{"id":365,"date":"2023-03-06T17:40:48","date_gmt":"2023-03-06T08:40:48","guid":{"rendered":"http:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/article247\/"},"modified":"2023-11-08T15:51:43","modified_gmt":"2023-11-08T06:51:43","slug":"7_3","status":"publish","type":"post","link":"https:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/land\/column\/article365\/","title":{"rendered":"土地売買でよくある7種類のトラブルと防止する対処法を解説"},"content":{"rendered":"\n

土地などの不動産売買は、取引の金額が一般的な売買に比べて高額なだけにトラブルが発生すると、対応するのに大きな損害が発生したりかなりの労力を割いたりする必要があります。この記事では、土地売買をめぐるトラブルについて典型的なものを解説します。どのようなトラブルが起こりうるのかを事前に理解しておくことで、あらかじめ対策を講じることができ、トラブルが発生するのを防ぐことができるでしょう。\n\n\n\n

1.境界をめぐるトラブル\n\n\n\n

土地売買のトラブルにはさまざまな形態がありますが、その1つに境界をめぐるトラブルがあります。\n\n\n\n

ここでは、境界をめぐるトラブルの典型例とその対処法について解説します。\n\n\n\n

1-1.近隣との境界トラブル\n\n\n
\n
\"\"\n\n\n

土地の売買では、売主が買主に土地の境界を明示することが義務となっています。土地の境界がはっきりしない場合、土地の売買後に買主と隣地の所有者との間でトラブルが発生する可能性があることが大きな理由です。しかし、土地の境界を正確に知ることは簡単ではなく、隣地の所有者と言い分が食い違うことも稀ではありません。\n\n\n\n

そこで、土地の売買を行う際には、隣地の所有者も立ち会った上で、土地の境界を確認する作業がおこなわれることが多くあります。隣地の所有者も一緒に確認することで、お互いの認識を合わせることができ、土地の境界をめぐってトラブルに発展することを防げるでしょう。\n\n\n\n

今後も土地境界をめぐって揉めることのないようにするためには、土地境界標を埋設すると良いでしょう。曖昧な記憶のもとに境界線を決めるのではなく、客観的な証拠を設置しておくことで、後年においても境界線をめぐってトラブルになることを防げるでしょう。\n\n\n\n

1-2.登記簿上と実際の土地が違う\n\n\n\n

隣地の所有者と確認を行ったとしても、登記簿上と実際の土地が違うことでトラブルになるケースもあります。過去に測量をしていても、古い測量技術で誤った記録が残されている場合や所有者が長年変わらず測量を長い間行っていない場合などでは、登記簿上と実際の土地が異なる使われ方をしていることが考えられます。\n\n\n\n

このように、登記簿上と実際の土地が異なる場合、土地を売却する前に土地測量をすることがおすすめです。売却前の土地測量は義務ではありませんが、隣地の所有者との認識が異なる部分の境界を確定するためには、測量を行うことが効果的です。先ほど解説した土地境界標の設置と同じく、現代の技術で測量を行えば、客観的な事実をもとにした境界を確定できるため、よりトラブルが起きる可能性を削減できるでしょう。\n\n\n\n

2.土壌汚染・地下埋設物をめぐるトラブル\n\n\n
\n
\"\"\n\n\n

土地売買では、土壌汚染・地下埋設物をめぐるトラブルも起こりえます。\n\n\n\n

ここでは、土壌汚染・地下埋設物をめぐるトラブルについて、どのような事例があるのかや気をつけるべきことは何かを1つずつ解説します。\n\n\n\n

2-1.土壌汚染\n\n\n\n

土壌汚染とは土壌が有害物質に汚染された状態のことをいいます。有害物質に汚染されているかは目に見えないため、土地売買を行った際に気づくことは稀です。しかし、引渡し後に土壌の調査をしたら土壌汚染が発覚する場合など、土地の売買が終了した後に土壌汚染が判明するケースが多くあります。\n\n\n\n

土壌汚染が判明すると、汚染の程度によっては売主に「契約不適合責任」が問われる可能性もあります。契約不適合責任とは、売主が買主に引き渡した物の種類、品質、数量が契約内容に適合していないと判断された場合に売主が負う責任のことです。たとえ売主も土壌汚染について全く気づいておらず、すなわち故意ではなく過失によるものであっても、契約不適合責任が認められる可能性があります。\n\n\n\n

契約不適合責任が認められると、損害賠償をしなければならない場合もあります。ただし、土壌汚染があったから直ちに損害賠償請求が認められるわけではありません。土壌汚染による損害賠償請求が申し立てられたら、裁判所にて土壌汚染が土地の利用にどのような影響を及ぼすのか、土壌汚染に対し対策を講じる必要があるのかなどを考慮した上で、損害賠償請求が適切であるかどうかの判断がなされます。そこで、損害賠償請求が認められれば損害賠償をしなければけなくなります。\n\n\n\n

いずれにせよ、土壌汚染があると契約不適合責任により損害賠償をしなければならない可能性もあるため、土地を売る場合は注意をしてください。\n\n\n\n

2-2.地下埋設物\n\n\n\n

また、土壌汚染だけでなく、地下埋設物が発見されることもあります。地下埋設物についても引渡し後に発覚するケースが多いのですが、土壌汚染と同じく地下に物が埋まっているだけで、即座に問題になることは多くありません。\n\n\n\n

実際の判例でも、コンクリート製の構造物や水道管、直径約30cm・長さ約8mの地下杭30本などが地下に埋まっていても、これらの埋設物の必要性や建物の利用に与える影響が小さいと判断されると、損害賠償請求が認められていません。\n\n\n\n

ただし、地下埋設物が埋まっていることで、土地の上に建物を建築できないなど大きな影響を及ぼす場合には契約不適合責任に該当する可能性があります。そのような土地に建物を建築するには、地下埋設物の撤去工事を行わなければならず、通常想定されるよりも多くの費用がかかるため、契約不適合責任に該当する可能性があるのです。\n\n\n\n

土壌汚染も地下埋設物も、売買契約時には気が付かないことが多いため、事前に確認しておくことが望ましいでしょう。\n\n\n\n

3.権利関係をめぐるトラブル\n\n\n\n

権利関係をめぐるトラブルで多いケースは主に以下の3つです。\n\n\n\n

    \n
  • 借地権が設定されている土地\n\n\n\n
  • 借地権の売買\n\n\n\n
  • 抵当権が設定されている土地\n\n\n\n\n

    権利関係に問題があると、土地の利用そのものができない可能性もあるので、必ず確認してください。\n\n\n\n

    3-1.借地権が設定されている土地\n\n\n\n

    まずは借地権が設定されている土地で起きるトラブルについて解説します。\n\n\n\n

    売買される土地の中には借地権が設定されていることがあります。借地権とは、建物を所有するために土地を借りる権利のことで、土地に建てられる建物は土地の所有者とは別の人が所有権を持っています。そのため、借地権が設定されている土地を購入しても、建物の所有権は手に入らないため、買主の想像通りに土地が使えなくなってしまうのです。\n\n\n\n

    借地権を規定している借地借家法や旧借地法は、借地人の権利を守る性格が強いため、借地人に立ち退いてもらうことは簡単ではありません。したがって、購入しようとしている土地が借地権付きかどうかを必ず確認するようにしてください。\n\n\n\n

    また、借地権が設定されている土地を売買する際には敷金の扱いにも注意が必要です。借地権に法的な対抗力がある場合で、前の土地所有者が敷金を預かり敷金の返還義務を負っている場合、新しい土地所有者が敷金の返還義務を引き継ぐことになります。そのため、借地権が設定されている土地を購入する際、敷金の返還義務があるかを事前に確認しておくことが大切です。\n\n\n\n

    3-2.土地の所有権ではなく、借地権の売買\n\n\n
    \n
    \"\"\n\n\n

    土地の所有権ではなく、借地権を売買することもあります。ただし、借地権の売買は制限が多く、円滑に交渉・取引を進められない可能性があります。例えば、地代・更新料の支払いが必要な場合や地主による借地権譲渡の拒否、建物への抵当権設定の承諾拒否、金融機関での融資が難しいことなどが挙げられます。\n\n\n\n

    このようなリスクは、定期借地権を設定することで低減することが可能です。定期借地権には、一般定期借地権、建物譲渡特約付借地権、事業用借地権の3種類があります。3種類の概要は以下のとおりです。\n\n\n\n

      \n
    • 一般定期借地権:借地期間を50年以上に設定した定期借地権のこと。契約終了時には、原則として建物を取り壊し、土地を返還する必要がある。\n\n\n\n
    • 建物譲渡特約付借地権:契約から30年が経過した段階で、土地の所有者に建物を譲渡することをあらかじめ約束した定期借地権のこと。建物の譲渡により借地権を失う。\n\n\n\n
    • 事業用借地権:事業用に建物を建築して利用する定期借地権のこと。契約期間は10年以上20年未満と定められている。事業用に土地を借りるため、住宅の建築は不可。\n\n\n\n\n

      例えば、定期借地権付マンションが流通していますが、このような規定が設けられているため、一般的なマンションとは違う面もあることに注意してください。\n\n\n\n

      3-3.抵当権が設定されている土地\n\n\n\n

      抵当権が設定されている土地も注意が必要です。抵当権とは、債権者(例:お金を貸す人)が担保として差し出された不動産から優先して債務(例:借金)の弁済を受けることのできる権利です。すなわち、借金の担保として土地を差し出して、その土地に抵当権が設定された場合、借金の返済が滞ってしまうと債権者が抵当権が設定されている土地を処分し、その売却代金から返済の返済に当てることができます。\n\n\n\n

      抵当権が設定されている土地を購入すると、所有権は前の所有者から新しい所有者に移ります。ただし、抵当権はその性質上新しい所有者に所有権が移っても、購入した土地に抵当権が設定されたままであり、債権者が抵当権を実行してしまうと、当該土地を利用し続けることができなくなります。せっかく購入したのに、土地の継続的な利用ができないので、大きな損害を被ることになります。\n\n\n\n

      なお、抵当権は債務の弁済を担保するために設定されているものであるため、債務を完済すれば抵当権は抹消されます。そのため、抵当権が設定されている土地を売買する際は、先に抵当権を抹消してから行うことが一般的です。\n\n\n\n

      そのため、購入を検討している土地に抵当権がついている場合、抵当権の抹消を依頼したり前の所有者の債務の弁済状況を確認したりするなどして、債務の弁済が滞り抵当権が実行されないように注意して、慎重に検討する必要があるでしょう。\n\n\n\n

      4.法令上の制限をめぐるトラブル\n\n\n\n

      法令上の制限をめぐるトラブルが発生することもあります。\n\n\n\n

      中でも、都市計画法と建築基準法に関連するトラブルが多いため、それぞれの事例について解説します。\n\n\n\n

      4-1.都市計画法に関連するもの\n\n\n\n

      都市計画法とは、都市計画に必要な事項について規定している法律です。都市計画法に関連するもので多いトラブルは、市街化区域と市街化調整区域の区分についてです。市街化調整区域は、市街化を抑制するために設定された地域であるため、建物の建築が制限されています。\n\n\n\n

      また、売買した土地が都市計画道路の整備が予定されている区域であれば、将来的に立ち退きが求められることや建物の制限を受けることが考えられます。このように、土地の利用が自由にできなくなることがわかっていれば、売買価格にも影響を及ぼすことが考えられるでしょう。\n\n\n\n

      売買後に、市街化調整区域や都市計画道路の整備予定区域に入っていることがわかれば、大きなトラブルになりかねません。そのため、売買契約を結ぶ前に、都市計画法上、制限のない土地であるのかを確認することが大切です。\n\n\n\n

      4-2.建築基準法に関連するもの\n\n\n
      \n
      \"\"\n\n\n

      建築基準法とは、建物の建築や利用で最低限守らなければならないルールを定めた法律です。建築基準法48条では以下の13の用途地域が指定されています。\n\n\n\n

        \n
      • 第一種低層住居専用地域\n\n\n\n
      • 第二種低層住居専用地域\n\n\n\n
      • 第一種中高層住居専用地域\n\n\n\n
      • 第二種中高層住居専用地域\n\n\n\n
      • 第一種住居地域\n\n\n\n
      • 第二種住居地域\n\n\n\n
      • 準住居地域\n\n\n\n
      • 田園住居地域\n\n\n\n
      • 近隣商業地域\n\n\n\n
      • 商業地域\n\n\n\n
      • 準工業地域\n\n\n\n
      • 工業地域\n\n\n\n
      • 工業専用地域\n\n\n\n\n

        また、建築基準法52条以降で容積率、建ぺい率、建物の高さ制限なども定められています。特に建物の高さ制限については、用途地域によっても異なるため、よく確認する必要があります。土地の取得後になって、希望する建物が建てられないことが判明したというようなことがないようにしましょう。\n\n\n\n

        また、トラブル事例として多いのが「接道義務」違反の土地です。接道義務とは、幅員4m以上である建築基準法上の道路に建物の敷地が2m以上接していなければならないとするルールです(都市計画区域・準都市計画区域で建物を建てる場合)。\n\n\n\n

        接道義務を満たしていないと、土地を取得しても新たに建物が建てられないことになります。必ず事前に確認しておきましょう。\n\n\n\n

        5.契約の解除をめぐるトラブル\n\n\n
        \n
        \"\"\n\n\n

        土地売買契約では一部の場合で契約解除が認められています。\n\n\n\n

        ただし、契約解除をしようとする際、そもそも契約解除が可能かどうか、どのようにすれば契約解除が認められるのかが問題になるケースが多くあるのです。\n\n\n\n

        ここでは、契約の解除をめぐるトラブルについて解説します。\n\n\n\n

        5-1.契約の解除が認められるケース\n\n\n\n

        土地などの不動産売買は、金額が高額であることから簡単に契約解除をすることはできません。\n\n\n\n

        ただし、以下のような一部の場合では契約解除が認められています。\n\n\n\n

          \n
        • 手付放棄による解除\n\n\n\n
        • 引渡し完了前の滅失・毀損による解除\n\n\n\n
        • 契約違反による解除\n\n\n\n
        • ローン特約による解除\n\n\n\n
        • 契約不適合責任による解除\n\n\n\n
        • 話し合いによる合意解除\n\n\n\n
        • クーリング・オフによる解除(売主が宅地建物取引業者である場合)\n\n\n\n\n

          例えば、1つ目に挙げた手付放棄による解除があります。土地売買では、契約時に買主から売主に手付金を支払うことが多くあり、特約がなければ「解約手付」になります。解約手付とは、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を買主に支払うことで契約解除が成立する性質を持つため、買主が手付放棄を行うことで契約を解除できるのです。\n\n\n\n

          なお、手付放棄による契約解除は、相手方が履行の着手をした場合には活用できません。ただし、準備をしただけでは履行の着手と認められないため、土地売買契約において履行の着手により手付放棄による契約解除ができなくなる事例は極めて稀と考えて良いでしょう。\n\n\n\n

          また、引渡し完了前に土地が滅失したり毀損されたりした場合にも契約を解除できます。他には、相手方の契約違反やローン特約、相手方の契約不適合責任による解除、話し合いやクーリング・オフによる解除などが挙げられます。この条件に当てはまる場合のみ不動産売買での契約解除が認められ、この条件に当てはまらなければ、一般的には契約解除はしにくいと考えてよいでしょう。\n\n\n\n

          5-2.特約には注意が必要\n\n\n\n

          また、民法には民法で定める通りの契約でないと無効になる強行規定がありますが、強行規定に該当しない部分では両当事者の合意のうえで特約を定めることが可能です。特約とは、個別の契約でのみ認められる特別な約束のことです。特約にはさまざまな条項を定めることが可能であり、例えば、ローンがおりなければ契約を解除できる特約や契約不適合責任の期間設定・面積などを記載する場合があります。\n\n\n\n

          強行規定に該当しない部分は、双方の合意があれば特約として認められます。そのため、特約の中身をよく見ずに合意をしてしまうと、場合によっては自分にとって不利な特約が定められていることに気づかない可能性が考えられるでしょう。そのため、特約については契約書を交わす段階で正確・丁寧に確認するなど、できる対策を着実に行うことが大切です。\n\n\n\n

          6.不動産仲介手数料をめぐるトラブル\n\n\n
          \n
          \"\"\n\n\n

          土地売買のトラブルには、不動産仲介手数料をめぐるトラブルもあります。\n\n\n\n

          不動産仲介会社による違反がないかをチェックするためにも、不動産仲介手数料について正しい知識を確認しておきましょう。\n\n\n\n

          6-1.土地の仲介手数料の上限\n\n\n\n

          宅建業法では不動産仲介手数料の上限が定められており、法外な料金を請求することはできません。あくまで上限であるため、決められた価格ではありませんが、不動産仲介会社は上限の範囲内で不動産仲介手数料を設定する必要があります。なお、不動産仲介会社が受け取る仲介手数料は成功報酬型であり、原則として成功報酬以外での仲介手数料の請求もできません。例えば、通常の仲介業務でかかる費用は依頼者に請求することはできず、不動産仲介会社が負担することになります。\n\n\n\n

          不動産仲介手数料の上限は、以下の計算方法で算出できます。不動産の取引価格が400万円超、200万円〜400万円以下、200万円以下の3つのパターンに分かれているので、1つずつ確認してみてください。\n\n\n\n

            \n
          • 400万円超:取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税\n\n\n\n
          • 200万円~400万円以下:取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税\n\n\n\n
          • 200万円以下:取引物件価格(税抜)×5%+消費税\n\n\n\n\n

            これらの計算方法により算出される値より高額な仲介手数料の請求はできません。そのため、不動産仲介会社から仲介手数料の提示を受けたら、先程の計算方法に当てはめて、上限以内に収まっているのかを確認しておくと良いでしょう。\n\n\n\n

            6-2.仲介手数料以外に認められる費用\n\n\n\n

            不動産仲介会社は、原則として成功報酬型の仲介手数料以外を受け取ることはできません。そのため、仲介業務にかかった費用などは依頼者に請求することができないのは前述のとおりです。ただし、ある要件を満たすと例外的に仲介手数料以外の費用(仲介業務にかかった費用など)も請求することが可能になるのです。ある要件とは、以下の3つです。\n\n\n\n

              \n
            • 依頼者の依頼にもとづいて発生したものであること。\n\n\n\n
            • 通常の仲介業務では発生しない費用であること。\n\n\n\n
            • 実費であること。\n\n\n\n\n

              この3つの要件をすべて満たす場合にのみ発生するため、例外的な措置であることを理解しておきましょう。なお、この要件に則って考えれば、依頼者が求めていない事項に対して不動産仲介会社から費用を請求されたら、その行為は違法になります。お互いに気持ちよく取引するためにも、相手方の違法行為にも注意しておくことが望ましいでしょう。\n\n\n\n

              6-3.低廉な空き家などの売買に関する特例\n\n\n
              \n
              \"\"\n\n\n

              加えて、低廉な空き家などの売買についても特例が認められています。低廉な空き家などを売買する場合、通常の売買と比べて現地調査などの費用などが追加で発生することがあります。もし、追加で費用が発生することがあれば、不動産仲介会社が受け取れる仲介手数料の上限は、先程の計算方法に当てはめた金額に現地調査などで発生した費用を合計した額です。ただし、現地調査などで発生した費用を請求できる上限は18万円+消費税となっているため、これよりも多くの費用を請求されたら違法になります。\n\n\n\n

              7.重要事項説明をめぐるトラブル\n\n\n\n

              土地の売買をする際、宅建業者は重要事項説明を行うことが義務付けられています。重要事項説明が省略されるなどした結果、後々トラブルに発展するケースがあります。\n\n\n\n

              そこで、重要事項説明をめぐるトラブルについて解説します。\n\n\n\n

              7-1.重要な事実の告知義務\n\n\n\n

              宅建業法35条1項では、宅建業者が買主に対して不動産売買における重要事項がある場合、宅建士が記名押印した書面(重要事項証明書)を用いて、重要事項について説明することを義務付けています。宅建業法35条には、1号〜14号で説明すべき最低限の事柄が規定されており、もし宅建業法35条の内容に該当しない場合でも、重要な事実があれば告知しなければなりません。\n\n\n\n

              不動産売買で動く金額は大きなものであるため、契約に不備があると大きな問題に発展し、両当事者に多大な影響を与えてしまう可能性が高いため、このような規定が設けられています。\n\n\n\n

              例えば、売買される土地や建物が以前、自殺や他殺の現場になったことのある場合は「心理的瑕疵」として告知しなければなりません。\n\n\n\n

              口頭ではなく、署名押印した書面を用いて確実に説明することで、トラブルに発展する原因を少なくし、両当事者が安心した状態で不動産売買ができるようになります。\n\n\n\n