新築・築浅物件を売却したい!注意点・高く売るコツを徹底解説

新築で家を建てたものの、転勤や離婚などの理由ですぐに売却せざるを得なくなったというケースは珍しくありません。しかし、こうした新築物件や築浅物件を売却するにあたっては、さまざまな注意点が存在します。

この記事では、新築物件や築浅物件を売却する際に気をつけたいポイントや高く売るためのコツについて解説していきます。記事の後半では、実際に物件を売却する流れも紹介していきますので、売却の検討に役立たせてください。

目次

1.新築として売却できるのは「完成後1年未満」「未入居」の家

「新築」という言葉の定義は、住宅の品質確保の促進等に関する法律で定められています。同法では、誰も住んだことのない新たな住宅であって、かつ完成後から1年未満の家を「新築住宅」として定義しています。

裏を返せば、過去に一度でも人が入居したことがあったり、未入居であっても完成から1年以上経過している家は新築とうたえず、「築浅物件」と表記されるのです。

新築物件と築浅物件を比較すると、新築物件のほうが高い価格で売却できる傾向にあります。

1-1.築年数が長くなるほど相場が下がる

築浅よりも新築のほうが高値で売却できる傾向にあると紹介しましたが、一般的に築年数が経過するにつれて、売却価格の相場は下がる傾向にあります。

国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」によると、中古マンション・木造戸建住宅ともに、新築時から築年数を経るにつれて市場価値は減少していき、戸建住宅では築20年で価値がほぼゼロになるとされているのです。

また、戸建住宅はマンションよりも価値の減少ペースが大きく、築1〜3年程度の築浅であっても、新築に比べて平均5〜10%程度は価値が下がるというデータが示されています。

1-2.築年数が5年未満だと購入価格の同等以上で売却しやすい

不動産流通経営協会が2022年度に実施した「不動産流通業に関する消費者動向調査」によると、築年数5年未満で家を売却した人のうち、実に68%が購入価格と同等以上の価格で売却したと回答しています。同等以上で売却した人の割合が、2021年度と比較して増えているのもポイントです。

理由としては、日本において新築や築浅の人気が高いことや、人気の地域では資産価値が高まる傾向にあることなどが挙げられます。ただし、本調査は首都圏1都3県の住宅購入者を対象にしたものである点に注意が必要です。

2.新築・築浅の物件を売却する際の注意点とは

新築や築浅の物件を売却するときには、次に挙げる5つの注意点を意識する必要があります。

  • 住宅ローンを完済しておく
  • 瑕疵についてきちんと伝える
  • 築浅物件の場合、値引き交渉される可能性がある
  • 売却益は課税される
  • 物件の売却には費用がかかる

それぞれの注意点についてポイントを見ていきましょう。

2-1.住宅ローンを完済しておく

住宅ローンを組んで家を購入している場合、売却する前に住宅ローンを完済しておきたいところです。

これは、住宅ローンを借入れる際、金融機関が対象物件に抵当権を設定しているからです。抵当権とは、住宅ローンを借入れた人が何らかの理由で返済できなくなったときに備え、金融機関が物件に対して設定する「担保」のことです。

抵当権が設定されていると売却できないというわけではありませんが、前の所有者のローン支払いが滞ってしまうと差し押さえられてしまうリスクがあるため、基本的に買い手がつきません。

物件の売却代金をローン返済に充てて、住宅ローンを完済するというのが通常のやり方です。ただし、売却代金が住宅ローン残債よりも低いケースでは、不足分の資金をやりくりする必要が出てきます。

住宅ローンの残高は、毎年金融機関から発行される残高証明書で確認できるほか、金融機関の窓口で確認することもできます。

2-1-1.オーバーローンに気をつける

家の売却時には住宅ローンを完済する必要があると紹介しましたが、この際、オーバーローンになっていないか気をつけましょう。

オーバーローンとは、物件の価値や価格に比べて、ローン借入額や残債が高い状態のこと。当初から諸費用を含めて物件価格以上にローンを借入れているケースや、資産価値が短期間で大きく下落したケースなどでは、オーバーローンに陥る可能性が考えられます。

オーバーローンだと、例えばローン残高が3,000万円あるのに、物件は2,500万円でしか売れないといった事態が発生します。この場合、ローン残高から物件売却費用を差し引いた500万円+売却にかかる諸費用分を自己資金で賄わなければなりません。

自己資金が捻出できないと、家を売却したくてもできないといった事態になりかねないのです。

2-2.瑕疵についてきちんと伝える

新築・築浅物件に限ったことではありませんが、家を売却する際には瑕疵についてしっかりと伝えなければなりません。

瑕疵とは、本来その物件が持っているべき性能や役割を果たせないようなキズや欠陥を指します。瑕疵の内容を伝えずに売却し、引き渡した後に瑕疵が見つかると、売主側の責任で補償を行わなければならないのです。

かつては、売主は「瑕疵担保責任」を負うとされていました。瑕疵担保責任は、買主が売買契約時に知らなかったり、通常の注意力を持ってしても見つけられなかったりした「隠れた瑕疵」について生じるものでした。

しかし、民法の改正により、売主が負うべき責任が瑕疵担保責任から「契約不適合責任」に改められています。

契約不適合責任では、契約内容に合った物件を引き渡すことを売主の責任として定めています。隠れているかどうかに関わらず、瑕疵が見つかれば売主は責任を問われるということであり、瑕疵をあらかじめ伝える重要性がより大きくなったといえるでしょう。

2-3.築浅物件の場合、値引き交渉される可能性がある

築浅物件を売買するにあたり、買主にとってはデメリットになるような項目もいくつかあります。こうしたデメリットを理由に、買主から値引き交渉される可能性がある点は注意が必要です。

ここでは、築浅物件を購入する際の買主にとってのデメリットを3つ紹介します。

2-3-1.新築よりも建物の劣化が早い

築浅物件とはいえ、新築に比べると築年数分だけ建物の劣化は早くなります。当初は簡単なハウスクリーニングやリフォームをかければ十分に住めるかもしれませんが、10年後、20年後には大規模なリフォームやリノベーションが必要になる可能性もあるでしょう。

築5年未満であれば総額10〜15万円程度、築10年以上ともなれば100〜150万円程度、リフォーム費用を見込んでおきたいところです。築浅物件であっても、こうしたリフォーム費用を見越して、買主から値引き交渉をされるリスクがあります。

2-3-2.固定資産税が高い

買主からすると、新築に比べて固定資産税が高くなるというのも築浅物件を購入するデメリットです。

新築住宅だと、取得から3年間にわたり固定資産税が1/2に減額される特例を受けられる一方、築浅では特例を受けることができません。つまり、取得から3年間、築浅は新築に比べて2倍の固定資産税を納めなければならないということです。

2,000万円の物件を購入する前提で考えると、築浅は新築に比べて、当初3年間で約26万円の税負担増となります。

2-3-3.瑕疵担保責任(契約不適合責任)の適用期間が短い

瑕疵担保責任(契約不適合責任)を負わなければならない点は、築浅物件にも共通の注意点であると紹介しましたが、築浅物件を購入する買主側からすると、新築に比べて契約不適合責任の適用期間が短いというのがデメリットになり得ます。

新築では売主による契約不適合責任は10年間義務付けられている一方、築浅を含む中古では期間の法的な義務づけがなく、当事者同士の取り決めで定められるとされているため、1〜2年程度の適用が一般的です。

2-4.売却益は課税される

家の売却により利益が発生すると、所得税・住民税が課税される点にも注意が必要です。

課税対象となるのは、売却益から物件取得費、売却にかかった費用を差し引いて求められる「譲渡所得」です。家の所有期間によって税率が異なっており、所有期間5年以内の家に適用される「短期譲渡所得」のほうが、所有期間5年超の家に適用される「長期譲渡所得」よりも税率が高く設定されています。

 

所得税

住民税

短期譲渡所得

30%

15%

長期譲渡所得

9%

5%

上の表からもわかるとおり、所有期間5年以内の築浅の家を売却しようとすると、長年住み続けた家を売るよりも、譲渡所得に課される税率が高くなるということです。(さらに復興特別所得税が所得税額の2.1%かかります。)

なお、マイホームの売却では「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」が適用されるため、譲渡所得が3,000万円以下であれば非課税となります。

2-5.物件の売却には費用がかかる

もう1つ注意しなければならないのが、家を売却するためには、売却活動にともなう費用や各種税金などコストがかかるという点です。物件の売却にかかる主な費用項目とコスト感を簡単に見ていきましょう。

費用項目

内容

費用の目安

仲介手数料

売買を仲介してくれる不動産仲介会社に支払う報酬

売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税

 

※売却価格が400万円以上の場合の上限額

印紙税

売買契約書に印紙を貼ることで納める税金

・売却価格が1,000〜5,000万円以下の場合:1万円

 

・売却価格が5,000万〜1億円以下の場合:3万円

 

※いずれも、2024年3月31日までの軽減措置期間における金額

抵当権抹消にかかる費用

住宅ローンの抵当権抹消登記にかかる費用、手続きをしてくれる司法書士へ支払う報酬

・抵当権抹消登記にかかる費用:不動産1件あたり1,000円

(土地・建物両方に抵当権が付されている場合は2,000円)

 

・司法書士報酬:1〜2万円程度

住宅ローンの一括返済手数料

長期で組んだ住宅ローンを一括返済する際、金融機関へ支払う手数料

・ネットバンキング:無料〜1万円程度

 

・電話や窓口による申し込み:1〜5万円程度

 

※ローンを借入れている金融機関によって異なる

新居への引越し費用

家を売却して引っ越す場合にかかる費用

10〜20万円程度

上の表を参考に3,000万円の物件を売却するケースを想定すると、120〜130万円程度の諸費用がかかると考えられます。物件の状況によってはかからない費用もあるので一概には言えませんが、売却にあたってはまとまった費用がかかるということは認識しておくべきでしょう。

築浅であればそれほど必要はないかもしれませんが、物件の構造的な安全性などを担保するインスペクション(住宅診断)や、瑕疵担保保険への加入を検討するのであれば、さらに数十万〜数百万単位で費用がかかってくる可能性があります。

3.新築・築浅物件を売却前に知っておきたいポイントとは

続いては、新築・築浅物件を売却するにあたって、事前に知っておくべきポイントを紹介します。ここで扱うのは次に挙げる5点です。

  • 売却期間に余裕を持たせる
  • 相場を知ってから売り出し価格を決定する
  • 売却理由は正直に伝える
  • 内見準備はしっかりと行う
  • 複数の不動産会社に査定依頼する

3-1.売却期間に余裕を持たせる

家は売り出し始めてからすぐに売れるわけではありません。LIFULL HOME’Sが不動産売却経験者3,000人を対象に行った調査によると、不動産会社へ最初に連絡してから売却までにかかった期間は「6ヶ月以上〜9ヶ月未満」「3ヶ月以上〜6ヶ月未満」で約40%を占めています。「3ヶ月未満」の短期で売却できたという人も16%程度いましたが、反対に1年以上かかったという人も同程度いました。

仮に購入希望者がすぐ現れたとしても、買主側の住宅ローン審査や売買契約の手続きなどに時間を要するため、実際に引き渡すまでには1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。

どれだけ早く売却活動が進んだとしても、売却までに3〜6ヶ月程度はかかるものとして、余裕を持ったスケジュールを組んでおくべきといえるでしょう。

加えて、スケジュールに余裕がないと、買主から値下げ交渉をされた場合に立場が弱くなってしまいます。希望価格で売却するためにも、できるかぎり早めに検討をスタートするのがおすすめです。

3-2.相場を知ってから売り出し価格を決定する

不動産売却においては、売却活動でチラシなどに掲載する「売り出し価格」と、実際に売買契約を締結する「売却価格」という2つの価格が存在します。最終的な売却価格は売り出し価格よりも低くなる場合が多いため、それを見越して売り出し価格を決定する必要があります。

売却活動をスタートすると、不動産会社や購入希望者からの反応を参考に売り出し価格を決定する流れになりますが、自分でも相場を知ったうえで決定すると安心です。相場観を自ら把握しておくことで、売り出し価格が妥当かどうか自ら判断できるようになり、スムーズに売却できる可能性が高まります。

相場を調べるには次のようなものを参考にするといいでしょう。

  • 不動産流通機構「レインズマーケットインフォメーション」
  • 国土交通省「土地総合情報システム」
  • 不動産情報サイト
  • 不動産の新聞折込チラシ
  • 近隣の不動産会社で掲出されている物件情報

3-3.売却理由は正直に伝える

新築や築浅の物件が売りに出ていると、「何か良くない事情があるのではないか」と疑いを持つ購入希望者もいます。こうしたことから、築浅の中古物件は選びたくないという人も一定数いるものです。

こうした人に安心してもらい前向きに購入を検討してもらうためには、築浅物件を売りに出した理由を正直に伝えるようにしましょう。

「家を新たに購入したものの、離婚でペアローンを支払えなくなってしまった」「親の介護や転勤によって家を手放さざるを得なくなった」など、他人にあまり知られたくないプライベートな事情が原因かもしれません。

しかし、事情をしっかりと伝えれば物件そのものの欠陥による売却ではないことが明確になり、購入を検討する人の安心につながるのです。

プライベートな事情の上手な伝え方がわからない場合には、プロである不動産会社の担当者に相談してみましょう。

3-4.内見準備はしっかりと行う

家の売却を成功させるためには、内見に向けた万全の準備が欠かせません。購入を本気で検討している人は、必ずと言っていいほど内見を希望します。現地で物件の魅力を直接伝えられる絶好のチャンスなので、次のような点を意識してしっかりと準備しましょう。

  • 引っ越し先が決まっていれば、なるべく内見前に引っ越して綺麗にしておく
  • 家についた生活臭をできるかぎり無くしておく
  • 汚れや使用感の目立ちやすい水回りは念入りに掃除しておく
  • 玄関や外構など、第一印象に直結する箇所を綺麗にしておく
  • 細々とした雑貨類などはなるべく段ボールなどにまとめ、室内を整頓しておく

こうしたポイントは築年数に関係なく中古住宅の売却全般に共通するものですが、築浅物件の売却においては、特に気をつけるべきポイントと言えます。なぜなら、築浅物件の購入を検討する人は、新築のような綺麗さと生活感の無さを求めている場合が多いからです。

どうしても落ちない汚れや傷があるならプロのホームクリーニングを依頼するなど、場合によっては費用をかけてでも内見準備を万全に行うことが、売却の成功可能性を高めると言えます。

3-5.複数の不動産会社に査定依頼する

家の売却では、大半の人が不動産会社に仲介を依頼することになります。この際、複数の不動産会社に査定依頼するというのも、築浅物件を売却するうえでの大切なポイントです。

売り出し価格のベースとなる査定価格は依頼する不動産会社によって異なるため、はじめから1社に絞って査定を依頼してしまうと、提示された価格が高いのか低いのか判断がつかなくなってしまいます。結果として、もっと高く売れたはずなのに安い価格で売却してしまうといった事態になりかねません。

また、不動産会社によって得意な分野や地域は異なります。家のある地域における売却、築浅物件の売却を得意とする不動産会社を見極めるためにも、最初は複数の不動産会社に査定を依頼したいところです。

複数の不動産会社に査定依頼したい場合、不動産一括査定サイトを活用するのがおすすめ。不動産一括査定サイト「おうちクラベル」なら、実績豊富な優良不動産会社へ一括で査定依頼ができるほか、AIが算出した査定価格を確認することもできます。

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4.新築・築浅物件を高額売却するコツとは

家を売却するのであれば、できるだけ高く売りたいものです。新築・築浅物件を高額で売却するためには、次の4つのコツを押さえておきましょう。

  1. 未入居ならそのまま売却する
  2. 早めに売却する
  3. 人気がある付属設備は残しておく
  4. 3月・9月に売却する

4-1.未入居ならそのまま売却する

未入居の新築物件を売却する場合、住むことなくそのまま売却したほうが高く売れる可能性が高まります。

特に完成から1年未満であれば、過去に一度も住んでいない家は「新築」扱いになるため、新築物件に近い価格で売れるだけでなく、買い手も見つかりやすいと考えられます。

「もったいないから」「せっかく家があるから、一旦住みながら売却を検討しよう」といった理由で一度でも家に住んでしまうと、その瞬間に新築ではなく「築浅」という扱いになってしまい、途端に価値が下がってしまうというのが一般的です。

また、築1年以上建っている築浅物件であっても、誰も住んだことがないこと自体が価値になるため、通常の築浅物件よりも高く売却できるでしょう。

4-2.早めに売却する

すでに住んでいる築浅物件であっても、なるべく早めに売却したほうが高く売れる可能性があります。

一旦住んでしまうと新築扱いでなくなり新築物件よりは価格が下がってしまいますが、同じ条件であれば、築年数が経過していない家のほうが高値で売却できます。冒頭でも紹介したとおり、築1〜3年程度でも新築と比べれば平均5〜10%程度価値が下がり、それ以降も築年数に応じて価値は右肩下がりになっていくのです。

加えて、検討をスタートしてから実際に売却できるまでには3〜6ヶ月以上の期間を見込む必要があります。スタートが遅くなると築年数が増えてしまい、「築浅」をアピールできなくなってしまう可能性もあるでしょう。

築浅物件の売却を検討するなら、早めの決断が鉄則です。

4-3.人気がある付属設備は残しておく

家が築浅であれば、設置されている各種設備も比較的新しいものが多いはずです。そのため、新築・築浅物件は人気のある付属施設を残したまま売却したほうが、高く売れる場合があります。

特に部屋数の多い物件だと、エアコンを買い揃えるだけでもかなりのコストがかかります。もともと設置していたエアコンを残したまま売却すれば買主の負担が減るため、売却にいい影響を与えるかもしれないのです。

設備を残す・残さないの判断に迷う場合は、売却活動を依頼する不動産会社に相談してみるのがいいでしょう。

4-4.3月・9月に売却する

売却するタイミングによっても、家の売却価格は変動します。高く売りたいのであれば、不動産の繁忙期とされる毎年3月・9月に売却するのがおすすめです。

年間でも最大の繁忙期が3月。4月の入学・転勤を見据えた新生活の準備をするため、2〜3月ごろに家探しを行う人が多いためです。

また、日本企業では9〜10月に秋の大規模な人事異動が行われるケースが多く、3月ほどではないですが、9月も家探しをする人が増えます。

繰り返しになりますが、家を売却するには最低3〜6ヶ月程度かかるため、3・9月に売却が成立するよう逆算して活動をスタートしたいところです。新築として売却したいと考えているなら、築1年未満というタイムリミットも意識したうえで、なるべく早く検討を進めるのが大切です。

5.新築・築浅物件を売却する流れを確認

ここからは、実際に新築・築浅物件を売却する際の流れを確認していきましょう。家の売却は大きく次のような流れで進んでいきます。

  1. 不動産会社へ査定依頼を出す
  2. 売り出し価格を決める
  3. 媒介契約を結ぶ
  4. 売却活動を開始する
  5. 売却先と契約を結ぶ
  6. 物件を引き渡す
  7. 確定申告を行う

それぞれのフェーズについて詳細を紹介していきます。

5-1.1.不動産会社へ査定依頼を出す

家の売却に向けた動きは、不動産会社へ査定依頼を出すところから始まります。不動産会社の行う査定には「簡易査定」と「訪問査定」があります。

簡易査定(机上査定)とは、不動産会社が現地を訪れることなく、物件情報や周辺の取引情報のデータをベースに査定価格を算出する方法です。一方の訪問査定は、不動産会社の担当者が実際に現地調査を行ったうえで査定価格を算出します。

訪問査定のほうがより精密な査定価格を算出できますが、当然手間や時間がかかります。

そのため、最初は机上査定(簡易査定)を複数の不動産会社に依頼し、大まかな売却の相場観をつかむのがおすすめです。個人で複数の不動産会社とやり取りするのは煩雑なので、不動産一括査定サイトを活用するといいでしょう。

不動産一括査定サイト「おうちクラベル」なら、信頼と実績のある優良不動産会社に一括査定を依頼することが可能です。「AI査定」による査定価格もその場で確認できるので、売却に向けた検討をスムーズにスタートできます。

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なお、「査定価格を知りたいだけ」という場合には、氏名をはじめとした個人情報を伝えずに査定依頼ができる「匿名査定」を利用する方法もあります。

5-2.2.売り出し価格を決める

簡易査定・訪問査定で価格の相場を確認したら、売り出し価格を決めていきます。査定価格や事前に自分で調べた相場をベースにしつつ、査定を依頼した不動産会社に相談しながら決めるのもいいでしょう。

納得のいく査定価格・売り出し価格を提示してくれる不動産会社を探し出したら、次のフェーズに進みます。

5-3.3.媒介契約を結ぶ

査定を依頼した複数社の中から、納得のいく価格を提示してくれて信頼のできる不動産会社を選び、媒介契約を締結します。

媒介契約とは、家の売却活動を委託するために不動産会社と締結する契約です。不動産会社が買い手を見つけて売買契約締結まで至ったら、成功報酬として仲介手数料を支払います。

媒介契約には「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があるため、ニーズや状況に応じて最適な契約形態を選ぶようにしましょう。

  • 一般媒介契約
    複数の不動産会社と締結できる契約形態。不動産流通機構が運営する「レインズ」への物件情報登録や、売主に対する業務報告の義務は設けられていない。また、売主自らが買主を見つけて直接売買契約を締結する「自己発見取引」が認められている。

     

  • 専任媒介契約
    不動産会社1社のみと締結する契約形態。レインズへの物件情報登録、2週間に1回以上の売主への業務報告が義務づけられているが、自己発見取引は認められている。

     

  • 専属専任媒介契約
    不動産会社1社のみと締結する契約形態で、レインズへの物件情報登録、1週間に1回以上の売主への業務報告が義務づけられている。自己発見取引も認められておらず、3つの中で最も縛りの強い契約です。

5-4.4.売却活動を開始する

媒介契約を締結したら、不動産会社が売却活動をスタートし、広告や営業を行って広く買い手を探します。

売却活動の具体例としては、新聞の折込チラシや物件情報誌への掲載、物件情報サイトへの登録・掲載、レインズへの物件情報登録などが挙げられます。合わせて、購入希望者に向けた内見会を実施したり、最近ではオンライン上でバーチャル内見を開催したりするケースもあります。

不動産会社がいかに売却活動を積極的かつ効率的に行ってくれるかが、家の売却の成否を決めると言っても過言ではなく、不動産会社の力量が問われる大切なフェーズです。

5-5.5.売却先と契約を結ぶ

売却活動を通じて無事に買主が見つかったら、いよいよ売買契約を締結します。

契約締結にあたっては、事前に売主・買主双方立ち会いのもと、不動産会社に所属する宅建士による「重要事項説明書」の読み上げを行わなければなりません。重要事項説明書には、物件に関わる法的な規制の状況・建物や設備の状況など、買主が知っておくべき重要な事項が記載されています。

売主・買主が重要事項説明書の内容を十分に理解したら、売買契約を締結します。引き渡しの日程を決めるとともに、買主から売買代金の一部が手付金として支払われるのが一般的です。合わせて、売主は不動産会社に対して仲介手数料の半金を支払います。

5-6.6.物件を引き渡す

売買契約締結時に買主と取り決めたスケジュールに沿って、物件の引き渡しを行います。

不動産会社と建物・土地の状況確認を事前に実施し、買主に物件の鍵と必要書類一式を引き渡します。引き渡し当日は司法書士も同席し、並行して買主への所有者移転登記が行われるのが一般的。一連の手続きを経て、家の所有権が売主から買主へと正式に移ります。

買主から売買代金の残金が支払われたら、売主は仲介手数料の残金を不動産会社へ支払い、家の売却が完了します。

5-7.7.確定申告を行う

家を売却したことで利益が出た場合、確定申告を行う必要があります。確定申告の時期は、家を売却した日が属する年の翌年2月16日〜3月15日の間です。

課税対象となるのは、単純に売却価格から購入価格を引いた金額ではなく、売却活動にかかった経費などを差し引いた「譲渡所得」です。譲渡所得がプラスで、かつ3,000万円を超えるケースでは原則確定申告が必要となります。

また、譲渡所得がマイナスであっても、特例による税金還付などを受けるのであれば確定申告が必須です。あらかじめ自分が特例の対象となるのか確認しておくといいでしょう。

6.まとめ

完成から1年未満で人が一度も住んだことのない物件のみ「新築」とうたえるため、新築の家を高く売りたいのであれば、入居せずにできるかぎり早く売却するのがコツです。

仮に住んだことのある物件であっても、築浅であれば新築に近い価格で売れる可能性もあります。築浅の家を売却するケースでも、なるべく早期に検討をスタートしたほうが高値で売りやすいと言えます。

新築・築浅物件の売却を検討するにあたっては、複数の不動産会社に家の査定を依頼するところからスタートしましょう。まずは、不動産一括査定サイト「おうちクラベル」から、実績豊富な不動産会社に一括査定を依頼してみるのがおすすめです。

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この記事の監修者

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