買取は戸建て売却の最終手段?仲介との違いやケース別におすすめな売却方法を解説!

自宅を売却したいが「どうやって売ったらいいかわからない」、「買取と仲介のどちらで家を売却すればいいかわからない」と悩んでいる人もいるかもしれません。

また、できるだけ好条件で売りたいと考えている人や、自分たちの都合に合わせて売りたいと考えている人も多いはずです。

しかし、戸建ての売却について何も調べずに売却しようとすると、思わぬ出費があったり、いつまでも売れなかったりします。

適切に戸建ての売却を行うためにはある程度の知識が必要です。この記事では戸建ての売却方法や、売却する理由別におすすめの売却方法を徹底的に解説します。最後まで読んで、あなたに適した方法で戸建てを売却しましょう。

目次

1.中古戸建ての売却方法は主に仲介と買取の2つ

中古戸建ての売却方法は主に「仲介」と「買取」があります。買取とは主に買取会社に戸建てを直接売却する方法です。条件がまとまればすぐに売却ができ、売る側の負担が少ないのが特徴です。

一方、仲介は不動産会社を通じて第三者へ売却する方法です。こちらの買主は主に個人客となります。売却が完了するまで物件は売り手の所有物なので、売り手が物件の維持をする必要があります。

1-1.不動産会社を仲介して売却するのが仲介

先述のとおり、不動産会社を介して戸建てを個人客へ売却する方法が「仲介」です。

仲介では、まず不動産会社へ販売活動を依頼するための「媒介契約」を締結する必要があります。

媒介契約には「一般」「専任」「専属専任」の3種類あり、それぞれ販売活動をどのように行うのかが異なります。物件の特徴やどのように販売活動をしていきたいかをよく考えて契約する種類を決めましょう。

媒介契約を締結することで、物件の販売活動を開始できます。では、仲介ではどのような流れで戸建てを売却していくのでしょうか。仲介での戸建て売却の流れについて以下で解説していきます。

1-1-1.仲介での物件売却の流れ

さて、仲介での戸建て売却の基本的な流れについて解説していきます。以下に表として流れをまとめましたので、仲介か買取かで悩んでいる人は以下の表を参考にしてみてください。

仲介での物件売却の流れ

備考

物件の価格査定

物件がいくらなのか査定してもらう。

査定額は不動産会社によって大きく異なる場合があるので、複数の不動産会社を比較するとよい。

媒介契約締結(どの会社を通して売却するか)

不動産会社に売却の仲介を依頼する契約を媒介契約といい、以下の3種類がある。

  • 一般

→複数の不動産会社と契約可能。自分で買い手を見つけたら不動産会社を通さず契約可能。

  • 専任

→1社としか契約することができない。自分で買い手を見つけたら不動産会社を通さず契約可能。

  • 専属専任

→1社としか契約することができない。自分で買い手を見つけても不動産会社を通す必要がある。

媒介活動開始

販売開始。不動産会社が集客を行う。

不動産会社が購入希望者を紹介、内見希望があるたびに対応

不動産会社が購入希望者を物件に案内する。自分もできるだけ立ち合い、居住者目線でアピールするとよい。

売買契約

買い手と契約を交わす。

引っ越し

引渡し当日までには引っ越しを完了させ、家を空の状態にする。

引き渡し

買主の所有物となった段階ですべての鍵を渡す。

不動産会社へ仲介手数料、司法書士へ報酬を払う。

1-2.買取会社に直接売却するのが買取

買取は買取会社に直接物件を売却する方法のことです。仲介は不動産会社を通して、一般の消費者に売却するのが基本的な流れでしたが、買取は買取会社が買い手となるため、売却してしまえばそれで終わりです。

したがって、非常に短期間で売却できるというメリットがあります。

ただし、売却までは短期間で行われますが、買取価格は仲介による相場価格の6〜8割程度に下がってしまいます。

これは、戸建ての維持費を買取会社で負担する必要があるほか、再販時にかかるリフォーム代などの経費を考慮して利益を出す必要があるためです。

したがって、仲介では売りにくい物件を売りたい人や、売却価格が多少下がってもいいから早く売却したいという人は、買取を選ぶといいでしょう。

1-2-1.買取での物件売却の流れ

戸建てを買取してもらう場合は、どのような流れになっているのでしょうか。基本的な流れを以下に表でまとめましたので、仲介での戸建て売却の流れと比較して、より自分に適したほうを選ぶようにしましょう。

買取での物件売却の流れ

備考

物件の価格査定

物件がいくらなのか査定してもらう。

査定額は不動産会社によって大きく異なる場合があるので複数の不動産会社を比較するのがよい。

売買契約

買取会社と契約を交わす。

引っ越し

引渡し当日までには引っ越しを完了させ、家を空の状態にする。

引き渡し

買取会社の所有物となった段階ですべての鍵を渡す。

1-3.仲介+買取の買取保証という制度も

より高い売却価格を求めて、仲介を選ぶ人もいるでしょう。しかし、仲介で気を付けてほしいことは「必ず売れるとは限らない」ということです。

買い手が見つからなければ、売れ残り物件になってしまいます。そのような事態を防ぐために「買取保証」というシステムをも設けている会社もあります。

買取保証とは「仲介」にて物件が一定期間売れなかった場合に、予め決めておいた価格で不動産会社が「買取」を行ってくれる売却方法のことです。

この買取保証は不動産会社のみが行えるもので、一定期間仲介での販売を行えるため、より高価格で売却できる可能性があります。

もし売れなかった場合でも、買取が保証されているので売り手が安心して、積極的な販売活動をすることができます。

物件がなかなか売れないと、売り手からすると非常に不安になるものです。仲介を選択する場合は、買取保証も一緒に付けると不安が拭えるでしょう。

2.中古戸建てを買取してもらうメリット

戸建ての売却には「仲介」と「買取」があることを解説しました。では、仲介ではなく、買取を選ぶメリットは何でしょうか。買取を選ぶメリットは主に以下の8つが考えられます。

仲介を選ぶメリットも後程ご紹介しますので、互いのメリットを比べて自分に適した売却方法を選びましょう。

中古戸建てを買取してもらうメリット

早く簡単に売却できる

内見(内覧)に対応する必要がない

近所の人に物件を売却することを知られることがない

物件情報が公開されることがない

リフォームなどさらなるコストがかからない

仲介手数料が必要ない

仲介で売却しにくい物件でもOK

契約不適合責任が免除される

2-1.早く簡単に売却できる

メリットの1つ目は「早く簡単に売却できる」ことです。買取の場合、物件を1ヶ月程度で売却することができます。

仲介で戸建ての物件を売却しようとした場合、戸建てはマンションに比べて売りにくいため、6ヶ月以上かかることもよくあります。それを考えると1ヶ月という期間の短さがよくわかります。

また、早く売れば売るほど、物件の維持費や固定資産税が少なくて済みます。住む人のいない家を処分したい人や、できるだけ早くお金が欲しい人は、買取を選ぶことによって仲介よりも早く物件を売却できるためおすすめです。

2-2.内見(内覧)に対応する必要がない

メリット2つ目は「内見(内覧)に対応する必要がない」ということです。

仲介での売却の場合は、売却できる可能性を高めたり、できるだけ短い期間で売ったりするためにも内見希望をできるだけ受け付け、その対応をしなければいけません。

その対応が多いほど疲れますし、自分の大切な時間を奪われてしまいます。

しかし、買取の場合は買取会社に物件を売却して終わりなので、内見対応をする必要がありません。自分の時間を削ってまで内見対応をしたくないという人は買取を選ぶことをおすすめします。

2-3.近所の人に物件を売却することを知られることがない

メリット3つ目は「近所の人に物件を売却することを知られることがない」ということです。物件を売却することを、近所にあまり知られたくない場合もあることでしょう。

買取なら物件を売るための見学会が開催されたり、インターネット広告やチラシがまかれたりすることもありません。買取会社が一度物件の査定に訪れるくらいで済みます。

一方、仲介はチラシをまいたり見学会を開催したりするので、自然と近所に知れわたるでしょう。近所に物件売却のことを知られたくない人は、買取も検討してみましょう。

2-4.物件情報が公開されることがない

メリット4つ目は「物件情報が公開されることがない」ことです。

仲介で戸建てを売却する際、詳細な所在地まで公開されることはありませんが、おおまかな立地や室内の写真などを公開し、買い手を探すことになります。

特に居住中の場合など、住んでいる部屋の状態が不特定多数に公開されてしまうことになります。室内写真を載せないという手もありますが、その分購入希望者が減ってしまうリスクがあります。

しかし、買取では買取会社に売却して終わりなので、その心配はありません。自分が住んでいる間に物件情報が公開されることが嫌だという人は、買取を検討してもいいかもしれません。

2-5.リフォームなどさらなるコストがかからない

メリット5つ目は「リフォームなどさらなるコストがかからない」ことです。

仲介では不動産会社に販売を依頼し、購入希望者を募ります。多くの場合、購入希望者は一般の個人客で、購入した物件にそのまま住むことを前提としています。

したがって、水回りが古かったり、住宅設備が故障していたりすると購買意欲が起きず、長期間売れ残ってしまう事態になりかねません。

そうした事態を避けるために、必要な場所を修理・リフォームしたり、クリーニングしたりしてから売り出す場合があります。しかし、物件が古すぎたり故障が多かったりすると、修理代やリフォーム代がかさんでしまいます。

こういった場合は仲介で購入希望者を探すのではなく、買取会社に売却するほうがいい可能性もあります。

2-6.仲介手数料が必要ない

メリット6つ目は「仲介手数料が必要ない」ことです。

仲介では、売り手と買い手の間に不動産会社を挟むため、売買契約が成立した後、不動産会社に仲介手数料を支払わなければいけません。

仲介手数料は売買金額によって異なります。以下に仲介手数料を表に示しますので、仲介にした場合、実際にいくらほどかかるのか事前に試算してみるとよいでしょう。

売却額

仲介手数料

200万円以下

5%

200万円超から400万円以下

4%+2万円

400万円超

3%+6万円

不動産は価格も大きいので、3〜4%でもかなり大きな額になります。ただしこれは仲介の場合の手数料ですので、買取の場合は一切発生しません。ここにも買取のメリットがあります。

2-7.仲介で売却しにくい物件でもOK

メリット7つ目は「仲介で売却しにくい物件でもOK」ということです。一般の個人客を対象にした仲介では売却しにくい物件があります。売却しにくい物件は以下のとおりです。

仲介で売却しにくい物件

売却しにくい理由

築年数が40年以上超える

旧耐震基準の物件

安全性が不安である

立地が悪い

立地が悪いところに住もうと考える人が少ない

事故物件

事故物件に住もうと考える人が少ない

接道義務を果たしていない

(再建築不可物件である)など

再建築ができないため、すでに古い建物がある場合それを使用し続けなければならない。(フルリフォームは可能)

上記のような物件でも、買取であれば売却できる可能性があります。売却できるかどうかを査定時にまず相談してみることをおすすめします。

ただし、必ず買い取ってもらえるというわけではないので、ご注意ください。

2-8.契約不適合責任が免除される

メリット8つ目は「契約不適合責任が免除される」ことです。

契約不適合責任とは買い手に契約内容と異なるものを売却した場合、売り手が債務不履行の責任を負うというものです。

売却物件の内容が売買契約書に書かれているかどうかが非常に重要であり、契約書に書かれた物件の品質を保証する責任を負います。

例えば売り手に売却後、契約内容にない不具合(雨漏りや白アリ被害など)が発見されたときは売り手が損害賠償を負うことになります。

ただし、買取会社に売却した場合は買い手が宅建会社というプロであるため、契約不適合責任は免除されます。予想外の出費を避けたいと考える人は、買取での売却を検討してもいいでしょう。

最後に、これまで解説してきた仲介と買取について表にまとめましたので、仲介と買取を比較し、自分に適した売却方法を選んでください。

 

仲介

買取

売却先

その物件の購入希望者(主に一般の個人客)

不動産買取会社が直接買取

売却期間

長い。

3ヶ月から半年ほど、場合によっては1年

短い。1ヶ月で売却完了する場合も。

売主の負担

負担は多い。

不動産会社と媒介契約の締結後、売れるまで内見希望者の対応を行う

負担は少ない。

売却契約を結んだら物件を引き渡す。

仲介手数料

あり

なし

3.中古戸建てを買取してもらうデメリット

これまでは中古戸建てを買取してもらうメリットをご紹介しました。ここからは買取のデメリットを紹介していきます。

買取のデメリットは以下の2つです。デメリットを考慮した上で、仲介と買取のどちらが自分に適しているか考えてみてください。

中古戸建てを買取してもらうデメリット

仲介より売却価格が低いのがほとんど

買取ができないことも

3-1.仲介より売却価格が低いのがほとんど

デメリット1つ目は「仲介より売却価格が低いことがほとんど」であることです。

一般的に買取の売却価格は、仲介での売却価格の6〜8割であるといわれています。これは買取会社が買い取った物件をリフォームし、付加価値を付けて再販することを前提に買取を行っているからです。

また、買取では売り手の売却スケジュールにそって売却を進めたり、売り手は契約不適合責任が免除されたりするなど売り手有利な半面、買い手のリスクが大きいことも考慮され、一般的に売却価格が低くなっています。

3-2.買取ができないことも

デメリット2つ目は「買取ができない」可能性もあることです。

先ほども解説したとおり、買取会社は買い取った物件をリフォームして再販することを目的に買取を行っています。

つまり、リフォームして売ることができそうな物件を買い取っているのです。立地や土地形状が著しく悪かったり、再建築不可で利用しにくかったりする物件は買い取ってもらえない可能性もあります。

その場合は、賃貸として貸し出すか、物件を解体して土地を売る、空き家バンクに登録するなどの方法があります。仲介より買取のほうが売却可能性は高いものの、買取でも売却できない可能性があることを知っておきましょう。

4.中古物件を買い取ってもらうときの相場は?

買取だと売却価格が下がってしまうことを開設してきました。では、実際に中古物件を買い取ってもらうときの相場はいくらくらいなのでしょうか。

先述したように、買取で中古物件を売却するときは資産価値の6〜8割です。例えば資産価値5,000万円の物件を買取で売却する場合は3,000〜4,000万円ほどにしかならないということです。

つまり、当然ですが、資産価値が高いほど買取価格が高くなります。基本的に資産価値は築浅の物件のほうが高いので、売却を考えるなら早めに行動したほうがいいでしょう。

以下では築年数ごとの資産価値およびその買取相場がどのように変化していくのかを表にまとめましたので、物件売却を考えている人は参考にしてみてください。

築年数

築年数ごとの買取相場

備考

築5年以内の

戸建て住宅

購入価格の7割

5年以内の物件を売却しようと考えている人は早めに行動したほうがよい

築10年以内の

戸建て住宅

購入価格の5割

築15年以内の

戸建て住宅

購入価格の2割

購入価格の2割ほどの価値しかなくなるが、建築物としてはまだ活躍できるため、売り手を探すことが可能

築20年超の

戸建て住宅

資産価値0

築20年を越えると資産価値がほぼ0となるため、物件を解体し、土地を売ることも検討するとよい。

参考:国土交通省「中古住宅流通、リフォーム市場の現状市場の現状」

5.買取があっているケース

ここからは、物件の売却理由から仲介よりも買取で売却したほうがいいと考えられるケースをご紹介します。

買取のほうがいいケースは以下の7つです。売却理由が以下に当てはまる人は買取を選ぶことをおすすめします。

買取のほうがいい物件の売却理由

離婚や借金返済などで早く売却する必要がある場合

遠方に所有する物件を売却したい場合

所有物件が事故物件の場合

築年数が古く、住むのが難しい場合

賃貸しても借り手がなさそうな場合

広くて大きな家を売却したい場合

仲介で売却しようとしているがなかなか売れない場合

5-1.離婚や借金返済などで早く売却する必要がある場合

1つ目は「離婚や借金返済などで早く売却する必要がある場合」です。

離婚や借金返済などで物件を売却する場合、お金が早く必要になる可能性があります。離婚の場合、買い手が見つかるまで一緒に住むかもしくは別々の賃貸に住むことになるでしょう。

その場合、売却までに時間がかかればかかるほど、精神的な苦痛や家賃がさらにかかってしまいます。

買取は仲介に比べ、売却まで1か月程度と短いため、早く物件を売却したい場合は買取を検討してもよいでしょう。

5-2.遠方に所有する物件を売却したい場合

2つ目は「遠方に所有する物件を売却したい場合」です。

仲介で都会から離れた物件を売却しようとすると立地の悪さから需要が低く、売却できるまでに時間が大幅にかかる場合があります。その場合、物件の維持費が高額となり負担となることもあるでしょう。

また、内見対応などでいちいち遠方に向かうのは大変です。それを加味して、遠方に所有する物件を売却したい場合は買取がおすすめです。

5-3.所有物件が事故物件の場合

3つ目は「所有物件が事故物件の場合」です。

所有物件が事故物件となった場合、資産価値が大幅に減少します。なお、事故物件とは以下に示す4つの要因に当てはまる物件をいいます。

事故物件の要因

心理的瑕疵

その物件で人が亡くなったなど

物理的瑕疵

地盤が緩んでいる、耐震強度が国の基準未満など

法的瑕疵

国の構造上の安全基準を満たしていないなど

環境的瑕疵

周囲に繁華街があり、うるさいなど

事故物件になってしまった場合、仲介だと価格を低く設定しないと買い手が見つからないため、低い価格でしか売却できません。

その場合は、買取で築年数が浅いうちに売ることも検討しましょう。そちらのほうが高く売れる可能性もあります。

5-4.築年数が古く、住むのが難しい場合

4つ目は「築年数が古く、住むのが難しい場合」です。

買取では仲介よりも、状態の悪い家を売却しやすいというメリットがあります。買取会社は売れる見込みのある物件をリフォームしたり、解体して新たに建売住宅を建てたりして再販します。

したがって、築年数が古く住むのが難しい場合でも、土地に価値がある場合は物件を買い取ってくれる可能性が高いのです。

売ろうとしている戸建てが駅に近かったり、人口が増加している土地にあれば利用価値が十分にあるため、買取会社に査定してもらうのがよいでしょう。

5-5.賃貸しても借り手がなさそうな場合

5つ目は「賃貸しても借り手がなさそうな場合」です。自分が住まない物件は売却以外にも誰かに貸すという使い道があります。

しかし、駅からかなり遠く、周りに何もない場所に建っている場合や、非常に古い物件である場合などは借り手がつかないこともあります。

そのような物件は買取向きです。賃貸にもできない物件をずっと所有していても、維持費で赤字になりますし、管理が大変です。早々に買取で売却し、手放すのがよいでしょう。

5-6.広くて大きな家を売却したい場合

6つ目は「広くて大きな家を売却したい場合」です。

広くて大きな家は、仲介では売れずらいことが多々あります。敷地面積が大きいと、そのぶん物件価格は上がり、税金なども比例して多く支払うことになるからです。

仲介にすると需要の少ない広くて大きい家は、売却まで時間がかかることが予想されるため、その分税金・維持費を支払わなければいけなくなります。

買取では短期間でそのような物件を手放すことができるため、仲介よりもおすすめです。敷地面積が大きい場合は、土地を分割し数件の建売を立てて売り出されることがよくあります。

5-7.仲介で売却しようとしているがなかなか売れない

7つ目は「仲介で売却しようとしているがなかなか売れない」場合です。

少しでも高い価格で売却したいがために仲介で物件を売却しようとしていても、販売期間が1年以上経っている場合は買取に切り替えたほうがいい場合があります。

1年以上販売活動をしているということは、その地域で物件を探している人にはある程度認知されているはずです。

それにもかかわらず、売れていないのですから「売れ残り物件」となってさらに売るのが難しくなってしまいます。

それでも仲介で売却したい場合は、値引きをしていく必要があります。しかし、値引きを繰り返して価格を安くしていくよりは、より早いタイミングで買取を検討したほうが、結果として高く売れる可能性もあります。

6.買取より仲介がおすすめなケース

先ほどまでは買取について解説してきましたが、ここからは仲介での売却のほうがよいケースをご紹介していきます。

主に仲介のほうがいいと考えられるケースは以下の4つです。これらに当てはまる人は買取ではなく、仲介で売却したほうがより高く売れる可能性があります。

仲介のほうがいい売却理由

少しでも高く売りたい

売却したいが急いでいない

築浅で人気の街にある物件を売りたい

古くてもリフォーム・リノベーション済

6-1.少しでも高く売りたい

1つ目は「少しでも高く売りたい」場合です。

買取は買取会社が物件を買い取った後、再販できるようにリフォームなどを施すことから資産価値の6~8割で売却するケースが多くあります。

しかし、一般的に仲介は買取よりも高く物件を売却できるとされています。購入者は一般の個人客であることがほとんどなので、場合によっては相場よりも高い金額で売却できることもあります。

6-2.売却したいが急いでいない

2つ目は「売却したいが急いでいない」場合です。

仲介は買取より売却までの時間がかかることがほとんどです。しかし、仲介で販売活動を開始してから焦らず待っていれば買い手が現れるかもしれません。

急いでいないのであれば最初は仲介にして、売れないようなら買取にするという選択肢も可能でしょう。

ただし仲介の場合、販売期間中の物件は売り手の所有物であるため、その間の税金や維持費は売り手が負担する必要があることは覚えておきましょう。

6-3.築浅で人気の街にある物件を売りたい

3つ目は「築浅で人気の街にある物件を売りたい」場合です。

好条件の物件でも、買取価格が仲介での売却価格より高くなることは少ないでしょう。もし売却したい戸建てが駅に近かったり、築浅であったり、人気のある街にある場合は需要があり、仲介でもすぐ売れる可能性が高いです。

したがって、そのような物件を売却する場合は、買取よりも仲介のほうが合っているといえます。買取にしようと考えている人も一度考え直してみましょう。

6-4.古くてもリフォーム・リノベーション済

4つ目は「古くてもリフォーム・リノベーション済」の場合です。

築年数が多少経過していても新築同様に中をリフォーム・リノベーションしている場合は仲介でも売れる可能性が高いです。

先述したとおり、買取は買取会社がリフォームなど施すことを前提とした価格が提示されます。したがって、リフォーム済みの物件を買取で売却してしまうと、リフォームして資産価値をあげた分が損になってしまいます。

買取でリフォーム済みの物件を売却しようと考えていた人は、仲介も検討することをおすすめします。

7.買取を利用するときのポイント

これまで、買取と仲介について解説してきました。ここでは、実際に買取で物件を売却しようとしている人に向けて、どのような点に注意して買取をしてもらえばいいのかについて解説します。

買取を利用するときのポイントは主に以下の2つです。買取をしてもらうときの参考にしてくださいね。

買取を利用するときのポイント

複数の買取会社に見積もりを依頼する

査定額が納得のいく額か

7-1.複数の買取会社に見積もりを依頼する

1つ目のポイントは「複数の買取会社に見積もりを依頼する」ことです。買取では「査定価格=買取価格」となることがほとんどであるため、少しでも査定価格が高い買取会社を見つけることが重要です。

1社だけの査定を見ても、その査定価格が高いのか安いのかは分かりません。したがって、査定を受けるときはなるべく3社以上に依頼をしましょう。

その査定結果を比較し、一番査定価格が高い買取会社を選ぶとより高く売却することができるでしょう。

7-2.査定額が納得のいく額か

2つ目のポイントは「査定額が納得のいく額か」判断することです。

人気のある街や築浅の物件であまりにも査定価格が低いと、売り手も納得できません。少しでも高く売却するために、相場を熟知している会社や、その土地での取引経験の多い会社に査定を依頼するといいでしょう。

そのような会社を探すためにも、買取会社が得意としている地域や物件種別が、売却予定の物件に当てはまっているか事前に調査しておきましょう。

8.買取は不動産売却の最終手段

中古の戸建てを売却する方法は「仲介」と「買取」の2つです。そのうち買取は売却価格が下がるため、積極的に利用したいものではないかもしれません。

しかし、物件を早く手放したい場合や、物件を売りに出しているもののなかなか売れない場合、買取は頼りになる選択肢です。

ただし、物件の販売スケジュールに余裕を持てるのであれば、まずは仲介、だめならば買取を選択する手もあります。

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