土地を売りに出したからといって、すぐに買主が見つかるケースばかりではありません。
中には、売りに出しても一向に土地が売れない場合もあります。
では、土地が売れない場合、その理由はどのような点にあるでしょうか?
また、どのように対処すればよいでしょうか?
今回は、土地が売れない理由や対処法などについて詳しく解説します。
土地はどのくらいの期間で売れる?
土地が売れない状態であるかどうかを判断するには、一般的に土地がどの程度の期間で売れるのかを知っておかなければなりません。
公益財団法人東日本不動産流通機構(通称「東日本レインズ」)が公表している「首都圏不動産流通市場の動向(2022年度)」によると、2022年度において土地の売出情報がレインズに登録されてから成約するまでの平均期間は78.9日でした。
これにより、土地はレインズへの登録から平均して2か月から3か月程度で売れる傾向にあることがわかります。
なお、レインズとは不動産会社が土地の情報を登録するプロ向けのシステムであり、不動産会社が売主から依頼を受けてから5営業日または7営業日以内に登録しなければならないこととされています。
そのため、不動産会社に土地の売却を依頼してから成約する前の平均期間を考える際は、先ほど紹介した期間に1週間程度の期間をプラスして考える必要があります。
これらを踏まえると、不動産会社に土地の売却を依頼してから3か月を経過しても土地が売れそうにない場合は、土地が売れない理由を検討し対策を講じるとよいでしょう。
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土地が売れない主な原因
売り出している土地が一向に売れない場合、その理由にはどのようなものが考えられるでしょうか?
土地が売れない主な原因には次のものが考えられます。
- 土地の条件がよくないから
- 土地の境界が定まっていないから
- 売出価格が高すぎるから
- 不動産会社がその土地の売却を得意としていないから
- 不動産会社が「囲い込み」をしているから
土地の条件がよくないから
土地の条件がよくないことが原因で、土地が売れない場合があります。
「土地の条件がよくない」とは、たとえば次のケースなどです。
- 土地が狭すぎる・広すぎる
- 土地の形状がよくない
- 土地が道路に接していない
- 土地が道路よりも低い位置にある
- 土地に崖や段差、急な傾斜がある
- 土壌汚染がされている
- 農地である
- 土地上に古家が建っている
- 前に建っていた家の基礎やコンクリートガラなどの地中埋蔵物がある
- 上下水道やガスなどのインフラの引き込みに障害がある
- 周辺に汚水処理場や廃棄物処理施設などいわゆる嫌悪施設がある
- 周辺に大きな工場などがあり音や振動、臭いが気になる
このような土地はそのままでは売りづらいことが多く、物件のアピールポイントを工夫したり売出価格を低めに設定したりするなどの対応が必要となります。
土地の境界が定まっていないから
土地の境界が確定していないことで、土地が売れない場合があります。
境界が確定していない土地は、せっかく購入しても将来隣地所有者との間でトラブルとなるかもしれません。
そのため、境界が確定していない土地の購入は避けられることが一般的です。
売出価格が高すぎるから
土地の売出価格が相場より高すぎることで、土地が売れない場合があります。
売出価格は売主の希望売却価格であり、相場より高く設定すること自体は構いません。
たとえ相場より高くても、その価格で買いたいと希望する人が1人でもいれば売買契約は成立するためです。
ただし、よほどその土地でなければならないような事情がある場合を除き、相場を大きく上回る価格の土地を買う人は多くないでしょう。
そのため、土地の売出価格はその地域の不動産事情に詳しい不動産会社の担当者からアドバイスを受け、慎重に検討するようにしてください。
その土地の不動産事情に詳しい不動産会社をお探しの際は、ぜひ「おうちクラベル」をご活用ください。
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不動産会社がその土地の売却を得意としていないから
土地がなかなか売れないのは、売却を依頼している不動産会社がその土地の売却を得意としていないからかもしれません。
不動産会社には、それぞれ得意なエリアや物件種別(土地、戸建て、マンションなど)があることが少なくありません。
その土地の売却ノウハウのない不動産会社に依頼してしまうと、その土地の魅力を十分にアピールしてもらえなかったり、土地をアピールする顧客層を誤ったりして土地がなかなか売れない可能性があります。
その土地の売却に強い不動産会社を見つけたい場合は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
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不動産会社が「囲い込み」をしているから
土地の条件がさほど悪くないにも関わらずなかなか売れない場合は、不動産会社が「囲い込み」をしている可能性があります。
囲い込みとは、不動産会社が「両手仲介」に持ち込むため、他の不動産会社経由での問い合わせに対し「この土地はもう成約した」などと嘘をついて断る行為などのことをいいます。
両手仲介とは1社の不動産会社が売主と買主の双方から依頼を受ける取引形態であり、この場合は不動産会社が売主と買主の双方から仲介手数料を受け取ることが可能となります。
不動産会社が独自の営業力やネットワークを駆使して買主を見つけてくれることは売主にとってもメリットとなるため、両手仲介自体が問題であるわけではありません。
しかし、両手仲介を画策するあまり過度な囲い込みがなされると売主が取引機会を逃すこととなり、土地がなかなか売れなくなるリスクがあります。
土地が売れない場合の主な対処法
売りに出している土地がなかなか売れない場合、どのように対処すればよいでしょうか?
土地が売れない場合の主な対処法は次のとおりです。
- 土地の境界を確定する
- 土壌汚染調査を実施する
- 広すぎる土地を分筆する
- 農地転用を検討する
- 売主側で解体費用を負担する
- 隣地の所有者に購入を打診する
- 売出価格を見直す
- 不動産会社を変更する
- 媒介契約の種類を変更する
土地の境界を確定する
売りたい土地の境界が確定していない場合は、土地の境界を確定させることで土地が売りやすくなる可能性があります。
土地の境界確定に関する相談先は土地家屋調査士であり、不動産会社に相談することで紹介してもらえることが一般的です。
なお、土地の境界確定には数十万円単位で費用がかかります。
そのため、あらかじめ費用についても確認しておくとよいでしょう。
土壌汚染調査を実施する
以前その土地に工場が建っていたなど、土壌汚染が疑われることで土地が売れない場合は、土壌汚染調査の実施を検討してください。
土壌汚染調査をして土壌汚染がないことが明らかになると、買主が安心し土地が売れやすくなるためです。
広すぎる土地を分筆する
土地が広すぎる場合は、分筆して売却することが選択肢となります。
土地は「1筆(ひつ)、2筆……」と数えますが、分筆とは1筆の土地を複数の土地に分けることです。
たとえば、500㎡の広い土地を250㎡の2つの土地にすることで土地が使い勝手のよい広さとなり、買い手が見つかりやすくなる可能性が見込めます。
ただし、宅建免許を有していない個人は、分筆した複数の土地を売りに出すことができません。
そのため、土地を分筆して売りたい場合は、不動産会社の担当者によく相談し、進め方を検討する必要があります。
農地転用を検討する
農地(田や畑)を宅地に変えることを「農地転用」といいます。
土地が農地であることが理由で売れない場合は、農地のまま売ろうとするのではなく、宅地に変えて売ることを検討してください。
農地のままでは買い手が非常に限られる一方で、家を建てることができる宅地に転用できれば土地が売りやすくなるためです。
ただし、農地転用は申請すれば必ず許可されるものではなく、その農地のエリアなどによっては許可がされないこともあります。
農地転用の許可が下りるかどうかの見込みが知りたい場合は、農地転用に詳しい行政書士へご相談ください。
行政書士は、土地の売却を依頼している不動産会社に相談することで紹介を受けられることが一般的です。
売主側で解体費用を負担する
土地に古家が立っている場合、土地を売る方法は主に次の3パターンがあります。
- 古家と土地をセットで売却し、買主は引き続きその古家を利用する
- 古家と土地をセットで売却し、その後買主が古家を解体する
- 古家を解体し、更地として売却する
家の状態によっては買主がリノベーションをして活用する可能性があるため、「1」も選択肢の1つとなります。
しかし、その可能性が見込めない場合は「2」か「3」が選択肢となりますが、「2」が前提である場合は解体費用がかかることがハードルとなり、土地が売れないかもしれません。
そのため、古家付きの土地が売れない場合は、売主が古家を解体したり、売主が解体費用を負担することを条件としたりすることで、土地が売れる可能性があります。
ただし、解体は自己判断で行うのではなく、その地域の不動産事情に詳しい不動産会社へ相談したうえで決めるようにしてください。
その地域の不動産事情に詳しい不動産会社をお探しの際は、ぜひ不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
隣地の所有者に購入を打診する
土地がなかなか売れない場合、隣地の所有者に打診することで土地が売れる可能性があります。
隣地所有者にとっては、隣の土地を買うことで土地の利用手段が広がる可能性があるためです。
また、周辺に店舗や医院などがある場合は、これらの所有者に購入を打診してみることも1つの手です。
店舗や医院の経営者が、駐車場用地などとして土地を必要としている可能性があるためです。
売出価格を見直す
土地の条件が悪くないにもかかわらずなかなか売れない場合は、売出価格が高すぎるのかもしれません。
この場合は、土地の売出価格を相場相当へと見直すことで、土地が売れる可能性があります。
売出価格は、土地の売買を成功させるうえでもっとも重要なポイントの1つです。
売出価格が高すぎると土地がなかなか売れない事態となる可能性がある一方で、売出価格が低すぎると大切な土地を安く売ってしまい後悔してしまうかもしれないためです。
その土地の適正な査定額を知りたい場合は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
複数社による査定額を比較することで、その土地の売却適正額が把握しやすくなります。
不動産会社を変更する
土地がなかなか売れない場合は、媒介契約の期間が満了した時点で不動産会社を変えることも1つの手です。
媒介契約とは、不動産会社に土地の売却を依頼する際に取り交わす契約であり、3か月が上限とされています。
不動産会社が囲い込みをしていることやその土地の売却を得意としていないことが原因で土地が売れない場合は、不動産会社を変えることで土地が売れる可能性があります。
媒介契約の種類を変更する
不動産会社に土地の買主を探してもらったり買主と交渉してもらったりするために締結する媒介契約には、次の3種類があります。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
他の不動産会社へ重ねての依頼 | 不可 | 不可 | 可 |
自己発見取引 (自分で買主を見つけて売却すること) | 不可 | 可 | 可 |
指定流通機構(レインズ)への登録義務 | 5営業日以内 | 7営業日以内 | 義務なし |
報告頻度 | 1週間に1回以上 | 2週間に1回以上 | 指定なし |
媒介契約は特に比較することなく、「専属専任媒介契約」や「専任媒介契約」とすることも多いかもしれません。
しかし、特に売りづらい物件ではないにもかかわらず土地がなかなか売れない場合は、媒介契約の期間が満了した際に「一般媒介契約」に切り替えることも1つの手です。
なぜなら、一般媒介契約は複数の不動産会社と重ねて契約することができるため不動産会社に競争意識が生じ、販売活動に力を入れてくれる可能性が見込めるためです。
また、一般媒介契約では囲い込みもされづらくなります。
ただし、土地が比較的売りにくい物件であり価格もさほど高額でない場合は、一般媒介契約とすることでさらに土地が売れなくなるリスクがあります。
一般媒介契約において不動産会社が仲介手数料を受け取れるのは自社の仲介によって売買契約が成立したときのみであるうえ、物件価格が低い場合は仲介手数料の額も低くなるためです。
せっかく資金や労力を投じて販売活動に力を入れても、仲介手数料が受け取れない可能性があるうえ高額な仲介手数料も見込めないとなれば、不動産会社が販売活動に力を入れてくれないかもしれません。
それでも土地が売れない場合の対処法
ここまでで紹介した対策を講じても、土地が売れない場合もあります。
対策を講じてもなお土地が売れない場合は、ここで紹介する3つの方法を検討してください。
- 不動産買取を検討する
- 無償での譲渡や寄付を検討する
- 相続土地国庫帰属法の利用を検討する
不動産買取を検討する
1つ目は、「不動産買取」を検討することです。
不動産買取とは、不動産会社に土地の買主を探してもらうのではなく、不動産会社に直接土地を買い取ってもらう取引形態です。
市場で売りにくい土地であっても、不動産買取であれば買い取ってもらえる可能性があります。
ただし、不動産買取による売買価格は市場での価格の6割から8割程度となることが一般的であり、高値での売却が期待できる取引形態ではありません。
無償での譲渡や寄付を検討する
2つ目は、無償での譲渡や寄付を検討することです。
土地は、所有しているだけでも毎年の固定資産税がかかります。
また、住宅地である場合は草木の剪定などをしないと近隣に迷惑がかかる可能性があり、定期的なメンテナンスにも手間がかかります。
そのため、土地が一向に売れない場合は土地を手放すことを優先し、無償譲渡や寄付が選択肢の1つとなります。
ただし、無償譲渡や寄付をするには相手方の承諾が必要であり、一方的に申し出たからといって相手にその土地を引き取る義務が生じるわけではありません。
隣地の所有者やその土地が所在する市区町村など、土地を引き取ってくれそうな相手に優先的に打診するとよいでしょう。
相続土地国庫帰属法の利用を検討する
その土地が自分で購入した土地などではなく相続で受け取った土地である場合は、「相続土地国庫帰属法」の検討が選択肢に入ります。
相続土地国庫帰属法とは、相続した「要らない土地」を、強制的に国に引き取ってもらえる制度です。
ただし、建物がある土地や土壌汚染のある土地は引き取れないなどの要件があるほか、国庫に帰属させるために一定の負担金を支払わなければなりません。
そのため、あくまでも最終的な選択肢として考えるようにしてください。
まとめ
土地が売れない理由は、その土地の条件がよくないことや売出価格が高すぎること、不動産会社に起因するものなどさまざまです。
売り出している土地がなかなか売れない場合は、なぜその土地が売れないのか理由を検討することから始めてください。
その理由によって講じるべき対策が異なるためです。
早くよりよい条件で土地を売るには、その土地の売却に強い不動産会社に売却を依頼することがカギとなります。
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おうちクラベルとは、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する不動産一括査定です。
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