{"id":133,"date":"2022-02-15T20:33:57","date_gmt":"2022-02-15T11:33:57","guid":{"rendered":"http:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/article46\/"},"modified":"2023-11-17T10:25:35","modified_gmt":"2023-11-17T01:25:35","slug":"post_26","status":"publish","type":"post","link":"https:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/realestate\/column\/article133\/","title":{"rendered":"不動産は生前贈与すべき?相続税や手続きの流れ【シミュレーション付】"},"content":{"rendered":"\n

生前贈与は財産を引き継ぐという点では相続と似通っていますが、税金などに違いがあります。そもそも生前贈与の仕組みがわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回は不動産の生前贈与にスポットをあてて、特徴や流れ、必要書類、注意点などを解説します。税金のシミュレーション付きなので、具体的に想像できるでしょう。\n\n\n\n

不動産の贈与税とは?\n\n\n
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贈与税とは、個人から財産を譲り受けたときにかかる税金です。財産を渡す側を「贈与者」、財産を受け取る側を「受贈者」といい、受贈者が贈与税を支払います。課税方法は暦年課税か相続時精算課税のいずれかを選択します。\n\n\n\n

暦年課税の贈与税は、受贈者が1月1日~12月31日の1年間に譲り受けた財産の合計額から基礎控除額110万円を差し引いて税率をかける仕組みです。そのため、年間110万円の基礎控除額以下の財産を譲り受ける場合は贈与税がかかりません。\n\n\n\n

財産の合計額が高いほど税率が上がる累進課税が適用され、特例贈与と一般贈与で区別されます。特例贈与は直系尊属(祖父母・父母など)からその年の1月1日時点で20歳以上の直系卑属(子・孫など)への贈与で、特例贈与に該当しない場合は一般贈与です。\n\n\n\n

また法人から個人への贈与は、課税される税金の種類が異なります。法人から個人への贈与は受贈者の個人に贈与税はかかりませんが、所得税と住民税はかかります。\n\n\n\n

不動産の生前贈与をした方が良いケース\n\n\n
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一般的に贈与税は相続税よりも高くつく傾向がありますが、全てのケースにあてはまるとは限りません。実行するタイミングを自由に選べるという特性上、次のようなケースでは生前贈与の方がお得になる可能性があります。\n\n\n\n

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  • 価値の上昇が見込めるケース\n\n\n\n
  • 贈与対象から収益が発生しているケース\n\n\n\n\n

    それぞれのケースの特徴について、詳しく解説します。所有している不動産と照らし合わせれば、生前贈与すべきかどうか正しく判断できるでしょう。\n\n\n\n

    ケース1:価値の上昇が見込めるケース\n\n\n\n

    不動産評価額が今後上昇していく見込みがあるケースでは、生前贈与した方が良いといえます。その理由は不動産評価額の変動に応じて、贈与税も変動するからです。\n\n\n\n

    贈与税は、自分の望むタイミングを選べるのが特徴です。贈与した後に不動産評価額が上がっても追加で課税されることはないため、結果として税金を節約できます。\n\n\n\n

    ケース2:贈与対象から収益が発生しているケース\n\n\n\n

    所有している収益不動産は、生前贈与を選択した方がお得になります。収益不動産とは、家賃収入が得られる賃貸マンションやアパートなどです。\n\n\n\n

    たとえば賃貸マンションを父親から相続した場合、父親が亡くなるまでに受け取った家賃収入にも相続税が課税されます。一方で父親が亡くなる前に生前贈与を行っておけば、それ以降の家賃収入には相続税がかかりません。生前贈与のタイミングが早ければ早いほど、相続税の節税効果が期待できます。\n\n\n\n

    不動産の生前贈与「メリット」は?\n\n\n
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    生前贈与を賢く活用すれば、次のようなメリットを享受できます。\n\n\n\n

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    • 相続税より安くなる場合がある\n\n\n\n
    • 生前に自らの意思で相続できる\n\n\n\n
    • 配偶者控除が適用できる\n\n\n\n\n

      税率だけで比べれば生前贈与よりも相続の方がお得ですが、それだけで判断するのは早計です。条件によっては、生前贈与を選んだ方が有利になるケースもあります。\n\n\n\n

      メリット1:相続税より安くなる場合がある\n\n\n
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      多額の資産を保有している場合は、贈与税が相続税より安くなる場合があります。たとえば全財産が6億円を超えている場合、相続税率は55%です。一方で全財産のうちの3,000万円を特例贈与する場合、贈与税率は45%となり相続税よりもお得になります。このように相続税対策としてのメリットを感じ、生前贈与を利用する人は\n\n\n\n

      多いです。\n\n\n\n

      ただし、生前贈与にはさまざまなルールがあります。独断で生前贈与を進めると失敗してしまう可能性もあるので、税理士など専門家に相談した方が良いでしょう。\n\n\n\n

      メリット2:生前に自らの意思で相続できる\n\n\n\n

      財産の所有者が生きているうちに自らの意思で財産を引き継げるのも、生前贈与ならではのメリットです。まず受贈者を誰にするか自由に選べます。相続の場合は相続人を巡って親族間で揉める恐れがありますが、生前贈与では誰に贈与するかが明確なのでトラブルの心配が少ないです。\n\n\n\n

      贈与するタイミングを自由に選べるのも大きなポイントです。自分が元気なうちに贈与すれば、手続きなども一緒に行うことができます。また受贈者がマイホームや子どもの教育費を必要としているタイミングで援助できる点も生前贈与ならではの特権です。\n\n\n\n

      メリット3:配偶者控除が適用できる\n\n\n\n

      生前贈与は贈与税の配偶者控除を利用できる可能性があります。贈与税の配偶者控除とは、夫婦間で居住用不動産または居住用不動産の取得資金を贈与が行われた場合、一定の要件を満たせば最高2,000万円まで控除できる特例です。\n\n\n\n

      贈与税の配偶者控除は、110万円の基礎控除と併用可能です。そのため2,000万円と110万円を合計した2,110万円までが非課税となります。\n\n\n\n

      不動産の生前贈与「デメリット」は?\n\n\n
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      生前贈与はメリットばかりではなく、次のようなデメリットもあります。\n\n\n\n

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      • 相続から3年以内は贈与が無効になる\n\n\n\n
      • 税務署が受理しない\n\n\n\n\n

        生前贈与は主に相続税対策として行われるため、成立要件が厳しいです。デメリットを認識せずに生前贈与を選んで、失敗してしまった方も少なくありません。ここからは生前贈与のデメリットについて、詳しく見ていきましょう。事前にデメリットを把握した上で臨めば、失敗するリスクを軽減することができます。\n\n\n\n

        デメリット1:相続から3年以内は贈与が無効になる\n\n\n\n

        相続開始前の3年以内に生前贈与によって取得した財産は、相続財産に加算されるルールがあるので、注意しなければなりません。生前贈与はなかったものとみなされ、支払い済みの贈与税は相続税から控除されます。\n\n\n\n

        このルールは、被相続人が亡くなる間際の駆け込み贈与を防ぐ目的で設けられています。生前贈与を行う場合は、できるだけ早めに動き出した方が良いでしょう。\n\n\n\n

        デメリット2:税務署が受理しない\n\n\n\n

        生前贈与を成立させるためには、まず双方の意思表示が必要です。また贈与が確実にあった事実を証明できないと、税務署に受理されない可能性があります。\n\n\n\n

        本来、贈与は口約束だけで成立しますが、税務署などの第三者にも証明できるように贈与契約書を作成しておいた方が良いでしょう。贈与契約書があれば、贈与者と受贈者、贈与の目的、贈与財産の詳細などを書面に残すことができます。\n\n\n\n

        不動産の生前贈与の流れ\n\n\n
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        生前贈与を考えているものの、何から始めれば良いかわからないという方も多いのではないでしょうか。生前贈与は、次のような流れで進めていきます。\n\n\n\n

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        1.贈与契約書の作成\nまず贈与者が決めなければならないのが、贈与する財産・受贈者・贈与目的です。贈与することについて受贈者の合意をとった上で、贈与契約書を作成します。\n\n
        2.不動産の名義変更手続き\n不動産を管轄する法務局で、所有権移転登記の登記申請書を提出し、登録免許税を支払います。添付書類は、贈与者は登記識別情報通知(登記済権利証)・贈与契約書・印鑑証明書・固定資産評価証明書、受贈者は住民票です。手続きを司法書士に依頼する場合は、委任状も必要です。\n\n
        3.贈与税の申告・納税\n贈与税の申告は納税者である受贈者が行います。受贈者自身で税額を計算し、管轄の税務署に申告しましょう。申告期限は贈与を受けた年の翌年の3月15日までです。\n\n
        4.不動産取得税の納税\n受贈者には不動産取得税も課税されます。所有権移転登記が完了した後、不動産取得税の納税通知書が届くので忘れずに支払い手続きを行いましょう。\n\n\n\n\n\n\n\n

        不動産の生前贈与に必要な書類\n\n\n
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        不動産の生前贈与では、登記手続きをする際に次の書類の提出が必要です。\n\n\n\n

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        1.贈与契約書の作成\nまず贈与者が決めなければならないのが、贈与する財産・受贈者・贈与目的です。贈与することについて受贈者の合意をとった上で、贈与契約書を作成します。\n\n
        2.不動産の名義変更手続き\n不動産を管轄する法務局で、所有権移転登記の登記申請書を提出し、登録免許税を支払います。添付書類は、贈与者は登記識別情報通知(登記済権利証)・贈与契約書・印鑑証明書・固定資産評価証明書、受贈者は住民票です。手続きを司法書士に依頼する場合は、委任状も必要です。\n\n
        3.贈与税の申告・納税\n贈与税の申告は納税者である受贈者が行います。受贈者自身で税額を計算し、管轄の税務署に申告しましょう。申告期限は贈与を受けた年の翌年の3月15日までです。\n\n
        4.不動産取得税の納税\n受贈者には不動産取得税も課税されます。所有権移転登記が完了した後、不動産取得税の納税通知書が届くので忘れずに支払い手続きを行いましょう。\n\n\n\n\n\n\n\n

        不動産の生前贈与における注意点\n\n\n
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        これまで解説してきた通り、生前贈与にはさまざまなルールが設けられています。税負担やトラブルを軽減するためには、次の注意点を意識しましょう。\n\n\n\n

        相続開始から3年以内の贈与は相続財産に加算される\n\n\n\n

        贈与者が亡くなる前の3年以内に贈与された財産は、相続財産に加算されてしまいます。贈与は無効になってしまうので注意が必要です。\n\n\n\n

        双方の意思表示は贈与契約書で書面保管しておく\n\n\n\n

        贈与契約書の作成は任意ですが、贈与が行われた事実を税務署などに証明する重要な書面です。書面として保管しておけば、贈与者が亡くなった後の相続トラブルも防止できます。\n\n\n\n

        毎年同時期に同額の贈与は連年贈与で課税されてしまう\n\n\n\n

        年間110万円以下の贈与であれば、贈与税は無税となります。ただし、10年間で毎年110万円ずつ贈与する意思があると連年贈与とみなされ、合計額の1,100万円に贈与税がかかることがあるので注意しましょう。\n\n\n\n

        生前贈与でもトラブルの可能性はある\n\n\n\n

        相続トラブルを防ぐ対策としても選ばれていますが、生前贈与でもトラブルが起きる可能性はあります。被相続人から生前贈与を受けた受贈者に対して、不公平感を抱く相続人も少なくありません。贈与契約書を残すことや遺留分を侵害しないことを心がけましょう。\n\n\n\n

        不動産の贈与にかかる税金【シミュレーション】\n\n\n
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        不動産の生前贈与でかかる税金は、贈与税のほかに不動産取得税と登録免許税があります。\n\n\n\n

        不動産取得税はその名の通り、不動産を取得したときに一度だけ課税されるものです。登録免許税は所有権移転登記をする際に課税されます。贈与税と不動産取得税を納めるのは受贈者ですが、登録免許税は贈与者と受贈者どちらが収めても良いので話し合いで決めましょう。\n\n\n\n

        ここからは贈与税・不動産取得税・登録免許税の計算方法をご説明します。具体的な数字を使ったシミュレーションも付けているので、どのくらいの税金がかかるのか計算してみましょう。\n\n\n\n

        贈与税のシミュレーション\n\n\n\n

        贈与税の計算式は次のようになります。\n\n\n\n

        〔基礎控除後の課税価格〕×税率-控除額=贈与税額\n\n\n\n

        税率と控除額については、「一般贈与財産か特例贈与財産か」、「基礎控除後の課税価格がいくらになるか」によって変わります。\n\n\n\n

        一般贈与財産の税率と控除額\n\n\n\n

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        基礎控除後の課税価格\n200万円以下\n300万円以下\n400万円以下\n600万円以下\n1,000万円以下\n1,500万円以下\n3,000万円以下\n3,000万円超\n\n
        税率\n10%\n15%\n20%\n30%\n40%\n45%\n50%\n55%\n\n
        控除額\n–\n10万円\n25万円\n65万円\n125万円\n175万円\n250万円\n400万円\n\n\n\n\n\n\n\n

        特例贈与財産の税率と控除額\n\n\n\n

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        基礎控除後の課税価格\n200万円以下\n400万円以下\n600万円以下\n1,000万円以下\n1,500万円以下\n3,000万円以下\n4,500万円以下\n4,500万円超\n\n
        税率\n10%\n15%\n20%\n30%\n40%\n45%\n50%\n55%\n\n
        控除額\n–\n10万円\n30万円\n90万円\n190万円\n265万円\n415万円\n640万円\n\n\n\n\n\n\n\n

        一般贈与財産3,000万円を取得した場合の贈与税を計算してみましょう。\n\n\n\n

        3,000万円-110万円(基礎控除額)=2,890万円
        2,890万円×50%(一般税率)-250万円(控除額)=1,195万円\n\n\n\n

        課税される贈与税は1,195万円となります。\n\n\n\n

        不動産取得税のシミュレーション\n\n\n\n

        不動産取得税の計算式は次のようになります。\n\n\n\n

        課税標準額×税率
        課税標準額は固定資産評価額が適用されます。固定資産評価額は役所にある固定資産課税台帳で閲覧可能です。ただし令和6年(2024年)3月31日までに宅地等を取得した場合、課税標準額は固定資産評価額の1\/2となります。税率は令和6年(2024年)3月31日までに土地や家屋(住宅)を取得した場合は3%、家屋(非住宅)の場合は4%です。\n\n\n\n

        固定資産評価額3,000万円の宅地を贈与によって取得した場合の不動産取得税を計算しましょう。\n\n\n\n

        3,000万円×1\/2×3%=45万円
        課税される不動産取得税は45万円となります。\n\n\n\n

        登録免許税のシミュレーション\n\n\n\n

        登録免許税の計算式は次の通りです。\n\n\n\n

        課税標準額×税率
        課税標準額は不動産取得税と同じく固定資産評価額が適用されます。贈与による所有権移転登記にかかる登録免許税の税率は2%です。相続の税率0.4%と比べると、贈与の方が高くつくことがわかります。\n\n\n\n

        固定資産評価額3,000万円の宅地を贈与によって取得した場合の登録取得税を計算しましょう。\n\n\n\n

        3,000万円×2%=60万円
        課税される登録免許税は60万円となります。\n\n\n\n

        ポイントを押さえて不動産の生前贈与を成功させよう\n\n\n\n

        不動産の生前贈与について解説してきました。生前贈与は自らの意思で「いつ」「誰に」「どの財産」を引き継ぐか決めることができます。賢く贈与を行えば、相続税よりも安く\n\n\n\n

        抑えることもできるでしょう。\n\n\n\n

        ただし生前贈与にはさまざまなルールがあるため、贈与が認められず結局相続税が課税されてしまったというケースも少なくありません。生前贈与を行う際は、税理士などの専門家に相談した方が安心です。\n\n\n\n

        また贈与税は金額が大きくなりやすいです。親族に贈与税の負担をかけたくないという方は、第三者に不動産を売却する方法もあります。おうちクラベルなら複数の不動産会社から一括査定を取り寄せ可能です。まずは、保有している不動産がどのくらいで売れるのか確認してみてはいかがでしょうか。\n\n\n\n

        Q.そもそも贈与税とは何ですか?
        A.個人から財産を譲り受けたときに課税されるのが贈与税です。贈与税は受贈者が納付しなければなりません。\n\n\n\n

        Q.相続と生前贈与の違いを教えてください!
        A.相続は財産の所有者が亡くなった後に発生しますが、生前贈与は財産の所有者が存命中に行われます。また相続は全ての財産を一度に引き継ぐのに対して、生前贈与は財産を小分けにして引き継ぐことが可能です。相続税と贈与税は、計算も大きく異なります。\n","protected":false},"excerpt":{"rendered":"

        生前贈与は財産を引き継ぐという点では相続と似通っていますが、税金などに違いがあります。そもそも生前贈与の仕組みがわからないという方も多いのではないでしょうか。
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