相続した実家など「空き家を売りたい」と思ったら、なるべく早く売却活動を開始するのが得策です。日本国内の空き家の数は年々増加しており、保有し続けるほど売却しづらくなるからです。
しかし、「空き家をどのように売却したらいいのか分からない」と、悩んでいる人も多いでしょう。
空き家を売りたい場合には、まずはどのような売却方法があるのか把握して、自分にはどの売却方法が適しているのかを理解した上で不動産会社を探していきましょう。
この記事では、空き家の状態や目的に適した売却方法を見つけられます。
1.【空き家を売りたい!】6つの売却方法
空き家の売却方法は、以下の6つです。
- 現状のまま売却する
- 古家であれば既存住宅売買瑕疵保険を付保して売却する
- 戸建ての土地を更地にして売却する
- リフォームをして不動産売却をする
- 不動産買取で売却する
- 物件を空き家バンクに登録する
自身の状況や空き家の状態を考慮して、売却方法を選択してみてください。
それぞれ詳しく解説します。
1-1.現状のまま売却する
空き家に手を加えず、そのままの状態で売却する方法です。
空き家と言っても、築年数が浅く管理が行き届いている物件や過去にリフォーム・リノベーションを実施している物件は、そのまま売却できる可能性が高いです。
現状のまま売り出すことで、建物の取り壊し費用が必要なく、コストをかけずに買主を見つけられるなどのメリットがあります。
しかし建物の状態によっては、リフォームをした方がよいケースもあるため自己判断をせずに、不動産会社へ相談するようにしましょう。
また、築年数が古い場合は建物価値がほぼないため、取り壊しを検討される方もいます。しかし、解体も自己判断でしないようにしましょう。
空き家を探している人のなかには、自然豊かな場所で古民家に住みたいという人や、民宿として再利用される場合もあります。(参考:一般社団法人全国古民家再生協会)
まずは現状のまま売却を進めてみましょう。
1-1-1.向いている人の特徴
- 現状のまま、もしくは簡単なリフォームでキレイになる空き家を売却したい人
- 解体の時間と費用をかけず売却したい人
- 再建築不可の空き家を売却したい人
現状で住めるのであれば、そのまま売却しても買主が見つかる可能性が高いです。
また、建物を解体する場合には時間と費用がかかるため、なるべく時間とコストをかけずに売却したい人にも向いています。
現在の建築基準法によって、同じ場所に再び建物を建築できない場合があります。
再建築不可の土地は、現状の建物を壊してしまうと二度と建物を建てられない可能性があるので、現状のまま売却する必要があります。
1-2.古家であれば既存住宅売買瑕疵保険を付保して売却する
不具合や欠陥が出る可能性のある古家であれば、瑕疵担保保険をしてから売却する方法があります。
既存住宅瑕疵担保保険(きぞんじゅうたくかしたんぽほけん)とは、物件の引き渡し後、物件に瑕疵(キズや破損など)が発見された場合に、その補修費用を一部まかなう保険のことです。
保険期間は最長5年間で、費用は住宅の広さや契約期間などによって異なりますが、古家の調査費用と保険料を合わせて7〜15万円程度が相場です。
買主に費用負担を相談することもできるので、検討してみるといいでしょう。
瑕疵担保保険は買主への安心感につながりますし、売却後に不具合が出たとしてもトラブルに発展しづらいです。
また、築20年超えの一戸建ては住宅ローン控除が本来適用されませんが、保険が付保されていることで控除を利用できます。
売主・買主、双方にとってメリットのある制度です。
1-2-1.向いている人の特徴
- 築年数が古くトラブルの心配がある物件を売却したい人
- 買主のリスクを少なくして売却したい人
- より早く売却したい人
引き渡し後に物件に問題があっても、瑕疵担保保険によってトラブルに発展する可能性が少ないです。
瑕疵担保保険は、第三者機関の検査を受ける必要があり、不具合があれば修繕をしてからでないと保険に加入できないので、買主も安心して購入できます。
保険が付保されていない物件と比べると、安全性に対して優位なことから、早く売却できる可能性があります。
1-3.戸建ての土地を更地にして売却する
空き家の損傷が激しい場合や旧耐震基準の空き家など、建物が原因で買主を見つけるのが困難な場合に、建物を取り壊して更地にして売却する方法です。
更地にすることで、買主はすぐに建設を開始できるため施工期間が短く、解体費用の負担が少なくなります。
売主にとっては、建物の瑕疵に関するトラブルも避けられるというメリットがあります。
しかし、解体相場は坪単価3〜5万円ほどで、建物の大きさによりますが100万円以上の費用がかかることも珍しくありません。
また、解体費用は空き家の売却が完了する前に支払う必要があるので、まとまったお金を用意しておく必要があります。
「解体したほうがいいのでは?」と思った場合も、まずは不動産会社に相談をして自宅の状態や解体の見積もりを確認してもらいましょう。
1-3-1.向いている人の特徴
- 状態が著しく悪い空き家を売却したい人
- 取り壊した方が需要のある空き家を売却したい人
- 取り壊し費用を支払う余裕がある人
状態が悪くそのまま住宅として活用できない空き家の場合は、解体して更地にするのがいいでしょう。
住宅街など古家としてよりも新築の需要が高い場所なども、更地にするのが向いています。
また、更地にしたほうが需要はあるものの、解体費用の負担が大きいため、費用を支払う余裕のある人も向いています。
1-4.リフォームをして不動産売却をする
リフォームをすることで、内装や設備を新しくしてから売却する方法です。
空き家の売却では、基本的に売却前のリフォームは不要と言われています。
なぜなら、買主が自分の好みにリフォームしたいケースがあり、リフォーム済みの物件は購入しないという人も多いからです。
そのため、売主がリフォームをしてしまうと、リフォーム費用を回収できず損をしてしまう可能性があります。
しかし、一部分だけでもキレイにリフォームされた物件にも一定の需要はあります。
例えば、内装の壁紙やお風呂場など見た目で印象を悪くしてしまうような箇所です。このような箇所がリフォームされていると買主から喜ばれて、スムーズに売却できるケースもあります。
空き家を解体するほどではないが現状では売りづらい場合に、部分的なリフォームを検討してもいいでしょう。
1-4-1.向いている人の特徴
- 簡単なリフォームで買主からの印象をよくしたい人
- DIYが好きな人
- 費用がかかっても早く買主を見つけたい人
部分的なリフォームで好印象を与えたい人は、リフォームすることがおすすめです。
またDIYが好きな人は、費用を抑えながら空き家をキレイにすることもできます。費用はかかりますが、部分リフォームで購入希望者に好印象をあたえられると早く売却できる可能性が高まります。
1-5.不動産買取で売却する
不動産売却には、不動産会社に仲介を依頼して買主を見つけるか、不動産会社に直接買い取ってもらう不動産買取という方法があります。
不動産買取では、空き家を不動産会社に買い取ってもらい、不動産会社が再建築やリフォーム・リノベーションをして再販します。
不動産買取の最大の特徴は、買主を探す必要がないため、仲介に比べると売却までの期間が短い点です。
仲介では売却までに平均して3〜6ヵ月ほどかかり、長い場合には1年以上かかることもあります。買取の場合は、スムーズに進むとおよそ1ヵ月で決済が可能です。
しかし、売却相場の7割程度での買取が一般的です。買取価格は低いですが、売却期間が伸びることによる住宅ローンの支払い、管理費用、修繕積立金、固定資産税などの費用がかさむリスクを避けられます。
1-5-1.向いている人の特徴
- すぐに資金が必要な人
- 空き家の売却に時間をかけたくない人
- 築古・旧耐震・事故物件などを売りたい人
不動産買取は、まとまった資金が早く必要な人におすすめです。普段忙しく、内覧などに時間をかけたくない人にもおすすめの方法です。
また、築古や旧耐震基準の家、事故物件など、買主を探すのが困難な場合にも、不動産買取を選択するといいでしょう。
1-6.物件を空き家バンクに登録する
空き家バンクとは、自治体が運営するサービスで、空き家の物件情報が掲載されたサイトのことです。
空き家バンクでは空き家を手放したい人と、空き家に住みたい人のマッチングができます。空き家バンクを利用するメリットは、無料で物件情報を掲載できたり自治体によっては補助金や助成金を受けられたりすることです。
家財が残った状態の物件など、不動産会社から売却を断られてしまうような物件でも売りに出せます。
しかし、不動産会社に仲介の依頼をしない場合は、売買時にトラブルになる可能性があるので注意が必要です。
また、空き家バンク自体の認知度がそれほど高くないため、売却までの期間が長引く可能性もあります。
空き家バンクに登録するための申請書や必要書類は、各自治体で確認してみましょう。
1-6-1.向いている人の特徴
- 空き家の売却を急いでいない人
- 極力費用を抑えたい人
- 不動産会社に断られた空き家を売りたい人
空き家バンクで買主を見つけるには時間がかかるため、売却を急いでいない人に向いています。
また、建物の解体費用や不動産会社への仲介手数料を抑えられるので、極力費用を抑えたい人にも向いています。家財が残っている物件など、不動産会社から断られてしまった場合にも、空き家バンクであれば売りに出せるでしょう。
2.【空き家を売りたい!】売却までの流れ
物件の売却までの流れは以下の通りです。
- 不動産会社に査定を依頼する
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動を行う
- 売買契約の締結を行う
- 不動産の引き渡しを行う
それぞれ詳しく解説します。
2-1.不動産会社に査定を依頼する
査定を依頼する目的は、売却したい物件がどれくらいの金額で売却できるのかを確認するためです。
不動産会社によって査定額が異なるので、複数社に依頼しましょう。その上で査定額や担当者の対応を確認して、実際に仲介してもらう不動産会社を選ぶのがおすすめです。
しかし自ら会社を探して、1社ずつ問い合わせるのは時間と手間がかかります。
そこでおすすめなのが「不動産一括査定サイト」です。不動産一括査定サイトは、対象物件のあるエリア情報などの簡単な必要項目を入力するだけで、複数社から簡易査定を受けられるインターネットサービスです。
簡易査定の結果から相性のいい不動産会社に訪問査定を依頼できるので、効率的に優良企業を探せます。
不動産一括査定サイトの「おうちクラベル」は、AI査定を活用しており不動産会社からの査定結果を待つ間に、AIによる査定価格をスピーディーに確認可能です。
まずは不動産一括査定サイトから簡易査定を行い、その結果を確認して訪問査定を依頼するようにしましょう。
2-2.媒介契約を結ぶ
訪問査定の結果と担当者との相性などから仲介を依頼する会社を決定し、媒介契約を結びます。
媒介契約には、以下の3種類があります。
契約の種類 | 内容 |
一般媒介契約 | ・自ら買主を見つけられる ・複数の会社に依頼できる ・売主への報告義務なし ・指定流通機構への登録の義務はなし ・販売活動に消極的になりがち |
専任媒介契約 | ・自ら買主を見つけられる ・依頼できるのは1社のみ ・売主への報告義務は、2週間に1回以上 ・指定流通機構への登録義務あり ・積極的な販売活動が期待できる |
専属専任媒介契約 | ・自ら買主を見つけられない ・依頼できるのは1社のみ ・売主への報告義務は、1週間に1回以上 ・指定流通機構への登録義務あり ・手厚いサポートで買主を見つけやすく、制約がもっとも多い |
空き家の売却では、一般媒介契約か専任媒介契約を選択するケースが多いです。しかし、空き家の状態や売主の状況によって最適解が異なるため、不動産会社と相談して決めるようにしましょう。
2-3.売却活動を行う
不動産会社と媒介契約を締結した後は、売り出し価格を決定して売却活動を開始します。
売り出し価格を決める際は、相場と希望の売却価格を考慮した上で不動産会社と相談して決めるようにしましょう。
販売活動は、主に「集客のための広告宣伝」「内覧の対応」「不動産会社との打ち合わせ」などがあります。
集客活動は基本的に不動産会社が行うため、売主が行うのは内覧時の対応です。
購入検討者が内覧にきた際に、物件の状態や周辺環境などをアピールするチャンスです。都合がつかない場合などは、不動産会社へ一任することもできます。
2-4.売買契約の締結を行う
購入希望者が現れ、価格を含めた条件交渉が成立した後は、売買契約を締結します。
売買契約の締結前には、売買価格や引き渡し日、特約などを取り決めます。売買契約書には買主と取り決めた内容をすべて記載しないと、後々トラブルの原因になるため注意が必要です。
売買契約の締結後には、買主から手付金として売買代金の1割を受領し、売主は不動産会社へ仲介手数料の半額を支払うことが多いです。
売買契約時には、以下のものを持参します。
- 実印
- 印鑑証明書
- 収入印紙
- 本人確認書類
- 登記済証または登記識別情報通知
- 固定資産税納税通知書
売買契約前に、不動産会社に必ず確認しましょう。
2-5.不動産の引き渡しを行う
売買契約からおよそ1〜2ヵ月で、物件の引き渡しを行います。
引き渡し当日に、買主から手付金以外の残代金を受領します。そして、売主から鍵と必要書類を引き渡すことで、物件の引き渡し完了です。
決済と物件の引き渡し日は基本的には同日に行いますが、別日に行いたい場合は売買契約書で指定する必要があります。
引き渡し当日に不備がないように、書類や鍵の準備は前日までに済ませておくと安心です。
3.【空き家を売りたい!】売却に必要な費用
空き家の売却には、以下のような費用が必要です。
- 仲介手数料
- 確定測量の費用
- 不用品の処分費用
- 解体費用
これらの費用は売却代金から支払うのが一般的で、売却代金がすべて手元に残るわけではないことを覚えておきましょう。
それぞれ詳しく解説します。
3-1.仲介手数料
仲介手数料とは、売主と買主との仲介をしてくれる不動産会社に支払う成功報酬のことです。
不動産の売却価格によって、上限が決められています。
売却価格 | 手数料の上限 |
200万円以下 | 売買金額×5%+消費税 |
200万円超え400万円以下 | (売買金額×4%)+2万円+消費税 |
400万円超え | (売却金額×3% )+6万円+消費税 |
例えば、売買代金が500万円の場合の計算は以下の通りです。
(500万円×3%)+6万円+消費税
500万円×3%=15万円
15万円+6万円=21万円
21万円の消費税10%は、2.1万円
21万円+2.1万円=23.1万円
ということで、売買代金が500万円の場合は、231,000円が仲介手数料になります。
3-2.確定測量の費用(買主合意・マンションは不要)
確定測量とは、隣接地の所有者や行政の立ち会いのもと、土地家屋調査士が隣接地との境界を確認し確定させる測量のことです。
境界は隣地とのトラブルに発展しやすいので、必ず契約前に確定測量を行います。
宅地や戸建ての売却時には原則必要ですが、買主が合意している場合やマンション、公募売買の場合には不要です。また、売主側が境界確定をすることを条件に、不動産取引をするケースが多いです。
確定測量の費用は、一般的な戸建てで50〜100万円ほどです。土地の大きさや、官有地に隣接しており官民調査が入るかなどによっても金額が異なります。
※公募売買とは……実際の面積ではなく、登記簿に記載されている登記簿面積を売買の対象とする売却の方法。
3-3.不用品の処分費用
空き家を売却する際には、室内と室外の不用品を撤去・処分する必要があります。
家具や倉庫、エアコンの室外機など自分で処分するのが困難なものもあるので、片付け業者へ依頼するケースが多いです。
下記は、片付け業者へ依頼した際の費用相場です。
間取り | 料金相場 |
1LDK | 7万〜20万円 |
2LDK | 9万〜25万円 |
3LDK | 17万〜50万円 |
4LDK以上 | 22万〜要相談 |
料金は、処分する物の量や品目によっても異なるため、正確な料金は現地確認と見積もりを依頼しましょう。
3-4.解体費用
建物の状態が悪く、取り壊して更地にしたほうが売却できる可能性が高い場合に、解体費用がかかります。
解体費用は、空き家の構造や大きさ、地域、立地、隣の家との距離などによって異なります。
木造住宅で、1坪3〜5万円、鉄骨造で1坪5〜7万円、RC(鉄筋コンクリート)造で1坪6〜8万円が目安です。50坪の木造一戸建てであれば、150万〜250万円ほどの解体費用がかかる計算になります。
また地方に行くほど安価になりやすいですが、空き家までの道が狭く解体用の車両が通れない場合や、コンクリート施工の基礎部分が大きい平家などは、解体費用が高額になる可能性があります。
4.【空き家を売りたい!】売却価格に応じて必要な税金の算出方法
不動産売却時に必要な税金は、以下の3つです。
- 登録免許税
- 印紙税
- 譲渡所得税
それぞれ詳しく解説します。
4-1.登録免許税
登録免許税とは、不動産所有者の名義変更の手続きに必要な税金のことです。売買が成立してから、買主に所有権を移転する際に納税義務が発生します。
税額は、固定資産税×0.4%で計算できます。
固定資産税評価額は、毎年送付される「固定資産税納税通知書」で確認可能です。
一般的には、司法書士に登録手続きを依頼することが多く、その場合は登録免許税額に加えて6〜9万円ほどの報酬がかかります。
4-2.印紙税
印紙税は、売買契約書の作成に必要な税金のことです。売買契約書に収入印紙を貼ると、納税したことになります。
印紙税の額は、売買契約書に記載されている売買代金によって異なります。
令和6年3月31日までは軽減税率が適用されるため、印紙税が200円〜3万円ほどで収まることがほとんどです。
気になる方は、国税庁のホームページを確認してみてください。
印紙税を貼り忘れてしまうと、貼り付けなかった印紙税とその2倍の額の合計額を過怠税として支払う必要があるので注意が必要です。
4-3.譲渡所得税
譲渡所得税とは、不動産を売却して利益が発生した場合に、譲渡所得として所得額に応じて課される税金のことです。
税率は空き家の所有期間によって異なり、相続で取得した場合には前の持ち主の所有期間も含めて考えます。
所有期間 | 所得税 | 住民税 | 合計 |
長期譲渡所得(5年超え) | 15.315% | 5% | 20.315% |
短期譲渡所得(5年以内) | 30.63% | 9% | 39.63% |
※2037年12月31日までの間は、所得税に復興特別税(長期で0.315%、短期で0.63%)が含まれます。
譲渡所得の計算は、以下の通りです。
譲渡所得=売却金額−(購入時の取得費+売却時の諸費用)
空き家の場合、購入時の諸費用が分からない場合もあります。そのような場合には、売却額の5%を取得費にできます。(参考:取得費が分からないとき|国税庁)
5.【空き家を売りたい!】お得に売却できる控除・特例・補助金
空き家をお得に売却できる控除・特例・補助金は、以下の3つです。
- 空き家の3,000万円特別控除
- 相続した空き家の取得費加算の特例
- 解体費用の補助金・助成金
空き家の売却では、引き渡しまでに必要な費用も大きくなりがちなので、なるべく出費を抑えてお得に売却しましょう。
それぞれ詳しく解説します。
5-1.空き家の3,000万円特別控除
相続した空き家を売却した場合に、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。
適用条件の一部は以下の通りです。
- 平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売る物件
- 昭和56年5月31日以前に建築されている物件
- 相続開始前に被相続人以外に居住者がいなかった物件
また、控除の適用には売却した翌年に確定申告をする必要があります。
詳しい適用条件や提出書類は、国税庁のホームページを参考にしてみてください。
▶︎No.3306 被相続人の住居用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
5-2.相続した空き家の取得費加算の特例
この特例は、相続や遺贈によって取得した空き家を売却する場合に適用できます。譲渡所得の計算でかかった取得費に、支払った相続税の一部を加算できる特例です。
適用条件の一部は以下の通りです。
- 相続や遺贈によって財産を取得していること
- 財産を取得した人に相続税が課税されていること
- 財産を取得した日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年を経過する日までに譲渡していること
こちらの特例を適用するには、売却した翌年に確定申告をしなければなりません。また、「3,000万円特別控除」とは併用できないので、どちらがお得か利用できるかを確認し選択するようにしましょう。
詳しい適用条件や提出書類は、国税庁のホームページを参考にしてみてください。
▶︎3267. 相続財産を譲渡した場合の取得費の特例|国税庁
5-3.解体費用の補助金・助成金
空き家を解体する際には、自治体から解体費用の補助金や助成金を援助してもらえる場合があります。
補助金や助成金には、解体費用の1/5〜1/2ほどの補助金が支給されることが多いです。補助金の内容や適用条件は、各自治体により異なるため問い合わせが必要です。
6.【空き家を売りたい!】高く売るためのコツ
空き家を高く売るためのコツは、以下の3つです。
- 空き家の売却実績が豊富な業者を選ぶ
- 売出し価格を高めに設定する
- 複数の不動産会社から見積もりを取る
それぞれ詳しく解説します。
6-1.空き家の売却実績が豊富な業者を選ぶ
高く売るためのコツの1つ目は、空き家の売却に慣れており、実績のある会社を選ぶことです。
不動産会社と言っても、新築戸建てを得意とする会社やマンション販売に特化した会社などさまざまです。
空き家に関しては、空き家の販売実績のある会社に依頼することで、高値で売却できる可能性が高まります。
得意分野の確認方法は、不動産会社のホームページを確認してみると、対応範囲や取引実績が確認できます。
会社によってはスタッフ紹介を記載している場合もあり、相続や空き家に関する知識が豊富な担当者がいる会社だとなおよいです。
6-2.売出し価格を高めに設定する
高く売るためのコツの2つ目は、売り出し価格を高めに設定することです。
空き家の売却の場合、購入希望者から値引きを要求されるケースも少なくありません。そのため、売り出し価格を相場よりも少し高めに設定することで、買主の要望に応じて柔軟な対応が可能です。
その後、問い合わせ状況や市場の反応をみながら、価格の調整をすることも必要となります。不動産会社としっかり相談をしてから、販売価格を決めるようにしましょう。
6-3.複数の不動産会社から見積もりを取る【無料】
高く売るためのコツの3つ目は、複数の不動産会社から見積もりをもらうことです。
複数社から査定見積もりをもらうことで、売却価格の相場を把握しやすくなります。また担当者の知識や経験によっても査定額が変わるので、査定の根拠を確認するようにしましょう。
そのためには、まずは自分で相場を調べておくことが大切です。相場を把握することで、不動産会社が算出した査定額に対して質問できます。
相場確認の際には、SUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトで売り出し中の類似物件を確認するか、国土交通省が運営する土地情報総合システムの「不動産取引価格情報検索」で過去の成約事例を確認する方法があります。
実際に査定を依頼する際は、少ない手間で複数の不動産会社に査定依頼できる「不動産一括査定サイト」が最適です。多くの不動産会社のなかから、空き家を高く査定してくれる会社を見つけられます。
「おうちクラベル」の不動産一括査定は、AI査定を活用しており不動産会社からの査定結果を待つ間に、AIによってスピーディーに査定価格を確認できます。
この機会に、おうちクラベルの不動産一括査定サイトで無料の一括見積もりを依頼してみてください。
7.【空き家を売りたい!】空き家売却の注意点
空き家売却での注意点は、以下の3つです。
- 空き家の名義を事前に確認する
- 自己判断でリフォーム・解体しない
- トラブルを避けるため相続人全員の同意を得る
それぞれ詳しく解説します。
7-1.空き家の名義を事前に確認する
相続時は、空き家の名義など、権利関係を確認しておくことが重要です。
なぜなら、たとえ家族が名義人でも、他人名義の不動産は売却できないからです。相続人が1人の場合は問題がありませんが、相続人が複数いる場合には土地と建物それぞれの名義が誰になっているかを必ず確認しましょう。
もしも土地と建物で名義人が異なったり、1つの建物に対して2人以上の共有名義になったりしている場合は、名義人間で話し合いを行い売却に進みます。
不要なトラブルを避けるためにも、必ず空き家の名義を確認しておきましょう。
7-2.自己判断でリフォーム・解体をしない
建物自体や設備が古くなり、売りやすくするためにリフォームを検討する方もいますが、自己判断で空き家のリフォームや解体をしないようにしましょう。
空き家をそのままの状態で購入し、自分の好みにリフォームやリノベーションしたい人が一定数いるからです。まずは、そのまま売却できないか検討してみましょう。
また、空き家の取り壊しには100万円以上必要になることも多く、壊さずに売却できた場合には不要なお金を使わずにすみます。
自己判断でリフォームや解体を行うことで、損をする可能性があるので、必ず不動産会社に相談して総合的に判断しましょう。
7-3.トラブルを避けるため相続人全員の同意を得る
空き家を複数人で相続している場合には、相続人全員の同意が必要です。
共有名義での相続の場合は、全員で話し合う機会を設けて、同意を得て売却しなければなりません。
1人でも同意していないと、売却できないためきちんと話し合いをして売却を進めましょう。
8.【空き家を売りたい!】依頼する不動産会社を選ぶ際のポイント
売買を依頼する不動産会社を選ぶ際のポイントは、以下の2つです。
- 空き家売却のサポート体制を確認する
- 担当者の信頼性を確認する
それぞれ詳しく解説します。
8-1空き家売却のサポート体制を確認する
空き家の売却実績がある不動産会社のなかでも、どのようなサービス・サポートを受けられるのかを確認してみましょう。
空き家の売却では、新築戸建ての売却と比べると、集客に時間がかかったり相続の問題があったりと売却の難易度も高くなる傾向にあります。
空き家をどのようにPRして集客するかで、売買契約成立までの期間や金額も変わるので重要なポイントです。
また、空き家を相続で取得した場合は、複雑な権利関係の処理が発生するケースもあります。不動産会社によっては、相続の専門家や弁護士と提携したサポート体制が整っていることがあります。
不動産売却は慣れないことばかりですので、なるべく充実したサポートを受けられる会社を選びましょう。
8-2.担当者の信頼性を確認する
不動産会社選びも重要ですが、それ以上に担当者の信頼性も大切です。
空き家の売却は長期間に及ぶため、仲介を依頼した後もさまざまな質問や要望が浮かぶこともあります。
どんな場面でも、親身になって売主の相談に乗ってくれる人柄や聞いたことに対して明確な回答をしてくれる誠実さなど、人として信頼できるかが重要です。
担当者の信頼性を確認するポイントとしては、資格の有無や知識の深さ、人柄、売主との相性です。
査定額の納得感だけではなく、担当者の信頼性もしっかり確認しておきましょう。
9.空き家を売りたい人は状況・状態に合った方法を選択しよう
本記事では「空き家を売りたい」と考えている人に向けて、空き家を売る6つの方法や売却の流れ、ポイント、注意点を解説しました。空き家を売却したいと思ったら、なるべく早く査定依頼をして、売却活動を開始するのが得策です。
不動産一括査定サイトの「おうちクラベル」は、ソニーグループ関連企業、かつ東証プライム上場企業が運営しているので、膨大な数の不動産会社から信頼できる売却のパートナーを見つけられます。
AI査定を取り入れた不動産一括査定により、不動産会社からの査定結果を待つ間に、AIによってスピーディーに査定価格を確認可能です。
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