\n\n\n離婚後も家を売却しないで住み続ける場合には、新居探しや引越しなどの金銭的・時間的な負担を避けられるうえ、子どもの転校が不要になるなど子どもの負担も避けられます。しかし、家を売却しない場合には、注意したい点がいくつかあります。以下で具体的に解説します。\n\n\n\n3-1 .財産分与の方法について\n\n\n\n
離婚後も家を売却しない場合には、財産分与の方法について話し合いが必要となります。家は高額の財産のため、評価額の決め方1つをとっても簡単には決まりません。\n\n\n\nまた、納得できる評価額を得られたとしても、どうやって支払うかなどの調整も必要となり、話し合いには手間と時間がかかります。\n\n\n\nまずは、公平な評価額を得るために。不動産会社に査定を依頼するようにしましょう。不動産会社によって査定方法が異なるため、査定を依頼するときは、不動産一括査定サービスなどを利用して複数社に問い合わせることが大切です。\n\n\n\n3-2 .住宅ローンの残債の支払方法について\n\n\n\n
住宅ローンの残債の支払い方法についても話し合いが必要です。\n\n\n\n住宅ローンの支払い義務があるのは住宅ローンの名義人です。離婚したからといって自動的に切り替わるわけではないため、住宅ローンの残債について誰が支払うかはっきりさせておく必要があります。\n\n\n\n特に今後住み続ける人と、住宅ローンの名義人が異なっている場合、住まない人がローンの支払い義務をずっと負うことになり、不公平感がでます。また、万が一、名義人がローンの支払いを滞らせた場合、住宅が差し押さえられるなど、住んでいる人は住まいを失う可能性もあります。\n\n\n\n住宅ローンの残債がある場合は、離婚前に支払いについてしっかり話し合っておきましょう。\n\n\n\n3-3 .住宅の名義について\n\n\n\n
家を売却しない場合、実際に家に住む人に合わせて住宅の名義を変更しておくことがおすすめです。\n\n\n\n家を共有名義で建てた場合、共有名義のままにしていると、今後家を売却したり、建て直したりする際に、もう1人の名義人の承諾を取る必要があります。その都度、名義人に確認が必要となるため、財産分与のタイミングで名義変更をしておくようにしましょう。\n\n\n\nなお、住宅ローンの残債がある場合、金融機関が名義変更を認めないこともあります。住宅の名義変更に金融機関の許可を得る必要はないものの、金融機関から一括返済を迫られる場合もあるため、注意しましょう。\n\n\n\n4 .離婚に合わせて家を売却すればトラブルを避けられる\n\n\n\n
\n\n\n離婚時に財産分与をする際には、家を売却するか、家を売却せずにどちらかが所有し続けるかの判断をする必要があります。2つの選択肢のうち、家を売却することのほうがおすすめです。以下で理由について紹介します。\n\n\n\n4-1 .心機一転して新生活をスタートできる\n\n\n\n
家を売却することで、複雑な財産分与の話し合いや住宅ローン残債の支払いの問題などから解放されます。\n\n\n\n家を持ち続ける場合は、離婚時に分与する金額の調整や、住宅ローンの支払いや名義人の変更など、話し合わなければならないことが多くあります。うまく調整できないと、離婚後も元配偶者と連絡を取る必要が生じます。\n\n\n\n住宅を売却する場合は、そうした煩わしさから解放され、心機一転して新生活をスタートできます。\n\n\n\n4-2 .公平な財産分与ができる\n\n\n\n
家を売却したほうが、公平な財産分与ができます。家を売却することで家の価格が明確になるため、分与額でもめることがありません。\n\n\n\n一方の売却しないでどちらかが住み続ける場合は、分与の元となる家の評価額について納得感が得られないことが少なくありません。後で売却することになって、当時の評価額と大きく異なると「損をした」「財産分与は不公平だった」と感じることもあります。\n\n\n\nその点、家を売却してしっかりと現金化することで、不公平感なく分配することができます。\n\n\n\n4-3 .住宅ローン残債の問題を回避できる\n\n\n\n
家を売却することで住宅ローン残債の問題を回避することができます。\n\n\n\n家を売却しないで住宅ローンの残債が残っている場合、\n\n\n\n\n- 誰が支払うかでもめる\n\n\n\n
- 住んでいる人と支払う人が一致しないために支払いが滞る\n\n\n\n
- 住宅ローンの名義人が支払わないために連帯保証人に一括返済が求められる\n\n\n\n\n
といったトラブルが起こりがちです。\n\n\n\n家を売却する場合は、売却代金で住宅ローンを完済することで、後々のこうしたトラブルを避けられます。\n\n\n\n4-4 .ローンを完済できれば売却代金は新生活への資金となる\n\n\n\n
家を売却してローンを完済できれば、残った売却代金を新生活の資金にあてることができます。\n\n\n\n家を売却して売却代金とローン返済にかかる資金とを相殺した残りの代金は、財産分与の対象となります。残った資金の半分を受け取ることで、引っ越し費用や新居の契約費用などの足しにすることができます。\n\n\n\n5 .離婚時に住宅ローンの残債がある場合の返済方法\n\n\n\n
\n\n\n離婚時に住宅ローンのようなマイナスの財産があっても、財産分与の対象にはなりません。しかし、離婚後も住宅ローンの返済義務は残るため、どのように返済していくかを夫婦で話し合う必要があります。そこで以下では、住宅ローンの残債の返済方法について紹介します。\n\n\n\n5-1 .住宅の名義人が払い続ける\n\n\n\n
家を売却せず、住宅ローンの残債がある場合は、住宅の名義人が払い続ける方法がよいでしょう。\n\n\n\n居住者である住宅の名義人が返済をすることにしておけば、いつの間にか返済が滞って家が競売にかけられるといった事態を避けることができます。\n\n\n\nそのためにも、あらかじめ居住者が住宅の名義人になるように住宅の名義を変更する必要があります。\n\n\n\n住宅の名義を変更する際には、事前に住宅ローンの借入先の金融機関に相談しましょう。金融機関の承諾を得ないで勝手に住宅の名義変更をするとローンの契約違反となることがあるからです。\n\n\n\n金融機関に事前に相談して、住宅の名義を変更し、住宅の名義人が住宅ローンの名義人となって返済できるようにしましょう。\n\n\n\n5-2 .アンダーローンで一括返済する\n\n\n\n
アンダーローンで住宅ローンを一括返済する方法もあります。\n\n\n\nアンダーローンとは、住宅ローンの残債がマンションの売却代金よりも低いことをいいます。アンダーローンの場合は、住宅を売却することでローンを完済することができます。\n\n\n\n住宅を売って物件を引渡す際に、住宅の売却代金が振り込まれるため、それを使って住宅ローンを完済することができます。住宅の売買と住宅ローンの完済が同時に一気に成立します。\n\n\n\n5-3 .任意売却する\n\n\n\n
住宅ローンの残債が家の売却代金よりも高いと見込まれる場合は、任意売却をして住宅ローンを返済する方法がよいでしょう。\n\n\n\n基本的に住宅は、住宅ローンが完済されないと抵当権が外せないため、売却ができません。アンダーローンの場合は売却代金でローンの完済ができるため、売却することができるものの、売却代金でローンの完済が見込めない場合は、家の売却はできません。\n\n\n\nそうした場合は、住宅ローンの借入先の金融機関に相談することで、任意売却が可能となります。任意売却はローンの返済ができない場合に行われる強制競売と異なり、売却時期や売却価格について所有者の希望がある程度とおります。\n\n\n\n6 .家を売却するときの方法\n\n\n\n
\n\n\n家を売却するときの方法としては、不動産会社に買い取ってもらう方法と、不動産会社に仲介してもらい一般の人に売却する方法とがあります。それぞれ解説します。\n\n\n\n6-1 .すぐに売るなら買取\n\n\n\n
家をすぐに売りたい場合には、不動産会社に買い取ってもらう方法がおすすめです。\n\n\n\n買取に対応している不動産会社に依頼すれば買取可能です。ただし、買取金額は市場で売買される場合の価格の6~7割程度になります。\n\n\n\nすぐに売却したい場合でも、確実に現金化できる方法ですが、売却価格が低くなることに注意しましょう。\n\n\n\n6-2 .高く売るなら仲介\n\n\n\n
家をできるだけ高く売りたい場合は、不動産仲介を依頼する方法がおすすめです。不動産会社に家の売却の仲介を依頼し、一般に広く買い手を探す方法です。\n\n\n\n広く買い手を求めることで、相場に近い価格で売却することができます。ただし、売れるまでに時間がかかることがあります。例えばマンションなどの場合は平均して3ヶ月~6ヶ月はかかるといわれています。\n\n\n\n不動産仲介を依頼する方法は、時間はかかるものの高く売れる可能性が高い方法です。\n\n\n\n7 .離婚時に家を売却するときの流れ\n\n\n\n
\n\n\n離婚時に家を売却するときの流れについて紹介します。売却するときの流れをあらかじめ把握しておくことでスムーズに手続きを進めることができます。\n\n\n\n7-1 .家の所有者や住宅ローンの名義を確認する\n\n\n\n
まずは、家の所有者や住宅ローンの名義を確認するようにしましょう。家を売却できるのは、家の名義人だけのため、売却前に家の名義を確認する必要があります。また住宅ローンが返済できていないと家の売却はできないため、住宅ローンの名義人と残債を確認するようにしましょう。\n\n\n\n7-2 .不動産会社に査定を依頼する\n\n\n\n
住宅を売却する際には不動産会社に査定を依頼して住宅の売却額の目安を把握することが大切です。\n\n\n\n住宅ローンを完済できるかどうかは、家をいくらで売るかによります。そのためにも家の売却価格の見当をつけておくことが大切です。不動産の査定方法が不動産会社によって異なるため、査定は1社だけでなく複数の会社へ依頼して、比較するようにしましょう。\n\n\n\n7-3 .不動産会社と媒介契約を締結して売却活動を開始\n\n\n\n
複数の不動産会社に査定を依頼するなどして、その査定額や対応の良し悪しなどを比較して仲介を依頼する不動産会社を選びましょう。\n\n\n\n選んだ不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を開始します。売却活動は主に不動産会社が広告宣伝をして進めてくれます。売主は購入希望者の内見に立ち会うなどの対応をします。\n\n\n\n7-4 .売買契約を締結する\n\n\n\n
家の買主が見つかったら必要書類を用意し、売買契約を締結します。契約書は不動産会社が用意してくれますが、売主は以下の書類などを用意する必要があります。\n\n\n\n売買契約締結時に必要なもの\n\n\n\n\n- 実印・認印\n\n\n\n
- 身分証明書\n\n\n\n
- 登記済権利証\n\n\n\n
- 印鑑証明書\n\n\n\n
- 収入印紙\n\n\n\n\n
なお、通常は売買契約締結時に、仲介手数料の半分を支払います。売買契約締結時に必要なものは事前に準備しておくようにしましょう。\n\n\n\n7-5 .決済・物件の引き渡し\n\n\n\n
売買契約を締結してから1~2ヶ月後に、決済・物件の引渡しが行われます。\n\n\n\n物件の引渡し時に、売却代金の入金があり、住宅ローンを返済する際はその資金をもとに即日返済を行ないます。住宅ローンの完済を受けて、住宅の抵当権の抹消手続きが進められます。なお、引き渡し日までに、家財の処分や引っ越しの準備を進めておく必要があります。\n\n\n\n8 .家を売却する際にかかる費用と税金\n\n\n\n
家を売却する際にはさまざまな費用と税金がかかります。実際にどのような費用や税金がどの程度かかるのか、以下で紹介します。高額な費用もあるため、あらかじめ把握し、心づもりをしておきましょう。\n\n\n\n8-1 .仲介手数料\n\n\n\n
家を売却する際には、仲介を依頼した不動産会社に仲介手数料を支払います。\n\n\n\n仲介手数料は、不動産会社への成功報酬として支払うものです。家の売買契約が成立したときに仲介手数料の半分を、家の引き渡し時に残りの半分の仲介手数料を支払います。\n\n\n\n仲介手数料は上限が定められており、上限は「家の売却代金の3%+6万円+消費税」です。\n\n\n\n例えばマンションが3,000万円で売却できれば96万円+消費税が仲介手数料の上限となります。\n\n\n\n8-2 .引越し費用\n\n\n\n
家を売却する際には、新しい家に引っ越すための引っ越し費用が発生します。\n\n\n\n引越し費用は、荷物の量や新居までの距離、引越し時期、また引越し業者によっても異なります。特に、就職や転勤で引越しが増える3月や9月は、引っ越しの件数が多いため予約が取りにくいうえに、費用も高くなる傾向です。反対に、8月や11月は引越し件数が少なく引越し費用は比較的安くすみます。\n\n\n\n8-3 .印紙税\n\n\n\n
印紙税は商業取引に伴って作成される文書に対して課税されるものです。\n\n\n\n家を売却する場合にも、売買契約の契約書に印紙税がかかります。印紙税は契約書に収入印紙を貼ることで納税します。\n\n\n\n印紙税の金額は、物件の売却価格に応じて変わります。例えば、1,000万円を超え5,000万円以下の金額で売買契約をする場合の印紙税は1万円です。5,000万円を超え1億円以下で売買契約をする場合は3万円かかります。\n\n\n\n8-4 .登録免許税\n\n\n\n
家を売却するには住宅ローンを完済して抵当権を抹消する手続きを行う必要があります。この抵当権を抹消するための登記手続きを行う際に登録免許税がかかります。\n\n\n\n登録免許税は、不動産1物件につき1,000円です。例えば、マンションの場合は、建物の部分とマンションの敷地の部分とで不動産2物件とカウントし、2,000円になります。\n\n\n\nなお、抵当権抹消の手続きを司法書士に依頼する場合、司法書士への報酬は1万5,000円前後が相場です。\n\n\n\n8-5 .譲渡所得税\n\n\n\n
家を売却して売却利益が出た場合には、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税とは、利益に対して課税される所得税と住民税のことです。詳しい内容を以下で解説します。\n\n\n\n8-5-1 .家の所有期間が「5年以下」か「5年超」かで税率が異なる\n\n\n\n
家を売却して売却益が出ると、売却益に譲渡所得税がかかりますが、税率は家の所有期間によって異なります。\n\n\n\n家の所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得税が、所有期間が5年を超える場合は長期譲渡所得税が課せられ、それぞれの課税所得にかかる税率は下記のとおりです。\n\n\n\n\n- 短期譲渡所得税の税率:所得税30%、住民税9%\n\n\n\n
- 長期譲渡所得税の税率:所得税15%、住民税5%\n\n\n\n\n
所有期間5年を境に税率が大きく異なります。\n\n\n\n8-5-2 .売却益が発生しても3,000万円の特別控除を受けられる\n\n\n\n
譲渡所得税については、特例があります。\n\n\n\n居住用の住宅を売るときは、所有期間の長さに関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除することができます。このため、住宅の売却益が3,000万円以下の場合は、課税額から控除額を引くとゼロとなるため、譲渡所得税を支払う必要はありません。\n\n\n\n9 .離婚前後で家を売る最適なタイミングは?\n\n\n\n
\n\n\n家を売却する場合、売却が離婚前なのか後なのかによって、発生する費用が異なる場合があります。どのタイミングで売却したほうがよいかは状況によって異なるため、状況ごとに最適な売却のタイミングについて解説します。\n\n\n\n9-1 .離婚前の売却は贈与税の対象となる\n\n\n\n
離婚前の売却は贈与税の対象となる点に注意が必要です。\n\n\n\n贈与税とは、贈与により無償で財産を譲り受けたときにかかる税金です。仮に先の離婚が決定していたとしても、離婚前にマンションを売却して売却代金の半分を配偶者に与えると、それは贈与とみなされます。そのため、与えた代金から基礎控除の110万円を引いた金額に贈与税がかかります。\n\n\n\nなお、離婚前の贈与については、配偶者控除の特例があり、離婚前でも下記の適用要件を満たせば、例外的に贈与税は2,000万円まで非課税となります。\n\n\n\n