つが、不動産一括査定サイトを利用することです。不動産一括査定サイトは、1回の入力で複数の不動産会社へ査定を申し込めます。

中でも、実績豊富優良企業が多く在籍して査定を行っている不動産一括査定サイトがおうちクラベルです。

多くのお客様からの支持を得ており、不動産会社からも一定の評価を頂いております。

また、簡単な入力をするだけでその場でおおよその査定額が判明するAI査定も、不動産一括査定と併せて好評です。

複数の不動産会社に査定を依頼し、相場の目安を把握することで、客観的な視点で売却を行えます。

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