不動産売却でかかる経費総まとめ|譲渡所得税もわかりやすく解説

不動産の売却では、仲介手数料は家屋の解体費用、譲渡所得税など状況に応じてさまざまな経費や税金がかかります。
では、具体的にどのような費用がどの程度かかるのでしょうか?またかかる経費を節約するにはどのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか?
今回は、不動産売却でかかる経費や金額について詳しく解説します。この記事を参考として、不動産の売却で必要な費用の心づもりをしておきましょう。

1.不動産を売却するまでの流れ

不動産の売却でかかる経費について解説する前に、まずは不動産を売却するまでの流れを把握しておきましょう。全体の流れを確認しておくことで、どの時点で経費の支出が必要となるのか理解しやすくなるためです。不動産を売却するまでの一般的な流れは次のとおりです。

  1. 不動産の査定を依頼する
  2. 売却を依頼する不動産会社を選定する
  3. 不動産会社と媒介契約を締結する
  4. 不動産の販売を開始する
  5. 売買契約を締結する
  6. 決済・引き渡しを行う
  7. 確定申告を行う

1-1.不動産の査定を依頼する

不動産の売却を決めたら、まず不動産会社へ査定を依頼しましょう。一般的に、不動産会社へ依頼する査定には費用はかかりません。

不動産の査定は1社のみに依頼するのではなく複数社へ依頼することをおすすめします。

なぜなら、査定額の算定方法は不動産会社によって異なっていることが多く、1社のみへ依頼した場合には、その査定額が適正であるかどうか判断が難しいからです。査定額を比較することで適正な査定額の把握がしやすくなるほか、その不動産の売却に自信のある不動産会社を見つけやすくなるでしょう。

しかし、複数社へ査定を依頼しようにも自分で1社1社回って査定を依頼していては、多大な手間や時間をようしてしまいます。そのような際には、60秒入力で複数の不動産会社へ査定を依頼できる「おうちクラベル」のご利用がおすすめです。

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1-2.売却を依頼する不動産会社を選定する

複数の不動産会社による査定額や査定額の説明、担当者の対応などを比較して不動産の売却を依頼する不動産会社を選びます。後悔のない不動産売却を実現するには、不動産会社の選定が非常に重要です。

そのため、そのエリアへの知識や予定している販売方法、担当者との相性などを比較して信頼できる不動産会社を選定しましょう。

信頼できる不動産会社を探すなら、ぜひおうちクラベルの不動産一括査定サイトをご利用ください。信頼性のある不動産会社が多数参画しており、査定結果をもとに売却を依頼する不動産会社がお選びいただけます。

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1-3.不動産会社と媒介契約を締結する

不動産の売却を依頼する不動産会社を決めたら、その不動産会社との間で媒介(仲介)契約を締結します。媒介契約には次の3種類があります。

  • 専属専任媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 一般媒介契約

自分や不動産に合った媒介契約を選ぶようにしてください。

1-3-1.専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、1社のみに依頼できる媒介契約です。同じ不動産の売却を重ねて他社へ依頼することはできません。

また仮に売主が自分で買い手を見つけてきたとしても、契約先の不動産会社を介さずに売買契約を成立させることはできないとされています。

その一方で、不動産会社側には契約締結から5営業日以内にレインズ(不動産流通機構)へ登録する義務が課されています。また、1週間に1回以上依頼者である売主に対して状況を報告しなければなりません。

1社にしか依頼できない一方で、不動産会社側にも強いコミットが求められる媒介契約の形態であるといえるでしょう。

専属専任媒介契約は1社の不動産会社としか結べないため、不動産会社選びに悩んでしまう方もいるでしょう。その場合は、不動産一括査定サイトを利用することがおすすめです。

一度で複数の不動産会社から査定が受けられるため、査定結果を比較したうえで媒介契約を結ぶ不動産会社が選べます。おうちクラベルは、不動産一括査定サイトの1つです。不動産会社選びにぜひご活用ください。

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1-3-2.専任媒介契約

専任媒介契約も、1社のみに依頼できる媒介契約です。同じ不動産の売却を重ねて他社へ依頼することはできません。

ただし専属専任媒介契約とは異なり、売主が自分で買い手を見つけた場合には、契約先の不動産会社を介すことなく(つまり、仲介手数料を支払うことなく)売買契約を成立させることが可能です。

専任媒介契約の場合、不動産会社は契約締結から7営業日以内にレインズへ登録しなければなりません。また2週間に1回以上の報告義務が課されています。

1-3-3.一般媒介契約

一般媒介契約とは、複数の不動産会社へ重ねて依頼できる媒介契約です。また売主が自分で買い手を見つけることも可能です。

一方で不動産会社側にはレインズへの登録義務はなく、依頼者への報告頻度にも特に決まりはありません。売主側の自由度が低い一方で、不動産会社側の義務も軽減されている契約形態です。

1-4.不動産の販売を開始する

不動産会社と媒介契約を締結したら、不動産の販売を開始します。

販売活動は不動産会社が自社ホームページへ掲載したり、来店客へ案内したりして行います。具体的な販売活動の内容は不動産会社ごとに異なるため、どのような販売活動をするのかあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

購入希望者からの問い合わせなどには不動産会社が対応するので、原則として売主が直接対応する必要はありません。ただし購入希望者が不動産の内見を希望する場合には、不動産会社へすべて任せるのではなくできる限り対応した方が良いでしょう。

なぜなら特に売却する不動産がマンションの1室や一戸建て住宅などの場合には、使い勝手などについて購入希望者が売主に直接質問したい場合も少なくないためです。質問に対して丁寧に対応することで、売買契約が成立する可能性が高くなるでしょう。

販売活動を依頼する不動産会社は、ぜひおうちクラベルの不動産一括査定サイトでお探しください。複数の不動産会社から査定を受けたうえで、希望に適した不動産会社に販売活動を依頼できます。

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1-5.売買契約を締結する

不動産の売買について条件などがまとまったら、買主との間で売買契約を締結します。売買契約書は不動産会社側で用意してくれるため、売主が自分で作成する必要はありません。

なおこのタイミングで、買主から売主に対して手付が交付されることが多いでしょう。手付の額は、売買代金の5%から10%程度とされることが一般的です。仮にこれ以後に売主側から一方的に売買契約を破棄する場合には、手付金を倍にして返還する必要が生じます。

1-6.決済・引き渡しを行う

最後に決済と引き渡しを行います。決済とは、次のことなどを同時に行うことです。

  1. 買主のローンの実行
  2. 買主から売主への残金の支払い
  3. 不動産の名義変更に必要な書類への署名押印

決済の後、その場に同席した司法書士が名義変更の登記申請を行います。これで不動産が買主の所有となります。また、決済の際には後ほど解説する売主によるローン返済や抵当権の抹消手続きが同時になされる場合もあります。

1-7.確定申告を行う

不動産を売却した場合には、譲渡所得税の対象となる可能性があります。そのため、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告をしなければなりません。確定申告については後ほど詳しく解説します。

2.不動産の売却前にかかる経費(費用)

ここからは、不動産の売却にかかる経費(費用)を売却の段階ごとに解説しましょう。不動産の売却前にかかる主な経費は次のとおりです。

  • 解体費用(建物を壊して土地を売る場合)
  • 相続登記費用(名義人が故人である場合)
  • ハウスクリーニング・草刈りなどの費用
  • 修繕・リフォーム費用

2-1.解体費用(建物を壊して土地を売る場合)

建物を取り壊して土地のみを売却する場合には、建物の解体費用がかかります。解体に要する費用は依頼先の建設会社などによって異なりますが、1坪あたりの相場はおおむね次のとおりです。

  • 木造:3万円~5万円
  • 鉄骨造:5万円~7万円
  • RC造:7万円~8万円

たとえば一般的な広さの木造住宅であれば、80万円前後から200万円程度となることが多いでしょう。

ただしこれはあくまでも目安であり、家屋が隣家と密接している場合や道が狭くて重機が搬入しにくい場合などにはさらに高額となる可能性もあります。より正確な解体費用を知るためには、あらかじめ複数の建設会社から見積もりを取得すると良いでしょう。

2-2.相続登記費用(名義人が故人である場合)

不動産が故人名義である場合、そのままでは売却することができません。そのため売却に先だって相続登記をする必要が生じます。

相続登記とは、法務局に申請をして不動産の名義を故人から存命の相続人などへと変更する手続きです。

相続登記の手続きを自分で行おうとすると多大な手間と時間を要します。そのため、司法書士へ手続きを依頼することが多いでしょう。この場合にかかる費用はおおむね次のとおりです。

  • 司法書士報酬:8万円~15万円程度
  • 登録免許税:その不動産の価格×1,000分の4
  • 必要書類の取得費用:1万円から2万円程度

司法書士報酬は事務所によって異なるうえ、相続人の状況や不動産の数、どこまでの手続きを依頼するかなどによって変動します。そのため、より正確な報酬額を知るためには見積もりを取る必要があるでしょう。

そして相続登記において無視することができないのは、登記に際してかかる税金である「登録免許税」です。登録免許税を計算するための「不動産の価格」は、原則として不動産の固定資産税評価額です。

その不動産の固定資産税評価額が3,000万円の場合、登録免許税額は12万円となります。固定資産税評価額が高ければ高いほど、登録免許税も高額になるということです。

2-3.ハウスクリーニング・草刈りなどの費用

不動産を売却するにあたっては、実際にその不動産を引き渡すまで不動産をメンテナンスしなければなりません。建物の場合はハウスクリーニング、土地の場合は草刈りや樹木の剪定などが必要です。

たとえば建物が空室であり3LDK程度の広さである場合、ハウスクリーニングの費用は3万円から10万円程度であることが多いでしょう。ただし室内の状況や設備の状況などによってはこれ以上の金額になる可能性もあります。

また入居中にハウスクリーニングを依頼する場合、空室の場合よりやや高額になる傾向にあります。

一方で、草刈りの費用は土地の広さによって異なりますが、一般的な住宅用地程度の広さである場合は1万円から3万円程度となることが多いでしょう。

2-4.修繕・リフォーム費用

一戸建ての建物やマンションの1室などの不動産を売却する場合において、不具合が生じている場合には修繕やリフォームをしてから売却することがあります。この場合にはその修繕やリフォーム費用が必要です。

修繕やリフォームに要する費用は修繕が必要な箇所や程度などによって大きく異なるので、一概にいえるものではありません。そのためあらかじめ見積もりを取ったうえで依頼すると良いでしょう。

なお築年数の経過した一戸建て住宅の場合、買い手が欲しいのは土地のみであり、あらかじめ建物を取り壊してから売却する必要が生じたり、建物付きで売却するとしても後に買い手が取り壊すことを前提としたりする場合があります。

この場合にはせっかく修繕やリフォームをしても、無駄な出費となってしまうでしょう。そのため特に一戸建て住宅の場合には、修繕やリフォームを依頼する前に不動産会社へ相談しておくことをおすすめします。

まずは査定を受けて、修繕・リフォームが必要かどうかをチェックしてもらうと良いでしょう。最初に査定を申し込むなら、おうちクラベルの不動産一括査定サイトをぜひご利用ください。

インターネット上で申し込めるため、都合がつくときにいつでもご利用いただけます。興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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3.不動産の「売買契約締結時」にかかる経費

不動産の売却が決まったら売買契約を締結します。この売買契約締結時にかかる主な経費は次のとおりです。

  • 印紙税
  • 仲介手数料

3-1.印紙税

印紙税とは、契約書などに「印紙」を貼付することで納付すべき税金です。

不動産の売買契約書は印紙税の課税文書に該当します。そのため不動産の売買契約書には、契約書に記載された金額に応じて次の印紙を貼付しなければなりません。

契約金額 印紙税額(令和6年3月31日まで)
50万円以下 200円
100万円以下 500円
500万円以下 1,000円
1,000万円以下 5,000円
5,000万円以下 10,000円
1億円以下 30,000円
5億円以下 60,000円
10億円以下 16万円
50億円以下 32万円
50億円超 48万円

不動産の売買契約書は2通作成し、売主と買主が1通ずつ保管することが一般的です。そのため、印紙税もそれぞれ自分が保管する契約書へ貼付する分を負担することが多いでしょう。

たとえば契約書に記載した契約金額が3,000万円であった場合、売主と買主がそれぞれ10,000円分の印紙税を負担するということです。

3-2.仲介手数料

不動産の売却を不動産会社へ依頼した場合には仲介手数料が発生します。仲介手数料は、売買契約が成立した時点で不動産会社側に請求権が発生します。

ただし、実際には原則どおり売買契約成立時点で全額が請求されることもあれば、売買契約成立時に一部が請求され残金は決済時に請求されることなどもあるようです。支払いのタイミングは不動産会社によって多少異なるため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

仲介手数料の額はいくらでも良いわけではなく、宅建業法により国土交通大臣が定めることとされています。「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」によれば、仲介手数料の上限額は、次のとおりです。

売却価格 仲介手数料の上限
200万円以下の部分 売却価格の5%+消費税
200万円を超え400万円以下の部分 売却価格の4%+消費税
400万円を超える部分 売却価格の3%+消費税

これは「上限」額であるものの、実際にはこの上限額を仲介手数料に設定している不動産会社が大半でしょう。

なお売却価格が400万円超であれば「売却価格×3%+6万円」でも仲介手数料の上限額を算定でき、計算結果は同じになります。たとえば、不動産の売却価格が3,000万円であった場合における仲介手数料の額は次のとおりです。

  • 仲介手数料=3,000万円×3%+6万円=960,000円

仲介手数料は不動産を売却するにあたっての必要経費といえます。あらかじめ心づもりをしておくと良いでしょう。

売却を依頼する不動産会社をお探しなら、ぜひおうちクラベルの不動産一括査定サイトをご利用ください。一度で複数の不動産会社から査定が受けられるため、査定結果の比較が行いやすいです。

不動産会社選びにぜひお役立てください。

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4.不動産の「売買契約締結から決済時まで」にかかる経費

売却する不動産に抵当権がついている場合、不動産の売買契約締結から決済時までに次の2つの経費がかかります。

  • 住宅ローン残債の返済費用
  • 抵当権の抹消費用

抵当権とは、仮に約束どおりにローンの返済ができなかった場合に債権者である金融機関がその不動産を売却し、売却対価からローンの返済を受けるための担保です。金融機関でローンを組む際には、不動産に抵当権が設定されることが一般的でしょう。

しかし抵当権が付いたままの不動産は、原則として売却することができません。なぜなら抵当権が付いたままであるということは、売り手がローンを滞納したときに購入した不動産を失ってしまう可能性があるからです。そのような不動産を積極的に購入する人はいないでしょう。

そのため売却にあたっては、原則としてローンを完済し抵当権を抹消しておかなければなりません。実際には、決済と同時にローン残債の返済や抵当権の抹消手続を行うことが多いでしょう。

4-1.住宅ローン残債の返済費用

住宅ローン残債を返済するには完済するために必要な資金のほか、経費として「繰上げ返済手数料」がかかります。

繰上げ返済手数料の金額は金融機関によって異なりますが、おおむね1万円から3万円程度であることが多いでしょう。中には無料としている金融機関もあります。

4-2.抵当権の抹消費用

住宅ローンを無事に完済したら、抵当権を抹消することが可能となります。抵当権の抹消にかかる経費は次のとおりです。

  • 司法書士報酬:1万円~2万円程度
  • 登録免許税:抵当権を抹消する不動産の数×1,000円

5.不動産の「売却後」にかかる経費

不動産を売却した後に発生する主な経費は次のとおりです。

5-1.譲渡所得税と住民税

不動産を売却した場合、譲渡所得税や住民税の対象となる可能性があります。譲渡所得税は、不動産などを譲渡して得た「儲け」に対してかかる税金です。

譲渡所得税は国が計算して賦課されるものではなく、自ら(または、税理士に依頼をして)計算し、確定申告をしなければなりません。確定申告の期限は、不動産を売却した日の属する年の翌年2月16日から3月15日までです。

譲渡所得税には税額を大きく軽減できる「特別控除」などがありますが、この控除の適用を受けるには原則として確定申告をする必要があります。期限に遅れると特別控除の適用が受けられず、結果的に税額が増える可能性があるため忘れずに申告してください。

譲渡所得税については次で詳しく解説します。

6.不動産売却でかかる譲渡所得税の計算方法

先ほど解説をしたように、不動産を売却した場合には譲渡所得税がかかる可能性があります。譲渡所得税の算定式は次のとおりです。

  • 課税譲渡所得金額=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額
  • 譲渡所得税額=課税譲渡所得金額×税率

それぞれの計算要素の概要は次のとおりです。

6-1.収入金額

収入金額とは、その不動産を売却したことで買主から受け取った金銭の額です。金銭の代わりに物や権利を受け取った場合には、その物や権利の時価が収入金額となります。

6-2.取得費

取得費とは、売却した不動産の購入代金や建築代金、購入手数料、設備費、改良費などです。ただし、建物の取得費は購入代金または建築代金そのままではなく、ここから所有期間中の減価償却費相当額を差し引いた金額となります。

このほか取得費に計上できる経費には次のものなどが挙げられます。

  • 土地や建物を購入(贈与、相続または遺贈による取得を含む)したときに納めた登録免許税、登記費用、不動産取得税、特別土地保有税(取得分)、印紙税
  • 借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
  • 土地の取得に際して支払った土地の測量費
  • 所有権などを確保するために要した訴訟費用
  • 建物付の土地を購入して、その後おおむね1年以内に建物を取り壊すなど、当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や取壊しの費用
  • 土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子
  • 既に締結されている土地などの購入契約を解除して、他の物件を取得することとした場合に支出する違約金

取得費に計上できるかどうか迷う経費がある場合は、管轄の税務署か税理士に相談すると良いでしょう。なおその不動産が業務用であった場合には、一部の経費は取得費に計上することができません。

ただし自分で購入した不動産ではなく相続で受け継いだ不動産である場合など、資料がなく取得費がわからない場合もあるでしょう。その場合には「収入金額×5%」で取得費を算定します。収入金額の5%というのは非常に少ない額であるため、取得費のわかる資料はしっかりと保管しておくことをおすすめします。

6-3.譲渡費用

譲渡費用とは、不動産を売却するために直接かかった費用のことです。譲渡費用に計上できる経費には次のものなどが挙げられます。

  • 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  • 印紙税のうち、売主が負担したもの
  • 貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
  • 土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
  • 既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売るために支払った違約金
  • 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

6-4.特別控除額

譲渡所得税には、さまざまな特別控除が設けられています。特別控除の適用を受けることで、譲渡所得税を大きく軽減することが可能となるでしょう。特別控除にはさまざまなものが存在しますが、代表的なものは次のとおりです。

  • マイホームを譲渡した場合の3,000万円特別控除
  • 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの3,000万円特別控除
  • 収用等により土地建物を譲渡した場合の5,000万円特別控除
  • 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合の1,000万円特別控除
  • 農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した場合の800万円特別控除

これらの特別控除の適用を受けるためには、それぞれ要件を満たさなければなりません。また期限内に確定申告をすることが必要です。そのため特別控除の適用を受けたい場合には、あらかじめ税理士に相談しておくと良いでしょう。

6-5.譲渡所得税の税率

譲渡所得税の税率は、譲渡をした不動産の所有期間により2段階となっています。

まずその不動産の所有期間が譲渡をした年の1月1日時点で5年超であれば「長期譲渡所得」に該当し税率は15%となります。

一方で譲渡をした年1月1日時点での所有期間が5年以下であれば「短期譲渡所得」に該当し税率は30%です。

短期譲渡所得に該当する場合は税率が一気に跳ね上がります。不動産の譲渡で課税譲渡所得が発生しそうな場合には、譲渡するタイミングにも注意する必要です。

また長期であるか短期であるかによって住民税の税率も変動します。譲渡所得税と住民税の税率をまとめると次のとおりです。

長期・短期 税率(復興特別所得税を含む)
短期譲渡所得 20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
長期譲渡所得 39.63%(所得税30.63%、住民税9%)

※令和19年(2037年)までは復興特別所得税として基準所得税額の2.1パーセントが加算されています。

7.不動産の売却にかかる経費を抑えるポイント

不動産を売却するにあたって、経費をできるだけ抑えるにはどうすれば良いのでしょうか?主なポイントは次のとおりです。

  • 譲渡所得税の特例を活用する
  • 信頼できる不動産会社に相談する

7-1.譲渡所得税の特例を活用する

先ほど解説したように、譲渡所得税にはさまざまな特例が存在します。これらをしっかり活用することで譲渡所得税を大きく軽減できる可能性があるでしょう。

しかしそれぞれの特例には要件があり、要件を外れてしまうと適用を受けることはできません。たとえば「マイホームを譲渡した場合の3,000万円特別控除」では、次のことなどが要件とされています。

  • 住まなくなった家屋を取り壊した場合、その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結されていること
  • 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと

これに照らせば、たとえば「売りやすくなるように」との思いから1年以上前に先走って家屋を取り壊してしまったり、土地を寝かしておくのはもったいないとの思いから一時的に貸駐車場などとしてしまったりすれば、この特例の適用は受けられなくなってしまいます。

確定申告をするときになってから気付いて後悔してもどうしようもできません。そのため不動産の譲渡にあたって建物の取り壊しなど何か大きなことをする際には、あらかじめ税理士などの専門家へ相談しておくと良いでしょう。

7-2.信頼できる不動産会社に相談する

不動産の売却にかかる経費をできるだけ減らすには、信頼できる不動産会社に相談することがカギとなります。

たとえば建物を取り壊して土地を売却する可能性が高いのであれば、せっかく経費をかけてリフォームをしても無駄になる可能性が高いでしょう。その不動産の売却に強い不動産会社であればアドバイスをしてくれる可能性があります。

またそもそも経費を減らすこと以上に不動産をより良い条件で売却することが重要となるでしょう。これもその不動産の売却に自信のある信頼できる不動産会社へ依頼することがポイントです。

しかしどの不動産会社がそのエリアやその物件種別に強いのかわからない場合も少なくないでしょう。そのような際には「おうちクラベル」の不動産一括査定がおすすめです。

おうちクラベルでは一度の入力で、複数の不動産会社へ査定を依頼することが可能です。同条件で依頼した査定額や算定根拠、担当者の対応などを比較することで、自分やその不動産に合った不動産会社を見つけやすくなるでしょう。

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8.まとめ

不動産の売却にかかる経費について解説しました。

不動産の売却には仲介手数料やハウスクリーニング費用、譲渡所得税などさまざまな経費がかかります。あらかじめ必要経費の概算を確認しておくようにしてください。

そして無駄な経費を抑え不動産をより良い条件で売却するためには、信頼できる不動産会社へ売却を依頼することがカギとなります。そのエリアでの不動産売却に自信のある優良な不動産会社をお探しの際には、SREホールディングスが運営する「おうちクラベル」をご利用ください。

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この記事の監修者

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