売却しようとするマンションが定期借地権マンションである場合、売れないのではないかと心配になるかもしれません。
定期借地権マンションは、通常のマンションとどのような点が異なるのでしょうか?
また、定期借地権マンションを売却するには、どのようなコツがあるでしょうか?
今回は、定期借地権マンションの特徴やメリット・デメリット、定期借地権マンションの売却を成功させるコツなどについて詳しく解説します。
定期借地権マンションとは
定期借地権マンションとは、「定期借地契約」を締結することで、敷地を他者から借りているマンションです。
通常のマンションでは、各部屋の所有者(「区分所有者」といいます)が敷地の権利を有しています。
そして、区分所有者がマンションを売却する際は、各部屋の権利と、これと一体となっている敷地の権利(「敷地権」といいます)をセットで売却することとなります。
そのため、敷地も「自分たちのもの」であり、当然ながら使用期間の制限などはありません。
一方、定期借地権マンションでは、区分所有者が敷地の所有権を有しておらず、賃料を支払って他者から借りています。
借地権には「普通借地権」と「定期借地権」があり、このうち定期借地権は更新がない借地権です。
定期借地権の存続期間は50年以上であり非常に長期であるものの、あらかじめ設定した契約期間が満了したら土地を更地にしたうえで、所有者に返還しなければなりません。
鉄筋コンクリート造であるマンションの耐用年数(通常のメンテナンスをした場合に本来の用途で使用できるとされる年数)は47年であるため、50年程度の定期借地権方式でマンションを建築することには、一定の合理性があるといえます。
なお、地主との合意ができる場合、契約満了後に新たに定期借地契約を結び直したり新たに普通借地契約を締結したりすることは可能です。
とはいえ、地主側に新たに契約を締結する義務があるわけではないうえ、あえて定期借地権方式で土地を貸した地主が新たな契約に応じる可能性は未知数であるため、これに過度に期待することはおすすめできません。
そのため、「契約満了とともにそのマンションには住めなくなる」ことを前提に、売却の計画や住み替えの計画を立てる必要があります。
定期借地権マンションにはこのような特徴があるため、売主の希望どおりに売れないかもしれません。
そのため、売却にあたっては信頼できる不動産会社のサポートを受けて進めることをおすすめします。
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定期借地権マンションのストック件数
日本に、定期借地権マンションはどの程度あるのでしょうか?
不動産に関する統計データを多く有している東京カンテイが2023年7月31日に公表したプレスリリース「定期借地権分譲マンションのストック数」によると、2022年12月末日時点における定期借地権分譲マンションのストック数は、全国で657棟(33,915戸)とのことです。
契約期間の満了した定期借地権マンションはまだ存在しない
定期借地権マンションは、1992年8月に施行された「借地借家法」により新たに誕生しました。
定期借地権の契約期間は50年以上でなければならず、1992年8月からはまだ50年が経過していないため、実際に契約期間を終えた定期借地権マンションはまだ日本に存在していません。
そのため、今後契約期間が近づくにつれて、定期借地権マンションのデメリットが顕在化してくる可能性があります。
定期借地権マンションを所有している場合、契約期間の満了までに余裕がある今のうちに売却を検討することをおすすめします。
定期借地権マンションと一般のマンションの違い
定期借地権マンションと一般のマンションの主な違いは、次のとおりです。
定期借地権マンション | 一般のマンション | |
---|---|---|
居住可能期間 | 定期借地権の契約期間による(50年以上) | 制限なし |
契約期間満了時の対応 | 建物を取り壊し、更地にして地主へ返還する | - |
地代支払いの要否 | 必要 | 不要 |
土地分の固定資産税の負担 | なし | あり |
取引相場 | 一般のマンションの6割~7割程度 | 一般的な相場 |
解体積立金の負担 | あり | なし |
住宅ローンの組みやすさ | 組みにくい | 一般的 |
中でも、居住可能期間や契約期間満了時の対応、住宅ローンの組みやすさの違いが、定期借地権マンションが売りづらい要因となる可能性があります。
このように定期借地権マンションは一般のマンションとは大きく異なる特徴があるため、希望の条件では売れない可能性があります。
そのため、実際に売却する際は、そのマンションの売却ノウハウを有する不動産会社に相談しながら売却を進める必要があります。
その定期借地権マンションの売却ノウハウを持つ不動産会社をお探しの際は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
定期借地権マンションの主なメリット
定期借地権マンションには、どのようなメリットがあるでしょうか?
ここでは、3つのメリットを解説します。
- リーズナブルである
- 好立地であることが多い
- 土地分の固定資産税などがかからない
このようなメリットをアピールすることで、定期借地権マンションが売れやすくなる可能性があります。
リーズナブルである
1つ目は、定期借地権マンションはリーズナブルである点です。
先ほど紹介した表でも記載したように、定期借地権マンションは一般のマンションと比較して6割から7割程度の価格で取引されることが一般的です。
好立地であることが多い
定期借地権マンションは、好立地であることが少なくありません。
地主の視点で見ると、定期借地権マンションは契約期間の満了時に土地が更地で戻ってきます。
そのため、好立地の土地を手放さずに運用したい地主が、投資手法の1つとして定期借地権マンションを選ぶ可能性があるためです。
土地分の固定資産税などがかからない
定期借地権マンションは、土地分の固定資産税や都市計画税がかかりません。
特に都心部など地価の高い地域では、この点が大きなメリットとなり得ます。
その定期借地権マンションのメリットを見つけて買主にアピールするには、そのマンションの売却に強い不動産会社によるサポートが不可欠です。
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定期借地権マンションが売れない理由とデメリット
定期借地権マンションにはメリットがある一方で、デメリットも少なくありません。
このデメリットが原因で、売主が希望する条件では売れない可能性もあります。
ここでは、定期借地権マンションが売れない原因となり得る主なデメリットを3つ紹介します。
- 希望する期間中住めない可能性がある
- ローンが組みにくい
- ランニングコストが高くなりやすい
希望する期間中住めない可能性がある
1つ目のデメリットは、買主が希望する期間中、その定期借地権マンションに住めない可能性があることです。
先ほど解説したように、定期借地権マンションは契約期間の満了後、原則としてマンションを取り壊して土地を地主へ返還しなければなりません。
そのため、買主が購入後50年程度は住みたいと考えているにもかかわらず、定期借地権の残存期間が20年しかない場合、購入の選択肢から外れてしまいます。
ローンが組みにくい
2つ目のデメリットは、定期借地権マンションでは、買主がローンを組みにくい傾向にあることです。
定期借地権マンションは、担保価値が低く見積もられやすい傾向にあります。
そのため、買主がローンを組める額が少なくなり、多くの頭金を求められる可能性があります。
また、金融機関としてはローンを組む以上、その対象となる物件に抵当権(担保)を付けたいと考えることが一般的です。
そこで、一定期間後に取り壊されることが前提である定期借地権マンションでは取り壊しまでにローンを完済する必要が生じ、定期借地権の残存期間がローンを組める期間の上限となります。
そのため、買主が希望するとおりにローンが組めず、これが原因でマンションが売れない可能性があります。
ランニングコストが高くなりやすい
3つ目のデメリットは、定期借地権マンションはランニングコストが高くなりやすいことです。
定期借地権マンションは、地主に対して借地料として地代を支払い続けなければなりません。
また、解体費用の積み立ても必要です。
住宅ローンや管理費などと併せてこれらを支払い続ける必要があることから、月々の支払額が膨らみやすいため、これが原因で成約に至らないかもしれません。
定期借地権マンションにはこのようなデメリットがあるため、希望する条件で売れない可能性があります。
自身の所有する定期借地権マンションがどの程度の価格で売れるか知りたい場合は、不動産一括査定である「おうちクラベル」をご活用ください。
複数の不動産会社による査定額を比較することで、その定期借地権マンションがどの程度の価格で売れるのかの見通しが立てやすくなります。
定期借地権マンションを売却するポイント
定期借地権マンションを売却したい場合、どのようなポイントを踏まえればよいでしょうか?
ここでは、定期借地権マンションの売却を成功させるためのポイントを2点解説します。
- できるだけ早く売りに出す
- そのマンションの売却に強い不動産会社に依頼する
できるだけ早く売りに出す
定期借地権マンションの売却を成功させたい場合、できるだけ早期に売り出すことが重要です。
定期借地権マンションは居住できる期間が決まっており、早めに売りに出すことで買主が使用できる期間が長くなるためです。
たとえば、定期借地権の残存期間が10年しかない場合は売却が難しくなる可能性が高い一方で、残存期間が20年ある場合は高齢夫婦など一定の層による購入を見込むことが可能となります。
残存期間が40年など長期である場合は、比較的若い層にも選んでもらえるかもしれません。
このように、借地権の残存期間が長いほど買主の選択肢が拡がり、よりよい条件で定期借地権マンションを売却できる可能性が高くなります。
そのマンションの売却に強い不動産会社に依頼する
定期借地権マンションの売却を成功させるには、その定期借地権マンションの売却に強い不動産会社に売却を依頼することも重要なポイントとなります。
その定期借地権マンションの売却ノウハウを有する不動産会社は、独自の販売ルートや販売戦略を持っている可能性が高いためです。
このような不動産会社に売却を依頼することができると、売りづらいとされる定期借地権マンションであってもよい条件で売却できる可能性が高くなります。
しかし、どの不動産会社がその定期借地権マンションの売却ノウハウを持っているか、外部から判断することは容易ではありません。
そこでおすすめなのが、東証プライム上場企業のSREホールディングスが運営する「おうちクラベル」のご活用です。
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定期借地権マンションの売却に関するよくある疑問
最後に、定期借地権マンションの売却に関するよくある疑問とその回答を紹介します。
売却にあたって地主への承諾は必要?
戸建ての敷地が借地である場合、戸建てを売却するにあたっては地主の承諾が必要となることが一般的です。
では、定期借地権マンションを売却する場合、地主の承諾を得る必要はあるでしょうか?
地主と締結している契約の内容にもよるものの、定期借地権マンションの売却するにあたっては、地主の承諾が必要となることが一般的です。
地主の承諾が必要であるにもかかわらず、承諾を得ないままマンションを売却してしまうと、地主から定期借地契約を解除されるおそれがあるため注意が必要です。
また、金融機関が買主との間でローン契約を締結するにあたっては、地主による借地権譲渡承諾書を求めることが少なくありません。
この点からも、定期借地権マンションの売却では地主の承諾が必要です。
地主にスムーズに承諾を得ることができないと、マンションの売却が頓挫することになりかねません。
定期借地権マンションの場合は、日ごろから地主と良好な関係を築くようにしてください。
地主へ支払う承諾料の相場は?
定期借地権マンションの売却にあたって地主から承諾を得る際は、地主に対して承諾料などを支払う必要があるでしょうか?
これは、その定期借地権マンションによって異なり、ケースバイケースです。
地主の承諾料については、その定期借地権マンションを購入した際に取り交わした定期借地契約書に記載されていることが多いため、これを確認してください。
承諾料が必要となる場合、買主ではなく売主が負担することが一般的です。
承諾料の金額によっては売却後の資金計画に支障が出るおそれがあるため、承諾料の有無や金額について契約書などであらかじめ確認しておくとよいでしょう。
このように、定期借地権マンションの売却では、不明点が少なくないと思います。
そのため、実際に売却するにあたっては定期借地権マンションの売却ノウハウを持つ不動産会社に依頼し、相談をしながら売却を進めるようにしてください。
定期借地権マンションの売却に強い不動産会社をお探しの際は、「おうちクラベル」をご活用ください。
おうちクラベルでは、全国展開する大手不動産会社のほか、地元を中心に活動する中小の不動産会社とも多く提携しているため、そのマンションの売却ノウハウを持つ不動産会社と出会いやすくなります。
まとめ
定期借地権マンションは、あらかじめ取り決めた契約期間の満了時に、建物を取り壊して土地を地主に返還すべきとされているマンションです。
定期借地権には更新がなく、原則として契約期間が伸長されることがありません。
このような特徴から、定期借地権マンションはリーズナブルであるなどのメリットがあります。
一方で、定期借地権の残存期間が短くなるにつれて希望する条件では売れない可能性が高くなることが大きなデメリットです。
そのため、定期借地権マンションの売却は、定期借地権に十分な残存期間があるうちに行うようにしてください。
その定期借地権マンションの売却ノウハウを持つ不動産会社に依頼することで、売却が成功する可能性を高めることが可能となります。
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