自宅売却の全体像|流れや費用・高く売却するコツなど解説

「自宅が古くなったので住み替えたい」「仕事などの都合で他のエリアに引っ越したい」といったさまざまな理由で、自宅を売却したいと考えている人もいることでしょう。

しかし、多くの人にとって自宅を売却するという経験は、人生の中でそう多くはないものです。売却にかかる費用や売却代金はまとまった金額になるため、なかなか決断できないかもしれません。

そこで今回は、自宅を売却したいけれどどのように進めればいいのかわからないという人に向けて、自宅売却の流れや費用、自宅を高く売却するコツなどを解説していきます。この記事を読んで、自宅売却の全体像をつかんでいきましょう。

目次

1.こんな場合も自宅売却できる!よくあるご相談

自宅売却にあたって、自身の自宅が本当に売却できるのか不安に思う場合もあるかもしれません。実際には、多くのケースで自宅を売却できる可能性があります。まずは、よくあるご相談の例から、こんな場合でも自宅売却できるという事例を2つ紹介していきます。

  • ローン残債がある自宅の売却
  • 現に住んでいる自宅の売却

1-1.ローン残債がある自宅を売却したい

新築や取得の際に住宅ローンを借り入れると、金融機関によって自宅に抵当権が設定されます。自宅を売却するには、自宅に設定された抵当権を外してもらう必要があります。つまり、原則住宅ローンを完済することが自宅売却の条件ということです。

ただ、ローン残債がある自宅であっても売却する方法はあります。

1つ目の方法は、自宅の売却によって得た資金でローンを完済するというやり方です。ローン返済がある程度進んでいるケースや、自宅の建つエリアが人気で資産価値が高まっているケースなどで検討ができます。

自宅売却資金でもローンを完済できない場合、2つ目の方法として「住み替えローン」を使うというやり方があります。

住み替えローンとは、自宅のローン残債分と新居の購入費用を一括して借りられるローンのこと。これを使えばローン残債があっても自宅を売却できますが、一般的な住宅ローンに比べて金利が高い傾向にある点は注意が必要です。

1-2.住みながら自宅売却したい

住み替えには「売り先行」と「買い先行」という2つのパターンがあります。売り先行は、現在住んでいる家を売却した後に新居を購入するパターン。買い先行は、新居を購入してから現在住んでいる家を売却するパターンです。

買い先行であれば、自宅に住み続けながら売却することができます。

この場合、いつでも内覧を受け付けられるよう、自宅を常に整理整頓しておく必要があります。また、売却が決まると早めに引き渡さなければならないため、自宅に住みつつも新居探しは始めておいたほうがいいでしょう。

他に、売却した自宅に住み続ける「リースバック」という方法もあります。リースバックとは、自宅を不動産会社に売却したうえで、その不動産会社と自宅に関する賃貸借契約を結んで住み続けるというもの。

リースバックには、自宅売却によりまとまった資金が得られ、固定資産税や都市計画税といった不動産所有にかかる税負担がなくなるというメリットがあります。ただし、住宅ローン返済に代わって、毎月の家賃支払いが発生する点は要注意です。

2.自宅売却の方法

自宅を売却するにあたっては、大きく「仲介」と「買取」という2つの方法があります。それぞれの方法のメリット・デメリットを紹介していきます。

2-1.「仲介」のメリット・デメリット

自宅を売却する方法としてメジャーなのが「仲介」です。

仲介とは、不動産会社に依頼して買主を探してもらい、不動産会社が見つけた買主に自宅を売却する方法のこと。依頼された不動産会社は広告を打つなどして買主を広く募るとともに、売買に関するサポートもしてくれます。

仲介で自宅を売却するメリットとしては、自身が希望する価格に近い金額で売れる可能性が高い点が挙げられます。加えて、買主探しや売買に関する手続きなどをプロである不動産会社に任せられるので、慣れない自宅売却を安心して進められるのも大きなメリットです。

一方、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければならない点や、物件の価格設定や売り出し時期によっては売却までに時間がかかる点はデメリットと言えるでしょう。

2-2.「買取」のメリット・デメリット

自宅売却のもう一つの方法である「買取」とは、自宅を不動産会社に直接買い取ってもらう方法のこと。仲介は個人の買主へ売却するのに対し、買取は不動産会社が売却先となるのが特徴です。

買取では買主を探す必要がないため、仲介と比べて売却までの時間がかからないのがメリットです。スピーディーに自宅を売却し、なるべく早く資金を調達したいケースでは、仲介よりも買取が向いていると言えます。

買取は、売却まで時間がかからない反面、市場価格に比べて売却価格が安くなる傾向にあります。実際、買取による売却価格は仲介の7〜8割程度と言われているのです。

なお、不動産会社によっては、仲介で買主を探したものの一定期間売却できなかった場合、その不動産会社が買取する「買取保証」という方法を取れるケースもあります。

2-3.高く売却するなら「仲介」

「仲介」と「買取」それぞれのメリット・デメリットを解説しましたが、自宅をなるべく高く売却したいなら「仲介」がおすすめです。

なぜなら、仲介は不動産会社による広告掲載などで幅広く買主を募るため、市場価格に近い金額で売れる可能性が高いためです。購入希望者が複数現れれば、より高い金額で購入してくれる人に売却すれば、希望よりも高い金額で売却できるかもしれません。

買取は、不動産会社が売却に関するリスクを負う分、通常売却価格は低めに設定されます。

仮に時間がかかったとしても高く売りたいなら「仲介」、多少価格が低かったとしても時間をかけずに売りたいなら「買取」を選ぶのがいいでしょう。

3.自宅売却の流れ・手順

それでは、実際に自宅を売却する際の流れや手順を見ていきます。多くの人に選ばれている仲介による売却を例に、まずは大まかな流れを紹介します。

  1. 売却価格相場を調査する
  2. 査定を依頼する
  3. 媒介契約を締結する
  4. 販売活動を計画・実行する
  5. 売買契約を締結する
  6. 物件の引き渡し・決済をする
  7. 確定申告する

ここからは、各項目の詳細について解説していきましょう。

3-1.①売却価格相場を調査する

自宅を売却するにあたり、まず「自宅がいくらで売れる可能性があるのか」という相場観をつかんでおく必要があります。相場を正しく把握することで、適正価格で売却できる可能性が高まるのです。

自宅の売却価格相場を調べるには、次のような方法が考えられます。

手軽に相場を調べられるのが、1〜3番目に挙げた方法です。不動産情報サイトに掲載されている価格はあくまでも売却希望価格であり、実際の売却価格と異なる点は要注意。

「不動産取引価格情報検索」や「レインズマーケットインフォメーション」で公表されている価格と合わせて検証するといいでしょう。

4番目の固定資産税評価額を用いた方法では、主に土地の売却価格を推定できます。一般的に「土地の固定資産税評価額÷0.7(場所によって1.1〜1.2倍)」で、土地の売却価格相場を求めることができます。

3-2.②査定を依頼する

自宅の売却価格相場を確認したら、不動産会社に査定を依頼します。査定してもらうことで、現在自宅を売却したらおおむねどれくらいの価格になるのか、プロの考えを確認できます。

査定価格はあくまでも目安に過ぎませんが、不動産会社は通常実際に売れるであろう価格に近い金額で提示してくるため、今後の資金計画を立てるうえでは大切な情報になるでしょう。

不動産会社に査定を依頼するにあたっては、複数社に依頼することを推奨します。不動産会社によって経験値や得意なエリアなどが異なるため、同じ物件の査定であっても、金額に差が出る可能性があるためです。

この際、複数の不動産会社に1社ずつ査定を依頼するのはかなりの手間になるので、複数社に一括で査定を依頼できる「一括査定」を活用するのがおすすめです。

不動産一括査定サイトの「おうちクラベル」なら、大手から地元密着型までさまざまな不動産会社に一括査定を依頼できるほか、高精度なAI査定も確認できます。

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3-3.③媒介契約を締結する

複数の不動産会社から査定価格を受領したら、実際に仲介をお願いする不動産会社を選び、媒介契約を締結します。不動産の媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があります。

一般媒介契約は、複数の不動産会社に売却活動を依頼するタイプの契約。専任媒介契約と専属専任媒介契約は、1社のみと締結する契約形態です。

一般媒介契約は買主探しの間口が広がる反面、他の会社が買主を見つけてしまうと仲介手数料が入ってこないことから、不動産会社にとっての優先度が下がりがちであるというデメリットがあります。

対する専任媒介契約や専属専任媒介契約は、契約締結した不動産会社による囲い込みが発生するリスクはあるものの、積極的な営業活動を実施してもらえる可能性が高いのがメリット。実力のある不動産会社に依頼すれば、条件に合った自宅売却が実現できる見込みが高まります。

どの契約形態であっても、自宅売却を成功させるには不動産会社選びが重要であると言えます。この点については、後ほど詳しく解説します。

3-4.④販売活動を計画・実行する

媒介契約を締結すると、不動産会社は買主を探すために販売活動を計画し実行します。自宅売却の際に行う販売活動の内容としては、次のようなものが挙げられます。

  • 不動産流通機構が運営する不動産流通ネットワーク「レインズ」への物件情報登録
  • 不動産情報サイトへの物件情報掲載
  • 住宅情報誌への物件情報掲載
  • 新聞折込チラシの作成やポスティングの実施
  • 自社店舗や自社サイトでの情報掲載
  • オープンハウスや内覧会の実施

販売活動をいかに効率的に行うかが自宅売却の成否に直結するので、契約締結前に各社の販売活動計画の内容を確認しておくのもおすすめです。

3-5.⑤売買契約を締結する

販売活動によって買主が見つかれば、売買契約を締結し、売却代金の一部を手付金として受け取ります。売買契約時には次のような点に注意しましょう。

  • 不動産売買契約書の内容に認識違いや間違いがないか、事前にしっかりとチェックしておく
  • 売買契約に必要な書類や費用をあらかじめ確認・準備しておく
  • 売買契約は一度締結すると簡単には解除できない(契約内容に応じて違約金の支払いなどが必要な場合もある)
  • 契約不適合責任についてあらかじめ確認しておく

契約不適合責任とは、購入した物件が契約内容を十分に果たせていない状態だった場合、特定の期間において、売主が買主に対して負わなければならない責任のことを指します。

たとえば、自宅を売却してから3ヶ月後、買主が物件の雨漏りに気づいたとします。物件が雨漏りするような状態は契約に適合した状態ではないと考えられるため、買主は売主に対して補償や補修を請求することができるのです。

契約不適合責任の期間は、契約によって引き渡しから2〜3ヶ月と定めるケースが多いですが、定めがない場合には1年間となります。

3-6.⑥物件の引き渡し・決済をする

売買契約を締結したら、売主と買主の間で引き渡し日を調整し、物件の引き渡し・決済を行います。買主が住宅ローンで物件を購入する場合、通常住宅ローンを借り入れる金融機関の店舗で引き渡しが実施されます。

一般に、引き渡し当日の流れは次のとおりです。

  1. 関係者が金融機関に集まる
  2. 必要な登記手続きを司法書士に依頼する
  3. 買主が金融機関に住宅ローンの融資を実行してもらう
  4. 買主から売主へ残りの代金を支払う
  5. 売主が住宅ローンを繰り上げ完済する
  6. 物件の鍵や必要書類などを買主へ引き渡す
  7. 引き渡しと並行し、司法書士が登記所へ出向き登記手続きを行う
  8. 不動産会社へ仲介手数料を支払う

こうして物件の引き渡し・決済が終われば、自宅売却も完了となります。

3-7.⑦確定申告をする

自宅を売却したら、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。

特に、自宅売却によって利益が出た場合、その利益は「譲渡所得」として所得税・住民税の課税対象となります。つまり、譲渡所得が発生するケースでは確定申告が必須ということです。

譲渡所得は「売却代金 − 物件取得費 − 売却にかかった費用」で算出可能。自宅の所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」、所有期間が5年を超える場合には「長期譲渡所得」として異なる税率が課せられます。

自宅売却による譲渡所得に関しては、譲渡所得が3,000万円以下であれば特別控除により税金がかからないなど、多くの特例が設けられています。

こうした特例や控除を受けるには確定申告が必須となるため、自宅売却によって損失が発生した場合も含め、確定申告は行うようにしましょう。

4.自宅売却に必要な期間

自宅売却の手順と流れを紹介してきましたが、全体でどれくらいの期間を見込んでおけばいいのでしょうか。自宅売却に必要な期間の目安を紹介していきます。

4-1.1ヶ月〜4ヶ月で売却する人が多い

自宅売却に必要な期間としては、1ヶ月〜4ヶ月程度というケースが多くなっています。

査定依頼をしてから不動産会社と媒介契約を結ぶまでが数週間程度、売却活動を開始してから売買契約を締結するまでが数週間〜3ヶ月程度、そこから引き渡し・決済までが1ヶ月程度といった具合です。

物件の種類によっても売却に必要な期間は異なり、マンションよりも一戸建てのほうが売却期間は長くなる傾向にあります。

4-2.売却が遅くなるほど価格が落ちやすい

不動産は築年数が経過するほど、一般的に資産価値が下がっていきます。売却が遅くなるにつれて、基本的に売却価格は落ちていくと考えていいでしょう。また、売却が遅くなれば世の中の情勢も変化し、現在想定している価格では売れなくなるリスクが高まります。

なるべく高い価格で売却するためにも、自宅を売却することが決まっているのであれば、できる限り早めに売却するほうがいいでしょう。

4-3.売却期間の変動要素

1ヶ月〜4ヶ月で自宅を売却する人が多いと紹介しましたが、必ずしも4ヶ月で売却できるというわけではありません。売りに出してからわずか数日で売主が見つかる人もいれば、中には1年近くかけても売れないという人もいるのです。

売却期間を左右する変動要素として、次のようなものが考えられます。

  • 競合物件の有無
  • 時期による住宅ニーズの高低
  • 販売金額の設定(高すぎても低すぎても悪影響)
  • 不動産会社の営業力、販売活動の内容

数ヶ月経っても動きが見られないような場合は、販売金額を見直したり、販売活動の再検討を不動産会社に依頼したりといった対策を取るのも有効かもしれません。

5.自宅売却に必要な費用・税金の金額目安

自宅を売却する際、売却代金が全て手元に入るわけではありません。不動産を売却する際には物件売却額の5〜7%程度の費用がかかると言われます。

自宅売却に必要な費用・税金のうち代表的な2つについて、それぞれ金額の目安と合わせて、詳しく紹介していきましょう。

  • 仲介手数料
  • 譲渡所得税

5-1.仲介手数料

仲介で自宅を売却する際には、不動産会社に対して仲介手数料を支払わなければなりません。仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法および国土交通省によって次のとおり定められています。

自宅売却の成約価格

仲介手数料の上限

200万円以下

成約価格の5.5%

200万円超400万円以下

成約価格の4.4%

400万円超

成約価格の3.3%

このように、仲介手数料の額は自宅がいくらで売れたかによって決まります。支払いのタイミングは売買契約締結時に一括、もしくは売買契約締結時と引き渡し時で半金ずつというのが一般的です。

5-2.譲渡所得税

先ほども紹介したとおり、自宅売却によって利益が発生した場合には譲渡所得税が課せられます。

譲渡所得は「売却代金 − 物件取得費 − 売却にかかった費用」で算出され、所有期間が5年以下の自宅は「短期譲渡所得」、5年を超える自宅は「長期譲渡所得」として、以下の税率で課税されます。

  • 短期譲渡所得
     所得税:課税短期譲渡所得金額 × 30%
     住民税:課税短期譲渡所得金額 × 9%
  • 長期譲渡所得
     所得税:課税短期譲渡所得金額 × 15%
     住民税:課税短期譲渡所得金額 × 5%

繰り返しになりますが、譲渡所得が3,000万円以下の場合は特例により税金が課せられないほか、各種特例や控除が設けられています。自身が特例や控除の対象となるのか、確定申告前に確認しておきましょう。

6.自宅売却の手続きに必要な書類一覧

自宅の売却手続きを行うにあたっては、多くの書類や資料を準備する必要があります。手続きのフェーズごとに分けて、主な必要書類を紹介していきましょう。

6-1.不動産会社への本査定依頼時

  • 登記簿謄本または登記事項証明書
  • 自宅の売買契約書
  • 自宅購入時の重要事項説明書
  • 登記済権利証または登記識別情報
  • 土地測量図・境界確認書
  • 固定資産税納税通知書
  • 自宅の図面、設備仕様書など

6-2.媒介契約締結時

  • 印鑑(認印でOK)
  • 本人確認書類(運転免許証など)
  • 登記済権利証または登記識別情報

6-3.売買契約締結時

  • 本人確認書類
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 建築確認通知書、検査済証

6-4.引き渡し時

  • 銀行口座通帳、銀行印
  • 抵当権等抹消書類
  • 住民票

7.自宅売却する際の注意点

人生最大の買い物とも言われる自宅を売却するというのは、多くの人にとって初めての経験です。以下に挙げる6つの注意点に気をつけて、慎重に売却手続きを進めるようにしましょう。

  1. 引き渡したい日を設定して逆算してスケジューリング
  2. 全体の費用感と入金スケジュールの確認
  3. 自分で調査することを怠らない
  4. 必要書類は前倒しで用意する
  5. 不動産会社との媒介契約を雑に決めない
  6. 売却前のリフォームは慎重に

7-1.引き渡したい日を設定して逆算してスケジューリング

自宅売却においては、スケジュールをしっかりと立てることが大切です。スケジューリングにあたっては、自宅を引き渡したい日を最初に設定し、そこから各フェーズのスケジュールを考えていくのがおすすめです。

引き渡したい日を決めずに売却手続きを進めてしまうとスケジュールが間延びして、売却価格が下がってしまうリスクがあります。

7-2.全体の費用感と入金スケジュールの確認

自宅売却には費用や税金がかかることは説明したとおりですが、そうした全体の費用感を把握するのと合わせ、入出金のスケジュールを確認しておくのも大切です。

全体収支が合っていたとしても、入金前に大きな出金がかかる場合、キャッシュフローが回らなくなる危険性があります。収支だけでなく、売却手続き中のキャッシュフローに問題がないか確認しておきましょう。

7-3.自分で調査することを怠らない

プロの不動産会社に査定や買主探しを依頼するとしても、自分で売却価格の相場などを調査することは怠らないようにしましょう。周辺エリアの類似物件における過去の取引事例を調査するなど、売却価格の目安を把握しておけば、不動産会社から提示された価格が適切かどうか判断できます。

売却価格相場を自分で調査する方法の一例をおさらいしましょう。

7-4.必要書類は前倒しで用意する

自宅売却には必要な書類が多くあるというのは、先ほど紹介したとおりです。必要書類の中には準備に時間がかかるものもあるため、前倒しで用意するよう心がけましょう。

登記簿謄本や登記事項証明書は、法務局に直接出向くかWebや郵送で手配できます。法務局は平日の日中しか開いていないため、Web・郵送で請求するのがおすすめですが、発行までに通常数日〜1週間程度かかります。

売買契約締結時に必要な建築確認通知書や検査済証は、紛失すると再発行できない書類。紛失した場合、建築計画概要書または台帳記帳事項証明書で代用できますが、発行までに数日を要する場合があるため要注意です。

7-5.不動産会社との媒介契約を雑に決めない

不動産会社選びが、自宅売却の成否を大きく左右すると言っても過言ではありません。自宅を適切な価格で売却するためにも、媒介契約を締結する不動産は慎重に選びたいところです。

査定金額の高さだけで選ぶのではなく、実際の販売計画や想定スケジュールなどを事前に確認したうえで、総合的に高く売却できそうな不動産会社と媒介契約を締結しましょう。

7-6.売却前のリフォームは慎重に

特に築年数が経過している自宅を売却する際には、売却前にリフォームをしたほうが買主がつきやすいのではないかと考えるかもしれません。

しかし、売却前にリフォームしてしまうと、購入後に自分好みでリフォームしたいという買い手がつかなくなってしまう危険性があります。リフォームは住まいの安全性や機能性に影響のある部分に留めるなど、必要性を十分に検討するようにしましょう。

8.自宅を高く売却するコツ

せっかく住み慣れた自宅を売却するなら、できる限り高く売却したいもの。高く売却するためには、次の5つのコツを意識することが大切です。

  • 売却することを決めているなら早めに売却する
  • 複数社に査定してもらう
  • 売却希望価格よりも高めに売り出し価格を設定する
  • 販売力のある不動産会社を剪定する
  • 任せきりにせず自分でも管理する

続いては、それぞれのコツについて詳しく解説していきます。

8-1.売却することを決めているなら早めに売却する

建物の資産価値は、基本的に築年数が経過するほど下がっていくものです。自宅売却も遅くなればなるほど、売却価格は下がっていくリスクがあります。売却することを決めているのであれば、なるべく早めに行動に移すのが、自宅をより高く売却するコツです。

8-2.複数社に査定してもらう

媒介契約を締結する前に、不動産会社へ査定を依頼して自宅の売却価格の目安を確認します。この際、1社だけでなく、複数社に査定してもらいましょう。

不動産会社によって得意なエリアや物件種別などが異なるため、査定価格も異なってきます。複数社に査定を依頼すれば横一列で内容を比較できるので、1社のみに依頼するよりも高い価格で売却できる可能性が高まるのです。

8-3.売却希望価格よりも高めに売り出し価格を設定する

販売活動によって買主が見つかったとき、売り出し価格で購入してもらえるケースもあれば、交渉によって価格を下げざるを得なくなるケースもあります。売却希望価格で売り出してしまうと、最終的にそれよりも低い価格で売却しなければならなくなるかもしれないのです。

自宅を高く売却するためには、購入希望者との交渉も見据えて、売り出し価格を売却希望価格よりも高めに設定するようにしましょう。

8-4.販売力のある不動産会社を選定する

査定は複数の不動産会社に依頼して比較すべきと紹介しましたが、実際に選定する際には、販売力のある不動産会社を選ぶことが大切です。販売力のある不動産会社であれば、早めに買主を見つけられるうえ、高い価格で売却できる可能性が高まります。

不動産会社の販売力は、提示された販売計画の内容や過去の取引実績などから判断するのがおすすめです。

8-5.任せきりにせず自分でも管理する

販売力のある不動産会社を選定すれば、自宅売却は必ず成功するというものではありません。プロである不動産会社に依頼したとしても決して任せきりにせず、自分でも計画の進捗をチェックするなど、販売活動を管理するようにしましょう。

「この売主は自宅売却に関してしっかりとチェックしている」と不動産会社に意識させることで、不動産会社の積極的な取り組みを引き出せます。この流れが、より高い価格での自宅売却につながるのです。

9.自宅売却するなら一括査定を利用しよう

不動産会社による価格査定は1社だけでなく複数社に依頼すべきですが、1社ずつ依頼するのは手間がかかります。そこでおすすめしたいのが、複数社にまとめて査定を依頼できる一括査定の利用です。

9-1.一括査定することで相場把握や比較・交渉ができる

Webサイトなどで一括査定すると、不動産会社各社の査定結果を横並びで比較できます。複数の査定結果を比較すれば、自宅を売却した場合のリアルな相場観を把握できるほか、査定結果を利用して各社との価格交渉が可能になります。

査定価格が高いからといって、最終的に必ず高い価格で売却できるという保証はありません。つまり、とにかく査定価格が高い会社を選べばいいというわけではないのです。

横並びで比較した際、他社よりも明らかに価格が高かったり低かったりする不動産会社がある場合には、その理由も合わせて確認することが重要です。

9-2.自宅売却の一括査定+AI査定ができる「おうちクラベル」

複数の不動産会社へ一括査定できるWebサービスの中でも、自宅売却を考えている人におすすめしたいのが、無料の不動産一括査定サイト「おうちクラベル」です。

「おうちクラベル」では、大手から地元密着型まで実績豊富な優良不動産会社に、無料で一括査定を依頼できます。

さらに、AI査定による高精度な査定価格を簡単に知ることも可能。AIによる査定価格により、基準となる現在の相場観を確認したうえで、確かな目を持って各社の査定価格を比較できる点も魅力です。

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自宅売却のコツを押さえて高く楽に売却しよう

多くの人にとって、自宅売却というのは人生において初めての経験ではないでしょうか。人生最大の買い物と言われる自宅を売却するのですから、事前にしっかりと情報を集め、慎重に進める必要があります。

ただ、立地や周辺環境、建物の作りや劣化の状況など、不動産に全く同じものは一つとしてありません。自宅売却に関する基本をいくら調べて理解したとしても、調べた内容どおりに進むとは限らないのです。

自宅売却を成功させるためには、プロとして信頼できる不動産会社によるサポートが欠かせません。そのうえで、売主自身が「自分事」として、積極的に販売活動に関わる姿勢を持つことが大切です。これらの点を意識すれば、より高く、よりスムーズに自宅を売却できるでしょう。

まずは、無料の不動産一括査定サイト「おうちクラベル」で複数の不動産会社に査定を依頼するところから、自宅売却活動をスタートしてはいかがでしょうか。

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