中古住宅を売却する際には、不動産会社と媒介契約を締結し買い手を見付けて不動産売買契約を締結する方法が一般的ですが、中には買取という方法もあります。
買取は物件価格が低くなるケースが多いと聞いて、敬遠している人もいるのではないでしょうか。
この記事では中古住宅の買取の仕組みや、少しでも高値で買い取ってもらうコツについて解説します。中古住宅の買取システムを知り、所有している不動産にとって適切な売却方法を選ぶ参考にしてください。
1.中古住宅買取のシステム
中古住宅の買取とは、不動産買取会社がその中古住宅の売り主から直接物件を買い取る方法をいいます。
一般的に中古住宅を売却する際には仲介という方法がよく使われます。そして、仲介とは不動産会社が売り主と買い主との間に立って不動産売買の取引を成立させることをいいます。
つまり、仲介の場合の買い主は第三者ですが、買取の場合は不動産買取会社になり、売却する相手が異なる点が特徴です。
ここからは不動産の買取システムについて、戸建ての場合とマンションの場合で分けて紹介します。
1-1.中古戸建ての場合
中古戸建ての場合、まず建物を解体して更地にし土地のまま販売する方法(販売宅地)と、新たに建物を新築し建売住宅として販売する方法、既存の中古戸建てをリフォームして売り出す方法があります。
古くて大きな中古戸建ての場合は、更地にしたところで需要が見込めないケースもあります。その場合は土地を分割し何軒かの新築建売住宅にするのが一般的です。
借地権付きの戸建ての場合であれば、土地部分を不動産会社が購入し、戸建てに住んでいる人には立ち退き料を払って立ち退いてもらいます。その後、建物を解体して更地にし、建物を新築し、建売住宅として販売します。
築年数がそこまで経っていない戸建てなら、リフォームを行うことで有効活用を行います。最近のリフォームでは建物検査によって傷んでいる箇所を把握し、修繕して販売します。
また、雨漏りやシロアリの被害のほか、建物の主要な部分の腐食や給排水管の故障などは、販売した不動産会社が引渡しから2年間責任を取る必要があるため、丁寧なリフォームを行います。
この点からも、買い主は安心して購入できるというメリットがあります。
1-2.中古マンションの場合
中古マンションのほとんどは鉄筋コンクリート構造になっているため、室内の設備(キッチンや浴室、トイレ、床、壁、洗面所など)については、ほとんどすべてを取り除いて新しいものに入れ替えられます。
この方法をフルリノベーションといい、最近取り入れられているリフォーム方法です。ただ、中にはそこまでのリフォームは必要ない物件もあります。その場合は必要な箇所のみリフォームを行い、販売することになります。
また、収益物件の場合は、その物件に住んでいる人がいるため、リフォームができません。
そのため、その物件がファミリー向けであれば入居者が退去した後に居住用として売却する方法があります。一般的に居住用物件のほうが高く売れることからも、リフォームを施して販売するケースが多くみられます。
2.中古住宅を買取にするメリット
では、中古住宅を買取にするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なメリットとして、素早く現金化できることや、第三者に売却するのではないことから内見の必要がなく立ち会いも不要なことなどが挙げられます。以下で詳しく見ていきましょう。
2-1.素早く現金化できる
仲介の場合、第三者がその物件を購入するため、購入する人が見つからなければ売却できません。
売却活動を開始したからといってすぐに購入希望者が見つかるというのは非常にまれで、通常であれば3~6ヶ月の期間を考えておく必要があります。需要によっては1年経っても購入希望者が見つからないこともあり得ます。
その点、 買取であれば不動産買取会社が買い主になりますので、すぐに売却手続きに入れます。
売却価格や条件に合意できれば不動産売買契約を締結し、決済後引渡しという流れになりますので、仲介と比べると格段に早く現金化できる点が特徴です。
すぐに売却したいと考えている人や、すぐにまとまった資金が欲しいという人におすすめの取引方法です。
2-2.内見などに立ち会う必要がない
仲介だと購入希望者が実際に物件を見学にくるケースがほとんどです。購入者としても実際に物件を見て最終的に購入するかどうかを決めたいと思うからです。
実際に物件を見学にくることを内見といいますが、内見の際には家の中をきれいに片付けることはもちろん、購入希望者が内見にくる日に立ち会う必要があります。
内見を希望されるとその準備と対応に手間や時間が取られるため、できれば避けたいと思う人もいます。
一方、買取だと不動産会社が査定の目的で訪問するだけですので、余計な気を遣うこともありません。また毎週末内見の対応に追われるといったこともありません。
2-3.固定資産税などの支払いがいらなくなる
不動産を所有しているかぎり、固定資産税および都市計画税を負担しなければなりません。
しかし不動産会社に買い取ってもらうことで所有権は不動産会社に移ることになり、その後の固定資産税および都市計画税の負担は不要になります。
立地条件や土地の広さなどによっては固定資産税および都市計画税が高額で負担に感じている人もいるのではないでしょうか。
買い取ってもらえることで固定資産税および都市計画税の支払い負担がなくなる点は大きなメリットです。
2-4.個人情報がネット上に乗ることがない
仲介で売却する場合、物件の情報がネット上に掲載されます。
売却物件の詳しい所在地や部屋番号までネットに掲載されることはありませんが、不動産会社を通じて第三者に売却する仲介の場合は、おおまかな立地や内部の写真が載ることもあり、その情報によって自宅の内部の様子や所有物件を売りに出した事実がほかの人に知られる可能性があります。
買取の場合は不動産会社が買い取るため、ネット上に情報が載ることはありません。ほかの人に知られることなく物件を売却したい人に向いている売却方法といえるでしょう。
2-5.契約不適合責任が免除される
契約不適合責任とは、売買契約においてその物件にあらかじめ伝えていなかった不良や不備があった場合に、売り主が買い主に対して負う責任をいいます。
仲介で物件を販売する際には売り主による契約不適合責任の義務が法律によって決められており、物件を第三者に売却した後に契約書に記載のない不備が見つかった場合には、修理や損害賠償、もしくは売却代金減少請求などを買い主から求められる可能性があり、それらに応じなかった場合、契約を解除することになります。
買取の場合、買い主は不動産のプロとなりますので、契約不適合責任が免除されることがほとんどです。実際、買取を行う際は契約不適合責任については免除とする内容を記載して契約締結を行うことがほとんどです。
2-6.媒介契約で売れないときの最終手段
一般的に不動産会社に物件の売却を依頼するときは媒介契約を締結します。媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、このうちのどれかを選ぶ必要があります。
ただ、媒介契約を締結したからといってすぐに購入希望者がみつかるわけではありません。場合によっては6ヶ月以上経っても売れないといった状況も考えられます。
物件を売却する側にはさまざまな事情があり、できれば早く売りたいと思う人もいます。
そのような人にとっては、媒介契約で売却活動を行い購入希望者が出てくるのを待つよりも、買取を選ぶほうが有効な取引方法になるでしょう。
3.買取のデメリットはズバリ「買取価格の低さ」
買取の場合、買取価格が相場よりも安くなる点が最大のデメリットですが、なぜ買取だと買取価格が低くなるのでしょうか。仲介と比べると60〜80%程度にまで下がってしまうといわれる買取価格の疑問について次項で詳しく解説します。
3-1.買取価格が安い理由1:買取会社の利益分が安くなる
物件を買い取る不動産会社は、その物件を売却することで利益を得ています。買い取った価格と同じ額で売却しても当然ながら利益は出ません。つまり、不動産会社が想定する利益分を差し引いた仕入れ額でなければ、売却時の利益を得られないのです。
そのため、買取価格は相場よりも安くなり、相場より安い価格で購入した不動産会社は相場価格で売却することで、その差額を利益として得るというわけです。
また、売却にあたり修繕が必要なケースも考えられるため、その費用を差し引いて買取価格を計算することも、最終的に買取価格が低くなる理由です。
3-2.買取価格が安い理由2:販売時の付加価値を付けるから
物件によっては、買い取ったあとリフォームやリノベーションを施し付加価値をつけて販売するケースがあります。そのためのリフォームもしくはリノベーション費用の一部を差し引いて買取価格を計算することもあります。
物件の状態にもよりますが、中古物件をそのまま売却することは非常にまれです。時代のニーズに合わせた付加価値を付けて販売しなければ、購入希望者も現れません。
このような事情もあって、買取価格が安くなるのです。
4.買取価格を左右する要素とは?
いくら買取価格が相場よりも低いとはいえ、売り主側としては少しでも高く売りたいものです。
不動産会社が買取価格を決定する際に重視する要素とはどのようなものなのでしょうか。
4-1.建物の築年数
買取価格を決める要素で重要なものの1つが、建物の築年数といわれています。いくら立地のよい床面積の広い物件でも、築年数が大きいと価格に与える影響も大きくなります。
地域にもよりますが、築年数別で買取価格を比較した場合、築10年以下の物件と築30年以降の物件では買取価格に1,000万円以上の差が生じるケースがあります。
物件をできるだけ高く買い取ってもらいたいなら、築10年以内の築浅のうちに買取を依頼することが大切です。
出典:レインズ「表16-① 戸建住宅(中古)の築年帯別状況[首都圏]」
4-2.建物の立地
物件が所在する立地条件も買取価格に影響を与える要素です。都市部と郊外では、都市部のほうが地価が高い傾向にあり、都市部にある物件のほうが買取価格は高くなります。
また、郊外の物件でも都市部へのアクセスの良さや、物件の近くに主要路線となる駅やバス停があるかどうかも買取価格に関係します。
4-3.土地の形状
物件の買取を依頼された不動産会社は、買い取った後に建物を取り壊して一旦更地にするケースがあります。このことからも、更地にしたときの土地の形状を重視する傾向にあります。
間口の広い整形地であるほど使い勝手がいいため買取価格は高くなる傾向にあり、逆に非整形地といわれる使い勝手の悪い土地の形状だと買取価格が下がる傾向があります。
4-4.再販にかかる費用
買取価格は、時価から再販するためにかかる費用を差し引いて計算します。再販費用とは、リフォームやリノベーション費用などのことで、再販の際にどのくらい費用がかかるかを詳しくチェックします。
いくら時価の高い物件だとしても、家の中の設備が今のニーズに合わない場合は、リフォームもしくはリノベーション費用が通常よりも高くなります。そのため、結果として買取価格が下がることになるのです。
5.中古住宅の買取価格を調べてみよう
中古住宅の買取価格は相場の60〜80%といわれています。実際に買取価格を算出してみましょう。
5-1.市場価格はどうやって決める?
では市場価格はどのようにして決まるのでしょうか。以下で大まかな市場価格の算出方法を紹介しますので、その金額に0.6〜0.8を乗じて買取相場を計算してみましょう。
ただし、算出結果はあくまでも目安です。最終的な買取価格は上で説明した条件によって変わります。
5-2.レインズマーケットインフォメーションで調べる
レインズ(Real Estate Information Network System(レインズ))とは不動産会社限定の不動産物件情報検索・登録システムのことです。
そのレインズが運営している不動産情報サイトがレインズマーケットインフォメーションで、こちらは一般人でも無料で閲覧可能です。
検索したい条件(マンションもしくは戸建て)ごとに検索する都道府県や地域を選択して検索することで、直近1年間の該当する物件の成約価格や1平方メートルごとの単価、建物および土地の面積、築年数、制約時期が表示されます。
5-3.土地総合情報システムで調べる
国土交通省が調査したデータをもとにした「国土交通省 土地情報検索システム」を利用する方法もあります。
マンションや戸建てのほか、土地のみの価格を調べることもでき、農地や林地なども調べられる点がレインズと異なっています。航空写真から該当する場所を探せる点も使いやすいといえるでしょう。
5-4.公示地価を調べる
公示地価とは、毎年3月下旬頃に国土交通省が発表する土地取引の指標とされるものです。
公示地価が調べられる「全国地価マップ」では、公示価格のほかにも路線価や基準地価が調べられるため、それらをもとに土地の評価額を算出できます。
5-5.「おうちクラベル」で不動産一括査定する
おうちクラベルは、ソニーグループのSREホールディングスが運営している無料の不動産一括査定サイトです。査定依頼ができる企業は実績豊富な優良企業ばかりですので、買取に精通したパートナー企業がきっと見つかります。
さらに査定依頼後には高精度なAIによる推定査定価格がその場でわかります。
個別でAI査定を行っているところはありますが、無料の不動産一括査定とAI査定の組み合わせは他社にはなく、またおうちクラベルのAI査定は制度が高いことで好評を得ています。
不動産売却のプロに依頼して、高く買ってくれる買い手を徹底的に探すことができるでしょう。
6.中古住宅買取の流れ
ここからは中古住宅の買取の流れについて解説します。
STEPごとに分けてわかりやすく説明しますので、一連の流れをここで理解しておきましょう。
6-1.【STEP1】事前準備
事前準備は、買取を依頼する際に必要な書類を揃えることから始まります。以下の書類などを準備しておくといいでしょう。
- 買取を依頼する物件の売買契約書
- 買取を依頼する物件の登記済権利証
- 依頼者本人の身分証明書
- 依頼者本人の実印および印鑑証明書
- 買取を依頼する物件の固定資産税納付書もしくは固定資産税評価証明書
- 住宅ローンを返済中の場合はローン残高証明書および返済口座
- 依頼者本人の住民票
- 買取を依頼する物件の土地測量図面もしくは境界確認書
- 買取を依頼する物件の建築確認通知書もしくは検査済証
- 買取を依頼する物件の建築設計図および工事記録書
- 買取を依頼する物件の耐震診断報告書
そのうえで本当に仲介ではなく買取でいいのかを確認するとともに、買取を依頼する場合の買取価格の相場などを調べておきましょう。
6-2.【STEP2】複数の買取会社に買取査定の依頼を出す
不動産買取会社に対して買取査定の依頼を行います。できれば複数の会社に対して依頼を出しましょう。
買取の場合は仲介と異なり、査定額で買い取ってもらえるケースがほとんどです。そのためにもできるだけ多くの会社に査定を依頼し、比較してみましょう。
買取査定には簡易査定といわれる机上査定と訪問査定の2種類があります。机上査定では、売却する物件の構造や築年数などの情報をインターネット上で入力し、概算の査定額を調べる方法です。
それに対し、訪問査定は、実際に不動産会社の人が訪問してきて物件を詳しく調査し、より正確な査定額を算出する方法です。
もちろん机上査定よりも訪問査定のほうが査定額の精度が高いですが、多くの不動産会社全てに訪問査定を依頼するのは現実的ではありません。
ここで大切なのは実際の査定結果を元に、買取価格についてある程度の目安を決めることです。目安を決めることにより、不動産会社との交渉を進めやすくなるほか、自分が納得できる金額での買取に繋がるでしょう。
6-3.【STEP3】査定を受け買取会社を決定する
机上査定の結果である程度依頼する不動産会社を絞り込み、2~3社に訪問査定を依頼したら、その結果をもとに最終的に買取を依頼する不動産会社を決めましょう。
依頼する不動産会社を決める要素は買取価格だけではありません。担当者の印象やこれまでの買取実績などから総合的に判断し、信頼できる不動産会社への依頼を決めることをおすすめします。
依頼する不動産会社を決める際には、その不動産会社が提示する買取金額に納得できるか、また買取の実績が豊富にあるかの2つを軸に決めるようにしましょう。買取の実績は不動産会社のホームページで確認できます。
6-4.【STEP4】契約内容のすり合わせ・契約締結
査定結果を元に、最終的な買取価格や引渡し日などを調整します。この時点でしっかりとした提案を行ってくれる不動産会社であれば、より信頼できます。
最終的な条件に合意できれば、不動産会社と不動産売買契約を締結します。契約の際には契約書を読み合わせ、重要事項に抜けがないか必ず確認するようにしてください。
もし抜けがあった場合は書類を作り直してもらうなどの対応を取ってもらいましょう。
6-5.【STEP5】引き渡し
買取金額が振り込まれたら、物件を引渡します。同時に住宅ローンが残っている場合はその残債を一括返済します。さらに抵当権抹消登記や所有権移転登記などの登記手続きも合わせて行います。
また、売却は引き渡して終わりではありません。中古住宅を売却したことにより売却益が発生した場合は確定申告を行わなければなりません。
不動産を売却した際の売却益は譲渡所得に該当しますので、譲渡所得金額を計算し、それに応じた所得税や住民税を支払う必要があります。
譲渡所得金額は売却金額から物件の取得金額そして売却にあたってかかった費用を差し引いた額を指します。
ただし、自宅を売却した場合は譲渡所得金額から最高3,000万円を差し引く特別控除があります。そのため、一般的な価格帯の自宅を売却した人ならば、ほぼ課税対象になることはないでしょう。
特別控除を申告する場合は、確定申告書に譲渡所得の内訳書(土地・建物用の確定申告書付表兼計算明細書)を添えて、所轄の税務署に申告する必要があります。
自宅ではなく収益物件などを売却した場合は、3,000万円の特別控除は適用されませんので、注意してください。
6‐5‐1.物件の引き渡し条件には注意!
契約を締結するうえで気をつけたいのは、物件の引き渡し条件です。具体的内容としては
- 引き渡しの際の状態
- 引き渡し日のスケジュール
- 引き渡し後のスケジュール
- 引き渡し日に必要な書類
など、物件の引き渡しにおける詳細条件が含まれますので、しっかりと細かいところまで確認しておきましょう。
確認を怠ったせいで、後々買取物件の家具の処分費用やリフォームもしくはリノベーション費用などを請求されるケースもあり得ますので、十分に気をつけるようにしてください。
また、入金日の確認も大切です。入金される月そして日にちをきちんと確認しておかないと、入金されると思っていた日に入金されないという事態になりかねません。
不明な点や不安な点は契約締結時にもれなく確認して解決しておくことも忘れないようにしましょう。
7.少しでも高値で買取してもらうコツ
仲介と比べ、売却価格が安くなってしまう買取価格ですが、少しでも高値で買取してもらうコツはあるのでしょうか。
ここでは、少しでも高く買い取ってもらうためのコツを紹介します。
7-1.複数の会社へ査定依頼を出す
仲介でも同じことがいえますが、査定依頼は複数の会社に依頼することが鉄則です。
買取価格の算定基準は不動産会社によって異なりますので、できるだけ多くの不動産会社に依頼し、査定結果を比較してみましょう。
ただ、依頼するにあたって1社ごとに依頼していてはかなりの時間と手間がかかります。こんなときに利用できるのが不動産一括査定サイトです。
不動産一括査定サイトでは、決められた情報を入力するだけで一気に複数の不動産会社に査定依頼が行えます。
そして、その結果を見てより高い買取価格を提示した不動産会社をピックアップし、最終的に訪問査定を依頼する不動産会社を決めるとよいでしょう。
7-2 .買取実績が豊富な不動産会社を選ぶ
買取実績が豊富な不動産会社を選ぶことも大切です。買取価格が提示されたら、その価格の根拠をぜひ聞いてみましょう。一般人にもわかりやすく、かつ納得できる根拠を示して解説してくれる会社は信頼できるといえます。
また、不動産会社が得意とする物件の種類や地域、さらに得意とする地域の相場動向を熟知しているかをチェックし、最終的に依頼する不動産会社を選ぶようにしましょう。
7-3.即時買取をいったんやめてみる
中古住宅の買取方法には、即時買取と買取保証の2種類があります。
即時買取とはこれまで解説してきたように不動産買取会社が買い主となって、買取を依頼している物件をすぐに買い取ってもらえる方法です。
即時買取はすぐに買い取ってもらえるというメリットがあるものの、仲介よりも安い価格での買取となるため、少しでも時間的な余裕があるなら即時買取ではなく買取保証の利用を検討してみてもいいかもしれません。
7-3-1.買取保証とは?
買取保証とは、売主と不動産会社との間でまず通常の媒介契約を結び、一定の期間内(通常3ヶ月~6ヶ月程度に設定)に売却できなければ、不動産会社が事前に取り決めた価格(査定価格の60%~90%程度)で買い取るしくみです。
一定の期間内は仲介としての取引となるため、その間に購入希望者が見つかった場合、買取よりも高い値段で売却できることになります。
また、一定の期間内に購入希望者が見つからなかったとしても事前に取り決めた価格で買い取ってもらえます。
8.中古住宅の買取依頼は慎重に
中古住宅の買取は仲介と比べて価格が下がるため、あまり積極的に利用したいものではないかもしれません。
しかし、早く現金化できることや、契約不適合責任が免除されるなどのメリットがあるため、なかなか購入希望者が現れない場合や現金化を急いでいる場合などには選択肢の1つになり得ます。
買取には即時買取と買取保証がありますので、その2つの特徴を知っておくことや、売却までの時間の余裕があるならば、まずは仲介で販売活動を行ってみて、どうしても購入希望者が現れない場合は買取を選択するという方法もあります。
また、査定において複数の不動産会社に依頼するのは重要なポイントです。そのためにも不動産一括査定を積極的に利用しましょう。
不動産の価格は「時価」ですので、高く売却したい際には相見積もりによる比較が必須です。
不動産一括査定は複数の不動産会社に一括で査定が依頼でき、各社の査定内容、価格、対応などが必然的に比較できるため、非常に役立ちます。
おうちクラベルは、ソニーグループのSREホールディングスが運営している無料の不動産一括査定サイトです。
査定依頼ができる企業は実績豊富な優良企業ばかりですので、中古住宅をスムーズに売却してくれるいいパートナー企業がきっと見つかります。その中には買取の取引に精通している不動産会社もあるでしょう。
さらに査定依頼後には高精度なAIによる推定査定価格がその場でわかります。現在の相場目安を知ったうえで不動産会社による査定価格を比較できるので、物件を客観視しながら最高価格と相場価格を比較してみましょう。
個別でAI査定を行っているところはありますが、無料の不動産一括査定とAI査定の組み合わせは他社にはなく、さらにおうちクラベルのAI査定は制度が高いことで好評を得ています。
中古住宅の売却を検討されている人は、ぜひおうちクラベルの「安心の不動産一括査定サイト」をご利用ください。買取での取引を検討している人も相場を知ることで、買取価格がどのくらいかを把握することができるでしょう。