空き家買取ってどういった手順でお願いすればいいのだろうか」
このような疑問を感じている方が多いのではないでしょうか。
あらかじめ、空き家買取について理解しておけば相続時や空き家が残ってしまった時に困りません。
空き家買取についてよくわからない方に向けて、本記事では、空き家買取の概要や相場、5つのメリット、空き家買取の4手順、買取や仲介でおすすめの売却方法について詳しくご紹介します。
空き家は放置しておくと、空き家特別措置法に指定される危険性があるため、本記事を参考にして空き家の扱い方を考えましょう。
そもそも空き家買取ってなに?
空き家買取とは、不動産会社や個人が直接買主になり、空き家を購入することです。
売主と買主を不動産会社がつなぐ仲介と比べて、双方売却価格さえ同意すれば買取は契約が成立するため、スピード感を持って取り引きできます。
不動産会社が空き家を買取る理由は、リフォームしたり転用したりして新しい顧客を獲得するためです。
そのため、多少空き家が古くても売れますしお互いが契約内容に納得していれば、契約不適合責任を負う必要もありません。
とはいえ、不動産会社がリフォームや転用を見越したうえで、空き家を買取るため、仲介よりも金額が下がります。
次に、空き家買取の価格相場について紹介していきます。
空き家買取の相場
空き家買取の相場は、一般的に不動産市場価格の5~8割といわれています。
価格が劣る理由は、買取をする不動産会社がリフォームや転用といった空き家の再利用をする費用を見越した金額にするためです。
たとえば、1,000万円の市場価値がある空き家だと、500~800万円の買取価格になります。
空き家買取の相場を調べる方法は以下の2点です。
- 不動産ポータルサイトを利用する
- 国税庁が運営している土地総合情報システムを利用する
不動産ポータルサイトとは、不動産会社が所有・仲介している物件情報を多数集めているWebサービスのことです。
多くの物件情報が記載されているため、価格の比較が可能になり、買取価格の提案が簡単にできます。
土地総合情報システムとは、国税庁が運営しているサイトです。不動産の取引価格について詳しく知れるため、空き家価格の相場を把握できます。
空き家買取の相場は、物件の品質によって異なりますが、市場価格の5~8割程度の値段が買取価格になると認識しておきましょう。
空き家を不動産会社に買取ってもらうメリット
ここまで、空き家買取の概要や相場について解説してきました。ここからは、空き家を不動産会社に買取ってもらうメリットについて1つずつ紹介していきます。
- 仲介手数料が必要なくなる
- すぐに空き家を現金に換えられる
- 空き家が古くても売却できる
- 不要な家具・家財を無料で処分できる
- 売主責任を負わなくてよい
それぞれ順番に見ていきましょう。
メリット①仲介手数料が必要なくなる
空き家を不動産会社に買取ってもらうメリットの1つ目は、仲介手数料が必要なくなることです。
不動産会社に買主を紹介してもらう場合は、仲介手数料がかかります。
不動産会社にかかる仲介手数料には上限額があります。
仲介手数料の上限額について表にまとめてみました。
物件取引価格 | 報酬額(税込) |
---|---|
200万円以下 | 5%(5.5%) |
200万円超400万円以下 | 4%(4.4%) |
400万円超 | 3%(3.3%) |
仲介手数料は、宅地建物取引業第46条で、報酬を受け取れる上限額が決まっているため、違法的な仲介手数料額が売買契約書に記載されていれば、必ず拒否しましょう。
先述した通り、空き家買取は不動産会社が直接買主になるため、仲介手数料を支払う必要はありません。
そのため、少しでも空き家買取の利益を得たいと考えている方は、直接不動産会社に売り込みましょう。
メリット②すぐに空き家を現金に換えられる
空き家を不動産会社に買取ってもらうメリットの2つ目は、すぐに空き家を現金に変えられることです。
空き家買取の場合は、不動産会社や個人が直接買取るため、買主を探す必要がありません。
そのため、買取から引渡し・決済までの期間が比較的短くなります。
期間の目安は、マンションの場合、不動産会社に買取依頼してから1か月程度、一戸建てや土地の場合、1か月から6か月程度になります。
不動産会社に売主を探してもらう仲介では、販売活動開始時点から考えると、引渡し・決済完了までに5~9か月程度かかってしまうため、空き家を早く現金化したいと考える方は、直接不動産会社に買取依頼しましょう。
メリット➂空き家が古くても売却できる
空き家を不動産会社に買取ってもらうメリットの3つ目は、空き家が古くても売却できることです。
不動産会社が買取る場合は、空き家をリフォームしたり転用することが大前提です。
そのため、空き家が古くても関係ありません。
とはいえ、買取価格には空き家の綺麗さや汚さは影響してくるため、注意が必要です。
メリット④不要な家具・家財を無料で処分できる
空き家を不動産会社に買取ってもらうメリットの4つ目は、不要な家具・家財を無料で処分できることです。
不動産会社は、取り壊し前提で空き家を購入するため、空き家内に家具や家財が放置されていても処分してくれるケースがあります。
個人の場合は、空き家をそのまま転売したり少しリフォームしたりがメインとなるため、家具・家財の処分は難しいでしょう。
家具や家財の量にもよりますが、処分には、かなりのコストがかかります。
コストを減らすためにも、空き家を不動産会社に買取ってもらいましょう。
メリット⑤売主責任を負わなくてよい
空き家を不動産会社に買取ってもらうメリットの5つ目は、売主責任を負わなくてよいことです。
2020年4月から不動産の売買時には、「契約不適合責任」といった売主責任が課せられることになりました。
契約不適合責任とは、物件引渡し後に売買契約内容に適していなかった場合に課せられる売主の責任のことです。
たとえば、雨漏りはしないといった売買契約内容を締結していたのに、雨漏りしてしまうと、損害賠償請求や契約解除が求められる可能性があります。
そのほかに、買主側が行える行動は以下の通りです。
契約不適合責任は、売買契約書に空き家情報をすべて記載していれば問われません。
とはいえ、個人で売買契約書を作成していれば必要情報が漏れることもあるでしょう。
もちろん漏れないことが1番いいのですが、個人の場合は1つや2つ漏れてしまうこともあるため、代金減額請求や契約解除、追完請求等のリスクがあります。
しかし、不動産会社は「契約不適合責任を一切負わない」といった条件でも契約締結してくれるため、売主責任を負うリスクが無くなるのです。
少しでも売却後のリスクを減らしたい方は、不動産会社に空き家買取の依頼をしましょう。
空き家を不動産会社に買取ってもらうまでの手順
ここまで、不動産会社に空き家を買取ってもらうメリットについて解説しました。ここまで読んで「不動産会社への空き家買取の手順が知りたい」と思っている方もいるでしょう。
ここからは、そのような方に向けて空き家買取の手順について、重要なポイントを押さえながら紹介していきます。
- 不動産会社に査定をお願いする
- 査定終了後、打ち合わせを行う
- 売買契約を締結
- 引渡しと決済
以上4手順で、空き家買取は進んでいきます。ぜひ参考にしてください。
手順①不動産会社に査定をお願いする
空き家買取の手順①は、不動産会社に査定をお願いするところからです。
まずは空き家買取価格を不動産会社に調べてもらう必要があります。
査定方法は、「机上査定」と「現地査定」があります。
机上査定は、空き家周辺の土地物件相場から査定金額を算出する方法です。
査定期間は3日~1週間程度要します。
現地査定は、不動産会社が直接空き家を調査しに行き、買取価格を算出する方法です。
査定期間は30~1時間程度で、机上査定よりも査定に時間を要しません。
とはいえ、空き家が遠方にある場合は、交通費や宿泊費を負担しなくてはいけないため、コストがかかる査定方法といえます。
不動産会社に査定をお願いする時は、複数の不動産会社とコンタクトを取りましょう。
なぜなら、1つの不動産会社に絞ってしまうと、買取価格に偏りが生まれて損をしてしまうかもしれないからです。
現在は、Webでも空き家査定ができます。
面倒と思わず、自分が求めている価格に合った不動産会社を選びましょう。
手順②査定完了後、打ち合わせを行う
空き家買取の手順②は、不動産会社の査定完了後に、打ち合わせを行うことです。
買取価格の査定後は、実際にいくらで買取ってもらえるのかを不動産会社と打ち合わせする必要があります。
打ち合わせの際に、売買から引渡しまでのスケジュールやそれぞれのタイミングで必要になる書類についての説明もあります。
空き家買取で必要になる書類は以下の通りです。
- 登記済権利証
- 固定資産税納税通知書又は税額がわかる書類
- 土地測量図
- 物件図面
- 物件購入時の資料や間取り図
空き家買取には、複数の書類が必要になります。
売買契約前に書類を揃えようと行動すると、売買契約当日に間に合わなくなる可能性が出てくるため、打ち合わせ前~売買契約の1週間前までには必要書類を揃えておきましょう。
手順➂売買契約を締結
空き家買取の手順➂は、不動産会社との売買契約の締結です。
打ち合わせ後、双方で買取価格の同意、必要書類の確認が取れれば、売買契約書の発行を開始し、売買契約書さえ作成できれば、すぐに売買契約が行われます。
空き家買取を不動産会社に行ってもらえば、早く現金化できたり空き家を手放したりできます。仲介と比べ、価格は劣るもののスピーディーに売買契約が完了するため、売主側にとっても大きなメリットが得られるといえるでしょう。
手順④引渡しと決済
空き家買取の手順④は、引渡しと決済です。
売買契約やそのほか必要書類の手続きが終了後、空き家を不動産会社に引渡します。
引渡しと同時に決済も行えるため、買取金額を受け取れます。
そのあとは、不動産会社によって異なりますが、家具や家財の処分を自分でしなければならない場合は、責任を持って行いましょう。
また、売買契約書は不適合責任を問われた際やトラブルに巻き込まれた際に必ず必要になります。
丁寧に保管しておき、無くさないようにしましょう。
仲介と買取、選ぶべき方はどっち?
結論として、できれば「仲介」「買取」どちらか一方を選ばず、両方を視野に入れておきましょう。
なぜなら、仲介と買取の両方を視野に入れておけば、買取価格の差が確認できるからです。
空き家を高く売るためには、買取価格の相場を知っておく必要があります。
知らずに不動産会社との打ち合わせに進んでしまうと、低価格で買取されてしまい、「気付いた時にはすでに遅い」という状況に陥っていることもあるでしょう。
そのため、1社だけに絞らず、複数の不動産会社に査定依頼するのが良いといえます。
おすすめの売却方法は、まずは仲介で不動産会社と契約を結び、一定期間になっても契約締結までに辿り着かなければ、不動産会社に買取依頼をするといった方法です。
早く売りたい場合は「買取」、高く売りたい場合は「仲介」とそれぞれの特徴を生かした売却方法を自分なりに模索しましょう。
空き家の買取は不動産会社に依頼しよう
本記事では、空き家買取の概要や相場、5つのメリット、空き家買取の4手順、買取や仲介でおすすめの売却方法についてご紹介しました。
空き家買取とは、不動産会社や個人が直接買主になり、空き家を購入することです。買取はスピーディーですが、価格が下がります。
仲介は時間がかかるものの、高額で売却ができます。買取にも仲介にもそれぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の現在の状況を見極めて選ぶようにしましょう。
Q.空き家買取ってどういった手順で行われるの?
A.空き家買取は、①不動産会社に査定依頼②査定をもとに打ち合わせ➂双方が買取価格に合意すれば売買契約④引渡し・決済。これらの4手順で行われます。
「仲介」よりもスピーディーに引渡しまで行われるため、すぐに現金化したい方や空き家を手放したい方におすすめです。
Q.空き家買取に必要な期間を教えて!
A.空き家買取の期間は平均で1か月。しかし、審査から1週間程度で買取してくれる不動産会社もあります。すぐに現金化したい方や空き家を手放したい方は、不動産会社選びから力を入れましょう。