{"id":413,"date":"2023-03-19T14:48:11","date_gmt":"2023-03-19T05:48:11","guid":{"rendered":"http:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/article293\/"},"modified":"2023-12-26T14:22:30","modified_gmt":"2023-12-26T05:22:30","slug":"post_220","status":"publish","type":"post","link":"https:\/\/column.ouchi-kurabel.com\/realestate\/column\/article413\/","title":{"rendered":"鉄骨造の耐用年数とは?実際の寿命と法定耐用年数の違いを解説"},"content":{"rendered":"\n

鉄骨造とは建物の骨組みに鉄をもちいた構造のことで、建物にはその構造によって耐用年数が定められています。\n\n\n\n

本記事では鉄骨造における耐用年数について詳しく解説するとともに、耐用年数を延ばす方法や耐用年数を超えた不動産を購入する際の注意点についても紹介しますので、鉄骨造の物件を保有している人やこれから鉄骨造の物件を購入しようと考えている人はぜひ参考にしてださい。\n\n\n\n

1.鉄骨造の耐用年数は3つに分けられる\n\n\n
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鉄骨造の耐用年数は、そのままの意味を持つ「耐用年数」と減価償却の計算に用いる「法定耐用年数」そして「経済的耐用年数」の3つに分けられます。そして、これらの耐用年数の意味を理解しておくことは非常に大切です。\n\n\n\n

この章では、3つの耐用年数の意味と鉄骨造以外の法定耐用年数がどうなっているのかも合わせて紹介します。\n\n\n\n

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1-1.建物の実際の寿命を表す耐用年数\n\n\n\n

耐用年数には、建物の実際の寿命を指す意味もあります。建物の寿命という意見での耐用年数は、その建物の使い方や環境による影響を受けることから、適切に維持管理ができている建物ほど耐用年数が長くなり、逆に維持管理ができていない建物は耐用年数が短くなる傾向にあります。\n\n\n\n

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たとえば鉄骨造だと、適切な維持管理が行われていれば60年以上の耐用年数を誇るものもありますし、中には100年以上維持できるものもあります。\n\n\n\n

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一般的に耐用年数というと、次項で紹介する法定耐用年数を思い浮かべる人が多いと思いますが、必ずしもそうではなく建物自体の寿命を表す意味で使われることを理解しておきましょう。\n\n\n\n

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1-2.法定耐用年数\n\n\n\n

法定耐用年数は減価償却の計算で利用されるため、知っている人も多いのではないでしょうか。実際、法定耐用年数は減価償却費を算出する際に用いられるもので、税務上の指標ともいえます。\n\n\n\n

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減価償却とは、建物などの固定資産を購入した際に購入した年にその取得額を一括費用として計上するのではなく、法定耐用年数に応じた減価償却率を乗じた額を毎年減価償却分として費用計上することです。\n\n\n\n

固定資産は年月が経つことでその価値が減少していくため、毎年減価償却分として計算した額を減価償却費として計上します。\n\n\n\n

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例えば、法定耐用年数20年の鉄骨造の建物を6,000万円で購入した場合、購入額である6,000万円を20年かけて減価償却費として計上するわけです。\n\n\n\n

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この減価償却の仕組みは所得金額の減少という節税効果を生むため、事業を行ううえで非常に大切な考え方ですので、必ず理解しておかなければなりません。実際に費用として支出していない額を費用計上できるため、その分所得金額を抑えることになり、最終的な節税効果につながるのです。\n\n\n\n

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法定耐用年数はあくまでも減価償却の計算において必要となるものであり、実際の建物の寿命ではないことを理解しておきましょう。\n\n\n\n

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1-2-1.鉄骨造の法定耐用年数\n\n\n\n

鉄骨造の法定耐用年数は、鉄骨の厚さとその建物の用途(居住用か事業用か)で異なります。それぞれの法定耐用年数は以下のとおりです。\n\n\n\n

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鉄骨の厚み\n

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居住用\n

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事業用\n

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3㎜以下\n

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19年\n

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22年\n

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3㎜~4㎜以下\n

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27年\n

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30年\n

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4㎜以上\n

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34年\n

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38年\n\n\n\n\n

(出典:AM_03taiyonensu.pdf (axf.co.jp))\n\n\n\n

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ちなみに、用途は居住用と事業用だけなくほかの用途にも分けられており、それぞれの法定耐用年数は以下のようになっています。\n\n\n\n

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鉄骨の厚み\n

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飲食店・車庫\n

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工場・倉庫\n

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旅館・ホテル・病院\n

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公衆浴場\n

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3㎜以下\n

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19年\n

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17年\n

\n

17年\n

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15年\n

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3㎜~4㎜以下\n

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25年\n

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24年\n

\n

24年\n

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19年\n

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4㎜以上\n

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31年\n

\n

31年\n

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29年\n

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27年\n\n\n\n\n

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1-2-2.鉄骨造以外の法定耐用年数\n\n\n\n

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また、鉄骨造以外の構造には木造や木造モルタル造、鉄筋コンクリート造などがあり、これらも住居用もしくは事業用で法定耐用年数が異なります。\n\n\n\n

鉄骨造以外では鉄筋コンクリートが最長50年となっており、その分償却期間も長くなることがわかります。\n\n\n\n

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構造\n

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居住用\n

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事業用\n

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木造\n

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22年\n

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24年\n

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モルタル造\n

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20年\n

\n

22年\n

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鉄筋コンクリート造\n

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47年\n

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50年\n\n\n\n\n

(出典:AM_03taiyonensu.pdf (axf.co.jp))\n\n\n\n

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1-3.経済価値がなくなるまでの期間を表す耐用年数\n\n\n\n

耐用年数には「経済的耐用年数」と言われるものがあり、建物としての経済的な価値がなくなるまでの期間を表しています。\n\n\n\n

一般的に建物は経年劣化していきますが、経済的耐用年数を求める際には将来的に発生することが予想される修理費用や劣化具合を考慮して計算します。\n\n\n\n

また、建物の寿命である耐用年数と同様に建物の環境や維持管理状態による影響を受けることから、維持管理が適切に行われていれば経済的耐用年数は長く、維持管理を怠っている建物については経済的耐用年数が短くなる傾向がみられます。\n\n\n\n

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国土交通省の不動産鑑定評価基準では、建物の減価額を求める耐用年数の適用について、経済的耐用年数が最も重視されるべきであるとの記載があることからも、建物の価値を築年数だけで判断するのではなく、建物の環境や維持管理状態を考慮して判断すべきだといえます。\n\n\n\n

(参考:001043585.pdf (mlit.go.jp))\n\n\n\n

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2.法定耐用年数を元にした減価償却の計算方法\n\n\n
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減価償却の計算では、建物法定耐用年数とその建物の取得額を用いて費用計上する減価償却費を求めます。上で紹介したとおり、建物の法定耐用年数は構造などによって異なります。\n\n\n\n

この章では、法定耐用年数の一部が経過している建物と法定耐用年数を超えた建物の減価償却の計算方法について解説します。\n\n\n\n

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2-1.法定耐用年数の一部が経過した場合の計算方法\n\n\n\n

中古の鉄骨造建物(事業用)を購入した場合、法定年数の算出は以下の計算方法で行います。\n\n\n\n

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(法定耐用年数-経過年数)+経過年数✕20%\n\n\n\n

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借りに、4㎜を超える鉄骨造で築20年の建物を取得した場合、用いる法定耐用年数は\n\n\n\n

(38年-20年)+20年✕20%=22年\n\n\n\n

です。\n\n\n\n

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さらに、減価償却の計算では減価償却率を使用するため、その法定耐用年数に該当する減価償却率を調べます。\n\n\n\n

減価償却率は国税庁のホームページに掲載されています。2007年年4月1日以降に取得した建物については定額法を用いるため、法定耐用年数22年の減価償却率は0.046です。\n\n\n\n

(出典:2100_02.pdf (nta.go.jp))\n\n\n\n

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この建物を3,000万円で取得したとすると、毎年減価償却費として計上する額は\n\n\n\n

3,000万円✕0.046=138万円です。\n\n\n\n

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毎年実際の支出はないにもかかわらず、138万円が費用として計上できることからも、減価償却費が節税効果に重要なポイントになることがお分かりいただけるのではないでしょうか。\n\n\n\n

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2-2.法定耐用年数がすべて経過した場合の計算方法\n\n\n\n

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法定耐用年数を超えた建物の場合、法定耐用年数は新築で取得した場合の20%で計算します。\n\n\n\n

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(法定耐用年数)✕20%\n\n\n\n

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厚さ3㎜以下の鉄骨造で築30年の建物を購入した場合、新築で取得した際の法定耐用年数は22年ですので、法定耐用年数を超えています。\n\n\n\n

そのため、法定耐用年数である22年の20%\n\n\n\n

22年✕20%=4.4年\n\n\n\n

となりますが、端数は切り捨てるため、4年が減価償却の計算に用いる法定耐用年数です。\n\n\n\n

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法定耐用年数4年の減価償却率は0.2ですので、仮にこの建物を1,500万円で購入した場合の減価償却費は\n\n\n\n

1,500万円✕0.2=300万円\n\n\n\n

です。\n\n\n\n

法定耐用年数を超えた建物を取得した場合法定耐用年数は少なくなりますが、適用される減価償却率が高くなるため、最終的に計上できる減価償却費も高額になる傾向があります。\n\n\n\n

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3.軽量鉄骨造についても確認しておこう\n\n\n
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鉄骨造とは別に軽量鉄骨造もあります。せっかくですので軽量鉄骨造のメリットそしてデメリットについても理解を深めておきましょう。\n\n\n\n

軽量鉄骨造は鉄骨の厚さが6㎜未満の建物をさし、耐震性が高いことから店舗やアパートのほか戸建てなどでも利用されています。\n\n\n\n

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3-1.軽量鉄骨造のメリットとは\n\n\n\n

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まず、軽量鉄骨造のメリットである耐震性の高さや価格の安さ、ランニングコストの安さについて解説します。\n\n\n\n