不動産査定書は無料で作れる?不動産の査定書の見方や必要書類を紹介

不動産査定書とは、建物や土地などの不動産を売却する際の見込金額を記載したものです。不動産査定書に記載する金額は、建物の築年数、間取り、面積、そして地価や路線価などから算出されています。また、査定時は周辺不動産の売買価格や環境なども考慮されます。

不動産売買をする時は「不動産査定書」が必要とされているものの、なぜ必要なのか理由を知らないという人も多いのではないでしょうか。本記事では、不動産売買で不動産鑑定書が必要な理由や入手方法、記載内容についてご紹介します。初めて家を売る人や、不動産の売却について詳しく知りたいという人はぜひ参考にしてください。 

目次

1.不動産査定書とは

不動産査定書とは、不動産の価格や価格の根拠などが詳細に記載された書類です。不動産会社によって記載されている内容は若干異なります。不動産査定書には、不動産会社が作成する不動産査定書と、不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書に分けられます。2つの違いについて詳しくご紹介します。

1-1.不動産会社が作成する不動産査定書

不動産会社に依頼して作成してもらう査定書は、以下のような項目をもとに査定し、売却した際の目安となる価格を算出したものです。査定は自社データを基に作成するため、不動産会社ごとに異なると考えておきましょう。

  • 方位
  • 騒音
  • 日当たり
  • 利便性
  • (マンションの場合)角部屋・中部屋などの部屋の場所
  • 駅までの距離
  • 土地計画 など

不動産会社がつくる不動産査定書は基本的に無料です。不動産会社は、無料で不動産査定書を作成し、提案することで売却を引き受けたいと考えているためです。また、この不動産査定書が公的な場では利用できない点も無料である理由の1つといえるでしょう。なお、記載されている価格は永続的なものではなく、有効期間は3ヶ月程度となります。

1-2.不動産鑑定事務所が作成する不動産査定書(不動産鑑定書)

不動産査定書には、不動産鑑定事務所に属する「不動産鑑定士」が作成するものもあります。不動産鑑定士とは、不動産鑑定に関する高い知識を持っていると認められた国家資格です。

不動産鑑定士が公平な評価で作成する不動産査定書(「不動産鑑定書」とも呼ばれます)は、裁判や相続・財産分与など公的な場で使用できるほどの効力があります。そのため、作成には2週間前後かかり、金額も20万円程度は必要と考えておきましょう。

ちなみに、不動産鑑定士に不動産査定書(公的な場で利用できないもの)を作成してもらうことも可能です。その際にかかる費用は、公的な不動産査定書の3割~4割ほどが目安です。

一般的な不動産売却の際には、不動産鑑定士に依頼する必要はなく、不動産会社が作成する不動産査定書で十分と理解しておきましょう。

2.不動産査定書と記載項目

不動産査定書の多くは「公共財団法人 不動産流通推進センター」のテンプレートをもとに作成されています。主に以下の項目について記載されています。

  • 査定価格
  • 査定の根拠
  • 類似物件の事例・補足情報

それぞれ詳しく見ていきましょう。

2-1.不動産の基本情報

不動産査定書に記載される不動産の基本情報には次のようなものがあります。

・所在地

不動産の住所です。

・種類

「土地付き建物(戸建て)」「区分所有建物」などが記載されています。

・土地

地目(宅地など)、地積、用途地域(第一種中高層住居など)、建ぺい率、容積率、接道、交通(○○駅徒歩〇分など)について記載されています。

・建物

マンション査定の場合はこの項目の記載があります。種類、専有面積、構造(鉄筋コンクリート造〇階建〇階部分など)、築年数、間取り(4LDKなど)が記載されています。こちらに「交通」について記載されている場合もあります。

2-2.査定価格

価格が高いほうから、「上限価格」「基準価格」「確実価格」の順に記載されています。それぞれの違いは以下のとおりです。

  • 上限価格:売れる可能性がある価格
  • 基準価格:一般的な価格
  • 確実価格:ほぼ確実に売れる価格

査定価格として記載されるのはあくまで不動産会社の予測価格であること、また、おおよそ3ヶ月以内に売却する場合の価格である旨も記載されます。

2-3.査定の根拠

以下の表のように計算した土地・建物などの査定価格が記載されています。

土地価格

土地単価×面積(㎡)×評点(査定物件/成約事例)で算出

建物価格

再調達価格×面積(㎡)×評点(査定物件/成約事例)で算出

また、以下の例のように、その査定価格を算出した理由、価格が高い(もしくは低い)時はその根拠の説明もあります。

要因

区分

評点

駅との距離

土地

+10

角部屋

建物

+10

建物の老朽化

建物

▲5

コメント欄に「小学校が近く、ファミリー層に人気の環境」「東向きで日当たりがいい」「最寄り駅から徒歩30分近くかかり利便性がいいとはいえない」など、物件のアピールポイント・ウイークポイントについて記載している不動産査定書もあります。

2-4.類似物件の事例・補足情報

過去に扱った近所の物件、同マンション内にある別部屋の売却価格が記載されています。より参考になるために、以下の表のように取引年月日、築年数、広さ、構造について詳しく記載されている場合もあります。

取引年月日

所在地

土地面積

築年数

構造

価格

〇年〇月〇日

〇市〇町〇

120.0㎡

10年

軽量鉄骨

2,000万円

〇年〇月〇日

〇市〇町〇

180.1㎡

13年

軽量鉄骨

2,150万円

3.不動産査定書の依頼タイミング

家を売ることを検討し始めたら、1番最初に不動産査定書の作成を依頼しましょう。不動産会社に依頼すれば1週間程度で取り寄せが可能です。

依頼の方法は不動産会社によって異なりますが、多くは「電話での依頼」か「インターネット経由での依頼」になります。忙しくて電話をする時間が取れない方や、電話で詳細を伝える自信がない方は、インターネット経由で依頼できる不動産会社を選ぶといいでしょう。

また、不動産鑑定事務所に作成を依頼する場合は、都道府県ごとにある不動産鑑定士協会のサイトにアクセスして「協会員名簿」を確認してください。協会員名簿にて、近隣の不動産鑑定士を探し、連絡を取ることができます。

なお、不動産鑑定士に不動産査定書作成を依頼する場合は費用がかかります。金額は不動産鑑定士によって異なるので、事前に金額や支払い方法、支払期限なども必ず確認してください。

4.2種類の査定方法

不動産査定方法には「簡易査定」と「訪問査定」という2つの方法があります。簡易査定とは、インターネットや電話で売却希望の不動産の住所や面積、築年数などの情報を伝え、その内容をもとに行われる査定で、机上査定とも呼ばれます。現地訪問が不要な点が特徴です。

一方、訪問査定とは、その名のとおり現地に訪問して行う査定方法で、不動産の住所や面積、築年数などの情報に加え、物件などの状況を現地確認してもらった上で行われる査定です。それぞれの査定方法について、詳しく説明します。

4-1.簡易査定(机上査定)

簡易査定は「机上査定」とも呼ばれています。その名のとおり、現地を見ることなく査定価格を出すというものです。簡易査定依頼の際は以下の情報が必要となります。

・物件の種類

マンション、一戸建て、土地のみ、などです。

・物件の所在地

物件の住所が必要です。マンションの場合はマンション名と部屋番号も伝えます。

・詳細

間取り、専有面積、築年数が必要です。

・連絡先

氏名、メールアドレス、電話番号が必要です。

多くの不動産会社の場合、これらの情報をインターネット上で入力すると、通常は当日中に簡易査定結果の連絡がメールなどで届きます。中には数分で回答が届く会社もあるほどです。ただし、簡易的な査定のため、価格はおおよその目安です。実際に売却手続きに入りたい場合は、詳細な価格を知るために訪問査定が必要になります。

なお、不動産査定書を依頼できるのは1社のみとは決まっていません。各社の評価や売却可能価格を比較するためにも、複数の不動産会社に依頼しましょう。

4-2.訪問査定

訪問査定では、上記の「簡易査定」で伝えた情報だけでなく、実際に不動産会社の担当者に現地に来てもらい、物件の状態や周辺環境などを確認した上で査定価格を算出してもらいます。

訪問査定の場合、現地での立会いも必要になりますので、不動産会社との日程調整を電話・メールなどで行わなければなりません。また、立会時間は数時間になる場合もあるため、時間に余裕を持って依頼しましょう。特に複数の不動産会社に査定を依頼する場合は要注意です。

訪問査定は実際に売却することを想定し、査定価格を詳しく算出します。結果が出るまでに1週間以上かかる場合も少なくありません。また、査定結果、査定価格の根拠なども詳しく報告されますので、査定書は封書で届く可能性もあります。すぐに受け取れるよう、どのような方法で連絡がくるかを事前に確認しておきましょう。

5.準備するといい書類

不動産査定書の作成を依頼する際、スムーズに査定額を算出してもらうため、そしてなるべく高い査定価格を算出してもらうために、依頼する側(売却したい人)は以下の書類などを準備しておくとよいでしょう。

  • 登記簿謄本
  • 確定測量図
  • 身分証明書類
  • リフォーム・修繕履歴書
  • 瑕疵担保保険の付保証明書
  • インスペクションの結果報告書
  • マンションの管理規約
  • 不動産購入時のパンフレット
  • 固定資産税納税通知書
  • 売買契約書・重要事項説明書

なお、簡易査定のようにインターネットに入力した情報のみで査定を行う場合は、これらの書類はほぼ不要です。それぞれの書類の概要と、取得方法をご紹介します。

5-1.登記簿謄本

登記簿謄本とは、不動産登記に関することがすべて記載された用紙のことです。具体的には次の内容について記載されています。

  • 表題部

所在地、地番、地目、地積、所有者の住所・名前などが記載されます。

  • 権利部(甲区)

所有権の移転など、所有権に関する事項が記載されます。

  • 権利部(乙区)

住宅ローンを契約した金融機関の抵当権設定についてなど、所有権以外の権利に関する事項が記載されます。

  • 共同担保目録

「土地」「建物」など、1つの債権に対し、複数の不動産が担保設定されている場合に記載されます。

登記簿謄本は不動産売買をする際に必須の書類です。売却希望者がこの書類を準備することで、本当にその不動産の持ち主なのかが証明できます。不動産がある地域の法務局で取得可能です。窓口に行くのが難しい場合はインターネット・郵送でも取得可能です。

5-2.確定測量図(土地、戸建ての場合)

土地の境界を確定させていることが記載されているのが「確定測量図」です。土地の面積や形状などについても記載されています。土地や戸建てを売買する際に必要なもので、マンション売買の場合は不要です。

土地や戸建てを売買する際は、境界がはっきりしていることが重要となります。境界を確定させるためには、土地の持ち主(売却希望者)だけで行えるわけではなく、隣接する土地の持ち主の合意が必要です。そのため、合意を得る人が多い場合は作成期間に数ヶ月ほどかかる場合もあります。

なお、確定測量図の作成は土地家屋測量士へ依頼します。費用は50万円~100万円ほどで、合意を得る人が多いほど費用が高くなります。

5-3.身分証明書類

本人確認書類として、住民票や印鑑証明書などの身分証明書が求められます。これらの書類は市役所・区役所で取得可能ですが、コンビニエンスストアで取得できる自治体もあります。

住民票、印鑑証明書以外にも、本人確認ができるものとして、「実印」「運転免許証」「マイナンバーカード」「健康保険証」の提示を求められる場合もあるため、いずれの書類も早めに準備しておくことをおすすめします。

5-4.リフォーム、修繕履歴書類

リフォームや修繕を行ったことのある不動産の売却時はリフォーム、修繕履歴書類を準備しましょう。準備は必須ではありませんが、リフォームが5年程度内であれば査定額が上がる可能性があります。なお、リフォームの履歴に関する書類は、工事終了後に工事を担当した会社が発行します。リフォーム、修繕履歴書類には次のような項目が記載されています。

  • リフォーム・修繕箇所
  • 工事を行った年月
  • どのような工事をしたか

ただ、紛失などで手元にない場合もあるかもしれません。その際は、上記の項目が分かるものであれば、簡単なメモ書きでもいいので準備しておきましょう。

5-5.瑕疵担保保険の付保証明書

瑕疵担保責任(2020年4月1日の民法改正で「契約不適合責任」と呼ばれるようになりました)とは、家屋など建物の欠陥に気づかず売却し、後ほど欠陥部分の修理が必要なことが判明した場合、その修理費用を売主側が負担しなければならないというものです。この際の修理費を上限2,000万円まで負担してくれるのが「瑕疵担保保険(かしたんぽほけん)」です。

売主と買主の間のトラブルを防止するためにも、物件の売却手続きの際は、瑕疵担保保険への加入が求められており、「瑕疵担保保険の付保証明書」の提出が必要になります。

また、売却する物件が1981年以前に建築されたものである場合、「瑕疵担保保険の付保証明書」がないと、買主側は、住宅ローン減税を利用できません。非常に古い物件を売却したい場合は、早期に売買契約を成立させるためにも、この証明書を提出するようにしましょう。

5-6.インスペクション(建物状況調査)の結果報告書

既存住宅の建物状況調査を「インスペクション」といいます。インスペクションでは専門家(建築士など)が以下の部分をチェックします。

  • 建物の基礎部分
  • 外壁
  • 雨水の侵入の有無
  • 床下
  • 床の勾配ベランダ防水

不動産売買の際には重要事項説明の説明が必須ですが、その一環で売主と買主との間で不動産の現状共有も必要になります。インスペクションを行っておけば、現状を確実に把握できるでしょう。また、先にご紹介した「瑕疵担保保険」の加入はインスペクション合格が条件です。

インスペクションを行う際は手配から報告までに2週間ほど、費用は5万円~6万円程度かかります。場合によっては、不動産会社がインスペクション費用を負担することもありますので確認してみましょう。

5-7.マンションの管理規約

マンション売却の場合、査定額を詳細に算出してもらうために、管理規約も準備しておくことをおすすめします。共有部分の範囲や専有使用権についてだけでなく、管理組合や理事会について、マンション使用についての内容も記載されていますので、買主側へ情報提供をする際にも役にも立ちます。

また、管理規約以外にも「長期修繕計画書」も準備するとよいでしょう。もし、これらの書類が手元にない場合は、管理組合や賃貸管理会社に問い合わせてください。

5-8.不動産購入時のパンフレット

不動産購入時のパンフレットがあれば、売り出しのときに、当時の不動産会社が何を売りにしていたかが分かります。また、査定を依頼する不動産会社に物件の良さをアピールする材料にもなります。

購入時のパンフレットが手元にない場合は、購入した不動産会社に尋ねてみてください。ただし、準備が必須というわけではありません。持っていない場合はその旨を査定を依頼する不動産会社に伝えましょう。

5-9.固定資産税納税通知書

固定資産税納税通知書は毎年1月1日時点の不動産保有者宛てに、不動産のある自治体からその年の5月頃に送られてきます。納税義務者は1月1日時点の不動産保有者であり、1月2日以降に保有している人には納税義務はありません。

年の途中で不動産を売却した場合、本来であれば固定資産税の納税義務者は売主側です。しかし、それでは売却後分の税金までも負担することになり、不公平になるため、通常は売買契約を結ぶ際に売主と買主の間で負担割合を決めます。

査定依頼の時点で固定資産税納税通知書を提出しておけば、査定をする不動産会社は税額の確認が可能です。買主側にも負担する税額の目安を事前に伝えることができます。

5-10.売買契約書・重要事項説明書

不動産購入の売買契約書や重要事項説明書は必須ではないものの、準備しておくと安心です。売買契約書には次の項目が記載されています。

  • 契約代金
  • 面積、測量について
  • 土地の境界について
  • 抵当権について

重要事項説明書の記載項目も一部紹介しますので確認しておきましょう。

  • 電気・ガス・水道の供給・設備について
  • 不動産のある場所の環境について(土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域、など)
  • 耐震診断結果
  • 住宅内の設備について
  • アスベスト使用調査結果
  • 敷地の権利について(マンションの場合)
  • 共有部分の規約(マンションの場合)
  • 管理費、修繕積立金について(マンションの場合)

これらの内容も買い手側にとっては知っておきたい情報となります。不安なく購入に進んでもらえるよう、準備することをおすすめします。

6.不動産査定書を見るときのポイント

ご紹介したとおり、不動産査定書は簡易査定であればほぼ当日中、訪問査定であれば1週間程度で手元に届きます。受け取った不動産査定書を見るときは、以下のポイントについて押さえておきましょう。

  • 査定額それぞれに根拠はあるか
  • 査定書の全体構成・コメントの見やすさ
  • 成約時期の目安を明示しているか
  • 売却時の注意点やリスクを書いているか

6-1.査定額それぞれに根拠はあるか

不動産の査定額は「4,000万円~5,000万円」のように幅を持って記載している場合や「上限価格」「基準価格」「確実価格」のように複数の価格が記載されている場合などさまざまです。まずは査定額を確認し、それに根拠があるかを確認してください。通常は次のような項目の確認結果が査定額算出の根拠となります。

  • 築年数
  • 耐震基準の適合性
  • 建具の状態
  • 床・壁など内装の状態
  • 屋根などの外装の状態
  • トイレ・浴室・キッチンなどの設備
  • インスペクションの結果
  • リフォーム状況l

不動産会社はこれら1つ1つを確認し、査定しています。どの部分が高評価でどこが低評価だったのかを細かくチェックしましょう。また、価格は何とおりか記載されることが一般的です。これらの価格は不動産会社が「もしかすると買手が付くかもしれない価格」なのか、それとも「確実に売れると思われる価格」なのかも確認してください。高い価格だけを信じ、その価格で売り出しても買手が付かないこともあるため要注意です。

6-2.査定書の全体構成・コメントの見やすさ

査定書の構成もチェックしたい点の1つです。顧客に配慮する姿勢があるのかが分かるポイントともいえます。すっきりしたデザインで見やすいかどうかなども重要ですが、根拠のあるコメントを書いているか、不動産売買に慣れていない人でも理解しやすい文章かどうかなども確認したい点です。

査定書を見ることで、顧客へどう向きあっているかが分かります。あまりにも分かりにくい、または根拠のない査定書を出してくる不動産会社は、買手側にも物件の良さをアピールできない可能性が高いため、売却を依頼しない方がいいかもしれません。

6-3.成約時期の目安を明示しているか

一般的に不動産査定書に記載されている査定額は3ヶ月程度が有効期限となっています。売却成立までの期間が3ヶ月ほどかかると考えられるためです。しかし、中には半年、1年といった有効期限で書かれている査定書もあります。極端に長期の期間が設定されている場合は、査定した物件は数ヶ月では売却できないと不動産会社が考えている可能性もあります。

成約時期を設定している背景を確認し、成立が遅くなりそうな理由などを必ず不動産会社の担当者に尋ねておきましょう。根拠を知ることで、売却スケジュールも立てやすくなるでしょう。

6-4.売却時の注意点やリスクを書いているか

不動産査定書にはいいことばかりではなく、売却時の注意点やリスクについても記載しているかも確認してください。例えば、「小学校が遠い」「最寄り駅が遠い」「乗り換えに不便」「繁華街が近く、騒音が気になる」などです。また「設備が古い」「外壁に汚れが目立つ」など、建物自体のリスクもチェックされているか見てください。

いいことばかり記載した不動産査定書を出す不動産会社は、買手にもリスクや注意点を伝えない恐れがあります。思わぬトラブルに陥らないためにも、良くない点についても指摘してくれる不動産会社を選択すべきでしょう。

7.不動産査定書を入手する流れ

不動産査定書には簡易査定の査定書、訪問査定の査定書の2種類がありますが、主に、以下の流れで入手します。

【インターネットで依頼する場合】

1.不動産会社ホームページ、もしくは不動産不動産一括査定サイトにアクセス

2.サイト上で物件の種類、所在地を入力

3.土地の面積、建物面積、間取り、築年数、現況(空き家、居住中など)、売却希望時期、売却理由、依頼したい査定の種類(簡易査定、訪問査定)、連絡先を入力し、送信

4.簡易査定の場合は入力情報から査定を行い、不動産査定書が作成される。訪問査定の場合は不動産会社の担当者から連絡がくるため、訪問日時を打ち合わせる。現地での査定後、不動産査定書が作成される

【電話で依頼の場合】

1.不動産会社に電話で査定を依頼する

2.ホームページからの依頼時と同じく、物件の状況や連絡先などを電話口で確認される

3.簡易査定の場合は電話で伝えた情報から査定を行い、不動産査定書が作成される。訪問査定の場合は不動産会社の担当者と訪問日時を打ち合わせる。現地での査定後、不動産査定書が作成される

7-1.ステップ1.不動産会社または不動産一括査定サイトで依頼

電話でも査定依頼は可能ですが、効率良く依頼したいのであれば、インターネットを利用しましょう。不動産会社または不動産一括査定サイトから依頼できますが、一度に複数の会社に依頼できる不動産一括査定サイトが便利です。

なお、不動産の査定には「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」がありますが、どちらもインターネット経由から依頼可能です。必要事項を入力する際は、手元に売却を希望する不動産の情報が分かるようなものを準備しておきましょう。具体的には、土地の面積や建物面積が分かる重要事項説明書はぜひ準備したい書類です。

7-2.ステップ2.訪問査定の日時を調整

訪問査定を依頼する際は日程調整が必要なため、あらかじめ希望日時をいくつか決めておきましょう。また、訪問査定には数時間はかかります。時間に余裕を持って予定を組むことも重要です。特に複数の会社に査定を依頼する場合は、各社の予定が重ならないよう気を付けてください。できれば、急な予定変更に備えて、訪問してくる不動産会社担当者の名前と連絡先も確認しておくことをおすすめします。

7-3.ステップ3.現地調査

訪問査定で行われる現地調査の際は立ち合いが必要です。数時間はかかりますので、時間が空く時に訪問査定を依頼しましょう。訪問日時を打ち合わせるときは、「土日祝日対応可能なのか」「平日のみなのか」も尋ねてください。

現地調査では、インターネットでの査定依頼の際に伝えた内容だけでは分からない点を確認されます。例えば、騒音などの周辺環境、建物や部屋内部に汚れや故障箇所がないか、物件の日当たりなどです。また、以下の内容についても確認される可能性が高いため、回答を準備しておきましょう。

  • 売却を希望する理由
  • 住宅ローンの残額があるか
  • 土地の境界がはっきりしているか

7-4.ステップ4.不動産査定書を受け取る

簡易査定の場合は査定当日中、訪問査定の場合は査定から1週間程度で不動産査定書を受け取ることができます。特に訪問査定時ですが、不動産査定書を受け取ったら次の点を確認してください。

・査定額に根拠はあるか

実際に売れる金額が記載されているかを確認してください。また、その根拠について不動産会社が説明できるかも要チェックです。

・不動産査定書の見やすさ

見やすいデザインや構成になっているかを確認してください。非常に分かりにくい不動産査定書を出してくる不動産会社は、顧客への説明も不親切である場合もあります。

・成約時期の目安が記載されているか

3ヶ月程度で売れる金額が記載されているかも確認しましょう。本当に取引を成功させる意欲があるかを知ることができます。

・売却のリスクや注意点の記載はあるか

悪い情報についてもきちんと知らせることができるかをチェックしてください。

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