不動産買取の相場が市場価格の7割になる理由は?高額買取のコツも紹介

不動産の「買取」とは、不動産会社に直接家を買い取ってもらう売却方法です。

 不動産会社が仲介に入る一般的な売却方法とは異なり、条件に納得すればすぐに家を売却できるため、家を早く手放したい方や、すぐにまとまった資金が欲しい方にとって便利なサービスです。

一方で、不動産会社に依頼して売却するよりも価格が下がってしまう点や、不動産会社と直接取引をする必要がある点など、利用にあたって気になることも多いのではないでしょうか。

不動産買取は誰でも利用できるサービスですが、納得した条件で家を売るために、いくつか押さえておきたいポイントがあります。初めて家を売る方が知っておきたい基本知識を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.不動産買取の相場は仲介価格の7割が目安

一般的に不動産買取による買取価格は、不動産会社に依頼して売却する場合の7割程度が相場と言われており、価格の安さを理由に利用をためらう方も少なくありません。

 実は、不動産買取時の価格は必ず7割になるとは言い切れません。市況によっては6割程度になる場合もあれば、9割程度で買い取ってもらえることもあり実際の買取価格は不動産会社に依頼して査定を行わなければ断定できないのです。

2.不動産買取とは

不動産買取による相場について説明する前に、そもそも不動産買取とはどういうものなのか改めて解説します。

 「不動産買取」とは、不動産会社に物件を買い取ってもらう不動産取引です。物件の所有者が売主、不動産会社が買主となって価格などを直接交渉し、条件がまとまり次第すぐに契約に進めます。広告や内見など、一般的な不動産売買でイメージするような販売活動を行わずにすむのが特徴です。

一方で、不動産を売却するには「仲介」という方法もあります。不動産仲介会社が売却物件の広告作成や内見の案内をするほか、売主と買主の間に入って契約条件の交渉を行うなど、成約まで一貫してサポートを行います。買主を探し成約に至るまで、「買取」と比較すると時間がかかりますが、不動産会社と通じて買主と交渉を行えるため、市場相場での売却が可能です。ただし、仲介を利用した場合は、成約時に不動産会社に対して仲介手数料の支払いが発生するという点には注意が必要です。

仲介や買取を含めた「不動産売買」に関して詳細に知りたいという方は、「こちら」の記事で解説していますのでぜひご覧ください。

不動産売買に諸費用・税金はどれくらいかかる? 仲介会社の選び方も解説

2-1.即時買取

不動産の買取には、「即時買取」と「買取保証」という2つの種類があります。

「即時買取」は、買取価格の交渉が完了したタイミングですぐに買い取ってもらう方法です。売買市場での販売活動は行わず、不動産会社と物件の所有者との間ですぐに締結まで進むため、ほかの売却方法と比較して最も早く不動産を売却できます。売却完了までに要する期間は、買取を依頼してから最短で5日~1週間程度、長くても1ヶ月程度です。不要になった不動産をすぐに現金化できるため、まとまった資金を早く確保したい場合や、すぐに物件を手放したい場合に活用できます。

 その一方で、買取価格は市場相場の1~3割程度安くなるという点がデメリットとして挙げられます。

2-2.買取保証

「買取保証」は、仲介と即時買取を組み合わせたような買取方法です。はじめの一定期間は一般市場に向けた販売活動を行うことで、仲介による売却を目指し、期間内に契約がまとまらなかった場合は不動産会社に直接買い取ってもらいます。仲介期間は3ヶ月程度に設定するのが一般的です。

仲介の場合は、買主が見つかるまで売却先が決まらないため、売却時期のめどが立たないという難点があります。だからといって即時買取のみを利用すると、どうしても売却金額が下がってしまうため、売却を急いでいない方にとっては損をしたような気持ちになってしまうでしょう。

市場相場で売却できる可能性を残しながら、売却時期のめども立てられるという点が、買取保証を利用するメリットです。

3.不動産買取の相場が低くなる理由

不動産買取での相場が市場相場と比較して低くなるのは、買取価格を決定する際にさまざまな費用が引かれているほか、不動産会社が負うリスクが考慮されるためです。つまり、不動産買取においてどのように価格が決まるかを事前に知っておくことで、物件を高く買い取ってもらうための対策やコツが見えてきます。

不動産買取の相場が低くなる主な理由は下記の5つです。

  • 仲介手数料や人件費・広告料が値引きされるため
  • リフォーム・修繕費用が値引きされるため
  • 瑕疵や売れ残りリスクを肩代わりするため
  • 買取に状態の悪い物件が出される傾向のため
  • 相場での買取価格

それぞれについて下記で詳しく解説します。

3-1.仲介手数料や人件費・広告料が値引きされるため

1つ目の大きな理由は、買取価格から不動産会社が得る利益や、買い取った物件を再販するためにかかる費用が引かれるためです。

仲介による不動産売却では、不動産会社は売主から仲介手数料を受け取ります。仲介手数料は不動産会社に対する報酬のほか、販売活動にかかった人件費や広告料といった費用も含まれます。さらに、1社の不動産会社が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取れる場合もあり、相場価格で売却しても十分な利益を得ることが可能なのです。

一方、買取によって物件を得た不動産会社は、購入した物件に手を加え、再度買主を探して販売(再販)することで利益を得ます。再販のためには物件をリフォームしたり修繕したりする費用を考慮すると、ただ再販するだけでは十分な利益を得られません。そのため、買取時の価格から、仲介を行った場合に発生する仲介手数料分のほか、再販のために係る広告費や人件費も差し引いたうえで買い取る必要があるのです。

3-2.リフォーム・修繕費用が値引きされるため

買取を行っている不動産会社は、買い取った不動産に手を加えて再販することを前提としています。買い取った物件の状態が悪い場合、買い手がつきやすいように建物の古くなった箇所をリフォームしたり、住み心地や機能性を向上させるためにリノベーションを行ったりする必要があり、その費用はすべて不動産会社が負担します。つまり、買取価格から物件をリフォームしたり修繕したりするための費用が差し引かれるため、買取価格が相場よりも低くなるのです。

仲介でなかなか買主が見つからない古い物件や管理が行き届いていない物件であっても、買い取ってもらえるというメリットはあります。一方で、物件の状態が悪く、多くのリフォームや修繕が必要な物件は不動産会社が負担する費用が増えるため、買取価格が下がると理解しておきましょう。

3-3.瑕疵や売れ残りリスクを肩代わりするため

買取による不動産売却においては、不動産が持つ瑕疵(欠陥)や売れ残りリスクを肩代わりする分、買取価格が下がる傾向にあります。

仲介で不動産を売却する場合は、買主が見つかるまで売却できないためタイムラグがあります。また、瑕疵を持つ物件はそのままの状態で流通したとしてもなかなか買い手が見つからず、結果的に売れ残る可能性も否定できません。特に物件の瑕疵に関しては、不動産会社が買い取ったのちに判明する場合も少なくなく、買取時の想定よりも物件の価値が低いことも考えられます。

不動産会社が直接買い取る方法は、こうした売却までのタイムラグや売れ残りのリスクを肩代わりすることでもあるのです。

3-4.買取に状態の悪い物件が出される傾向のため

不動産を売却したいと考える方のほとんどは「できるだけ高く売りたい」と考えます。そのため、買取価格が使用相場より低くなる可能性の高い買取ではなく、まずは仲介での売却を目指すのが一般的です。それでも不動産買取を検討する方が多くいるのは、売却の対象が仲介では売りにくい物件のためと考えられます。

不動産会社の仲介により物件を売却する場合、購入希望者はすぐに住める家、もしくは少し自分たちで手を加えれば住める家を探しています。そのため極端に状態が悪い物件や築年数の古い物件は検討対象にならず、仲介で売却することは難しいのが実情です。

不動産買取には、こうした「仲介では売りにくい物件」が多く集まります。そもそも不動産としての価値が低いと思われる物件が多いこともあり、買取価格が低くなる傾向にあるのです。

3-5.相場で買取価格が決まるため

ここまで、不動産会社が負担する費用やリスクなどについて言及してきましたが、買取価格算出の際には買取相場も判断基準になります。

不動産会社が買取価格を出す際に差し引く再販にかかる費用やリフォーム費用、負担する可能性のあるリスクは、あくまでも予想にすぎません。そのため、周辺地域の類似した物件が、どれくらいの価格で買い取られているのかという買取相場を参考にして、買取価格を決定するケースが多く見られます。

そして不動産買取に出される物件は状態が悪い・築年数が古いものが多く、慣習として買取価格が低くなる傾向にあります。買取相場より高い価格で買い取るということは、不動産会社としては不利益を被るリスクが発生することを意味するため、あくまでも相場から乖離しない範囲で価格を設定する必要があるのです。

 

4.不動産買取の相場の調べ方

不動産会社は、できるだけ安く買い取って高く再販することで利益を大きくしようと考え、相場より安い価格を提示する可能性があります。不動産会社と対等に交渉するためにも、買取価格の相場を把握しておきましょう。

本記事で紹介する買取相場の調べ方は下記の5つです。

  • 土地総合情報システム
  • REINS Market Information
  • 不動産一括査定サイト
  • 価格天気図
  • ポータルサイトの売買ページ

大きく損をしないためにも、不動産会社に買取依頼をする前に、相場を必ず調べるようにしましょう。

4-1.土地総合情報システム

「土地総合情報システム」は国土交通省が運営するサイトです。全国の売買成約情報を、実際に不動産取引を行った方を対象としたアンケートにもとづいてデータ化しています。

土地総合情報システムのホームページにアクセスし、「不動産取引価格情報検索」というオレンジ色の部分をクリックすると、検索条件を順番に入力する画面に移ります。閲覧したい取引時期・調べたい不動産の種類と地域を選択し、「この条件で検索」をクリックすることで、指定した条件で取引された過去のデータが一覧で表示されます。

土地総合情報システムという名前ですが、土地以外にも戸建てや中古マンションの取引事例も調べられます。ただし、細かい取引場所は特定できないため、把握できるのは大まかな相場のみです。そのため、「まだ具体的に売却するかは決めていないけど、どれくらいで売れそうか知っておきたい」といった、売却を検討し始めた時期の利用に向いています。

なお、仲介による売却か不動産会社による買取かを区別することが難しいため、参考程度に活用することをおすすめします。

4-2.REINS Market Information

土地や建物が実際にどれほどの価格で取引されたかを知りたい場合は、「レインズ・マーケット・インフォメーション」を利用すると便利です。

レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産会社が実際の不動産取引の際に利用する「レインズ」に登録されている情報を、一般の人でも閲覧できるようにしたコンピューターネットワークシステムです。国土交通省が指定する「不動産流通機構」が運営しているため、信頼性の高い情報を入手することが可能です。

利用するには、まずレインズ・マーケット・インフォメーションのトップページにアクセスし、「戸建」または「マンション」を選択します。「追加検索条件」で地域詳細や最寄り駅・坪単価・専有面積・築年数などの条件を指定することで、売却したい物件と似た条件の物件が、過去にいくらで売却されたかを閲覧できます。なお、登録されている情報は「仲介」の場合の価格です。

なお、レインズ・マーケット・インフォメーションに登録されている情報にかぎりませんが、不動産の取引価格は、不動産が持つ個別的要因(物件の状態や条件)や、取引事情(売主・買主の事情)によっても変動します。また、登録されている情報はあくまでも過去の取引データであるため、必ずしも同水準で買い取ってもらえるとは限らないという点には注意が必要です。 

4-3.不動産一括査定サイト

「今物件を売却した場合にいくらで売れるのか」を知りたい場合に活用したいのが、不動産一括査定サイトです。

不動産一括査定サイトとは、その名のとおり、複数の不動産会社に同時に査定依頼を出せるインターネットサービスを指します。通常、不動産査定を行う場合、買取を行っている不動産会社に1社ずつ問い合わせて対象不動産の査定依頼を行います。

しかし従来の方法では、一度の依頼で1社分の査定結果しか得られず、提示された買取価格が相場なのかを判断しづらかったり、複数社に査定依頼を出すと多くの手間がかかったりしていました。

不動産一括査定サイトの最大のメリットは、複数の不動産会社に査定依頼する場合でも、不動産の情報を入力するのは一度でいい点です。複数社の査定結果をまとめて受け取れるため、価格を比較して買取相場を把握することに大いに役立ちます。不動産一括査定の依頼は無料のため、売却するかどうか検討中という場合でも利用できます。

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4-4.価格天気図

「価格天気図」は、不動産の売買情報のデータベースを提供している東京カンテイが運営するサイトです。毎月月末に、不動産の価格動向を天気図の形で表示しています。

価格天気図上では下記の5つの「天気マーク」が使用されています。

  • 晴:価格は上昇傾向にある
  • 薄日:価格はやや上昇傾向にある
  • 曇:価格は足踏み傾向にある
  • 小雨:価格はやや下落傾向にある
  • 雨:価格は下落傾向にある

不動産の取引価格は一般の方にはあまりなじみがなく、数字だけ見てもわからないというケースも少なくありません。価格天気図では、不動産の価格動向が上がっているのか下がっているのかを、直感的につかむことが可能です。ただし、不動産市場は毎日変動するため、あくまでも参考程度に活用することをおすすめします。

4-5.不動産ポータルサイトの売買ページ

現在売りに出されている物件の価格から、買取価格の相場を推測する方法もあります。売却を依頼された不動産会社は、ポータルサイトに物件情報を登録することで買い手を探すのが一般的です。登録されている売出価格は、不動産会社が査定により算出した価格をベースに設定されているため、同じような条件の物件が現在の不動産市場でいくらになるかを把握できます。掲載されているのは仲介による売却を想定した売り出し価格のため、買取価格はその7割程度になると推測できます。

ただし、不動産ポータルサイトに掲載されている売却金額は、購入希望者から値下げ交渉をされることを想定し、多少価格を上乗せしている場合もあるという点は押さえておきましょう。

5.実際の不動産相場

それでは、実際に中古一戸建てや中古マンションが、いくらくらいで買い取られているかを見ていきましょう。

レインズを運営する不動産流通機構は、毎月レインズに登録・成約報告された情報をもとに、仲介による中古不動産の成約状況に関するレポートを公表しています。

ここでは2022年12月度のデータを「不動産仲介による売却価格の相場」、その7割を「買取価格の相場」とし、首都圏・関西圏・中部圏の3つの地域について解説します。

5-1.中古一戸建ての買取相場

 まずは中古一戸建ての買取相場を見ていきます。首都圏・関西圏・東海圏における、中古一戸建ての買取価格相場は下記の表のとおりです。

【首都圏(1都3県)】

都道府県

買取相場(万円)

土地面積(㎡)

建物面積(㎡)

築年数(年)

東京都

3,974

109.38

104.58

19.69

神奈川県

2,670

141.19

105.38

21.22

千葉県

1,731

188.03

109.95

24.97

埼玉県

1,840

157.87

104.49

23.35

 

【関西圏】

都道府県

買取相場(万円)

土地面積(㎡)

建物面積(㎡)

築年数(年)

大阪府

1,456

98.29

97.95

29.84

京都府

1,548

114.93

94.94

33.72

兵庫県

1,696

161.54

109.84

26.67

滋賀県

1,198

197.04

106.86

32.35

奈良県

1,161

198.78

113.15

30.64

和歌山県

806

230.90

106.33

32.81

 

【東海圏(名古屋圏)】

都道府県

買取相場(万円)

土地面積(㎡)

建物面積(㎡)

築年数(年)

愛知県

1,934

188.66

117.29

23.33

静岡県

1,170

296,04

114.74

26.22

岐阜県

851

227.64

117.68

32.90

三重県

1,184

252.30

129.43

27.91

 

東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県から成る1都3県では、後述する関西圏・東海圏と比較して、築年数の浅いうちに一戸建てを売却した事例が目立ちます。

首都圏における買取時点での築年数が浅い理由として、戸建住宅の法定耐用年数が関係していると考えられます。法定耐用年数とは、国税庁が定める不動産の寿命のことで、固定資産税などの税額を計算する際に用いられるものです。

建物の構造によって異なる年数が定められていますが、日本の一般的な戸建て住宅である「木造住宅」の耐用年数は「22年」とされており、この年数を経過すると「資産価値がないもの」として判断されます(東京主税局「償却資産の評価に用いる耐用年数」別表第1「機械及び装置以外の有形減価償却資産の耐用年数表」参照)。

つまり、建物を売却する時点で戸建住宅の築年数が22年を超えていると、土地の価格のみで売却しなくてはならず、さらに物件の状態や条件によっては低い価格設定にせざるを得なくなるのです。

こうした中、東京都での買取相場が際立って高い理由の1つとして、地域に対する需要の高さが挙げられます。東京都は流行の中心地としての立ち位置が根強く、ほかの地域と比較して生活や交通の利便性が高いことから、中古市場に流通しても買い手がつきやすいのです。

また、隣接する神奈川・千葉・埼玉に関しても、東京へのアクセスの良さから需要が高く、買取価格の相場も高くなる傾向にあると言えます。

関西圏における買取相場は京都府が最も高く、次いで兵庫・大阪の順になっています。のとおり、法定耐用年数である22年を超えた建物に関しては、資産価値がないものとして判断されます。関西圏で売りに出される中古住宅の築年数は30年前後であり、土地の価格のみを考慮して売却されているケースが多いと推察されます。

大阪府と京都府は首都圏同様、多方からの交通アクセスがよく商業施設が多いという点で、ほかの地域と比較して需要が高い地域です。2番目に買取相場の高い兵庫県は、土地1㎡あたりの単価は高くありませんが、土地面積が広いため買取価格も高くなる傾向にあります。

東海圏においては、愛知県の買取相場の高さが目立ちます。愛知県の中で、特に不動産価格を押し上げている地域として、名古屋市と豊田市の存在が挙げられます。

名古屋市は、東の経済の中心である東京・西の経済の中心である大阪を結ぶ都市、豊田市は、自動車業界最大手のトヨタ自動車の本社がある都市です。あらゆる地域からアクセスしやすいため、勤務先としてだけでなく移住先としても人気があります。

一方で、岐阜県は中心地と郊外の開発状況に大きな開きがあることに加え、公共交通機関が他県と比較して整っていない状況にあります。こうした理由から、岐阜県の買取相場は比較的安くなる傾向にあるといえるのです。

 

5-2.中古マンションの買取相場

次に、首都圏・関西圏・東海圏それぞれの中古マンションの買取相場を見ていきましょう。

 

【首都圏(1都3県)】

都道府県

買取相場(万円)

専有面積(㎡)

㎡単価(万円)

築年数(年)

東京都

3,755

57.99

64.76

23.02

神奈川県

2,506

66.27

37.82

23.93

千葉県

1,894

72.73

26.05

25.47

埼玉県

1,850

67.65

27.36

26.28

 

【関西圏】

都道府県

買取相場(万円)

専有面積(㎡)

㎡単価(万円)

築年数(年)

大阪府

2,036

67.13

30.33

25.98

京都府

2,022

65.31

30.97

26.62

兵庫県

1,786

71.51

24.97

26.47

滋賀県

1,455

73.40

19.83

25.16

奈良県

1,090

72.10

15.11

27.11

和歌山県

940

62.56

15.03

23.59

 

【東海圏(名古屋圏)】

都道府県

買取相場(万円)

専有面積(㎡)

㎡単価(万円)

築年数(年)

愛知県

1,612

74,86

22.24

24.42

静岡県

1,343

70.36

19.09

25.09

岐阜県

1,236

71.71

17.23

20.19

三重県

1,278

74.06

17.25

23.53

 

中古一戸建てにおいては、建物の法定耐用年数が22年であることから、築年数22年を境に買取相場に大きな開きがあることは解説したとおりです。

一方で中古マンションにおいては、法定耐用年数は47年とされており、木造住宅と比較して資産価値の減少が緩やかです。築年数が浅い方が買取価格が高くなる、ということはいうまでもありません。

しかし、ライフステージや世帯人数の変化により移住の機会が増える、居住後20~30年程度での売却でも資産価値が残っているということもあり、築年数が浅い段階での売却が目立った首都圏においても、築後30年近くで売却される事例も少なくないのです。

地域への需要の大きさに関しては、中古一戸建て・中古マンションの場合で大きな違いはありません。生活の利便性が高く多方面からのアクセスが可能な、東京都・大阪・京都・名古屋は中古マンションにおいても買取価格が高く、隣接する地域も追随する形になっています。

6.築年数と売却価格の関係

建物には「法定耐用年数」というものが定められており、ゼロになると資産価値がなくなるとお伝えしました。家の築年数と買取相場との間には密接な関係があるため、さらに詳しく解説します。

一戸建てはほかの建物と比較して、資産価値の減少スピードが速いという特徴がありますが、資産価値が0円になるまで一定の速度で減少するわけではありません。

最も価値の減少スピードが速いのは、家が建ってから10年が経過するまでの間で、10年間で家の資産価値は5割程度まで下がります。これは不動産仲介による売却時の価値であり、買取相場はそのまた7割程度まで下がることになります。つまり、新築から10年経った時点で、買取相場は新築時の4割にも満たなくなってしまう計算です。

築10年から15年までもさらに不動産としての資産価値は減少を続け、新築時の3割程度、買取相場においては2割程度になります。資産価値の減少スピードが速いのは築15年までで、そこから築20年まではゆるやかに減少していきます。

そして、築20年を超えると建物の資産価値がほぼ0円になるため、売却の際に価格がつくのは土地部分のみです。建物の状態が良ければ、築20年を超えた一戸建てでも、買い手が見つかる可能性はあるでしょう。しかし、あまりに築年数が経ってしまった建物や、状態の悪い建物に関しては、再販に莫大な費用がかかるという理由で、買取ですら断られてしまう可能性もあります。

 

7.相場よりも高く買い取りしてもらうポイント

築年数の経過とともに資産価値が減少してしまう不動産も、工夫次第では相場より高く買い取ってもらえる可能性があります。その方法は大きく分けて下記の3つです。

  • 複数の不動産会社に査定を依頼する
  • 買取保証を利用する
  • 不動産買取(を利用)した方のクチコミやブログを見る

1つずつ詳しく解説します。

 

7-1.複数の不動産会社に査定を依頼する

家を買い取ってもらう不動産会社を決める際には、必ず複数の不動産会社に査定依頼を出すようにしましょう。1社のみの査定では、提示された買取価格が高いのか安いのか判断できないためです。

不動産会社は、周辺の不動産の買取相場や自社の過去の取引実績、国が公表している成約データ・土地の価格などを参考にして、可能なかぎり正確に物件価格を算出しようとします。しかし、それでも不動産会社ごとに査定基準が少しずつ異なるため、査定を行う会社によって、買取価格にバラつきが出ます。 

不動産の買取査定において、物件の築年数や状態・地域によって価格が変動することは、すでに解説したとおりですが、相場よりも高い価格をつける不動産会社を見つけることはさほど難しくありません。できるだけ多くの不動産会社にあたり、納得のいく価格をつけてくれる会社を探しましょう。

 

7-2.買取保証を利用する

所有する不動産をすぐに売却しなければならない事情が内容であれば、即時買取ではなく買取保証の利用をおすすめします。即時買取の場合は、不動産会社の物件再販にかかる費用などが加味されるため、市場相場に近い価格で買い取ってもらうことは非常に困難です。

買取保証を利用すれば、一定期間は仲介で売却できる買主を探せるため、市場相場で売却できる可能性が高まります。

築年数や立地などが理由に売りにくい物件であっても、期間を決めて集中的に販売活動を行えば、買主が見つかるケースも少なくないため、積極的に活用しましょう。

7-3.不動産買取を利用した方のクチコミやブログを見る

不動産売買は一生のうちに何度も行うことではなく、周りに相談者がいないと不安に感じたり迷ったりするのは、ごく自然なことです。

インターネットで検索すると、実際に不動産買取を利用した方の体験談が多くヒットします。買取がどのように進むのか、高額買取のためにどのような工夫をしたかだけでなく、不動産会社の比較を行っているブログなどもあるため不動産買取の全体像をつかむのに役立ちます。

自分と同じ悩みを持っている方がいることを知るだけでも安心感につながります。不動産の買取のさまざまなエピソードを自分に照らし合わせることで、高く買い取ってもらうためにできる工夫が見えてきます。

 

8.不動産買取に向いている物件の特徴

売却金額で損をしないためには、可能なかぎり仲介による不動産売却の利用をおすすめします。しかし、売却を検討している方の事情や、不動産の状態・条件によっては不動産買取を利用したほうがいい場合もあります。

不動産買取を利用したほうがいいケースは大きく分けて3つあります。

  • 周辺に不動産売買を知られたくない方
  • 旧耐震基準の不動産を売却したい方
  • 事故物件や瑕疵責任を手放したい方(瑕疵責任→契約不適合責任)

売却金額が低くなってしまうのが難点の不動産買取ではありますが、いずれかの条件に当てはまるようであれば、不動産買取のメリットを感じられるでしょう。具体的にどのようなケースが当てはまるのか、1つずつ解説します。

 

8-1.周辺に不動産売買を知られたくない方

不動産買取は、近隣住人や知り合いに不動産売却を悟られたくない方におすすめです。通常の仲介による不動産売却の場合、不動産会社が何度も現地に足を運んだり、購入検討者が見学に来たりと、物件への人の出入りが激しくなります。さらに、買い手を探すためにインターネット上に物件情報を掲載したり広告を売ったりすることで、多くの人の目に留まることになります。

対して不動産買取の場合は、査定時に1~2回担当者が訪問する程度で、それ以外の人の出入りはありません。インターネットへの広告掲載も行わないため、周囲に物件を売却するということを知られるリスクが低くなるのです。

 

8-2.旧耐震基準の不動産を売却したい方

1981年5月31日までに建てられた「旧耐震基準」の物件は、仲介ではなかなか買い手が見つからないため、不動産買取を利用するとスムーズに売却できます。

 地震や台風といった自然災害の多い日本においては、新しい家を選ぶ基準に「耐震性」を上げる方が多くいます。その際に基準となるのが「旧耐震基準」と「新耐震基準」です。

旧耐震基準は、建築基準法が改正された1981年6月1日より前に、建物が満たすべき条件として定められていた耐震性の基準です。そして、阪神淡路大震災による住宅への甚大な被害を受け、さらに厳しい基準として設けられたのが、現在の住宅に適用されている「新耐震基準」です。

 旧耐震基準の住宅であっても、新耐震基準に相当する耐震性を有した住宅も存在します。しかし、築年数が古いことによる耐久性への不安だけでなく、旧耐震基準の物件では住宅ローンの審査にもなかなか通りません。

こうした理由から、仲介で買い手を見つけることは容易ではないため、買取での売却が向いているといえるのです。

 

8-3.事故物件や契約不適合責任を手放したい方

事故物件や、瑕疵(欠陥)がある可能性のある物件を売却したい場合にも、買取を利用することをおすすめします。賃貸市場で嫌煙されることの多い事故物件は、売買においても処分に困るケースは少なくありません。

それに加えて、中古物件を売却する際に売主が危惧する「契約不適合責任」が、買取においては免除されるという点は着目すべきポイントです。仲介での売却では、引き渡し後の物件に瑕疵が見つかった場合、売主は買主に対して、売買金額の減額や損害賠償の支払いなどの責任が生じる可能性があります。それに対して買取を利用した場合には、それらのリスクを不動産会社が肩代わりするため、売主への責任や負担が軽くなるのです。

 事故物件や瑕疵のある物件は、たとえ仲介で売却できたとしても、引き渡し後にトラブルになる可能性も否定できないため、不動産買取を利用した売却がおすすめです。

 

不動産一括査定は「おうちクラベル」

不動産買取の価格の相場は、一般的な仲介による相場の7割程度と言われていますが、築年数や物件の状態、地域の需要によっては、7割に満たない価格を提示されることも少なくありません。

一方で、査定する不動産会社によって買取価格の算出基準が異なるため、相場よりも高く買い取ってくれる不動産会社が見つかるケースもあります。査定依頼するのが1社のみでは損をしてしまう可能性もあるため、できるだけ多くの不動産会社を比較することが重要です。

「おうちクラベル」は、誰でも利用できる不動産一括査定サイトです。物件の情報を入力するだけで、物件に合った不動産買取会社を複数提案してもらえます。自分でいくつものホームページにアクセスしたり、不動産会社を1件1件回ったりする必要がなく、家にいながら買取価格の相場を把握するのに役立ちます。

仲介会社と買取会社のどちらへの査定依頼が可能なため、不動産を売却するか迷っている方や、どちらの方法にするか決めかねている方にもおすすめです。

「おうちクラベル」を上手に活用し、賢く不動産を売却しましょう。

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