{"id":356,"date":"2023-03-04T17:44:20","date_gmt":"2023-03-04T08:44:20","guid":{"rendered":"http:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/article238\/"},"modified":"2023-11-08T17:21:22","modified_gmt":"2023-11-08T08:21:22","slug":"post_170","status":"publish","type":"post","link":"https:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/realestate\/column\/article356\/","title":{"rendered":"不動産売買の手付金の相場・タイミング・注意点を「受取側」「支払側」で解説"},"content":{"rendered":"\n
不動産売買を行う際には、手付金を支払うのが一般的です。しかし「手付金の相場や支払うタイミング、細かなルールが分からない」と、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。\n\n\n\n手付金はトラブルになりやすい項目なので、不動産売買の前にきちんと意味や支払いタイミングを理解しておくことが重要です。\n\n\n\n本記事では、不動産売買の手付金に関して、種類や金額、支払いのタイミングなどを解説します。不動産売買を安心・安全に進めるためにも、最後まで読み進めてみてください。\n\n\n\n1.不動産売買における手付金とは\n\n\n\n\n\n\n手付金とは、売買契約の締結時に買主から売主に支払うお金を指します。手付金は支払いが義務付けられているわけではありませんが、不動産売買を円滑に進めるために、売買契約の締結時に支払うのが一般的です。\n\n\n\n手付金の目的や各種支払金との違いなどを、詳しく解説します。\n\n\n\n1-1.手付金の目的\n\n\n\n手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払うお金のことです。\n\n\n\n手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金はトラブルになりやすい項目なので、不動産売買の前にきちんと意味や支払いタイミングを理解しておくことが重要です。\n\n\n\n本記事では、不動産売買の手付金に関して、種類や金額、支払いのタイミングなどを解説します。不動産売買を安心・安全に進めるためにも、最後まで読み進めてみてください。\n\n\n\n1.不動産売買における手付金とは\n\n\n\n\n\n\n手付金とは、売買契約の締結時に買主から売主に支払うお金を指します。手付金は支払いが義務付けられているわけではありませんが、不動産売買を円滑に進めるために、売買契約の締結時に支払うのが一般的です。\n\n\n\n手付金の目的や各種支払金との違いなどを、詳しく解説します。\n\n\n\n1-1.手付金の目的\n\n\n\n手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払うお金のことです。\n\n\n\n手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
本記事では、不動産売買の手付金に関して、種類や金額、支払いのタイミングなどを解説します。不動産売買を安心・安全に進めるためにも、最後まで読み進めてみてください。\n\n\n\n1.不動産売買における手付金とは\n\n\n\n\n\n\n手付金とは、売買契約の締結時に買主から売主に支払うお金を指します。手付金は支払いが義務付けられているわけではありませんが、不動産売買を円滑に進めるために、売買契約の締結時に支払うのが一般的です。\n\n\n\n手付金の目的や各種支払金との違いなどを、詳しく解説します。\n\n\n\n1-1.手付金の目的\n\n\n\n手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払うお金のことです。\n\n\n\n手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金とは、売買契約の締結時に買主から売主に支払うお金を指します。手付金は支払いが義務付けられているわけではありませんが、不動産売買を円滑に進めるために、売買契約の締結時に支払うのが一般的です。\n\n\n\n手付金の目的や各種支払金との違いなどを、詳しく解説します。\n\n\n\n1-1.手付金の目的\n\n\n\n手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払うお金のことです。\n\n\n\n手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金の目的や各種支払金との違いなどを、詳しく解説します。\n\n\n\n1-1.手付金の目的\n\n\n\n手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払うお金のことです。\n\n\n\n手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金とは、売買契約時に買主から売主に支払うお金のことです。\n\n\n\n手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金の目的は、主に以下の2つです。\n\n\n\n\n売買契約が明確に成立していることを表す\n\n\n\nいつでも契約解除ができる状態を防ぐ\n\n\n\n\n手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金の目的の1つは、売主と買主お互いの売買意思の証明です。売買契約書への署名・押印だけではなく、買主が手付金を支払い売主が手付金を受領して、お互いの意思を明確にする役割があります。\n\n\n\nまた、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
また、簡単に契約解除が行われないようにするのも目的の1つです。\n\n\n\n不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産は金額が大きく、住居の引っ越しなども関係するので、いつでも契約キャンセルできる状態ではお互いが困ります。そのため、売買契約から不動産の引き渡しまでを円滑に進めるために手付金があります。\n\n\n\nそして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
そして、手付金は売買代金の先払いではないため、決済時に一度返却が必要です。しかし、契約書に売買代金の一部として充当する旨を盛り込めば、決済時に売買代金から手付金を差し引いた残金を支払う形にできます。\n\n\n\n1-2.内金(中間金)との違い\n\n\n\n内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
内金とは、売買契約の締結から引き渡し前までに支払うお金です。\n\n\n\n手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金は不動産売買代金の一部として支払うわけではありませんが、内金は不動産代金の一部として前払いする趣旨で支払うという違いがあります。\n\n\n\nしかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
しかし、不動産売買で内金を支払うケースは珍しく、注文住宅の建築の際などにハウスメーカーへ中間金を支払うケースがあります。\n\n\n\n1-3.頭金との違い\n\n\n\n頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
頭金とは、不動産売買にあてる自己資金のことを指します。不動産売買において売主から頭金の支払いを求められるわけではなく、頭金の支払いを決めるのはあくまでも買主です。\n\n\n\n例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
例えば、3,000万円の住宅購入で、2,000万円の住宅ローンを組み、残りの1,000万円は自己資金で払う場合に、自己資金にあたる1,000万円が頭金という考えです。\n\n\n\n住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
住宅ローンを借入れる際に頭金を支払うと、借入額が少なくなり住宅ローン完済時の総支払額を抑えられます。\n\n\n\nまた、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
また、住宅ローンによっては物件価格の1割以上の頭金を求められる場合があります。売買価格をすべて住宅ローンでまかなう場合には、頭金は必要ありません。\n\n\n\n手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金の支払いは、頭金として用意した資金をあてるのが一般的です。\n\n\n\n1-4.申込証拠金との違い\n\n\n\n申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
申込証拠金とは、優先的に不動産を購入できる権利を確保するためのお金です。\n\n\n\n不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産は一点ものです。そのため、同じような土地の形や同じような間取りの物件があったとしても、完全に同じものは存在しません。\n\n\n\n購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
購入を悩んでいる間にほかの人に買われてしまい、後悔することもあります。しかし、不動産は高額なためすぐに結論が出ないという方も多いでしょう。\n\n\n\n「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
「購入する意思がきちんとあります」という意味で申し込み証拠金をおさめると、不動産を一定期間押さえたうえで購入を検討できます。金額の相場は、不動産の価格に関わらず5〜10万円程度です。\n\n\n\n売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売買契約に至れば手付金・諸経費として充当され、売買契約前であればキャンセルすると全額返却されます。\n\n\n\n2.不動産売買における手付金の種類\n\n\n\n\n\n\n一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
一口に手付金といっても、種類によってさまざまな意味合いが含まれます。手付金の種類は以下の3つです。\n\n\n\n\n証約手付\n\n\n\n解約手付\n\n\n\n違約手付\n\n\n\n\nそれぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
それぞれ詳しく解説します。\n\n\n\n2-1.契約の証拠である「証約手付」\n\n\n\n証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
証約手付とは、不動産売買契約の成立を証明するために授受される手付金です。\n\n\n\nすべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
すべての手付に共通する内容ですが、買主側の購入意思を表します。不動産を確実に購入するために、重要な意味を持つのが証約手付です。\n\n\n\n2-2.解約権の保留を意味する「解約手付」\n\n\n\n解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
解約手付とは、買主と売主双方に契約締結後でも解約できる権利を与える手付金です。不動産売買において、手付金の多くは解約手付に該当します。\n\n\n\n解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
解約手付の授受が行われている場合には、契約成立後であっても「契約の履行に着手する前まで」という条件で、買主・売主いずれかの意思で契約を解除できます。\n\n\n\nこのような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
このような契約の解除を手付解除と呼び、手付解除する際には以下の要件を満たすことが民法第557条第1項で定められています。\n\n\n\n【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
【買主の手付解除】\n\n\n\n支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
支払っている手付金を全額放棄する\n\n\n\n【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
【売主の手付解除】\n\n\n\n受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
受け取っている手付金の倍額を返還する\n\n\n\n買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
買主による手付金の放棄を「手付損」や「手付流し」と呼び、売主による手付金の倍額の支払いを「手付倍返し」と呼びます。\n\n\n\n売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売買契約において、手付金に機能を持たせるかどうかは売主・買主双方の合意によって決めるのが一般的です。当事者間で手付金の機能を定義していなかった場合には、過去の判例に基づけば「解約手付」と推定されます。\n\n\n\n2-3.債務不履行への対策を意味する「違約手付」\n\n\n\n違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
違約手付とは、契約内容に関して債務不履行が起こった場合に没収される手付金のことです。債務不履行とは、売買契約時に売主と買主で決めた内容(約束)が守られないことをいいます。\n\n\n\n債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
債務不履行の一例は以下のようなケースです。\n\n\n\n\n売買金額の支払い期日までに買主がお金を用意できなかった\n\n\n\n売主の抵当権の抹消が、引き渡し日に間に合わなかった\n\n\n\n\n買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
買主が債務不履行を起こした場合には、支払っている手付金が全額没収され、売主の場合は、手付金の返還とともに手付金と同額を支払う必要があります。\n\n\n\n例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
例えば、売買契約後に手付金として買主から売主に対して200万円の手付金を支払った場合に債務不履行が起こると、以下の支払いが発生します。\n\n\n\n【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
【買主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
支払った200万円を違約金として、売主に没収される\n\n\n\n【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
【売主の債務不履行が原因で契約解除になった場合】\n\n\n\n受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
受け取った200万円を返還し、違約金として手付金の同額である200万円を支払う\n\n\n\n違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
違約手付の場合は、手付金の放棄や倍額の支払いとは別に、損害賠償も請求される可能性があるので注意が必要です。\n\n\n\n3.不動産売買における手付金の相場・上限\n\n\n\n不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産売買における手付金の相場は、不動産価格の5%〜10%です。\n\n\n\n個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
個人間の売買では手付金の上限と下限は決まっていません。しかし、相場よりも高いと買主が見つかりにくく、低いと買主は見つかりやすくても解約されやすいなどのリスクが増加します。\n\n\n\nただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
ただし、手付金の額を必ずしも売買金額の5%〜10%にする必要はなく、あくまでも参考程度に考えるようにしましょう。相場を参考に、買主と売主でお互いが納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\nまた手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
また手付金額に上限はありませんが、例外として売主が不動産会社の場合は「不動産価格の20%」が上限と宅地建物取引業法第39条第1項で決められています。\n\n\n\n3-1.手付金は合意があれば自由に設定できる\n\n\n\n手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金には相場こそあるものの個人間売買で上限はなく、売主・買主の間で取り決めます。\n\n\n\n売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売主の場合はできるだけ高く設定しておいたほうがリスクヘッジになりますが、高すぎても契約成立に至らない可能性があります。\n\n\n\n相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
相場より安く売りに出す場合や人気のエリアに売りに出す場合などは、高めの手付金を設定するなど状況によって金額を検討するとよいでしょう。\n\n\n\n最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
最終的には相場を参考にしながら、買主の購入意思やお互い納得できる金額の設定をおすすめします。\n\n\n\n4.不動産売買の手付金を受け取るタイミング\n\n\n\n\n\n\n不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産売買の手付金を受け取るタイミングは、基本的には売買契約の締結と同時です。そのため契約時には、まとまったお金を用意しておく必要があります。\n\n\n\n手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金を受け取るタイミングと受け渡し方法に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n4-1.売買契約時に受け取る\n\n\n\n手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金は、売買契約の締結時に受け渡します。\n\n\n\n手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金は本来、物件の引き渡し時に一度返還するお金で、売却代金の一部ではありません。しかし、契約書での取り決めにより、売買代金の残金を支払う決済時に売買代金に充当するのが一般的です。\n\n\n\nまた、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
また、契約を証明するお金でもあるため、売主は仲介手数料などの費用にあてずに、留保しておく必要があります。\n\n\n\n4-2.手付金の受け渡し方法\n\n\n\n手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金の受け渡しは、原則現金です。\n\n\n\n不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産売買価格の5%〜10%と高額になりやすい手付金を現金で受け渡す理由は、不動産会社の倒産や売主と連絡が取れなくなるといったリスクに備えるためです。\n\n\n\n現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
現金で預けておくと、売主責任で解約する場合に、手付金が返還されないという事態を避けられます。\n\n\n\nまた、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
また、不動産の契約が土曜日・日曜日・祝日に行われることが多く、銀行が休みのため現金で支払われるというのも理由の1つです。\n\n\n\nしかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
しかし、不動産売買は高額の取引になるため、現金での準備が不安であれば契約日を平日に調整して小切手や振り込みで支払うケースもあります。\n\n\n\n5.売主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売主も買主もお互い契約解除できる権利を持っています。しかし、いつでも解除できる状態であれば一方が損をする可能性が高いです。\n\n\n\nそのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
そのため、民法では契約解除ができる期日を定めています。売主が売買契約を解除できるタイミングと条件に関して詳しく解説します。\n\n\n\n5-1.契約解除は「契約の履行に着手するまで」と決められている\n\n\n\n手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付金の解除では理由を問わずいつでも契約解除できますが、それでは売主・買主共に不安が残ります。\n\n\n\nそのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
そのため、契約解除ができる期間として「契約の履行に着手するまで」と、民法五百五十七条(手付)で定められています。\n\n\n\n履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
履行の着手とは、買主が「売買金額の残金を支払う」などの場合、売主では「確定測量の実施」や「引き渡し条件の建物解体を実施」した場合などが考えられます。\n\n\n\nただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
ただし「契約の履行に着手するまで」では、履行の着手日までに期間が空き、お互い不安な状況が続き好ましくありません。そこで、売買契約書に「手付解除期日」を記載するのが一般的です。\n\n\n\n手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
手付解除期日を設定すると、解約可能な期日が明確になり、売主・買主が安心して取引できます。期日の設定では契約から決済までの期間を考慮して決める必要がありますが、契約から1ヶ月くらいが一般的です。\n\n\n\n5-2.解約には「手付倍返し」が必要\n\n\n\n売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売主が売買契約を解除する場合には、受け取った手付金と手付金の同額を買主に提供する「手付倍返し」が必要です。売主は返還を申し出るだけではなく、実際に買主に対して支払うことで解約が成立します。\n\n\n\n例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
例えば、売買金額3,000万円の契約で手付金として売買金額の5%を取り決めた場合には、買主から売主へ支払う手付金が150万円となります。\n\n\n\nそのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
そのため、もし売主から手付解除を申し出た場合には、合計300万円を支払わなければ、現実的に契約解除ができないということです。\n\n\n\n物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
物件をなるべく早く売却したい売主側が契約の解除を申し出るのは少ないですが、さらに高額な購入者が現れた際に手付金を倍返しして契約解除するケースがあります。\n\n\n\n5-3.履行の着手・手付解除期日以降は違約金が発生する\n\n\n\n履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
履行の着手後や手付解除期日以降に契約を解消したいと申し出た場合には、違約金が発生します。\n\n\n\n不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産売買契約書では、債務不履行の取り決めとして契約解除に違約金を請求できると定めるのが一般的です。\n\n\n\n例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
例えば、買主による債務不履行(住宅ローンの審査を行っていなかった、残金の未払いなど)が起こった場合には、売主は契約の解除と違約金の両方が請求可能です。\n\n\n\n一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
一方で、売主による債務不履行(自己都合により不動産の引き渡しができなくなる、など)の場合には、買主から契約解除の申し出と手付金の返還、違約金を求められます。\n\n\n\n違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
違約金の金額相場は、売買金額の10%〜20%です。売主が宅地建物取引業者の場合は20%が上限です。違約金の金額が手付金を上回る場合は差額分を支払います。\n\n\n\n6.買主が契約を解除できるタイミングと条件\n\n\n\n\n\n\n売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売主と買主の契約解除のタイミングは、基本的には同じです。しかし、手付解除での条件などが異なります。\n\n\n\n買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
買主が契約を解除できるタイミングと条件に関して、詳しく解説します。\n\n\n\n6-1.解除のタイミングは基本的に売主と同じ\n\n\n\n不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
不動産の売買契約を解除できるタイミングは、売主と同じく「履行の着手」や「手付解除期日」までが一般的です。\n\n\n\n買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
買主の「履行の着手」の例では「引き渡しに向け引っ越しの準備をした」「内金、中間金を支払った」などが挙げられます。\n\n\n\n買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
買主が住宅ローンを利用する場合は、売買契約書に住宅ローン特約を定めるのが一般的です。住宅ローン特約とは、住宅ローン審査に落ちてしまった場合の取り決めです。\n\n\n\n住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
住宅ローンの本審査に通るか通らないかは誰にもわかりません。そのため、住宅ローン審査の結果は買主の責任ではありません。売主責任ではないのに、手付金の放棄や違約金を請求されるのはあまりにも酷です。\n\n\n\nそのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
そのため、融資未承認という結果がでた場合の契約解除を住宅ローン特約として定めておくと、万が一の場合に無条件で解約ができます。\n\n\n\nただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
ただし、売買契約後に自己都合で本審査に必要な書類を提出しなかった場合などは、特約の適用外になるので注意が必要です。\n\n\n\n6-2.解約には「手付金の放棄」が必要\n\n\n\n売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n
売買契約の締結後、買主が契約を解除するには売主に支払った手付金を放棄する必要があります。\n\n\n\n