{"id":404,"date":"2023-03-16T23:41:15","date_gmt":"2023-03-16T14:41:15","guid":{"rendered":"http:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/article284\/"},"modified":"2023-11-07T11:26:09","modified_gmt":"2023-11-07T02:26:09","slug":"post_212","status":"publish","type":"post","link":"https:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/realestate\/column\/article404\/","title":{"rendered":"不動産売却の専任媒介とは? 一般媒介との違いとメリット・デメリットを解説"},"content":{"rendered":"\n

不動産を売却する際、不動産仲介会社と媒介契約を結ぶことが一般的です。媒介契約には3つの種類があり、それぞれに特徴があります。そこで、この記事では不動産仲介会社との媒介契約にはどのような種類があるのか、それぞれの種類の特徴やメリット・デメリットを解説します。不動産売却で不動産仲介会社の利用を検討している方はぜひ最後まで目を通してみてください。\n\n\n\n

1.媒介契約の3つの種類\n\n\n\n

売主が不動産売却の仲介を依頼する時、不動産仲介会社との間で媒介契約を締結します。媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。\n\n\n\n

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媒介契約\n

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依頼できる不動産仲介会社の数\n

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自身で見つけてきた相手方との契約方法\n

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契約期間\n

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レインズへの登録\n

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仲介業務の実施状況報告義務\n

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専属専任媒介契約\n

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1社\n

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依頼している不動産仲介会社を通す\n

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3カ月以内(契約更新可能)\n

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義務\n

\n

あり\n

(1週間に1回)\n

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専任媒介契約\n

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1社\n

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当事者間で直接取引\n

\n

3カ月以内(契約更新可能)\n

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義務\n

\n

あり\n

(2週間に1回)\n

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一般媒介契約\n

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複数社も可能\n

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当事者間で直接取引\n

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規定なし\n

※3カ月以内の場合が多い\n

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義務でない\n

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なし\n\n\n\n\n

1-1.専属専任媒介契約\n\n\n\n

専属専任媒介契約とは、媒介を1社の不動産仲介会社にのみ依頼する契約のことです。そのため、専属専任媒介契約を結んだ不動産仲介会社以外と媒介契約を結ぶことは禁じられています。また、自分で見つけてきた相手方との契約もその不動産仲介会社を通じて行うことも特徴の1つです。\n\n\n\n

専属専任媒介契約の有効期間は3ヶ月間と定められています。有効期間が定められているのは、1社としか媒介契約が結べないことが依頼者にとって大きな拘束力を持つからです。3ヶ月が経過した後は、同じ不動産仲介会社と再び契約を結んでも、他の不動産仲介会社と契約を結んでも問題ありません。\n\n\n\n

レインズへの登録が義務付けられていることも専属専任媒介契約の特徴です。レインズとは不動産情報が掲載されているシステムで、売却する不動産の情報をレインズに掲載することで、売主と買主をマッチングしやすくする目的があります。ただし、レインズに掲載してしまうと、不動産会社の関係者が全員閲覧できる状態になるため、不動産の売却を公にしたくない方は注意が必要です。\n\n\n\n

また、1週間に1回、仲介業務の実施状況を報告する義務もあるため、売主はどのように売却活動が進められているのかを定期的に確認できます。\n\n\n\n

1-2.専任媒介契約\n\n\n\n

専任媒介契約は仲介を1社の不動産仲介会社にのみ依頼する契約です。これだけを聞くと専属専任媒介契約と同じ形態に聞こえてしまいますが、専属専任媒介契約とは異なり自分で見つけてきた相手方との契約は、不動産仲介会社を通さなくて良いのです。そのため、直接取引の場合は仲介手数料を支払う必要がないため、安めの金額で取引できる利点があります。\n\n\n\n

レインズへの登録義務や仲介業務の実施状況報告義務がある点も専属専任媒介契約と同じです。専任媒介契約の詳しい特徴は次章以降で解説します。\n\n\n\n

1-3.一般媒介契約\n\n\n\n

一般媒介契約とは、前述の2つの媒介契約とは異なり、複数の不動産仲介会社に同時に依頼できる契約です。自分で見つけてきた相手方との契約も有効であり、不動産仲介会社を通す必要がありません。また、レインズへの登録義務や仲介業務の実施状況報告義務がない点も専属専任媒介契約や専任媒介契約と異なる点です。\n\n\n\n

一般媒介契約には明示型と非明示型の2種類があります。明示型では他の不動産仲介会社に依頼しているのかを通知する必要がある契約で、非明示型ではその必要がありません。明示型を選択することで、ライバル会社への対抗意識から好条件を提示してくれる可能性が増えますが、不動産売却についての情報が漏れやすくなると言えます。\n\n\n\n

一方、非明示型では秘密を守りつつ売却活動ができますが、条件面が大幅に向上することは考えにくいでしょう。不動産売買において、何を重視するのかによって適切な契約方法が異なるため、制度についての理解を深めた上で契約を結ぶことをおすすめします。\n\n\n\n

2.仲介手数料はすべての媒介契約で同じ\n\n\n\n

不動産売買において不動産仲介会社が仲介すると、売主・買主ともに不動産仲介会社に対して仲介手数料を支払う必要があります。仲介手数料は成功報酬であるため、仲介ができなければ不動産仲介会社にお金を支払う必要はありません。なお、先ほど紹介した3つの媒介契約がありますが、どの媒介契約の手法であっても仲介手数料は同じです。ここでは仲介手数料の上限と仲介手数料を支払うタイミングについて解説します。\n\n\n\n

2-1.仲介手数料の計算方法\n\n\n\n

仲介手数料は宅建業法により上限が設けられています。多くの不動産仲介会社では、上限価格で仲介手数料を設定している場合が多くあります。売買価格によって上限の計算方法が変わるため、以下で売買価格に応じた仲介手数料の上限額の計算方法を確認しましょう。\n\n\n\n

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売買価格\n

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仲介手数料の上限額\n

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200万円以下の部分\n

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売買価格の5%+消費税\n

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200万円超400万円以下の部分\n

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売買価格の4%+消費税\n

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400万円超の部分\n

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売買価格の3%+消費税\n\n\n\n\n

これらの計算結果がそれぞれの売買価格における仲介手数料の上限額です。\n\n\n\n

例えば、1,000万円の不動産を売買するときの計算結果は以下のとおりです。\n\n\n\n

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売買価格\n

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仲介手数料の上限額\n

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〜200万円\n

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200万×5%+消費税=10万+消費税\n

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200万円超〜400万円\n

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200万×4%+消費税=8万+消費税\n

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400万円超〜1,000万円\n

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600万×3%+消費税=18万+消費税\n\n\n\n\n

すべてをたすと、36万+消費税が仲介手数料の上限額であることがわかります。ただし、これでは面倒であるため、売買価格が400万円を超える場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」という速算式が使えるため覚えておくと良いでしょう。\n\n\n\n

また、通常の仲介業務では、不動産仲介会社が売却活動を行う際に拠出した費用を依頼者に請求することができず、仲介手数料のみが不動産仲介会社が受け取ることのできる報酬です。\n\n\n\n

2-2.仲介手数料の上限を超える例\n\n\n\n

先ほど、仲介手数料には上限が定められており、その上限額のみが不動産仲介会社が受け取ることのできる報酬であるとお伝えしました。しかし、一部の場合においてはそれを超えた費用請求が認められる例が2つあります。どのような場合に仲介手数料の上限を超えることが認められるのかを解説します。\n\n\n\n

2-2-1.依頼者の特別な依頼にもとづき発生した費用\n\n\n\n

媒介をするにあたって拠出した費用は、原則として依頼者、すなわち売主に請求することができません。例えば、通常行うような広告や現地の案内にかかった費用などがこれにあたり、このような費用は請求できないのです。しかし、特別な依頼に基づいて発生した費用については例外的に請求が認められています。例外的に請求できる費用については明確に3つの要件が定められています。\n\n\n\n

    \n
  1. 依頼者の依頼にもとづいて発生したものであること\n\n\n\n
  2. 通常の仲介業務では発生しない費用であること\n\n\n\n
  3. 実費であること\n\n\n\n\n

    これらの要件を満たせば、仲介手数料の上限額を超えた費用の請求ができるのです。ただし、この3つの要件を満たす事案が発生する確率は多くないため、あくまでも例外的な措置であることを理解しておけば問題ありません。\n\n\n\n

    2-2-2.低廉な空き家等の売買に関する特例\n\n\n\n

    低廉な空き家等の売買を行う際にも、上限額を超えた費用の請求が認められます。低廉な空き家等を売買する場合は、長期間使用されていないこともあり、通常は行っていない追加調査を行う場合などが想定されています。この場合、現地調査などの費用と宅建法上の上限額とを合計した額を売主から仲介手数料として受け取ることができるのです。このことを低廉な空き家等の売買に関する特例と言います。\n\n\n\n

    しかし、低廉な空き家等の売買に関する特例で受け取れる現地調査などの費用には上限額が設定されています。上限額は18万円+消費税であり、これに宅建法上の上限額を合計した金額が低廉な空き家等の売買に関する特例が適用される場合に受け取れる仲介手数料の上限です。\n\n\n\n

    2-3.仲介手数料を支払うタイミング\n\n\n\n

    仲介手数料を不動産仲介会社に支払うタイミングは法的に決まっているわけではありません。ただし、そもそも不動産仲介会社に仲介手数料の請求権が発生するのが売買契約締結時であるため、それ以前に仲介手数料を支払う必要はありません。\n\n\n\n

    支払いのタイミングとして一般的なのは、売買契約時に仲介手数料の半分を、引渡し時に残りの半分を引き渡す方法です。他には、契約締結時や引渡し時に一括で支払う場合もありますが、契約締結時にはまだ引渡しまで終わっていないことがほとんどであること、引渡し時の一括支払いでは契約締結後から期間が空いてしまう可能性があることなどの理由から、多く採用されているわけではありません。基本的には売買契約時と引渡し時に半分ずつ支払うと覚えておけばよいでしょう。\n\n\n\n

    3.専任媒介契約の特徴\n\n\n\n

    専任媒介契約にはどのような特徴があるのでしょうか。専属専任媒介契約や一般媒介契約との違いを踏まえながら、4つの特徴について解説します。\n\n\n\n

    3-1.契約できるのは1社のみ\n\n\n\n

    売主が契約できる不動産仲介会社が1社のみであることが1番大きな特徴です。そのため、複数の不動産仲介会社と契約することはできません。専属専任媒介契約も専任媒介契約と同じく1社としか契約できませんが、一般媒介契約は複数社と契約できます。\n\n\n\n

    一般媒介契約で複数社と契約する方法には、他に依頼している不動産仲介会社を明かさなければいけない明示型とそうでない非明示型の2種類があり、売主の希望でどちらを選択するのかを決めることが可能です。明示型を選択すれば、不動産仲介会社がライバル会社に契約を取られないようにする傾向が強くなるため、条件が向上しやすい特徴があります。\n\n\n\n

    一方、非明示型では秘匿性を確保したまま不動産取引を進められるため、安心して進められるでしょう。しかし、専任媒介契約ではこのように複数社に依頼することはできず、契約期間内は1社のみに依頼することになります。\n\n\n\n

    3-2.契約期間は3ヶ月以内\n\n\n\n

    専任媒介契約の期間は、3ヶ月が上限と定められています。そのため、不動産仲介会社と合意すれば1ヶ月や2ヶ月での契約も可能です。契約期間の終了後には契約の更新も可能であり、こちらもやはり3ヶ月以内が契約期間の上限とされています。なお、3ヶ月以上の契約期間を設定した場合、売主と不動産仲介会社との間で合意がなされていた場合でも、3ヶ月が上限となる点には注意してください。これは、契約期間中、売主が1社としか契約ができず、拘束されていることを考慮した制度であるためです。\n\n\n\n

    なお、専属専任媒介契約でも同様に、契約期間は3ヶ月以内とされています。一方、一般媒介契約には法的規制はなく、契約期間を自由に設定できます。ただし、標準約款では3ヶ月が推奨されていることもあり、一般媒介契約でも契約期間を3ヶ月に設定しているケースが多いことは覚えておくと良いでしょう。\n\n\n\n

    3-3.レインズへの登録義務がある\n\n\n\n

    専任媒介契約では、契約日から7日以内に指定流通機構(レインズ)への物件情報の登録が義務付けられています。なお、専属専任媒介契約では5日以内に登録する必要があるものの一般媒介契約ではレインズへの登録義務がありません。レインズに登録すると不動産会社関係者が売り出している物件情報を見れるようになるため、買主とマッチしやすくなります。\n\n\n\n

    一方、不動産会社の関係者には物件情報を見られてしまうため、不動産を売却していることを知られたくない方にとってはデメリットだと言えるでしょう。レインズに登録することのメリット・デメリットはよく理解しておくことが重要です。\n\n\n\n

    3-4.2週間に1度の状況報告義務\n\n\n\n

    専任媒介契約には2週間に1度以上の状況報告義務があることも特徴です。状況報告では具体的に、レインズへの登録状況や営業活動、買主が現れたかどうかなどをメールか文書で報告します。2週間に1回以上はこのような連絡が送られてくるため、自ら不動産仲介会社に問い合わせをせずとも売却活動の進捗度合いについて知ることが可能です。状況を知ることができると、順調に進んでいるのかどうかがわかり、順調に進んでいれば安心できますし、順調に進んでいなければ不動産仲介会社と戦略の練り直しなどをするきっかけになるため、大きなメリットだと言えます。\n\n\n\n

    ちなみに、専属専任媒介契約では状況報告を1週間に1度以上しなければいけないのに対し、一般媒介契約に状況報告義務はありません。このあたりの違いも理解しておくことで、戸惑うことなく契約を進められるようになるでしょう。\n\n\n\n

    4.専任媒介契約のメリット\n\n\n\n

    では、専任媒介契約にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つのメリットに絞って解説します。\n\n\n\n

    4-1.不動産仲介会社が売却活動に積極的になる\n\n\n\n

    専任媒介契約のメリットの1つに、不動産仲介会社が売却活動に積極的になることが挙げられます。一般媒介契約では複数社に依頼できるため、自社が契約まで結びつけるか確証がなく、売却活動に積極的でない場合もあるのです。しかし、専任媒介契約では売主が自身で買主を見つけない限り、1社でのやりとりになります。そのやりとりで契約を成立させられれば仲介手数料が手に入るため、不動産仲介会社にとってもモチベーションアップに繋がります。\n\n\n\n

    また、同じ不動産仲介会社が買主も見つけてくると、売主からも買主からも仲介手数料を受け取ることができるので、より大きな収入につながることも積極的に活動するようになる理由の1つです。加えて、専任媒介契約では2週間に1度、売却活動についての報告義務があることも積極的になる理由の1つだといえます。報告義務があり、進捗が進んでいないことを報告することははばかられるため、積極的に売却活動をしてくれるようになるのです。\n\n\n\n

    4-2.窓口を一本化できるのでやりとりが楽\n\n\n\n

    窓口を一本化できるのでやりとりが楽になる点も専任媒介契約のメリットの1つです。一般媒介契約で複数の不動産仲介会社に媒介を依頼すると、そのすべての会社とやりとりを繰り返さなければなりません。やりとりの数が増えると「どの会社に連絡したかわからない」といった状態に陥ることも考えられるため、やりとりの管理に手間がかかります。やりとりに手間がかかると、やり取りすることも億劫になり、売主が不動産売却活動自体に積極的ではなくなってしまうことも考えられるでしょう。\n\n\n\n

    一方、専任媒介契約では依頼する不動産仲介会社は1社と決まっているため、必然的に不動産売却の窓口も1つになるのです。窓口を一本化できれば、やりとりが散逸することもなくなり、状況を把握しやすくなるため、やりとりが楽になります。\n\n\n\n

    4-3.買主と直接取引することも可能\n\n\n\n

    専任媒介契約では媒介を依頼する不動産仲介会社は1社にしなければなりませんが、一般媒介契約と同じように、媒介を依頼しないで直接取引することも可能です。例えば、売主が親戚や知人を通じて自ら買主を見つけることができれば、不動産仲介会社を通さずに売買契約を締結できます。そのため、基本的な道筋は不動産仲介会社に任せつつも、自ら積極的に活動することで買主を見つける可能性のある売主は専任媒介契約に向いていると言えるでしょう。\n\n\n\n

    ちなみに、専属専任媒介契約の場合は必ず媒介を依頼している不動産仲介会社を通さなければいけません。そのため、自ら買主を見つけてきても不動産仲介会社を通した取引となり、仲介手数料を支払わなければいけないため、この点で専任媒介契約とは異なります。\n\n\n\n

    5.専任媒介契約のデメリット\n\n\n\n

    一方、専任媒介契約にもデメリットはあります。ここでは専任媒介契約の3つのデメリットについて1つずつ解説します。メリット・デメリットを踏まえた上で、専任媒介契約を利用するかどうかを検討してみてください。\n\n\n\n

    5-1.会社によっては希望通りに売却できない可能性がある\n\n\n\n

    専任媒介契約では、利用する不動産仲介会社によっては希望通りに売却できない可能性があります。専任媒介契約は1社の不動産仲介会社にのみ媒介を依頼する契約であるため、不動産仲介会社の質が悪くてもすぐに不動産仲介会社を変更することができません。最大3ヶ月間の契約期間を設けることが可能であるため、その間は依頼している不動産仲介会社に媒介を任せなければいけないのです。不動産仲介会社が希望通りに動いてくれなくても、期間の都合などからそのまま売却することになってしまうこともあるため、希望通りに売却できない可能性があるのです。\n\n\n\n

    また、会社自体は良質であっても担当者によって結果が変わることもあります。熱心な担当者とやりとりできれば大きな問題にはなりにくいのですが、そうでない場合は希望通りに売却できない可能性もあるのです。このように、専任媒介契約を結ぶと契約期間中は1社とやり取りすることが決まっているため、希望通りに売却できない可能性があることが専任媒介契約のデメリットです。\n\n\n\n

    5-2.中途解約すると違約金が発生することがある\n\n\n\n

    中途解約すると違約金が発生することがある点も専任媒介契約のデメリットです。専任媒介契約では最大3ヶ月の契約期間が認められており、この間に契約を解除したいとなると、売主都合での契約解除となってしまいます。その場合、それまでに不動産仲介会社が費やした広告費や交通費などを解約する際に請求される可能性があるのです。\n\n\n\n

    そもそも専任媒介契約では、契約期間内は1社に媒介契約を依頼することが前提であるため、契約期間が終了する前に契約解除を申し出ること自体がその前提に反します。そのため、売主都合での中途解約で違約金が発生することは少なくないのです。ただし、売主都合の中途解約ではなく、不動産仲介会社による落ち度のために中途解約となった場合は違約金が発生しません。専任媒介契約では原則として契約期間内は依頼している不動産仲介会社を通した契約をすることになる上、中途解約すると違約金が発生することがあるため、媒介契約を結ぶ際には、不動産仲介会社の見極めを丁寧に行うようにしてください。\n\n\n\n

    5-3.「囲い込み」が行われる可能性がある\n\n\n\n

    専任媒介契約では囲い込みが行われる可能性がある点にも注意が必要です。囲い込みとは、両手仲介(売主・買主両方から仲介手数料をもらう取引)を狙って不動産仲介会社が情報を故意に隠したりすることです。具体的には、レインズへの登録を行っていなかったり広告出稿を怠っていたりすることが想定されます。その場合、他社からの買主が集まらず、なかなか売れないという可能性が考えられるでしょう。\n\n\n\n

    他にも、仮にレインズへの登録や広告出稿をしていても、他社からの紹介顧客をあえて紹介しないように隠している場合もあります。囲い込みが行われてしまうと、このように不動産が売れるまでに長い期間を要してしまう可能性があるため、注意が必要です。一般媒介契約では複数の不動産仲介会社に依頼できるため、自社が契約を獲得できない可能性もあることから囲い込みは行われにくい傾向にあります。\n\n\n\n

    一方、専任媒介契約は1社のみに依頼するので、一般媒介契約に比べて囲い込みが行われる可能性が高まるのです。囲い込みを完全に防ぐことは難しいのですが、できる対策としてはレインズに登録されているのかを確認したり、広告出稿がされているのかを確認したりすることが挙げられます。できる対策を地道に行うことで、囲い込みが行われないように注意しましょう。\n\n\n\n

    6.専任媒介契約を活用すべきケース\n\n\n\n

    以上で紹介した専任媒介契約の特徴やメリット・デメリットを踏まえると、どのようなケースで専任媒介契約が有効なのでしょうか。専任媒介契約を活用すべきケースを3つに分けて紹介します。\n\n\n\n

    6-1.信頼できる会社にお願いしたい場合\n\n\n\n

    1つ目のケースは信頼できる会社にお願いしたい場合です。不動産売買を何度か経験している方であれば、いつもお世話になっているような信頼できる不動産仲介会社があるかもしれません。もしくは、知人が不動産取引を経験していて、信頼できる不動産仲介会社を紹介してくれる場合があるかもしれません。また、複数の不動産仲介会社に依頼すると情報漏洩が心配で、信頼できる1社にお願いしたいと考える場合もあります。そのような場合は、その不動産仲介会社と専任媒介契約を締結してもよいでしょう。\n\n\n\n

    ただし、あくまでも「信頼できる会社」であることが重要です。知人から紹介されただけの会社やネットで見つけて評判が良さそうだった会社などは、その会社における信頼度が十分に溜まっていません。不動産仲介会社によっては担当者の腕前が低かったり囲い込みをしたりするなど、質の低い場合もあり、このような不動産仲介会社に依頼しても満足の行くような売却ができない可能性が高くなることはおわかりいただけるでしょう。そのため、信頼できる不動産仲介会社があり、そこに媒介契約を一任したい場合には専任媒介契約を活用すべきです。\n\n\n\n

    6-2.売りにくい物件を売却する場合\n\n\n\n

    2つ目のケースは売りにくい物件を売却する場合です。物件と言っても様々な種類があり、中には売り出したらすぐに売れていく物件がある一方、売り出してもなかなか買主が現れない物件もあります。例えば、以下のような特徴を持つ物件が売れにくい物件です。\n\n\n\n