マンションを早く高く売却するコツとは？注意点や流れを解説

マンションをできるだけ早く、高く売却するにはコツを押さえておく必要があります。売却の基本的な流れや事前にどのような準備を行うべきかをこの記事では詳しく解説します。

マンション売却の流れ

マンションを売却するときに「早く売りたい」「できるだけ高く売りたい」といった希望を叶えるためには、売却を進めるときの全体的な流れを良く把握しておく必要があります。マンション売却の一般的な流れとしては、次の手順で行われます。

1. 情報収集
2. 査定
3. 媒介契約
4. 売却活動
5. 売買契約
6. 引き渡し

各手順をきちんと行っていくことが大切ですが、特に不動産会社の選定とどの契約形態で媒介契約を結ぶかがカギとなります。マンションを売却するときの基本的な手順について、ステップごとに解説します。

情報収集

マンションの売却を検討するときは、どれくらいの金額で売却できるのかを把握することが重要です。しかし、いきなり不動産会社に問い合わせを行っても、提示された査定額が妥当なものであるかの判断をつけづらい部分があるでしょう。

不動産の相場はインターネットを通じて自分で調べることが可能であり、大まかな目安を把握していれば、不動産会社の担当者とのやりとりもスムーズになるはずです。調べる方法としては、国土交通省が運営している「土地総合情報システム」や不動産流通機構が運営している「レインズ・マーケット・インフォメーション」を活用してみると良いでしょう。

土地総合情報システムは土地取引に強みをもっているため、マンションの取引を調べるにはレインズ・マーケット・インフォメーションのほうをメインで調べてみるのがおすすめです。調べたいエリアを入力して価格や間取り、築年数などさまざまな条件から取引事例を検索できます。

示される情報は実際に取引が行われた価格であるため、類似した取引情報を参考にすることで、売却価格の目安を立てやすくなるでしょう。マンションの場合は取引事例が多いため、多くの事例を比較して検索してみてください。

査定

売却予定のマンション価格の目安を把握したら、実際に不動産会社を通じて査定を依頼してみましょう。基本的に不動産査定は無料で行ってもらえますが、「机上査定」と「訪問査定」の2種類があるため注意が必要です。

それぞれの査定方法の違いをまとめると、次のとおりです。

査定方法の違いを踏まえたうえで、不動産会社に問い合わせてマンションの査定を行ってもらいましょう。ただし、1社ずつ個別に査定依頼を行うのは手間や時間がかかり、効率が悪い面もあります。

不動産の一括査定サイトを利用すれば、物件情報などを入力するだけで、同時に複数の不動産会社に査定依頼を行えるため便利です。多くの会社の査定結果を比較することで、査定額が妥当なものであるかの判断もしやすいでしょう。

また、査定結果には査定額だけでなく、売り出し価格の目安や類似した取引事例などの情報が記載されているため判断材料として役立ちます。不明な点は直接問い合わせるなどして、売却希望額や売却したい時期などを決めていきましょう。

媒介契約

査定結果から気になる不動産会社をみつけたら、仲介業務を依頼するために媒介契約を結びます。媒介契約は大きく分けて3種類あり、それぞれ特徴が異なるため基本的なポイントを押さえておきましょう。

上記のように、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約では、契約できる会社の数や売主への業務報告の義務などが異なります。売却しようとする物件に合った契約形態を選ぶことが大切です。

たとえば、築浅物件や駅近物件であれば、一般媒介契約を選ぶことで多くの会社が競い合って売却活動を進めてくれます。そのため、相場よりも高い価格で売却できる可能性があり、メリットを得られやすいといえるでしょう。

一方、築年数が古い物件の場合は仲介業務を1社に任せて、積極的に売却活動を進めてもらうほうが良いといえます。専任媒介契約や専属専任媒介契約であれば、レインズに登録したり売主へ定期的に報告したりする義務が不動産会社に課せられるため、売却活動がどのように進んでいるのかを把握しやすくなります。

媒介契約ごとの特徴をきちんと押さえたうえで、どれが一番自分に合っているかを精査してみましょう。

売却活動

不動産会社と媒介契約を締結したら、マンションの売却活動がスタートします。売り出し価格については、不動産会社の担当者と良く話し合って、相場と照らし合わせながら検討してみましょう。

相場から大きく外れた価格を設定しても、なかなか購入希望者を集めることができないため注意が必要です。値引き交渉のことも考えて、相場の10～20％ほど高い価格で設定しておくとその後の売却活動をスムーズに進めやすくなるでしょう。

売却活動そのものは不動産会社が進めてくれるものであるため、売主自身が何かをしなければならないわけではありません。しかし、不動産会社に任せきりにするのではなく、担当者とのコミュニケーションをしっかり取ってどのように売却活動が進んでいるのかをチェックしてみましょう。

売買契約の締結

購入希望者が現れたら内覧対応を行って、どのような物件であるかをアピールしましょう。内覧日にスムーズにやりとりを行うためにも、きちんと清掃を行い、相手の質問に丁寧に答えることが大切です。

購入の意思を確認してから、売買契約を交わします。売買契約書の作成は不動産会社の担当者が行ってくれますが、内容について細かくチェックすることが重要です。物件に何か不具合がある場合は、後からトラブルになることを防ぐために、どのような対応を行うのかを含めて契約書に盛り込んでおきましょう。

また、不動産の売却にあたってはさまざまな費用がかかるため、事前に費用の内訳などを担当者に確認しておくことも大事です。売買契約書を交わす段階で、気になる点が残らないようにすることを意識してみてください。

引き渡し

売買契約書で取り決めた引き渡し日に、代金の決済と物件の引き渡しを行います。売主・買主・司法書士・不動産会社の担当者が集まって、必要な手続きを進めていく流れです。

司法書士などの指示に沿って手続きを進めれば問題ないため、1つひとつの手続きを丁寧に行っていきましょう。代金の振り込みを確認し、買主に引き継ぐ書類を渡したら売却活動は完了です。

マンション売却に要する期間

マンションを売却するまでにかかる期間は、一般的に4～6ヶ月程度といわれています。実際にどの程度の期間がかかるかは、売却をするタイミングや物件の状態、市場環境などが影響しますが、目安となる期間を把握しておくとスムーズです。

売り出し前・売却活動中・売り出し後の各ステップに分けると、それぞれの目安となる期間は以下のとおりです。

特に大きな割合を占めるのが売却活動中の期間ですが、なかなか買主がみつからないときは、売り出し価格を見直すなど必要な対応を行うことが大切です。そのためにも、普段から担当者と円滑なコミュニケーションを取っておきましょう。

マンション売却に要する費用

マンションを売却するときには、仲介手数料や印紙税などさまざまな費用がかかります。一般的には、売却価格の5～10％程度の費用がかかるといわれています。

費用の内訳についてまとめると、次のようになります。

上記のように多くの項目で費用がかかり、現金での決済が必要なものが多いといえます。支払うタイミングや必要な金額などを正しく把握するために、不明な点は担当者に尋ねるなどして準備を整えておきましょう。

マンションを早く高く売却するためのコツ

マンションを自分の希望に沿った形で売却するには、いくつかのコツを押さえておくことが大切です。ここでは、どのような点に気をつけておくべきかを解説します。

複数の不動産会社へ査定を依頼する

マンションの査定額は、査定する不動産会社によって金額が異なります。同じ物件であっても、会社によってマンションの売買を得意とするところもあれば、そうではない会社もあるからです。

そのため、マンションの取引実績が豊富な会社に査定依頼を行ってみると、納得できる価格を提示してもらいやすくなるでしょう。また、はじめから1社に絞り込んでしまうのではなく、複数の会社に査定を行ってもらい比較することが大切です。

効率良く査定を行ってもらいたいと考えるならば、不動産の一括査定サイトを活用してみましょう。多くの会社から査定結果を受け取ることで、自分に合った会社をみつけられるはずです。

信頼のできる不動産会社を選ぶ

マンションの査定額はあくまで目安であるため、実際にその価格で売却できるとは限りません。そのため、査定額が一番高い不動産会社に仲介業務を任せれば良いというものではなく、熱心に売却活動に取り組んでくれるのかを見極めてみましょう。

評判の良い会社であっても、実際に売却活動を行うのは担当者であるため、どのような対応を行ってくれるのかをチェックすることが大切です。売却にあたって気になることは遠慮をせずに質問して、丁寧に答えてくれる担当者であるかを確かめてみてください。

媒介契約の種類の違いを把握する

不動産会社に仲介業務を依頼するときは、媒介契約を締結する必要があります。一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があるため、それぞれの違いをきちんと把握して適切なものを選んでみましょう。

築年数が古く、売りづらい物件であれば専任媒介契約か専属専任媒介契約を選んでみると良いでしょう。1社しか契約を結べないという点はありますが、その分熱心に売却活動を進めてもらえる可能性が高くなるため、早期の売却に結びつきやすくなるはずです。

内覧前に室内を整理しておく

購入希望者が内覧時に受けた印象は、その後の購入意思の決定に大きな影響を与えます。そのため、内覧時の対応を丁寧に行うことが、スムーズな売却につながるといっても良いでしょう。

内覧日に向けて室内の清掃を行い、必要に応じてハウスクリーニングを実施するなどして、印象を良くしていくことが大事です。また、内覧日の日程を調整するときは、できるだけ購入希望者の都合に合わせたほうが良い印象を与えられるといえます。

値引き交渉を予測した売却価格を設定する

中古マンションを売却する際は、買主から値引きを提案されることもめずらしくありません。逆にいえば、値引きに応じれば売却できる可能性が高いため、どれくらいの金額までなら応じることが可能かを良く決めておく必要があります。

実際に値引き交渉が行われてから金額を決めようとすると損をする場合もあるため、売り出し価格を決める際に設定しておくほうが無難です。相場の10～20％ほど高い売り出し価格にしておけば、いざ値下げを行うときにもスムーズに対応しやすいでしょう。

不動産会社を選ぶポイント

売却活動の成否は、パートナーとなる不動産会社選びに左右される部分が大きいといえます。どのような基準で信頼できる不動産会社を選ぶべきか、基本となるポイントを紹介します。

法令を遵守している

まず不動産にまつわる法令を遵守している会社を選ぶことが大切です。過去に行政処分などが多く行われている会社であれば、トラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。

不動産会社は宅建業免許番号というものが与えられており、複数の都道府県で営業を行っている会社であれば「国土交通大臣免許（8）〇〇号」といった番号をホームページなどに掲げているはずです。カッコ内の数字は免許の更新回数によって増えていくため、数字が大きい会社ほどそれだけ長く事業を行っていることが分かります。

国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」では、必要な項目を入力すれば簡単に宅地建物取引業者の情報を検索できるため活用してみましょう。

売却の実績が豊富

マンションをできるだけ高く売却したいときは、すでに多くの取引実績がある会社に仲介業務を依頼するほうが良いといえます。自信のある会社であれば、ホームページやパンフレットなどで積極的に情報発信を行っているでしょう。

ほかの会社と比較したうえで、売却活動に向けた熱心な提案を行ってくれる不動産会社を選んでみましょう。

営業担当者の対応が良い

会社としての実績や評判は大事ですが、売却活動を担当してくれる方の能力がどの程度であるかを見極めることも重要です。たとえ実績のある会社であっても、担当者によって対応に差が出るため、場合によっては売却活動が思うように進まないというケースもあります。

媒介契約を結ぶ段階で担当者の能力が見極められれば良いですが、すでに契約を結んでいる場合は担当者の変更を申し出てみると良いでしょう。それでも改善がみられないときは、ほかの会社と改めて契約を結ぶなどして柔軟に対応していくことが大事です。

マンション売却時の注意点

マンションを売却する際に特に気をつけておきたいポイントを3つ紹介します。希望に沿った形で売却活動を進めるためにも、念頭に置いておくことが大切です。

マンションの価格相場を知る

マンションの売却を進めるにあたって、どの程度の金額で売却できるのかを売主自身も把握しておく必要があります。不動産の一括査定サイトなどを利用すれば、大まかな売却金額の目安が分かりますし、周辺エリアの相場を把握するのに役立ちます。

相場についてある程度把握しておかなければ、不動産会社から提示された金額や買主が値下げ交渉をしてきたときの金額が妥当なものであるかの判断がつきづらくなります。インターネットを通じて、日頃から情報収集を行ってみましょう。

査定額だけで不動産会社を選ばない

高い査定額を提示してくる会社が良いところだとは限りません。査定額は相場をもとに計算されるものであるため、会社によって極端な違いは出づらい部分があります。

会社の実績や担当者の提案内容などから、提示された査定額にきちんと根拠があるのかを総合的に判断してみましょう。不明な点は質問するなどして、担当者の能力を見極めることも大切です。

時間に余裕をもって売却活動をする

物件によっては売却が完了するまで、長い期間を要してしまう場合があります。しかし、売り急いでしまうと相場よりも低い価格で売却しなければならないケースもあるため注意が必要です。

できるだけスケジュールに余裕をもって売却活動を進めたほうが、満足のいく結果を得やすいといえるでしょう。

マンション売却は事前準備が大切

マンションを早く、高く売却するには事前準備がとても大切です。焦って売却しようとしても思うようにいかないところがあるため、これまで紹介した内容を踏まえたうえで売却活動に取り組んでいくことが大事だといえます。

売却したい時期や売却方法などをきちんと整理し、自分に合ったペースで進めていきましょう。また、売却活動の成否は不動産会社選びも大きく関わってくるため、多くの会社を比較して検討してください。

売却のスケジュールを決める

不動産会社と媒介契約を結び、売却活動を始めてからどれくらいの期間で売れるかは、物件の状態や市場のニーズによって異なります。しかし、いつまでに売却したいかによって売却方法や売却活動の方向性は違ってくるため、売主の希望を決めておくことも重要です。

特に住み替えを行うときには、売却したいタイミングから逆算して、売却活動を始める時期などをある程度予測できます。希望する時期を明確にしたうえで、不動産会社の担当者とも相談をして売却のスケジュールを決めてみましょう。

仲介と買取のどちらにするかを選ぶ

マンションを売却する方法として、不動産会社に仲介業務を依頼する方法のほかに、買取を依頼するという選択肢もあります。買取の金額は市場価格の7割程度となりますが、仲介手数料がかからないため、早期に売却したいときには検討してみるのも良いでしょう。

不動産会社に直接買い取ってもらう場合、新たに買主をみつける必要がないため、条件面や金額が折り合えばすぐに売却できます。ただし、すべての物件が買取対象というわけではないため、買取を希望するときは早めに相談することを心がけてみましょう。

必要となる書類をそろえる

マンションの売却をスムーズに進めるには、売却に必要な書類をあらかじめ用意しておくことが大切です。書類のなかには準備をするまでに時間がかかるものもあるため、早めに取りかかっておいたほうが売却活動を円滑に進めやすくなります。

マンションの売却で必要になる書類としては、次のものが挙げられます。

多くの書類が必要になるため、手元にどの書類があるかを確認しておきましょう。また、どのタイミングで書類が必要になるかを不動産会社の担当者に尋ねておくとミスや不備を防ぐことができます。

マンションを上手に売却するコツは不動産会社選びにある

マンションを希望どおりの金額や時期に売却するには、売却手順をしっかり押さえておく必要があります。積極的にコミュニケーションが取れる不動産会社を選んでおくと、何か気になることがあっても相談しやすいため、安心して売却活動を進めることができます。

実際に問い合わせや質問などをしてみて、担当者との相性なども含めてチェックしていく必要があります。また、媒介契約の種類や売却にかかる費用なども把握しておくことが大事です。

マンションの売却を上手に進めるコツとして、不動産の一括査定サイトを活用してみましょう。複数の会社のなかから自分に合ったところを見つけやすいので、マンションの売却を効率的に進めやすくなるはずです。

Q.マンションを早く売却したいのですが、コツはありますか？
A.コツは5つです。「複数の不動産会社へ査定を依頼する」「媒介契約の種類の違いを把握する」「信頼のできる不動産会社を選ぶ」「値引き交渉を予測した売却価格を設定する」「内覧前に室内を整理しておく」5つを押さえれば確実に早く売れるとは限らないですが、早く・高くを実現するにはこの5つは重要なポイントになるでしょう。

Q.マンション売却で注意すべき点はありますか？
A.まずは、相場感をきちんと把握しましょう。次に、査定額だけで不動産会社を選ぶのはやめたほうが良いです。査定額で必ず売れるわけではないためです。また、余裕がないスケジュール感での売却検討は最善の選択を取れない可能性があるため、避けたほうが良いでしょう。

おうちクラベル編集部

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