家の価値を自分で調べるには?評価額の種類や具体的なリサーチ方法を解説

住み替えで自宅の売却を考えているときや相続した家を売却したいときは、まず家の価値を調べる必要があります。

家の価値は不動産会社に査定を依頼して調べるのが一般的ですが、自分で調べることも可能です。

査定を依頼する前に家の相場を知っておけば、査定結果を正しく判断できるようになるメリットがあります。

そのために家の価値に影響する要素やリサーチ方法を把握しておきましょう。

本記事ではまず家の評価額や価値の調べ方を紹介します。

自分で調べる方法から知りたい方は「家の価値を自分で調べておいたほうがよい理由」をご覧ください。

目次

1.家の価値を調べる際に関係する評価額の種類

不動産はそれぞれ別の特徴を持っているため定価がありません。

そのため実際に販売された物件の価格や公的機関の評価額を参考にして、家の価値を算出しています。

まずは、価値を調べる際に参照する「実勢価格」「公示地価」「基準地価」「相続税路線価」「固定資産税評価額」の5つの評価額について紹介します。

1-1.市場の価値である「実勢価格」

実勢価格は、買い手と売り手が実際に取引した価格のことです。

「時価」や「市場価格」とも呼ばれ、立地や土地に面した道路などさまざまな条件を加味して決められます。

また、不動産の価値は次のような鑑定方法を使って評価しています。

  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

実勢価格がいくらかを調べたい場合は、レインズや土地総合情報システムなどで条件が似ている過去の実勢価格を参考にすれば、これから売る土地の売却価格の参考になるでしょう。

それぞれの鑑定方法や実勢価格の調べ方については、のちほど詳しくお伝えしていきます。

1-2.国が調査する「公示地価」

公示地価は国土交通省が発表している評価額で、毎年1月1日時点の価格を3月に公表しています。

土地の査定や鑑定をする際の基準になり、相続税や固定資産税を算出する際にも利用されているのが公示地価です。

全国で標準地として選ばれた約2万6,000箇所の物件を、不動産鑑定士が鑑定します。その結果を国土交通省の土地鑑定委員が審査して評価額を決定しています。

標準地は一定の基準をもとに選ばれ、毎年規準を満たしているかを点検しています。規準に合わない土地は選定替えしていますが、入れ替えはあまり多くありません。

そのため毎年の地価の変動を把握しやすく、土地売買や資産評価の目安として活用されています。

公示地価は、土地総合情報システムの「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」を利用して調べることが可能です。

1-3.都道府県が調査する「基準地価」

基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の土地の価格を調査したもので「都道府県調査地価」とも呼ばれています。

公示地価と評価方法や内容は似ていますが、公示地価は国土交通省の土地鑑定委員会が審査して評価を決定し、もう一方の基準地価は不動産鑑定士の評価で決定しています。

また調査の対象となる地点にも違いがあり、公示地価は都市計画区内が対象になるのに対して、基準地価は都市計画区域外の地域も対象となるのが特徴です。

公示地価と基準地価は公表の時期が違うので、その年の地価の動向を把握するためにも利用されています。

1-4.相続税路線価

相続税路線価は、相続税や贈与税を算出するために国税庁が公表している評価額です。

毎年1月1日を基準とし、公示地価の8割程度が水準となっています。

路線価を調べたい場合は国税庁のサイトから調べられ、路線価に土地の面積をかけるとおよその評価額が計算できます。

けれども調べたい土地が道路に接していない場合や複数の道路に面している場合は、単純に計算することが難しいため不動産鑑定士や不動産会社に調査を依頼するのがおすすめです。

相続税路線価は家を売却するときに利用するというよりは、家を譲り受けたときに相続税や贈与税の税額を計算するために利用する価額といえるでしょう。

1-5.固定資産税評価額

固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税などの税金を計算するための基準となる評価額です。

総務省の定めた「固定資産評価基準」をもとにして市区町村が決定するもので、公示地価の7割を目安に決定されます。

固定資産税評価額を自分で確認したい場合は、固定資産税の納税通知書に添付されている課税明細書で確認できるほか、市区町村の役所で固定資産課税台帳の閲覧が可能です。

2.調べた評価額=売却価格ではないのはなぜ?

公示地価などの評価額は土地の価値を知るための目安となっているため、売却価格も評価額を参考にして算出されます。

しかし実際に売却する価格は必ずしも評価額と同じではなく、評価額より下がることもあるのです。

なぜ売却価格は公的機関が算出した評価額と同価格にならないのでしょうか。ここでは、その理由を紹介します。

2-1.目的が異なるから

公示地価や固定資産税評価額などは、公共事業用地を取得する際や税額を算出する際に妥当性を図る目的があります。

家の売却価格は商品としての価値で価格が決定するため、評価額と関係はあるものの別の価格といえるのです。

また、公示地価などの評価額は国や地方自治体が基準地や標準地に指定した家または道路をもとに価値を決めています。

これに対して売却価格は、周辺環境や建物の状態など家ごとに調査して決定するため調べた評価額と違う価格になるのです。

2-2.内外装や設備の状態が反映されていないから

実際の不動産売買では、家の内装や設備の状態も売却価格に影響します。

けれども評価額は標準地や基準地の評価額をもとに大まかな相場を知るための価格なため、家ごとの状態については反映されません。

例えば床の傷み具合や屋根の状態など、家の劣化度合いによっても価格は上下します。

また地域によって求められる家の条件も変わるため、ニーズがあれば評価額より価値が上がる可能性もあるのです。

2-3.市場のニーズが反映されていない

評価額は家のある位置や周囲の道路をもとに価値を算出しています。

それに対して売却価格では、周辺の地域でどのような物件が求められているかといったニーズも価格に反映されます。

例えば家のある地域で物件を探している人に家族連れが多い場合と単身のサラリーマンが多い場合では、求められる物件は違うでしょう。

ニーズは評価額には反映されないため、条件が合う物件は評価額より高く売却できる可能性があります。

けれども地域によっては買主が少ない場合もあり、評価額より売却価格が下がる可能性もあるので注意が必要です。

2-4.不動産会社による違いが反映されていない

売却価格は自由に設定できるのが基本です。売却を依頼する不動産会社ごとに、営業スキルや得意な物件の種類などが異なります。

中々売れずに希望より売出価格を下げることもありますが、不動産会社の得意な種類の物件の場合高い価格で買主が見つかるかもしれません。

評価額は売却価格を決める要素になりますが、実際には評価額と違う売却価格になる可能性が高いのです。

3.家の価値を調べる際に活用される3つの手法

家の価格を詳しく調べるためには、不動産会社や鑑定士に査定を依頼する必要があります。家の査定は国土交通省の定める3つの鑑定方法で査定されています。

物件の種類によって用いられる鑑定方法に違いがあり、鑑定方法によって査定金額が変わることも少なくありません。

ここでは不動産会社や鑑定士から提示された査定結果がどのように査定されたかを理解するために、土地の価値を鑑定する際に使われる3つの方法を紹介します。

3-1.取引事例比較法

取引事例比較法は調べたい物件と似た条件の取引事例と比べて価値を調べる方法で、市場性を重視した査定の手法です。

国土交通省では、取引事例比較法を次のように定義しています。

  • まず多くの事例を集めて適切な事例を選択する
  • 必要に応じて事情補正や時点修正を行う
  • 地域要因と個別的要因を比較する
  • これらを比較考慮して価格を求める

取引事例比較法は、主に土地や区分マンションの価格を求める際に利用されます。

建物の価値を調べることも可能ではありますが、建物は構造や築年数など比較項目が多岐にわたるため、取引事例比較法を用いずに調べるのが一般的です。

3-2.収益還元法

収益還元法には「直接還元法」と「DCF法」があり、調べたい物件が将来的に生み出す収益をもとに評価する手法です。

不動産の稼ぐ力を測定できるため、アパートや賃貸マンションなど収益物件を査定する際に利用されています。

直接還元法は一定期間の純利益を還元利回りで割る方法で、最も多く用いられています。収益還元法で価値を調べる計算式は次のようになります。

不動産の資産価値=1年間の利益÷還元利回り

もう一方のDCF法は、不動産から将来的に生み出される利益を現在の価値へ換算する方法です。

計算式は次のようになります。

不動産の資産価値=年間の純利益の現在価値+将来の売却価格の現在価値

不動産の性質や算出の目的によって使用する方法が異なります。

3-3.原価法

原価法は家の建物を査定する方法で、原価法で計算された価格が「積算価格」です。

調べたい建物を今建てた場合にかかる費用を「新価」または「再調達価格」といい、新価から経年劣化した分を指し引いた価格を「時価」といいます。

積算価格の計算式は次のとおりです。

積算価格=新価(再調達価格)×延床面積×残存年数÷耐用年数

残存年数の計算には耐用年数が用いられ、耐用年数は構造ごとに次のように定められています。

構造

法定耐用年数

軽量鉄骨プレハブ造(厚さ3mm以下)

19年

木造

22年

軽量鉄骨プレハブ造(厚さ3mm超え4mm以下)

27年

重量鉄骨造(厚さ4mm超えたもの)

34年

鉄筋コンクリート造

47年

参照:国土交通省「おもな減価償却資産の耐用年数表

例えば築10年、面積110㎡の木造住宅で、再調達価格が1㎡あたり200,000円だった場合は次のような計算になります。

200,000円×110㎡×(耐用年数22年-築年数10年)÷耐用年数22年=積算価格12,000,000円

原価法で計算した後は、規模や需要などの要素を加味して価格補正が必要です。

4.家の価値を自分で調べておいたほうがよい理由

家を売却をする際には不動産会社で査定を依頼することになりますが、あらかじめ自分でも家の価値を調べておくのがおすすめです。

家の相場を知っておくと、査定結果が妥当なものか判断できるだけでなく、値引きを考慮した価格設定ができるなどのメリットがあります。

ここでは家の価値を自分で調べておいたほうがよい理由について紹介します。

4-1.相場価格より安値で売却することを避けるため

自分で家の価値を調べておくと、査定を依頼した不動産会社の提示した価格が適正かを判断することが可能です。

査定金額は不動産会社の売却力などによっても異なるため、自分で調べた価格と比較して提示された査定価格が安ければ、価格についてしっかりと話し合うことも必要になります。

自分で調べず不動産会社に任せたままにしてしまうと相場以下の売却になる可能性もあるので、自分で価値を把握しておくことが大切です。

家の価値を調べる方法は複数あり、いくつかを併用して調べておくと自信を持って不動産会社に依頼できるでしょう。

調べ方の詳細については後ほど詳しく紹介します。

4-2.値引きも考慮した価格設定をするため

売却活動では、購入希望者から値引きを交渉されることも多くあります。

値下げ交渉に応じれば売却しやすくなりますが、事前に相場を把握せずに値引きにしてしまうと相場より低い価格で売却することになるかもしれません。

値引き分を考慮して相場より少し高めの売出価格を設定しておけば、値引きに応じたとしても相場を下回ることを避けられます。

もし値引き交渉がされなかった場合でも希望した価格で売却できるメリットもあります。

4-3.不動産会社の信頼性を確認するため

希望する価格で家を売却するには不動産会社選びが重要です。不動産会社は、売買が成立すると仲介手数料を得られるしくみになっています。そのため、契約につなげるために高値で査定している場合もあるのです。

もし相場を把握していなければ、査定価格が高いことに疑いをもたずに専任媒介契約をしてしまうかもしれません。

買主を見つけることは簡単ではないため、売却活動が長引くと最後には相場より低い価格で売却しなくてはならない可能性もあります。

信頼できる会社かどうか確認するためにも、自分で家の価値を調べておきましょう。

5.家の価値を調べる前に!価値が下がりにくい家の特徴

購入する方が求める条件に合致する特徴があれば、価値が下がりにくくなる傾向があります。

家の価値を調べる前にどんな家が価格が下がりにくいのかを把握して自分の家が特徴に合っているか確認しておくと、査定価格を正しく判断できます。

価値が下がりにくい家の特徴は次のとおりです。

5-1.人気の地域に建っている

価値が下がりにくい家の特徴の1つに、建っている地域の利便性が挙げられます。

都市部の物件や駅に近い物件は通勤や通学がしやすくなり、物件を探している方が多くなります。

次の表は、首都圏の物件で駅からの距離で売却価格の相場がどれくらい違いがあるのかをまとめたものです。

 

価格(万円)

㎡単価

専有面積(㎡)

徒歩10分以内

4,182

66.21

63.31

徒歩11~20分以内

3,004

43.02

69.96

徒歩21分以上

1,989

28.16

70.64

参照:「レインズ年報マーケットウォッチ(2020年)」

駅から約10分以内の駅近の物件は専有面積が小さくても高値で売却され、駅から遠い物件は広くても価格が安くなっています。

このように人気の立地にある物件の場合は、価値が下がりづらくなるのです。

5-2.適切に手入れされている

不動産の価値は、築年数が増えるにつれ低下してしまいます。長く住んでいる家の老朽化は避けられませんが、適切な手入れをすることで価値の下落を緩やかにすることが可能です。

また日々の手入れやリフォーム次第では、築年数や条件が似ているほかの物件と差別化を図ることができるため、ほかの物件より高く売却できることもあります。

査定前に老朽化の具合をチェックしておきたい場合には、ホームインスペクションといわれる住宅診断サービスを活用するのもおすすめです。

5-3.希少性が高い

家の価値には希少性も影響します。同じような条件の物件が多数あれば安い物件を選ぶのが一般的です。反対にあまり見つからない希少性の高い物件ならば、多少高くても購入したいと考えるでしょう。

そのため同時期に建てた家が周囲に多ければ、似たような築年数や状態で売りに出されてる可能性もあり価値が下がってしまうのです。

また、周囲に土地が余っている場合も土地が手に入りやすくなるため、希少性が低くなります。

ほかにも家のある位置も価値に影響するポイントになります。角地の家や角部屋、最上階のマンションも物件数が限られるため希少性が評価され価値が下がりにくくなります。

6.家の価値を調べる際に知っておきたい相場を左右する要素

査定では公示地価などの評価額を参考にした価格以外に、物件ごとに評価される要素もあります。

戸建て物件の場合は建物も価格に影響するため、築年数が少ない物件ほど価値が高くなる傾向があります。

また人口が増えている地域は家の需要が高くなるため価値が高くなるでしょう。築年数と周囲の人口動態が相場に与える影響を把握しておくことも、適正な価格を見極めるために必要です。

6-1.築年数

不動産は、築年数が増えると家の価値が下がってしまいます。国土交通省の発表によると木造の戸建住宅の価値は築後10年で約半分に下がり、築25年を過ぎると10%程度まで大きく下落しています。

鉄筋コンクリート造のマンションは耐用年数が長いため、木造の戸建て住宅に比べて下落率が低くなっているのが特徴です。

いずれの場合でも築年数が家の価値に与える影響は大きいため、売却は少しでも築年数が浅いうちに行うほうが有利になるでしょう。

参照:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」

6-2.地域の人口動態

住みたい方が多い地域は家の価格も上がります。家のある地域の人口が増えているかを確認すると、需要がある地域かを判断することが可能です。

総務省の人口動態に関する発表によると、2017年を基準として2018~2022年のすべての年で自然増減によって人口が増加しているのは東京・神奈川・沖縄のみとなっています。

出生率の低下により、自然増減率は今後も低下し続けると予想されています。人口減少が顕著な地域は、今後家の需要も減ると考えられるでしょう。

また住民の転入数と転出数の差を表す社会増減率を見ると、次の11の地域で前年より人口が増えています。

  • 神奈川
  • 埼玉
  • 千葉
  • 福岡
  • 東京
  • 大阪
  • 山梨
  • 茨城
  • 沖縄
  • 滋賀
  • 宮城

このように都市部や都市部周辺の地域では家の需要が増していますが、人口が減少する地域では今後不動産の価値が下落する恐れがあります。

参照:総務省統計局住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(2022年4年1月1日現在)

7.自分で家の価値を調べる方法

家の価値について理解した後は、実際に自分で家の価値を調べましょう。不動産会社が査定に活用しているデータの中には、一般の方も利用できるものがあります。

ここでは「土地総合情報システム」や「レインズマーケットインフォメーション」など、家の価値を調べる代表的な方法について紹介します。

7-1.土地総合情報システムを利用する

「土地総合情報システム」は国土交通省が運営するサイトです。国土交通省が公示地価を算出するために実際に売買した当事者へ行ったアンケートをもとに作成されたデータが使われています。

任意で回答するアンケートのため同じように価値を調べられるサイトのレインズよりも情報量が少なく、若干データが見にくい点がデメリットに感じられるかもしれません。

けれども、レインズにはない土地の相場だけを調べる機能があります。

調査する場所によっては参考にする取引事例が少ないこともあり、価格にバラつきが出ることがあります。ほかの情報も参考にして価値を判断するようにしてください。

7-2.レインズマーケットインフォメーションを利用する

「レインズマーケットインフォメーション」は、国土交通省大臣指定の不動産流通機構が運営・管理しているサイトです。

売買される物件は、不動産会社を通じて「レインズ」というシステムに登録されます。

レインズは一般の方の利用はできませんが、登録された情報を閲覧するためのレインズマーケットインフォメーションでは一般の方の閲覧も可能です。

マンションと戸建ての両方の価格が調べられ、売出価格ではなく実際に売買が成約した価格を掲載しているため、家の価値を知るとき参考にしやすくなっています。

閲覧できる内容はレインズと同じではありませんが、情報量はかなり多く信頼性も高いのが特長です。

地域や間取り、築年数などのさまざまな項目で絞り込んで検索できるため、調べたい物件に近い物件情報を参考にできるのがメリットです。

7-3.不動産ポータルサイトを利用する

不動産の価値を調べるには、不動産ポータルサイトを利用する方法も有効です。不動産ポータルサイトは不動産会社が物件情報を公開しているサイトで、売り出し中の家の相場を参考にできます。

写真が多く閲覧性が高いため、物件を細かく確認できるのがメリットです。

不動産ポータルサイトで公開されている価格はあくまでも売出価格のため、実際にいくらで売却されるかは調べられません。

これから売出価格を決める際の参考程度に活用するのがよいでしょう。

8.不動産会社に依頼するなら不動産一括査定サイトがおすすめ

家を売却する場合、自分で家の価値を調べることに加えて不動産会社に査定を依頼しなくてはなりません。

複数の不動産会社に1件1件査定を依頼するのは手間や時間がかかるため、不動産一括査定サイトを利用すると効率化を図れます。

不動産一括査定サイトは、複数の不動産会社に査定を依頼できるサービスです。申し込みした情報をもとにマッチングを行い、条件にあった複数の不動産会社から査定結果が届きます。

サービスによって違いがありますが、大手不動産会社から地域に強い中小の不動産会社まで登録されているため、比較して適正価格を把握しやすいのがメリットです。

売却活動を依頼する会社が決まり売買契約を締結するまでは、仲介手数料の支払いも発生しないため安心です。

複数の不動産会社の査定を比較して売却を依頼する会社を決めたいという場合には、個別に査定を依頼する必要がなく売却活動に有効な方法といえるでしょう。

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自分で家の価値を調べている間に不動産会社の査定も進めて、効率よく家の価値を調べましょう。

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9.不動産鑑定士へ依頼したほうがよいケースもある

家の価格を調べてもらう場合は、不動産会社へ査定を依頼するか不動産鑑定士に鑑定を依頼します。

鑑定士が算出する価格は「不動産鑑定評価額」といわれ、裁判所や税務署など公的な書類に記載するときに必要になります。

不動産会社を通さない個人間の売買は、鑑定士に依頼したほうがいいケースです。

親子や兄弟など親族間で相場より極端に低い価格で売却すると、贈与税の課税対象となる場合があります。また高値で売却すればトラブルの原因になるかもしれません。

このほかに相続財産を分割する場合も問題が起きれば調停が必要になることがあるので、鑑定士に依頼して鑑定評価書を作成しておくと安心できます。

まず家の価値を知りたいというときには、不動産会社で無料で査定するのがおすすめです。

けれども公的に有効な価格を知る必要がある場合には、鑑定士に有料で鑑定を依頼するようにしましょう。

家の価値を調べる目的に合わせて、不動産会社と鑑定士のどちらに査定を依頼するかを検討することが大切です。

10.不動産会社に依頼して家を売却する流れ

不動産会社の査定結果を比べて依頼する会社が絞れたら、売却へ向けて動きだします。

順調に売却を進めるためには、売却までの流れを把握しておくことも大切です。

売却は次のような流れで進められます。

  1. 不動産会社へ売却を相談する
  2. 媒介契約を締結する
  3. 販売活動を行う
  4. 売買契約を締結する
  5. 家を引き渡し、決済を行う
  6. 確定申告を行う

不動産会社と媒介契約を結び売却活動を開始しても、すぐに買主が見つからない場合が多いです。

売却するまでの期間は半年以上かかると考えておくと、焦らずに納得できる価格で売却しやすくなります。

11.家の価値を調べて売却する際の注意点

不動産を売却する経験は何度もあるものではないでしょう。よくわからないまま売却を進めてしまうと、予想外のトラブルに遭うことがあります。

はじめての不動産売却をスムーズに進めるためには、いくつかのポイントに注意することが大切です。

ここでは、売却時の注意点を3つ紹介しますので売却時の参考にしてください。

11-1.机上査定は参考程度にする

不動産の価値を調べるための査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は調べる物件を訪問せずに行う査定で、大まかな価格を算出するため「簡易査定」とも呼ばれています。

訪問せずに条件の似ている物件の過去の売却価格や市場の状況から価格を算出するため、短時間で査定価格が調べられるのがメリットです。

机上査定に対して訪問査定では、実際に物件を訪れ細かく状態を確認します。

そのため精度が高いのがメリットですが、査定には1週間〜10日程度の時間がかかります。

シミュレーターや不動産会社が行う机上査定は、あくまでも「3ヶ月以内に売れると想定された金額」です。

個別の条件も反映されていないため、さらに訪問査定も行えば精度の高い査定価格を把握できます。

11-2.家を売却する際の費用を把握しておく

家を売却すると売却代金を得られますがそれまでに支払いが必要な費用もあるため、あらかじめ把握しておく必要があります。

売却にかかる費用は、一般的に売却価格の5~7%ほど必要です。例えば2,500万円で家を売却した場合、手数料は125〜175万円程度になります。

仲介手数料は費用の多くを占め、一般的に売買契約時に50%を支払い、引き渡し時に残りの50%を支払います。

買主が早く決まった場合に慌てずにすむように、あらかじめ費用の準備をしておきましょう。

費用項目

費用の目安

仲介手数料

(売却額×3%)+6万円+消費税

印紙税

1,000~60,000円程度

抵当権抹消費用

5,000~20,000万円※司法書士へ依頼した場合

譲渡所得税・住民税・復興特別所得税

所有期間5年以下:39.63%

所有期間5年超:20.315%

上記に加え、物件によっては解体費用や引越し費用、ハウスクリーニング費用などが必要になる場合があります。

11-3.家の瑕疵を把握しておく

不動産会社や売主は買主に家の状態を正確に伝える義務が発生します。売却する家の傷や欠陥などの瑕疵(かし)を契約書に記載していない場合は「契約不適合責任」に問われる可能性があります。

代表的な瑕疵には雨漏りや施工不良、シロアリ被害などがあり、契約不適合責任に問われれば次のような対応を請求されます。

  • 契約の解除
  • 契約内容の追完(目的物の修補、代替物の引渡し、不足分の引渡し)
  • 減額請求
  • 損害賠償

あとからトラブルが起きないように、家の不具合を把握してきちんと買主に説明することが大切です。

12.家を相場以上で売却するためのポイント

家の相場価格は評価額やさまざまな販売物件を参考にした価格のため、相場以上で売ることは簡単ではありません。

しかし売却する時期や物件への信頼感を高める工夫をすれば、相場以上の価格で売却できる可能性もあります。

ここで紹介する3つのポイントを参考にして、より有利に売却を進めてください。

12-1.需要が増加する時期に売却する

家の需要が多くなる時期を狙って売却すると、相場以上で売却できる可能性が高くなります。

転勤で新しい住まいを考えたり子どもの進学で住み替えが増えたりする2月や3月は、年間で最も不動産の需要が高まる時期です。

この時期に家を売却するためには、12月か1月には査定など売却に向けた行動を開始するのがいいでしょう。

3月を過ぎると家の需要は下がってしまいます。需要の少ない時期に売却を検討している場合は、次の2月か3月まで待って売却するほうが高く売却できる可能性があります。

売り時を逃さないために計画的に準備を進めることが大切です。

12-2.ホームインスペクションや瑕疵担保保険を検討する

「ホームインスペクション」を行った物件や「瑕疵担保保険」に加入している物件は、安心感があるため買主に注目を集めやすくなります。

ホームインスペクションは住宅診断のことです。診断には5~6万円ほどの費用が必要ですが、住宅診断士が建物の構造や外壁などに不具合がないかを総合的に診断するため後からトラブルが発生するのを避けられます。

また「瑕疵担保保険」は、売却後に建物の構造上主要な部分に瑕疵が発見された際に補修費用などが保障されます。

保険料は保険会社や加入期間、建物の規模などにより異なりますが、7~14万円程度が必要です。

家の安心感を高めて条件の似ている物件と差別化を図れば、相場より高値での売却を期待できるでしょう。

12-3.不動産会社を比較検討する

不動産会社はそれぞれ得意な地域や物件の種類があるため、売却したい物件に合った不動産会社を見つけられると高く売却できるかもしれません。

物件に合う不動産会社を見つけるには査定価格だけで比較せず、その査定価格になった根拠を確認したり売却実績や担当者のスキルを確認したりすることも必要です。

1つの不動産会社の査定結果だけで会社を見極めるのは難しく、複数の会社に査定を依頼して比較検討したうえで媒介契約を締結することをおすすめします。

複数の会社に査定を依頼するときには、不動産一括査定サイトを利用すると効率よく査定ができるでしょう。

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13.家の価値を調べると売却を有利に進められる

家の価値は実勢価格や公示地価などの評価額をもとに算出されています。家の価値は不動産会社や不動産鑑定士に依頼すると確認できますが、自分で大まかな相場を調べることも可能です。

相場を調べずに売却活動を進めてしまうと、基準が分からず安く売却してしまう可能性もあります。

あらかじめ不動産の価値を調べる方法や売却の注意点を把握して、売却を有利に進めてください。

また、多くの不動産会社から査定を依頼する会社を見つけるのは手間がかかるため、不動産一括査定サイトを利用すると効率よく価値を調べられます。

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