我が家の買取相場はいくら?自分で相場を調べる方法や高く売るコツを紹介

家を売るなら、多くの方ができるだけ高く売りたいと考えます。そのために重要なのは「相場を知ること」です。買取相場は市場価格の6〜8割の価格となりますが、そもそも相場を知らなければ価格が適正であるかを判断できません。

不動産取引は高額のため、判断を誤ると数百万円の差が出る可能性もあります。また、物件によっては、買取より仲介のほうが向いている場合もあります。家をできるだけ高く売るために、必要な情報を集めて準備しておきましょう。買取相場を自分で調べる方法や家を少しでも高く売るコツを紹介します。

目次

1.家の買取相場は市場価格の6~8割

買取とは不動産会社に家を買い取ってもらう方法で、買取相場は市場価格の約6〜8割です。一方、仲介とは不動産会社に家の買い手を探してもらう方法で、市場価格と同等か、もしくはそれ以上で売れるケースもあります。具体的に解説します。

1-1.買取

買取とは、不動産会社に物件を買い取ってもらう方法です。不動産会社に買取依頼をすると物件の査定が行われ、査定価格に納得できれば売却して終了です。その後、不動産会社は買い取った物件に付加価値をつけて販売します。

買取は物件の買主が不動産会社であるため、内見や仲介手数料は不要です。しかし、仲介に比べて売却価格は大きく下がり、市場価格の約6〜8割の価格が買取の相場となります。これは、不動産会社が物件を再販するために、修繕やリノベーション、販売活動を行う費用がかかるためです。この分があらかじめ差し引かれるため、買取価格は相場の約6〜8割となります。

買取のメリットは、売却に至るまでの期間が短いことです。価格よりもスピードを重視する場合や、仲介で売りにくい物件は買取が向いています。

1-2.仲介

仲介とは、不動産会社に販売活動を依頼して買い手を見つける方法です。まず不動産会社と媒介契約を結び、売りたい物件を広く情報公開してもらいます。仲介の場合、購入するのは個人であることがほとんどです。購入希望者が現れたら、内見対応をして部屋や設備を実際に確認してもらい、購入が決定したところで価格や諸条件を取り決めて売却します。成約後、不動産会社に仲介手数料を支払います。

仲介のメリットは、市場価格かそれ以上の価格で売却できる可能性があることです。特に新築物件や築浅物件、人気地域の物件などは需要が多く、高額で取引されるケースもあります。こうした物件は、よほど短期間で売却したいなどの理由がないかぎり、仲介で売るのがいいでしょう。

2.家の売却で買取を利用するメリット

家の売却で買取を利用する最大のメリットは、早く現金化できる点です。短期間で全ての手続きが完了し、不動産会社が買主となるため内見や仲介手数料は必要ありません。また、仲介では買い手がつきにくい物件も、買取であれば売却できる可能性があります。

2-1.スピーディーに売却できる

買取は仲介に比べてスピーディーに売却できます。通常、仲介では6ヶ月程度かかるところ、買取なら早ければ1ヶ月程度です。

買取の場合、物件の買主は不動産会社となるため、内見対応のために掃除や整理整頓をしたり、時間を取ったりする必要もありません。不動産会社が査定時に物件の状態を確認するのみです。査定で買取可能と判断され、提示された価格や条件に納得できれば、すぐに売却手続きに移行できます。仲介のように買い手を探す時間が省略できるため、短期間で売却できるのです。

売却価格は相場の約6〜8割となりますが、早く確実に売れるのが買取です。早く売りたい、いつまでに売却したいという希望がある場合に向いています。

2-2.周囲に知られずに売却できる

買取は不動産会社による販売活動が行われません。広告や不動産サイトに載らないため、周囲に知られずに家を売却できます。

離婚や相続問題で家を売るケースでは、周囲に知られずに売りたいと考える方もいるでしょう。世間の目が気になる、ご近所に知られたくないなどの理由がある場合は、噂が立つ前に早期に売却したいと考えるのが自然です。

買取なら不動産会社の担当者が査定をするだけで、人の出入りも最小限ですみます。広告や不動産サイトに掲載されなければ、家が売りに出されていることを知られる心配はありません。内密に家を売却するなら、買取が適しています。

2-3.契約不適合責任がない

買取には契約不適合責任がありません。契約不適合責任とは、売却した物件が契約内容と異なる場合に売主が負わなければならない責任のことです。例えば下記が契約不適合責任にあたります。

  • 契約書に書かれていた床材と実際の床材が違う
  • 契約書には書かれていない設備の不具合がある
  • 内見では気づきにくい場所に大きな傷があったが、契約書には傷の記載がない

仲介で売却する場合は、これらの点は事前に買主に説明し、契約書にその旨を明記しなければなりません。もし記載されていない場合は、契約不適合責任に該当し、損害賠償や1部代金の減額を求められる可能性があります。

しかし、買取で売却した場合は不動産会社が物件の所有者となるため、契約不適合責任が発生しません。

2-4.内見対応する必要がない

買取は、購入希望者が物件を見学する内見が不要で、不動産会社の担当者が査定時に物件を確認するだけです。

仲介の場合は自分で内見対応をしなければならず、内見のための時間と手間がかかります。成約につなげるためには、例えば下記のような細かな事前準備も必要です。

  • 今住んでいる家を内見してもらうときは、内見前に掃除や片付けをして部屋をきれいにしておく
  • 見学者の質問に答えられるように不明な点は調べておく

内見は売却が決まるまで続きます。早期に契約が成立すれば数回ですみますが、長期間売れないと何度も内見対応をしなければならず、予想以上に負担になる可能性があります。

買取では、こうした内見対応の手間や時間をかけずに売却できるのがメリットの1つです。

3.家の買取相場が安い理由

家の買取相場は市場価格の約6〜8割となります。どうしてそんなに安いのかと疑問に思う方もいるでしょう。実は、買取相場が安い理由は4つの事情が関係しています。詳しく解説します。

3-1.不動産会社の利益が差し引かれる

家の買取相場が安い理由の1つは、不動産会社の利益が差し引かれるためです。

不動産会社の主な収入源は仲介手数料です。しかし、買取では仲介手数料が発生しないため、家を売って利益が出るように買取価格を決めます。簡単にいうと、家を安く買い取って高く販売すれば、経費をひいても利益が出るという構造です。

企業は利益が出なければ存続できないため、ある程度利益を見込んで行動します。仲介手数料が発生しない以上、不動産会社は販売で利益を出すしかないのです。買取相場が安い背景には、こうした事情も隠れています。

3-2.再販コストが差し引かれる

買取の場合、再販コストも差し引かれます。

不動産会社は買い取った物件を、そのまま販売することはほとんどありません。買取で取り扱うのは古い物件や補修が必要な物件も多く、そのままでは買い手が見つからないからです。そこで、修繕やリフォーム、リノベーションを行い、物件の価値を上げてから販売します。しかし、これには当然ながら費用がかかります。

また、新たな買主を見つけるための販売活動も行わなければならず、広告配布やホームページ掲載など、細かな費用も発生します。

これらの再販コストが買取価格からあらかじめ差し引かれるため、買取相場は市場価格より安くなるのです。

3-3.状態の良くない家が買取に出されることが多い

買取に出されるのは状態の良くない家が多いため、そもそも価格が低くなりやすいといえます。

古い・修繕が必要など、状態の良くない物件は仲介ではなかなか売れません。なるべく高く売りたくて仲介を希望しても、買い手が見つからないケースもあります。

しかし、買取なら状態が良くない家でも買い取ってもらえます。できるだけ高く売りたいと希望していても、結果的に売れなければ意味がありません。「たとえ安くても売れないよりはマシ」「安くてもいいから手放したい」という状態の家が買取に出されやすい傾向にあります。

3-4.安くても売りたい人が多く相場が安くなる

買取は、価格は安くてもいいから早く売りたい方に好まれます。つまり、高く売ることよりスピードを重視しているということです。そのため、相場そのものが安くなり、それを基準に価格が決められることから買取価格も安くなります。

スピード重視の方は、当然ながらとにかく早く売ることを第1に考えます。例えば、離婚で財産分与のために家を売却する場合、築浅物件であっても買取を選択するケースがあります。仲介に出せば市場価格で売却できる家でも、早く解放されたいという心理的なメリットを優先するためです。

また、買取を選択せざるを得ない状態の良くない家は、買取価格も安くなります。先述のとおり、こうした状態の家が買取市場に多く出されているため、買取相場全体も安くなるのです。

4.仲介より買取が向いているケース

早く売らなければならない事情がある、周囲に気づかれずに家を売りたいなど、仲介より買取が向いているケースがあります。下記に当てはまるなら買取がおすすめです。

4-1.早く売りたい

先述のとおり、買取は早ければ1ヶ月ほどで手続きが完了します。そのため、早く現金化したい事情がある場合は買取が向いています。

ただし買取は市場相場の約6〜8割の売却価格です。新築や築浅物件などの仲介なら高く売れる物件も、買取であれば安くなります。

もし、「できるだけ高く売りたいが長期間は待てない」という事情があるなら、「買取保証」を検討してみましょう。買取保証とは最初は仲介で売り出し、一定期間買い手が見つからない場合、あらかじめ決めてあった価格で買い取ってもらえる方法です。仲介で買主が見つかれば買取より高く売れます。

4-2.周囲に家を売ったことを知られたくない

買取は人に知られずに家を売りたい事情がある方にも向いています。

  • 離婚でその土地を離れる
  • 相続問題で家を手放す

上記のようなケースでは、周囲の目が気になるものです。仲介の場合、不動産会社の広告やホームページに掲載されるため、家を売りに出していることを人に知られる可能性があります。

また、仲介は内見をする必要があります。何度も内見希望者が訪れるうちに、ご近所の方が家の売却に気づくケースもあるでしょう。

しかし、買取では販売活動をせずに売却できるため、人の出入りは最小限ですみます。ご近所の方など他人に知られるリスクが少ないため、人に気づかれないうちに売ってしまいたい事情がある場合は、買取での売却がおすすめです。

4-3.売れにくい事情がある

売れにくい事情がある家も、買取なら価格がつきます。売れにくい事情とは、人があまり好まないような条件がある下記のような家です。

  • 築年数が古い家
  • 事故物件
  • 再建築不可物件
  • 災害指定区域にある家

これらは仲介では買い手が見つかりにくい物件です。しかし、買取なら売却できる可能性があります。買取は個人ではなく不動産会社が買い取るため、多少条件が良くなくても売却できるからです。絶対に買い取ってもらえるとは言い切れず、買取価格も安くなるかもしれませんが、仲介よりは売却できる可能性が高いといえます。

5.家の買取相場を自分で調べる方法

家の買取相場を知っておくと、不動産会社から提示された価格が妥当であるかを判断しやすくなります。複数の方法で相場の情報を得ておくと、より正確に判断できるでしょう。買取相場を自分で調べる方法を紹介します。

5-1.国土交通省「不動産取引価格情報検索」

国土交通省の「不動産取引価格情報検索」を使うと、戸建て・マンション・土地の取引価格を検索できます。不動産取引価格情報検索は、一般の方でも簡単に取引価格が検索できるシステムです。

取引時期や建物の種類、地域を選んで検索すると、事例ごとに詳細情報が見られます。この事例は、実際に取引した当事者のアンケートをもとに作成されたものです。

ただし、プライバシー保護の観点から、個人情報が特定されるような情報は除外されています。取引時期などは幅を持たせた表記になっている点を知っておきましょう。

また、仲介と買取の区別がないため、価格は参考程度に考えておくのが無難です。ほかの方法で得た情報と合わせると、相場が判断しやすくなります。

国土交通省 土地総合情報システム 地価公示・地価調査・取引価格情報

5-2.レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーションは、不動産の価格情報を簡単に調べられる不動産総合サイトです。レインズは不動産会社のみ使用できますが、レインズマーケットインフォメーションは一般の方も閲覧可能です。

レインズマーケットインフォメーションを使うと、都道府県と地域から大まかな成約情報を知ることができます。実際の成約価格が分かるため、相場の情報収集に有効です。

さらに、詳細情報の追加も可能で、駅からの距離や専有面積、成約時期など、かなり細かく設定できます。この機能を使って類似物件を探せば、売却したい物件の相場価格が推測できるでしょう。なお、買取価格は予測した相場の約6〜8割の価格となります。

レインズマーケットインフォメーション

5-3.不動産ポータルサイト

中古物件を販売している不動産ポータルサイトも、相場の把握に役立ちます。不動産ポータルサイトとは、複数の不動産会社が所有(仲介)する物件を、まとめて紹介しているサイトのことです。

不動産ポータルサイトを使えば、膨大な量の物件の中から類似物件を探して相場を予測できます。しかも、物件ごとの詳細条件が確認できるため、イメージもわきやすいでしょう。

注意点として、サイトによって掲載されている物件数や種類に差があることを覚えておきましょう。例えば、Aのポータルサイトでは戸建ての物件数が多く、Bのポータルサイトではマンションの数が多いといった違いがあります。少なくとも2〜3つのポータルサイトを閲覧すると、より正確な相場情報に近づきます。

5-4.不動産一括査定サイト

買取相場を知るには、不動産一括査定サイトもおすすめです。

自分の家の価格を知るには、実際に査定をしてもらうのが1番です。買取の査定が受けられる場合は、かなり現実的な価格が分かります。しかし、査定額は不動産会社によって異なり、数百万円程度の差が出ることもあります。

そこで便利なのが、不動産一括査定サイトです。不動産一括査定サイトを使えば、複数の不動産会社にまとめて査定を依頼でき、簡単に査定額を比較できます。複数の不動産会社にそれぞれ査定を依頼するのに比べ、時間も手間もかかりません。

「おうちクラベル」は、AIによる査定額と不動産会社からの査定額を比較できる不動産一括査定サイトです。不動産知識の少ない一般人にとって、AIが査定する価格と人が査定する価格を比較できるのは有益な判断材料となります。3STEPで簡単に査定依頼ができるため、相場を知る手段の1つとして利用してみてください。

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6.築年数と買取相場の関係

引用:国土交通省 中古住宅流通、リフォーム市場の現状

家は古くなるほど価格が下がります。木造戸建て住宅の場合、築年数が10年で新築の半額程度、築15年で新築の約3割まで下落し、築20年で市場価値はほぼゼロとなります。築年数と買取相場の関係について詳しく見ていきましょう。

6-1.築10年で新築の約半額に

家ができてから最初の10年間が、最も下落スピードが速い時期です。木造戸建て住宅の場合、築10年で新築の半額程度まで価格が下がります。

築10年なら、家の内装はきれいで設備も十分使えるでしょう。きちんと手入れをしていれば、何の問題もなく住めるはずです。それでも、10年経つと価格は半分になるのが現状です。

下落スピードが速いため、1年で買取価格に大きな差が出ます。不動産は高額なため、売却が1年遅くなれば数百万円の差になる可能性も否定できません。そのため、特に築10年以内は売ると決めたら早めに行動することをおすすめします。

6-2.築15年までそのまま、築20年まではゆるやかに下落

築15年までは、築10年までと同様に下落スピードが速く、価格は一気に下がっていきます。木造戸建て住宅の場合、築15年で新築の約3割の価格です。

下落スピードが速いのは築15年までで、それ以降築20年までは、ややゆるやかに価格が下がっていきます。しかし、売却して価格がつくのはこのあたりまでで、買取に出すなら築20年が境目となるでしょう。

これは、木造住宅の法定耐用年数が22年と定められているため、20年で建物としての価値がなくなるからだといわれています。また、日本では中古住宅の需要がそれほど高くないため、価格が下がりやすいという側面もあります。

もちろん、建物としての経済的価値がなくなっても住めないわけではありません。築22年を超えても問題なく住める木造住宅はたくさんあります。

6-3.築20年で市場価値はほぼ0に

築20年を過ぎると、建物の市場価値はほぼ0になります。しかし、買取額まで0になるわけではありません。土地は経年の影響を受けないため、築20年以降は土地の価値だけが残ります。つまり、築20年を超えたら「買取価格=土地の価格」です。

買取価格は0にはならないものの、残念ながら築20年を超えると買取を断られるケースが増えてきます。不動産会社は買い取った物件に付加価値をつけて再販しますが、そのコストが多額になるおそれがあるからです。

  • 家の解体費用
  • 設備の取替やリフォーム代
  • 新たな買主を見つけるための販売活動

上記を差し引いて販売しても利益が残るなら、買い取ってもらえる可能性があります。

7.家を高く買い取ってもらうためのポイント

不動産は、少しの選択ミスが売却価格に大きく影響する商品です。もともとの金額が大きいため、数百万円の違いが出る可能性もあります。家を高く買い取ってもらうためのポイントをおさえて、納得できる価格で売却しましょう。

7-1.「買取保証」を利用する

買取には「即時買取」と「買取保証」の2つがあります。

即時買取とは、最初から不動産会社に買い取ってもらう方法で、最も早く売却できます。価格は低くなるものの、短期間で確実に買い取ってもらえるのがメリットです。

一方、買取保証とは仲介と買取のメリットをかけ合わせた方法です。最初は仲介で買主を探し、一定期間売れない場合には、あらかじめ取り決めてあった価格で不動産会社に売却します。当然ながら、仲介で売れれば即時買取より高く売れますが、もし仲介で買主が見つからなくても、売れ残る心配がありません。

家が最も高く売れる可能性があるのは仲介ですが、買い手が見つかるまでに時間がかかります。スピード重視なら即時買取、一定期間は高く売れる可能性を探りつつ、期限を設けて確実に買い取ってもらうなら買取保証を検討しましょう。

7-2.買取実績の豊富な不動産会社を選ぶ

不動産会社の中には、仲介に力を入れている会社や買取を行わない会社があります。家を高く買い取ってもらうには、買取実績の多い不動産会社を選ぶのがおすすめです。

買取実績が多い不動産会社は、買取のノウハウを持っています。そのため、根拠の曖昧な価格は提示しないでしょう。査定額の詳しい内訳の提示や、売主の疑問に対して納得できる回答をくれるはずです。そのため、仲介に力を入れている不動産会社より安心感があります。

また、不動産会社によって得意としている種別が異なります。戸建て・マンションなど、どの建物の取引実績が多いかホームページで確認してみてください。営業担当者に直接聞いてみるのもいいですね。

7-3.1~3月をねらって売却する

需要の高い時期に売れば、買取価格は高くなります。不動産は4月に向けて需要が高まるため、1〜3月をねらって売却するのがおすすめです。

4月は新生活がスタートし、入学や異動などで引っ越しをする方が増えるため、1年で最も不動産需要が高まる時期です。不動産会社としては需要に応えるため、できるだけ多くの物件を確保しておきたい事情があります。そのため、ほかの時期より高い価格で買い取ってもらえる可能性があるのです。多少難ありの物件でも、価格がつくかもしれません。

もしタイミングを合わせられるなら、この時期をねらうといいでしょう。相場のチェックや必要書類など、余裕をもって準備しておくことも大切です。

7-4.不動産一括査定サイトを利用する

買取は、仲介のように高額すぎて売れ残る心配はありません。複数の不動産会社の査定結果を単純に比較し、提示価格の高い会社を見つけるのがいいでしょう。

複数の不動産会社に査定を依頼するなら、不動産一括査定サイトがおすすめです。項目を入力するだけで複数社にまとめて査定を依頼できるため、忙しい方でもそれほど時間をかけずに利用できます。

不動産一括査定サイト「おうちクラベル」は、不動産会社の査定額とAIによる査定額を比較できるのが特徴です。不動産会社の査定は人が行いますが、AI査定は過去のデータをもとに機械が行います。AI査定という客観的な視点が加わることで、提示価格がより比較しやすくなるのではないでしょうか。

「おうちクラベル」は簡単な項目入力をするだけで査定を依頼できます。1分程度で終わるので、家の買取を検討中の方はぜひ利用してみてください。

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8.家を買い取ってもらうときの流れ

実際に買取を依頼する前に、家を買い取ってもらうときの流れをつかんでおきましょう。あらかじめ大まかな流れを知っておくと、必要な準備も余裕をもってできます。具体的な流れは下記のとおりです。

8-1.相場を調べる

まず、紹介した方法で相場を調べます(5章参照)。複数の方法で相場を調べ、できるだけ多くの情報に触れてください。そして、物件の築年数や立地から、自分の家の相場を把握しておきます。

相場を調べるのは価格の基準を知り、提示価格が妥当であるかを判断するためです。また、あまりにも安い価格を提示されたときの交渉材料にもなるでしょう。

不動産は選択を誤ると、買取価格に数百万円の差が出ることもあります。もう少し高く売れるはずだったと後悔しないように、しっかりと相場を把握しておきましょう。

8-2.買取査定

相場が把握できたところで、複数の不動産会社に買取査定を依頼します。

査定には訪問査定と簡易査定の2つがあります。訪問査定は不動産会社が物件を確認して査定額を出す方法です。正確な査定額は分かるものの、訪問時の対応をする必要があります。

一方、簡易査定は不動産一括査定サイトを利用し、まとめて査定を依頼する方法です。実際の家を確認しているわけではないため大まかな査定額となりますが、不動産会社を絞る手段としても手間がかからず便利です。

複数社の査定額を比較するには、簡易査定のほうが使いやすいでしょう。

8-3.不動産会社を決定

提示された買取価格を比較して不動産会社を選びます。突出して高い・安いなどの提示価格は、根拠を確認してみるといいでしょう。自分で調べた相場情報とあまりにも異なるときは、必ず質問するようにしてください。また、査定額だけではなく下記の点もチェックします。

  • 買取実績は豊富であるか
  • 質問に対し納得できる回答はもらえたか
  • 誠実に対応してもらえたか

不動産取引には一般人が知らない法律や税金などの細かいルールがあり、不動産会社とやり取りが発生します。買取手続きが完了するまで、ストレスなくお付き合いできる不動産会社を選ぶことをおすすめします。

8-4.条件交渉

不動産会社と条件について交渉します。価格やスケジュール、必要書類や細かな条件など、もれなくすり合わせておきます。例えば、「家の中に残っている荷物は処分が必要か」といった些細なことも、忘れずに確認しましょう。この点をおろそかにすると、あとから処分にかかった費用を請求されるおそれがあるため注意が必要です。

また、誤解されがちですが、買取金額は契約日に全額支払われるわけではありません。このタイミングで入金日や入金額を確認しておくと安心です。

その後のトラブルを防止するため、どの条件も不満や疑問がある場合は納得できるまで確認しておきましょう。

8-5.契約締結

全ての条件に納得できたところで、売買契約を結びます。具体的には、契約書や契約約款を読み上げ、契約書にサインと押印をして契約締結となります。

売買契約時の注意点は、サインする前に「8-4条件交渉」で確認した内容が契約書に全て正しく記載されているかを確認することです。一度契約書を交わしたら、あとから変更することは非常に難しくなります。万が一売主側から契約解除を申し出た場合、手付金より多くの金額を不動産会社に支払わなければなりません。面倒でも全ての書面に目を通し、不明点があればその場で確認するようにしましょう。

売買契約が無事に締結されると、手付金が支払われます。

8-6.引き渡し・入金

売買契約締結後、不動産会社に家を引き渡します。今住んでいる家を引き渡す場合は、前日までに引っ越しや公共料金の支払いを済ませておきましょう。また、住宅ローンを完済するための手続きがある場合は、書類を用意する必要があります。自分で用意する時間のない方は、司法書士に依頼するのがおすすめです。

引き渡し当日、鍵を渡して家の引き渡しを行います。書類のやり取りをして残金が入金されれば、家の売却は終了です。

買取の場合、仲介に比べ手続きが短期間に進んでいくため、必要書類の準備や手続きに追われる可能性があります。不動産会社や司法書士に相談しながら手際よく進めていきましょう。

8-7.確定申告

家を売って譲渡所得を得た場合は、確定申告をする必要があります。確定申告前に費用を計算し、必要な書類をそろえておきましょう。

譲渡所得は「譲渡所得=売却価格-譲渡費用-取得費」で計算し、プラスになった場合は譲渡益、マイナスになった場合は譲渡損失といいます。

  • 譲渡所得:自分の資産を売ったことにより得た所得、土地や建物は譲渡所得の対象
  • 譲渡費用:不動産を売却したときにかかった費用
  • 取得費:不動産を購入したときの費用や手数料

譲渡益が出た場合は必ず確定申告を行わなければならず、申告しないと追徴課税が発生します。譲渡損益になった場合も、確定申告をすることで「損益通算」や「繰越控除」の特例を使えるケースがあります。詳細は国税庁のホームページをご確認ください。

参照:国税庁

No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

9.ポイントをおさえて相場より高く家を買い取ってもらおう

家の買取価格は家の状態や築年数、売却時期によって異なります。例えば木造戸建ての場合、築10年までは下落スピードが速く、1年で売却額に大きな差が出るため早めの決断が必要です。

また、家をなるべく高く売るには相場を知る必要があります。最も確実なのは、不動産会社に査定を依頼することです。まずは不動産一括査定サイトを使って、複数社にまとめて査定を依頼するといいでしょう。

「おうちクラベル」は、不動産会社の査定額とAIによる査定額が確認できる不動産一括査定サイトです。2つを比較することで、より客観的な視点で相場を把握できます。査定を依頼できる不動産会社も実績豊富な優良企業ばかりです。ぜひおうちクラベルで買取査定をしてみてください。

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この記事の監修者

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